2013.12.6
 

 

平成25年度 日本女子リーグ個人表彰式を開催
女子リーグ1部・2部のタイトルホルダーが勢揃い


恒例の日本女子リーグ個人表彰式を開催



主催者を代表し、挨拶した
日ソ協・徳田脂長



日本女子リーグを後援する、スポーツニッポン新聞社からは、
代表取締役社長・森戸幸生氏が挨拶に立った



まずは1部リーグの個人表彰が行われ、
各タイトルを獲得した選手たちを表彰



続いて2部リーグの個人表彰
アドバンス、ホープ両セクションの選手たちが表彰された



表彰式後の懇親会で、今シーズンを振り返った
ルネサスエレクトロニクス高崎・宇津木麗華監督



続いて、ルネサスエレクトロニクス高崎の
個人賞受賞選手が来シーズンの抱負を語った

 



平成25年度日本女子ソフトボールリーグ個人表彰式


 平成25年度日本女子ソフトボールリーグ個人表彰式が、去る12月4日(水)、大阪府大阪市のラマダホテル大阪において開催された。

 表彰式には、日本女子ソフトボールリーグ1部、2部の個人表彰選手がそれぞれ出席。今シーズンの最高殊勲選手からベストナイン賞、新人賞まで、それぞれの部門で「トップ」に輝いた選手たちが表彰された。
(日本女子リーグ1部・個人表彰選手名簿はこちら
(日本女子リーグ2部・個人表彰選手名簿はこちら

 女子リーグ1部の個人表彰では、トヨタ自動車の「4連覇」を阻止し、4年ぶり9度目の優勝を成し遂げたルネサスエレクトロニクス高崎の「エース」であり、今シーズン、「伝説の大投手」ミッシェル・スミスが記録した日本リーグ通算勝利数「172」を更新し、シーズン終了時点で「179」まで伸ばすなど、今もなお、その記録を更新している上野由岐子投手が最高殊勲選手賞を獲得。同時に、最多勝利投手も受賞(15勝2敗)した。
 打撃部門でも、優勝したルネサスエレクトロニクス高崎から、宇津木麗華監督が現役時代、1994年のシーズンに記録した日本リーグ過去最高打率(5割)に並ぶ活躍を見せた森さやか選手が首位打者賞を獲得。指名打者としてベストナイン賞も受賞し、1年間のブランクを経て「現役復帰」を果たした山本優選手もベストナイン賞に選出されるなど、優勝チームにふさわしい実力者が続々と登壇した。

 惜しくも「4連覇」は逃したものの、レギュラーシーズンを20勝2敗の圧倒的な強さで駆け抜けたトヨタ自動車からは、「絶対的エース」モニカ・アボット選手が優秀投手賞とベストナインをダブル受賞。
 打撃部門では、8本塁打で本塁打王に輝いた鈴木美加選手、谷川まき(当時・太陽誘電/現役引退)選手の持つシーズン最多打点記録に並ぶ28打点で打点王に獲得した長楓]未選手、捕手でベストナインに選出された渡邉華月選手。とても「ルーキー」とは思えない大活躍を見せた知久幸未選手が新人賞を受賞するなど、前人未踏の4連覇こそ逃したものの、多数の選手が個人タイトルを獲得。3年間、リーグチャンピオンの座を守り続けてきた「王者」が「意地」を見せた。
 その他、打撃部門においては戸田中央総合病院の渡辺瞳選手が8本塁打を放ち、トヨタ自動車・鈴木美加選手と並び、自身初となるタイトル・本塁打王を獲得。創設初年度である盗塁王の座はデンソー・増山由梨が13盗塁で射止め、「初代盗塁王」に輝いた。

 女子リーグ2部の個人表彰では、今シーズンも両セクションを通じての最高殊勲選手賞の表彰と、両セクションからそれぞれ選出された優秀選手の表彰が行われた。
 最高殊勲選手賞は、2部リーグ優勝・1部昇格を果たした伊予銀行の矢野輝美選手が受賞。セクションごとに選出される優秀選手賞は、投手、捕手に、今年から加わった指名打者が各1名ずつと、野手5名ずつが表彰され、各タイトルを手にした選手たちの活躍が称えられた。
 2部優勝・1部昇格を決めた伊予銀行からは、相原冴子選手、加藤文恵選手と好調な打線の活躍で勝ち進んだチームらしく、「猛打」「強力打線」を象徴する選手たちが個人タイトルのタイトルホルダーに名を連ねた。

 表彰式では、(公財)日本ソフトボール協会・徳田脂長が、主催者を代表して挨拶に立ち、「まず、本協会の主要事業である女子リーグに20年以上に渡り、後援を続けて下さっているスポーツニッポン新聞社の皆さまに御礼申し上げます」と謝辞を述べ、「4月にナゴヤドームで行われた開幕節にはじまり、11月のわかさスタジアムでの決勝トーナメントまで、各チームが熱戦を繰り広げ、ルネサスエレクトロニクス高崎の4年ぶりの優勝で幕を閉じました。2部リーグは伊予銀行が優勝を決め、4年ぶりの1部復帰を決めています。本協会では、協会とチームが一体となって『リーグの活性化』に向けての取り組みを計画中です。リーグの活性化という意味においても、多くのチームの活躍と、ここにいる選手の皆さまには、より楽しく、よりエキサイティングなゲームを展開してくれることを期待しています。そして、オリンピック復帰に向けての活動も望みを捨てることなく、前向きに取り組み、野球連盟と合同で専門チームを作り、年明け早々から活動を開始していく予定です」と、日本リーグの活性化とソフトボールのオリンピック競技復帰への強い意欲を見せた。

 続いて、日本女子ソフトボールリーグを後援するスポーツニッポン新聞社より、代表取締役社長・森戸幸生氏が挨拶に立ち、「まずは皆さま、個人賞の受賞、おめでとうございます。日頃から大変厳しい練習に耐え、その成果を発揮され、素晴らしい成績を残された皆さまに心から敬意を表したいと思います」と表彰された選手たちを祝福し、「また、4年ぶり9度目の優勝されたルネサスエレクトロニクス高崎の皆さま、おめでとうございました。惜しくも優勝を逃したトヨタ自動車の皆さま、他のチームの皆さまには、来シーズンでの巻き返しを大いに期待しております。今年の日本女子ソフトボールを振り返りますと、7月の東アジアカップ、USAワールドカップ、カナダカップ、3つの国際大会で優勝されるなど、国際的にも『快挙』というべき、素晴らしい結果を残しております。この結果は、まさに日本リーグが『世界最高峰のリーグ』であるということの『証明』であり、その事実を世界中にアピールしてくれたと思っております。そして、これだけの選手が日本にいるわけですから、ソフトボールのオリンピック競技復帰、この夢をぜひとも実現させたいと思っております。そのためには、選手の皆さんはもちろん、チームをお持ちの企業の皆さま、関係者の皆さまの力を合わせた支えが必要です。来年、創刊65周年目を迎えるスポーツニッポンも、微力ではございますが、日本のソフトボールのために、力を尽くしていきたいと考えております。」と、今後も変わらぬソフトボール競技への支援・協力を約束し、ソフトボールのオリンピック競技復帰への期待を語った。

 表彰式終了後には、日本女子ソフトボールリーグ関係者、各チームの代表、監督、キャプテンらが一堂に会した懇親会を開催。 今シーズン、4年ぶり9度目の優勝を飾ったルネサスエレクトロニクス高崎から宇津木麗華監督、最高殊勲選手賞と最多勝利投手賞を獲得したエース・上野由岐子投手、首位打者賞とベストナイン賞を受賞した森さやか選手、同じくベストナイン賞に選出された山本優選手が壇上に招かれ、優勝インタビューが行われた。
 宇津木麗華監督が、「今シーズンの優勝は、今もあの日のことを昨日のことのように感じるほど、嬉しかったです。何しろ4年ぶりでしたから……。震災後、会社が大変な時期もあり、人員削減等、今まで応援してくれた仲間と離れなくてはいけなったのが、試合に負けるよりもつらく、悲しくて。そんな中で『私たちに何ができるのか』を考えたら、ソフトボールしかありませんでしたし、優勝して、ルネサスのソフトボールは日本一! ソフトボール部に負けないように頑張ろうじゃないか、会社の皆さんに勇気と自信を取り戻してもらいたくて……。会社の体制が変わっても、ソフトボール部を存続させ、応援を続けてくれた会社のためにも、頑張りたいと思っていましたので、4年ぶりの優勝という嬉しい報告ができて本当によかったです!」と、4年ぶりの優勝の喜びを語ると、「来シーズンは、『日本代表』として、世界選手権の連覇とアジア大会での4大会連続の金メダル獲得という大きな2つの目標を持ち、この2つの大会で日本が優勝し、日本リーグでもよい結果を残せるよう頑張りたいと思います」と、宇津木麗華監督の目はすでに、日本代表監督として迎える世界の舞台、ディフェンディングチャンピオンとして迎える来シーズンへと向けられていた。
 最高殊勲選手賞を受賞したエース・上野由岐子投手は、「開幕当初は、正直ここまで勝てるとは思いませんでしたが……。終わってみたら、このような結果を残すことができ、本当に嬉しく思っています」と今シーズンを振り返り、決勝トーナメントを、「沢山の方が応援して下さっているので、その期待に応えたいという思いで、仲間を信じて、悔いの残らないように、『自分のボール』を投げました。その結果が優勝という結果に結びつき、本当に良かったと思っています」と優勝の喜びを噛みしめるかのように語った。オリンピック復帰に向けても、わずかでも可能性が残されているのであれば、あるいは東京オリンピックでの復帰だけでなく、『その先』まで見据えていくとしても、まずは私たち選手が『いい顔』でプレーすることが大切だと思いますし、私たちのソフトボールが『好き』『楽しい』という気持ちを伝えられたら……と思います。一人でも多くの方にソフトボールの魅力を伝え、ファンになってもらうために、プレーだけではなく、自分たちにできることを一つひとつしっかりとやっていくことを忘れず、来シーズンも頑張りたいと思います!」と、オリンピック競技復帰への“思い”、ファンへの“思い”を語った。
 日本リーグ過去最高打率に並ぶハイアベレージを記録し、首位打者賞に輝いた森さやか選手は、「この結果を残せたのは、チームと監督のおかげだと思っています。3年目を迎えた今年の目標を、人間としても、選手としても『進化すること』とし、今年は様々な『気づき』がありました。いろいろな面で学ぶことができ、今、やるべきことをやった結果が記録となり、5割という打率、タイトル獲得に結びついたのだと思います。来シーズンへ向けて、今、考えていることは、『感謝してソフトボールに取り組む』ことと、今シーズンそうだったように、アンテナを張り巡らし、物事に敏感に、貪欲に吸収し、自分の力に替え、頑張って行きたいと思います」と、今シーズンを振り返り、来シーズンへの抱負を語った。
 3年ぶりにベストナイン賞に選出された山本優選手は、「今シーズンのはじめは1年のブランクが、大きな壁となっていましたが、シーズンの終盤では、自分のイメージと実際のプレーのズレがなくなり、思うようにプレーできました」の言葉通り、第10節・秋田大会では3打席連続本塁打を放つなど、「らしさ」が戻ってきた。右肩の手術・リハビリから今シーズン、復帰をするまでの1年間を「もう一度、『勝負の世界』に身を置き、しびれるような感覚やスポットライトを浴びる快感を味わいたいと思っていましたので……。それを目標に頑張ることができました」と語り、来シーズンに向けては「今年は、とても良い年になりました。また来年が良い年になるように、来年もこの場所で良い年だったと締め括ることができるように、みんなで力を合わせて、1打席、1打席、集中して頑張っていきたいと思います」と、早くも来シーズンへ思いを馳せていた。

 今シーズンも、全国各地でさまざまな「ドラマ」を生み出した日本女子ソフトボールリーグ。長いシーズンを終え、それぞれのチームが“新たな戦い”に向けて、またスタートを切ることになる。日本を、そして世界を代表するトッププレイヤーたちが凌ぎを削り、互いに高め合い、来シーズンもまた、我々に「熱い戦い」、そして「進化」、「成長」する姿を見せてもらいたい。