2013.10.14
 

 

第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ第9節

決勝トーナメント進出の4チームが決定!



4連覇を狙うトヨタ自動車は1位での決勝トーナメント進出が確定


デンソーも4位以上が確定! 2年連続決勝トーナメント進出!!



20年連続の決勝トーナメント進出を決めた豊田自動織機

  日立も「ホーム」横浜で決勝トーナメント進出をかけ、懸命の戦いを見せたが……



太陽誘電は原田、遠山の連続本塁打で日立に逆転勝ち!



ルネサスエレクトロニクス高崎は2位で決勝トーナメント進出



シオノギ製薬は左腕・岩田みゆきの好投で同率9位に並んだ



後半戦、投手陣の「軸」となっている戸田中央総合病院・五味彩華。今節も日立マクセル戦で完投勝利を挙げ、チームも同率9位に!



最後の最後まで「熱戦」は続く……

 
 
 


第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第9節 横浜大会
日立 vs 豊田自動織機
 


 第46回日本女子ソフトボール1部リーグ第9節が、富山県黒部市、神奈川県横浜市、愛知県豊橋市の3会場で開催された。
 今節、横浜大会、豊橋大会は順調に予定された日程(10月12日/土・13日/日)を終了したが、富山大会の初日、第1試合が6回終了時点で悪天候のため試合続行不可能となり、降雨ノーゲーム。この日中止となった3試合は、予備日(14日/月))へと順延された。

 第9節では、前節まで16勝1敗で単独首位を独走中の王者・トヨタ自動車が今節も快調に3連勝。通算成績を19勝1敗で星を伸ばし、1位で決勝トーナメント進出を決めた。
 同じく前節まで14勝3敗の2位につけていたルネサスエレクトロニクス高崎も今節3連勝で通算成績を17勝3敗とし、2位の座をキープ。こちらも2位での決勝トーナメント進出を確定させた(最終節残り2試合をトヨタ自動車が連敗し、ルネサスエレクトロニクス高崎が連勝して同率に並んでも、直接対決でトヨタ自動車が連勝しているため、トヨタ自動車の順位が上となる)。
 混戦の3位・4位争いは、横浜大会で同率3位の豊田自動織機と5位の日立が直接対決。豊田自動織機が日立との「死闘」を制し、20年連続の決勝トーナメント進出へ大きく前進した。翌日、第1試合で豊田自動織機が太陽誘電に勝ち、日立は残り試合全勝するしか道がなくなったが、ダブルヘッダーとなったこの日の試合で、第2試合のペヤング戦には勝利したものの、第3試合の太陽誘電戦で最終回まで1点をリードしながら、原田のどか、遠山佑奈に連続本塁打を浴び、まさかの逆転負け。決勝トーナメント進出の可能性が完全に消滅した(日立はこれで通算成績11勝9敗となり、第9節を終了し、14勝6敗で3位の豊田自動織機、13勝7敗で4位のデンソーが残り2試合を連敗し、日立が連勝したとしても、豊田自動織機には勝数で届かず、デンソーと同率に並んでも直接対決の得失点差でおよばず、順位を上回ることができない)。
 この結果、トヨタ自動車、ルネサスエレクトロニクス高崎、豊田自動織機、デンソーの4チームが最終節を待たずに決勝トーナメント進出を決めた。

 首位独走中、前人未踏の4連覇を狙う王者・トヨタ自動車は、愛知県豊橋市・豊橋市民球場で開催された豊橋大会に登場。今節初戦のシオノギ製薬戦で6本塁打を含む14安打と打線が爆発! 14−1と大勝し、17勝目を挙げた。
 翌日はダブルヘッダー。まずSGホールディングスグループ佐川急便戦で鈴木美加、ナターシャ・ワトリー、坂元令奈が2試合連続の本塁打を放つなど、10安打・11得点の猛攻。11−0で圧勝し、18勝目を挙げ、上位争いを演じているデンソー戦との「直接対決」でも、「絶対的エース」モニカ・アボットがデンソー打線をわずか2安打に抑え、坂元令奈の3試合連続本塁打などで3点を奪い、3−0の完封勝利。通算成績を19勝1敗まで伸ばし、1位での決勝トーナメント進出を決めた。

 前節まで11勝6敗の同率3位につけていたデンソーは、今節初日がダブルヘッダーとなり、まずSGホールディングスグループ佐川急便と対戦。3回裏、「チームリーダー」増山由梨のソロ本塁打で先制し、6回裏にも、1番・増山由梨が三遊間を破り、出塁すると、すかさず盗塁。一死後、3番・竹林綾香が四球で歩き、二死後、5番・メーガン・ウィギンズの二塁打で2点を追加。このリードを重藤恵理佳、ジョーダン・テーラーとつなぐ投手リレーで守り切り、3−0の完封勝ち。続くシオノギ製薬戦では、得意の「一発攻勢」で4本塁打を含む長打8本、17安打と打ちまくり、16−1で大勝。通算成績を13勝6敗まで伸ばした。
 翌日、首位・トヨタ自動車戦では、「超攻撃型チーム」の自慢の強力打線がトヨタ自動車の「絶対的エース」モニカ・アボットに完全に抑え込まれ、0−3の完封負けを喫したが、決勝トーナメント進出を争っていた日立が今節2敗を喫したこともあり、最終節を待たずに4位以上が確定。2年連続の決勝トーナメント進出が決まった。

 神奈川県横浜市・保土ケ谷・神奈川新聞スタジアムで開催された横浜大会には、決勝トーナメント進出を争う同率3位の豊田自動織機、前節まで5位、「ホーム」での今節で決勝トーナメント進出圏内への浮上を狙う日立が登場。
 まず初日第1日試合で豊田自動織機がペヤングと対戦。ペヤングが初回、豊田自動織機・ケイラニ・リケッツの立ち上がりを攻め、二死三塁から4番・岩本典子の三遊間を破るタイムリーで先制したが、3回裏、豊田自動織機が1番・狩野亜由美のレフトフェンス直撃のタイムリーツーベースで同点に追いつき、続く2番・洲鎌夏子のレフトスタンドへのツーランホームランで逆転。これで勢いづいた豊田自動織機打線が4本塁打を含む14安打の猛攻で10−1と大勝。通算成績を12勝6敗とし、この日の第3試合で日立との直接対決に臨んだ。
 日立の「ホーム」横浜での試合とあって、スタンドは日立のコーポレートカラー・オレンジ一色に染まり、大応援団が日立の勝利を願う中、試合は初回に豊田自動織機が先制。2つの四球で二死一・二塁のチャンスをつかみ、キャプテンとしてチームを引っ張る5番・国吉早乃花がレフト前にタイムリーを放ち、1点を先制すると、5回表には、二死走者なしから2番・洲鎌夏子が二遊間を破る安打で出塁し、3番・中森菜摘、4番・ジェニー・トッピングの連続四球で満塁とし、再び5番・国吉早乃花が三遊間を破るタイムリー。貴重な追加点を奪い、2点差にリードを広げた。
 豊田自動織機の先発・ケイラニ・リケッツの出来から見て、これで勝負あったかと思われたが、スタンドを埋め尽くし、必死の声援を送る大応援団の前で、「このまま終わるわけにはいかない……」と、日立が6回裏に反撃。一死から1番・林佑季が二遊間を破り、出塁すると、2番・西山麗が右中間を深々と破る三塁打。1点を返し、なお一死三塁のチャンスが続いた。続く3番・山田恵里のショートゴロで三塁走者・西山麗が果敢に本塁突入を試みたが、本塁タッチアウト。チャンスは潰えたかに見えたが、一塁走者・山田恵里が二盗を成功させ、再び得点圏に走者を進めると、4番・佐々木瞳が二遊間をしぶとく破る「執念」のタイムリー。満員のスタンドを沸かせ、同点に追いついた。
 7回表、日立は5回で一度降板した先発・山中しほをリエントリーで再登板させたものの、その山中しほが先頭打者に四球を与え、3番・中森菜摘の内野安打で無死一・二塁のピンチを招き、4番・ジェニー・トッピング、5番・国吉早乃花に連続タイムリーを浴び、万事休す。2−4で敗れ、決勝トーナメント進出が遠のく、手痛い8敗目を喫した。
 翌日、第1試合で豊田自動織機が太陽誘電に4−0で快勝し、通算成績が14勝6敗となったことで、日立は今節残り2試合を含め、最終節までの残り4試合を全勝でいくしか決勝トーナメント進出の可能性がなくなってしまった(日立が4位以上となる可能性は残り4試合を全勝し、最終成績を14勝8敗まで伸ばし、豊田自動織機が残り2試合を連敗し、同率で並んだ場合か、デンソーが残り3試合を3連敗し、最終成績が13勝9敗となり、勝ち星で上回るケースしかなくなったため。豊田自動織機には同率で並んだ場合、直接対決の勝敗は1勝1敗で得失点差で上回ることができるが、デンソーとは直接対決の勝敗は1勝1敗ながら得失点差で下回るため、勝ち星で上回るしか逆転の可能性がない)。
 第2試合、日立はペヤングに8−0で大勝したものの、第3試合の太陽誘電戦で最終回まで1点のリードを奪いながら、そこまで太陽誘電打線をわずか1安打に抑えていた山中しほが、5番・原田のどか、6番・遠山佑奈に「まさか……」の連続本塁打を浴び、1−2の逆転負け。この時点で日立の決勝トーナメント進出の可能性が消えた。

 富山県黒部市・宮野運動公園野球場で開催された富山大会には、前節まで14勝3敗の2位につけるルネサスエレクトロニクス高崎が登場。今節初日、第1試合の日立マクセル対戸田中央総合病院戦が6回終了時点で悪天候のため、試合続行不可能となり、降雨ノーゲーム。この日予定されていた3試合は、予備日(14日/月)に順延された。
 ルネサスエレクトロニクス高崎は、翌日のダブルヘッダー、まず「苦手」とする戸田中央総合病院と対戦。初回にエース・上野由岐子が守備の乱れ等もあり、1点を失い、終盤までリードを許す苦しい試合展開となったものの、6回裏、一死満塁から4番・峰幸代の犠牲フライで同点に追いつき、7回裏、一死満塁から1番・山本優がライト前にサヨナラ安打を放ち、2−1と辛勝。続くHonda戦も3回裏に1点を先制すると、エース・上野由岐子が被安打4・奪三振11の力投で守り切り、1−0の完封勝ち。
 今節最終戦となった日立マクセル戦も5−0で快勝し、今節3連勝。通算成績を17勝3敗とし、2位での決勝トーナメント進出を決めた。

 前節まで7勝10敗で並び6位グループにつけていたHonda、太陽誘電、ペヤングの3チームは、Honda、太陽誘電勝が2勝1敗で乗り切り、9勝11敗の同率6位と前節と同じ順位をキープしたものの、ペヤングが今節3連敗。通算7勝13敗の8位に順位を落とした。
 前節まで6勝11敗で9位につけていたSGホールディングスグループ佐川急便も今節3連敗で星を伸ばせず、5勝12敗で同率10位に並んでいた戸田中央総合病院、シオノギ製薬は、戸田中央総合病院が日立マクセルに4−2で勝利を収め、シオノギ製薬もSGホールディングスグループ佐川急便との直接対決に2−0の完封勝ち。先発に起用された岩田みゆきが期待に応え、被安打3の完封勝利。SGホールディングスグループ佐川急便、戸田中央総合病院、シオノギ製薬の3チームが通算成績6勝14敗の同率に並び、最終節に「入替戦圏内」からの脱出をかけ、「最後の決戦」に臨むことになった。
 残念ながら今シーズン限りでの廃部・活動停止がすでに発表されている日立マクセルは今節3連敗。通算成績は3勝17敗となった。
 最終節で「有終の美」を飾ることができるか、その戦いぶりにも注目したいところだ。

 第46回日本女子ソフトボール1部リーグ、第9節終了時の全チームの勝敗は下記の通りで、最終節となる第10節は10月19日(土)・20日(日)の両日、岩手県一関市・秋田県由利本荘市・山梨県甲府市において開催される。


第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第9節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 19
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 17
3位 豊田自動織機 14
4位 デンソー 13
5位 日立 11
6位 Honda 11
太陽誘電 11
8位 ペヤング 13
9位 SGホールディングスグループ佐川急便 14
戸田中央総合病院 14
シオノギ製薬 14
12位 日立マクセル 17

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。