第46回日本女子ソフトボール1部リーグ第8節が、愛知県刈谷市、兵庫県尼崎市、大分県大分市の3会場において開催された。今節、刈谷大会、尼崎大会は順調に予定された日程を終了したが、大分大会の初日に予定されていた試合が、雨天のため中止・順延。この日中止となった試合は、予備日(7日(月))へと順延される形でスケジュールが変更された。
第8節では、前節まで14勝1敗と単独首位を走る王者・トヨタ自動車が、「星1つ差」で追いかける2位・ルネサスエレクトロニクス高崎との「直接対決」を制し、単独首位の座をがっちりとキープ。また、決勝トーナメント進出をかけた「上位争い」も、豊田自動織機、デンソー、日立の3チームがともに今節1勝1敗と、星を分け合う結果となり、豊田自動織機、デンソーが通算11勝6敗で変わらず同率3位を並走。これを通算10勝7敗の日立が5位で追いかける展開となった。一方、「1部生き残り」をかけた戦いも、1試合ごとに各チームの順位が変動する混戦模様が続き、この第8節終了時点では、戸田中央総合病院、シオノギ製薬の2チームが通算5勝12敗と大きく負け越し、入替戦圏内。シーズンもいよいよ残すところあと2節となり、こちらの順位争いからも目が離せなくなってきた。
単独首位を走る王者・トヨタ自動車は、兵庫県尼崎市・ベイコム野球場において開催された尼崎大会に登場。初日の日立マクセル戦に、ナターシャ・ワトリー、鈴木美加、馬渕朝子、坂元令奈、長楓]未の5本のホームランを含む計15安打を浴びせる猛攻で13−1と圧勝すると、2日目は、「星1つ差」で2位につける“宿命のライバル”ルネサスエレクトロニクス高崎と激突。両者の「直接対決」に注目が集まったが、この試合では、満を持してモニカ・アボットを先発させたトヨタ自動車に対して、ルネサスエレクトロニクス高崎は上野由岐子の登板を回避。試合は、その上野由岐子に代わって先発投手に起用された黒川春華を、トヨタ自動車打線が攻め、2回表、知久幸未のライトオーバーのソロホームランで先制。4回表にも、二死一・二塁から渡邉華月のタイムリーツーベースなどで大きな2点を追加すると、5回表には、代わった中野花菜を攻め、知久幸未のこの試合2本目となる鮮やかなスリーランホームランで試合を決める3点を追加。守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットを4回で降板させる余裕の試合運びを見せ、最後は5回裏からリリーフした山根佐由里が3点を返されたものの、リードを守り抜き、この「直接対決」に6−3で快勝。2位・ルネサスエレクトロニクス高崎との差を「星2つ差」に広げ、単独首位の座を盤石なものとした。
愛知県刈谷市・刈谷球場において開催された刈谷大会には、決勝トーナメント進出をかけて熾烈な上位争いを続ける豊田自動織機、デンソー、日立の3チームが集結。「4強入り」を狙い、それぞれが熱戦を繰り広げた。初日の「注目カード」となった日立対デンソー戦では、日立がデンソーの先発・近藤光を攻め、序盤に山田恵里のタイムリーツーベース、林佑季のツーランホームランで3点をリード。このリードを、山中しほ、小薗美希の投手リレーで守り抜き、3−2で接戦に勝利。今節は日立がこの勢いで連勝を飾り、一気に順位を上げるかと思われたが、2日目のSGホールディングスグループ佐川急便戦で、延長8回タイブレーカーの末にまさかのサヨナラ満塁ホームランを浴び、2−6の敗戦。同じく上位を争うライバル同士の対戦となった、2日目の「注目カード」デンソー対豊田自動織機の“刈谷ダービー”では、デンソーが初回、「難敵」ケイラニ・リケッツからメーガン・ウィギンズの2点タイムリーで貴重な先制点を奪い、試合の流れをつかむと、このリードを先発・近藤光、リリーフしたジョーダン・テーラーが最後まで守り抜き、2−0の完封勝利。豊田自動織機、デンソー、日立の3チームがともに今節を1勝1敗で終え、前節終了時と順位は変わらず、豊田自動織機とデンソーが通算11勝6敗で同率3位を並走。日立は通算10勝7敗と「星1つ差」の5位で依然この2チームを追いかける形となった。
また、刈谷大会では、今回“新たな試み”も行われ、長年、刈谷大会のケーブルテレビ中継を行ってきた、地元・刈谷市のケーブルテレビ「キャッチネットワーク」の全面的なご協力、映像提供のもと、Ustream(ユーストリーム)を使用したインターネット生中継を実施。日本国内だけではなく、「海外」にも視野を広げ、よりたくさんの人々に日本のトップリーグをアピールしようと、世界各国のソフトボールファンに向けて各試合が動画配信された。※なお、今回のインターネット生中継には、世界各地から多くのアクセスがありました。来年度以降も刈谷大会におきましては、Ustream(ユーストリーム)を使用したインターネット生中継を予定しております。
大分県大分市・大分別大興産スタジアムにおいて開催された大分大会には、前節終了時点で通算4勝11敗の11位と崖っぷちの状況にあり、「1部生き残り」へ負けられない戦いが続く戸田中央総合病院が登場。今節初戦となったぺヤング戦では、1−1の同点で迎えた4回表、萩原瑠美の2点タイムリーツーベースで勝ち越しに成功し、続く5回表には、渡辺瞳がトドメのスリーランホームランを放ち、6−1で快勝。今節連勝の期待が高まったが、翌日の太陽誘電戦に、4回表、太田あゆみのソロホームランで「先手」をとったものの、その裏、先発・田家由里、代わった五味彩華が4安打を集中され、あっという間に3点を失い、1−3の逆転負け。今節勝ち星を1つ増やしたが、“入替戦圏内”から脱出するまでにはいたらず、残り2節の戦いにすべてをかけることになった。
この他、第8節では、6位グループにつけるHonda、太陽誘電、ぺヤングの3チームが今節をともに1勝1敗で終え、前節と順位は変わらず、通算7勝10敗の同率6位。この3チームに、今節1勝1敗のSGホールディングスグループ佐川急便が通算6勝11敗の9位で続く形となった。また、地元・尼崎大会で「連勝」を狙ったシオノギ製薬は、今節も勝ち星をつかめず、連敗。戸田中央総合病院と同じく通算5勝12敗で「入替戦圏内」の危機にある。また、残念ながら今シーズン限りでの廃部・活動停止が発表されている日立マクセルは、初日のトヨタ自動車戦で1−13の大敗を喫したものの、2日目のシオノギ製薬戦では“果敢な戦いぶり”を見せ、延長9回タイブレーカーにもつれ込む激戦を展開。9回表、「主砲」小野奈津子の勝ち越しのツーランホームランで決勝点を奪い、5−4で勝利を収め、苦しい戦いが続く状況にありながら、今シーズン3勝目を挙げた。
第46回日本女子ソフトボール1部リーグ、第8節終了時の全チームの勝敗は下記の通りで、第9節は10月12日(土)・13日(日)の両日、神奈川県横浜市・愛知県豊橋市・富山県黒部市において開催される。
第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第8節終了時点 全チーム成績 |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
トヨタ自動車 |
16 |
1 |
2位 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
14 |
3 |
3位 |
豊田自動織機 |
11 |
6 |
〃 |
デンソー |
11 |
6 |
5位 |
日立 |
10 |
7 |
6位 |
Honda |
7 |
10 |
〃 |
太陽誘電 |
7 |
10 |
〃 |
ペヤング |
7 |
10 |
9位 |
SGホールディングスグループ佐川急便 |
6 |
11 |
10位 |
戸田中央総合病院 |
5 |
12 |
〃 |
シオノギ製薬 |
5 |
12 |
12位 |
日立マクセル |
3 |
14 |
※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。 |