第46回日本女子ソフトボール2部リーグ第5節(最終節)アドバンスセクションが、10月4日(金)〜6日(日)の3日間、岡山県新見市を会場に開催され、ホープセクションは10月5日(土)・6日(日)の2日間、茨城県古河市での開催予定であったが、大会初日があいにくの雨となり、中止・順延。この日予定されていた試合を予備日(7日/月)に順延し、5日(土)〜7日(月)の3日間の日程で開催された。
アドバンスセクションは、第4節終了時点で、9勝2敗と単独首位に立っていたNECアクセステクニカが、今節初戦の甲賀健康医療専門学校戦に2−1で辛勝。この日、1勝差の2位で追っていた東海理化が日本精工に0−5の完敗を喫したことで、アドバンスセクション1位通過への「マジック」を「1」とすると、翌日、地元・平林金属に9−2で圧勝し、1位での順位決定プレイオフ進出を決めた。
2位はCLUB北九州。大会最終日、すでに1位での順位決定プレイオフ進出を決めているNECアクセステクニカとの「死闘」を制し、10勝4敗で同率に並んだ東海理化を得失点差でかわし、2位に滑り込み、昨年に続く順位決定プレイオフ進出を決めた。
ホープセクションは、第4節終了時点でドリーム☆ワールドが8勝1敗、伊予銀行が8勝2敗という成績で最終節を迎え、雨のため、試合順が変更となったこともあり(5日/土曜日に予定されていた試合が予備日に順延されたため)、今節初戦が両チームの「直接対決」となり、伊予銀行が延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を制し、2−1で競り勝って単独首位に立った。
最終日、ドリーム☆ワールドもダブルヘッダーに連勝し、通算成績を10勝2敗まで伸ばし、伊予銀行の結果を待ったが、伊予銀行がYKKに11−2で大勝し、ホープセクション1位通過が決定。ともに10勝2敗の同率で全日程を終えたが、伊予銀行がドリーム☆ワールドとの直接対決に2勝していたため、リーグ規程で順位が上となり、伊予銀行の1位、ドリーム☆ワールドの2位が決定した。
■アドバンスセクション
第5節アドバンスセクションは、10月4日(金)〜6日(日)の3日間にわたり、岡山県新見市の新見市憩いとふれあいの公園新見ピオーネ球場・多目的広場の2会場で開催された。
第4節に続き、カネボウ化粧品小田原が、自社製品の自主回収問題で活動自粛。今節も出場を見合わせたため、予定されていた試合はすべて棄権で記録上0−7の不戦敗扱いとなった。
第4節まで9勝2敗で単独首位に立っていたNECアクセステクニカは、今節初戦の甲賀健康医療専門学校戦、3回裏、二死走者なしから1番・和田美樹のレフト線への三塁打、2番・轟優花の死球、盗塁で二・三塁とし、3番・石井千春のレフト前タイムリーで2点を先取。このリードをエース・宮崎夏菜が4回表に1点を失ったものの、被安打2の力投で守り切り、辛勝。この日、8勝3敗の2位につけていた東海理化が日本精工に敗れたこともあり、アドバンスセクション1位通過への「マジック」を「1」とした。
翌日の平林金属戦では、打線が爆発! 12安打・9得点の猛攻で9−2と平林金属を圧倒。あっさりアドバンスセクション1位通過を決めた。
前節まで8勝3敗で2位につけていた東海理化は、今節初戦の日本精工戦で0−5の完敗。続くカネボウ化粧品小田原戦は不戦勝、最終戦の大和電機工業戦も2−0で勝利を収めたものの、最終節、3戦全勝のラストスパートを見せたCLUB北九州に10勝4敗の同率に並ばれ、得失点差で逆転を許し、3位に甘んじ、惜しくも順位決定プレイオフ進出を逃した。
2位に滑り込んだのはCLUB北九州。今節初戦の平林金属戦を15安打の猛攻で9−3と快勝。翌日の甲賀健康医療専門学校戦も5回終了時点で2点のリードを奪われながら、終盤6回表、2番・宮野祐子の右越二塁打から無死満塁の反撃機をつかむと、相手投手の制球の乱れにつけこみ、3連続四死球で逆転。さらに監督兼任でチームを引っ張る8番・原田明香がトドメの満塁ホームランを放ち、一挙7点を奪い、9−4の逆転勝ち。苦しみながらも最終戦に勝てば2位が確定するところまでこぎつけた。
最終日、すでに1位での順位決定プレイオフ進出を決めているNECアクセステクニカとの対戦では、初回、2番・宮野祐子のソロホームランで先制し、その裏、すぐに同点に追いつかれたものの、その直後の2回表、8番・原田明香のツーランで2点を勝ち越し。その後も着々とリードを広げたが、終盤、NECアクセステクニカの猛追にあい、5−5の同点に追いつかれ、試合は延長タイブレーカーへともつれ込んだ。延長9回表、8番・原田明香の「執念」のタイムリーで1点を勝ち越すと、その裏、たった一人で全試合を投げ抜いてきたエース・森田千晶が最後の力を振り絞って無得点に抑え、6−5で競り勝ち、最終戦を待たずに2位が確定(この時点でCLUB北九州が10勝4敗となり、最終戦に東海理化が勝ち、同率で並んでも直接対決の得失点差でCLUB北九州が上回るため)。2年連続の順位決定プレイオフ進出を決めた。
前節まで通算6勝5敗で並んでいた日本精工と甲賀健康医療専門学校は、今節は対照的な結果となり、日本精工は今節初戦の東海理化戦で、エース・曽根原一葉が東海理化打線をわずか3安打に抑える力投。打線もしっかりとこれを援護し、5−0の完封勝ち。続く大和電機工業戦は初回、5番・加藤美穂が満塁本塁打を放ち、チームを引っ張るキャプテンの一打で打線に火をつけると、12安打の猛攻で7−4と快勝。最終戦はカネボウ化粧品小田原戦との対戦が組まれていたため、不戦勝が決まっており、今節3連勝で、最終日、CLUB北九州、東海理化が敗れれば同率で並び、直接対決の勝敗(当該チームの直接対決が、日本精工3勝1敗、東海理化2勝2敗、CLUB北九州1勝3敗)で逆転での2位通過、順位決定プレイオフ進出が決まる状況で、両チームの結果を待ったが、最終日第1試合でCLUB北九州がNECアクセステクニカに勝ったことで、その可能性も消滅。結局、9勝5敗の4位に終わった。
甲賀健康医療専門学校は、今節元気なく3連敗。初戦のNECアクセステクニカ戦に1−2で惜敗すると、CLUB北九州戦でも終盤までリードを奪いながら、逆転負け。最終戦でも平林金属に投手陣が打ち込まれ、5−14の大敗。通算6勝8敗の5位で全日程を終了した。
6位は4勝10敗の平林金属。今節は、初戦がCLUB北九州、第2戦がNECアクセステクニカと上位チームとの対戦となったため、連敗を喫したが、今節最終戦となった甲賀健康医療専門学校戦では、これまでの鬱憤を晴らすかのように14安打・14得点と打ちまくり、14−5と大勝。地元の大声援に応え、最終戦を勝利で締めくくった。
7位は3勝11敗の大和電機工業。前節、劇的なサヨナラ満塁ホームランで初勝利を挙げたが、結局、開幕8連敗と出遅れたのが最後まで響いた。今節はカネボウ化粧品小田原戦の不戦勝が唯一の勝利。この勝利で順位もカネボウ化粧品小田原を上回ったが、調子の出ないまま、シーズンを終えてしまった。
最下位はカネボウ化粧品小田原。3勝11敗で大和電機工業と同率ながら、不戦敗が響き、得失点差で最下位。第4節、そしてこの最終節と不参加・不戦敗が響く結果となった。
■ホープセクション
ホープセクションは、茨城県古河市・上大野グランドを会場に、10月5日(土)・6日(日)の2日間の予定で開催予定であったが、初日があいにくの雨となり、中止・順延。この日の試合は、7日(月)に順延された。
第4節まで8勝1敗で首位を走っていたドリーム☆ワールドは、初日の試合が雨で流れたため、伊予銀行との「直接対決」が今節初戦となった。
このホープセクション1位通過をかけた「大一番」は、先攻の伊予銀行が初回、先手を取り、一死から2番・酒井梨花が左中間への二塁打を放ってチャンスを作ると、次打者の内野ゴロで三塁へ進み、4番・矢野輝美が四球で歩いた後、5番・加藤文恵がしぶとく三遊間を破り、大事な試合の先取点を挙げた。
ドリーム☆ワールドも負けてはいない。3回裏、1番・辻井晴名、2番・岡元津佳紗の連続二塁打で同点に追いつき、試合は1−1の同点のまま、両チーム一歩も譲らず、延長タイブレーカーに突入。
伊予銀行は8回表、タイブレーカーの走者を手堅く犠打で三塁へ進めると、代打・7番・小高亜実の内野ゴロの間に三塁走者が生還。ついに1点を勝ち越した。
その裏、この大事な試合の先発を任された木村久美が、ドリーム☆ワールドの必死の反撃を無得点に抑え、2−1で逃げ切り、ホープセクション1位通過に大きく前進した。
最終日、ダブルヘッダーとなるドリーム☆ワールドは、まず日本ウェルネススポーツに7−0と大勝。最終戦も厚木SCに4番・谷口敏子の本塁打などで4−1と快勝したものの、同時刻、別会場で行われていた伊予銀行対YKK戦で、伊予銀行が1点を先制されながら、3回表、5番・加藤文恵の本塁打を含む怒涛の8連続長短打で一挙8点を奪い、試合をひっくり返すと、13安打・11得点を奪い、11−2で圧勝。
両チーム全日程を終え、10勝2敗の同率で並んだが、直接対決での2勝がモノをいい、伊予銀行のホープセクション1位通過が決定。ドリーム☆ワールドは今節初戦の伊予銀行との直接対決を落したことが響き、2位での順位決定プレイオフ進出となった。
第4節を終え、7勝3敗の3位につけていた靜甲は、今節初戦の日本ウェルネススポーツ戦に松井志帆実、山崎奈美佳の本塁打を含む18安打・13得点の猛攻。13−0で大勝し、最終戦の大垣ミナモソフトボールクラブ戦は一転して息詰まる投手戦となり、7回裏、劇的なサヨナラで最終戦も勝利で飾ったが、あと一歩およばず9勝3敗の3位に終わった。
第4節、伊予銀行との直接対決を制しながら、YKK戦で2−5の敗戦。せっかく伊予銀行に勝ち、直接対決は連勝、同率の場合も順位争いで「有利な立場」になったはずが、この敗戦が最後まで響き、順位決定プレイオフ進出を逃した。
第4節まで5勝5敗と勝率5割の大垣ミナモソフトボールクラブは今節連敗。YKKとノーガードの撃ち合いを演じたが、5−6で競り負け、靜甲戦も0−1のサヨナラ負け。内容的には「いい試合」を演じてはいるのだが、勝負どころで勝ち切れず、通算5勝7敗の4位で日本リーグ加盟初年度のシーズンを終えた。第4節、地元開催の際には、多くの観客が応援に詰めかけるなど、地元に愛され、密着する「新しい形」を見せるクラブチームだけに、来シーズンはさらなる飛躍を期待したい。
前節まで4勝6敗のYKKは、今節初戦の大垣ミナモソフトボールクラブ戦、激しい打ち合いを制し、6−5で競り勝ち、最終戦ではホープセクション1位通過のかかる伊予銀行と対戦。2回裏に先手を取ったものの、これがかえって伊予銀行の闘志に火をつけたか、4回表に8連続長短打を浴び、大量失点。2−11で大敗し、通算5勝7敗。大垣ミナモソフトボールクラブと同率に並んだものの、直接対決の得失点差でおよばず、5位に終わった。
厚木SCは今節初戦の日本ウェルネススポーツ戦で、今までの鬱憤を晴らすかのように打ちまくり、15安打・13得点の猛攻で13−1の大勝。今シーズンの開幕戦以来の勝利を挙げたが、最終戦のドリーム☆ワールド戦も2回裏、6番・林墨楊のタイムリーで先手を取ったものの、1−4の逆転負け。通算2勝10敗の6位でシーズンを終えた。
今シーズンは開幕直前の「緊急参戦」で同情の余地はあるが、「ソフトボールのまち」厚木をホームタウンとするチームだけに、その名にふさわしいチームへと成長すべく、来シーズンへ向け、準備を進めてほしいものである。
最下位は1勝11敗の日本ウェルネススポーツ。今シーズン、第1節でYKKに6−0の勝利を収め、リーグ3年ぶりの勝利を挙げたものの、その後は「例年通り」に「定位置」のテールエンドに低迷。
日本代表選手経験のある監督・コーチを招聘しても、「笛吹けど踊らず」で結果が伴わず、今シーズンも最下位に終わった。日本リーグ加盟チームとして、いつまでもこの状態でいいのか、真剣に検討し、チームを強化する必要があるだろう。
1部昇格をかけた「順位決定プレイオフ」は、10月26日(土)・27日(日)の両日、静岡県伊豆市・天城ドームで開催される。
●2部リーグ順位決定プレイオフスケジュール
期日 |
試合開始時間 |
チーム名 |
|
チーム名 |
|
10月26日(土) |
10:30 |
NECアクセステクニカ
(アドバンスセクション1位) |
vs |
伊予銀行
(ホープセクション1位) |
@ |
13:00 |
CLUB北九州
(アドバンスセクション2位) |
vs |
ドリーム☆ワールド
(ホープセクション2位) |
A |
10月27日(日) |
13:00 |
@の敗者 |
vs |
Aの勝者 |
B |
@の勝者は1部リーグ昇格。 Aの勝者は@の敗者と対戦。 Bの勝者は1部リーグとの入替戦(11月6日・7日/静岡県伊豆市・天城ドームで実施)に出場 |
アドバンスセクション(第5節/最終節終了時点 全チーム成績) |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
NECアクセステクニカ |
11 |
3 |
2位 |
CLUB北九州 |
10 |
4 |
3位 |
東海理化 |
10 |
4 |
4位 |
日本精工 |
9 |
5 |
5位 |
甲賀健康医療専門学校 |
6 |
8 |
6位 |
平林金属 |
4 |
10 |
7位 |
大和電機工業 |
3 |
11 |
8位 |
カネボウ化粧品小田原 |
3 |
11 |
※上位2チームが順位決定プレイオフに出場。2位・3位、7位・8位はリーグ規程により、同率で並ぶチームの直接対決の得失点差で順位を決定
ホープセクション(第5節/最終節終了時点 全チーム成績) |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
伊予銀行 |
10 |
2 |
2位 |
ドリーム☆ワールド |
10 |
2 |
3位 |
靜甲 |
9 |
3 |
4位 |
大垣ミナモソフトボールクラブ |
5 |
7 |
5位 |
YKK |
5 |
7 |
6位 |
厚木SC |
2 |
10 |
7位 |
日本ウェルネススポーツ |
1 |
11 |
※上位2チームが順位決定プレイオフに出場。1位・2位はリーグ規程により、同率で並ぶチームの直接対決の勝敗で、4位・5位は同率で並ぶチームの直接対決の得失点差で順位を決定
|