2014.4.28
 

 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第1節

ルネサスエレクトロニクス高崎
シオノギ製薬が開幕3連勝!



全国各地で熱戦を展開!


ルネサスエレクトロニクス高崎がエース・上野由岐子を
温存したまま、今節連勝!開幕3連勝と快調なスタート



トヨタ自動車は「ホーム」で連勝! 山根佐由里は自身の
持つリーグ連勝記録を「24」まで伸ばし、チームに貢献!!

  昨シーズンは入替戦に回る「屈辱」を味わったシオノギ製薬。
今シーズンは開幕から無傷の3連勝と開幕ダッシュに成功!



Hondaは豊田自動織機に快勝したものの、シオノギ製薬に完封負け



豊田自動織機は今節連敗。予想外の展開に……



日本リーグ歴代1位の通算300本安打を記録。
前人未到の大記録を達成した日立・山田恵里



投・打に「非凡な才能」を発揮する太陽誘電・藤田倭。
好調なチームを牽引し、決勝トーナメント進出をめざす



熱い戦いが続く日本女子リーグ1部。
戦いは混迷、激しさを増していく……

 
 


第47回 日本女子リーグ1部
第1節 京都大会
SGホールディングスグループ 対 シオノギ製薬



日本ソフトボールリーグ歴代1位・山田恵里(日立) 通算300本安打を達成!


 第47回日本女子ソフトボール1部リーグ第1節が、4月26日(土)・27日(日)の両日、愛知県豊田市、京都府京都市、宮崎県小林市の3会場で開催された。
 4月12日(土)・13日(日)に、愛知県名古屋市のナゴヤドームで開催された開幕節で、「宿敵」トヨタ自動車の「絶対的エース」モニカ・アボットに2本の本塁打を浴びせ、3−2で快勝したルネサスエレクトロニクス高崎が、今節は伊予銀行に11−1、ペヤングに10−1と大差で連勝。快調に勝ち星を重ね、開幕3連勝と連覇へ向け、好調な滑り出しを見せた。
 これに並んだのはシオノギ製薬。昨シーズン、入替戦に回るという「屈辱」を味わった関西の「老舗」にして「名門」チームが、今シーズンは開幕節でキャプテン・上田恵の活躍で鮮やかな逆転勝ちを収めると、この第1節もその勢いを持続させ、初戦のSGホールディングスグループ戦を7−6で競り勝ち、続くHonda戦も4−0の完封勝ち。見事な開幕3連勝で同率首位に並んだ。

【豊田大会】
 トヨタ自動車の「ホームタウン」である愛知県豊田市・豊田市運動公園ソフトボール場を会場に開催された豊田大会には、「連覇」を狙う王者・ルネサスエレクトロニクス高崎、「王座奪還」を誓うトヨタ自動車の「2強」が登場。

 開幕節で、「宿敵」トヨタ自動車との一戦に快勝した王者・ルネサスエレクトロニクス高崎は、初戦の伊予銀行戦に開幕節でも大方の予想を裏切り「開幕投手」を務めた「期待の大物ルーキー」濱村ゆかりを先発に起用。初回、先頭打者を四球で歩かすと、犠打で得点圏に走者を進められ、開幕節でも大活躍を見せた伊予銀行の「主砲」4番・矢野輝美に三遊間を破られ、1点を失った。
 しかし、打線がすぐに援護。3回表、この回先頭の8番・大工谷真波が開幕節に続き、2戦連発となるソロホームランをレフトスタンドに叩き込み、あっさり同点に追いついた。続く9番・小松美樹が四球を選び、1番・山本優が右中間を破る二塁打を放ち、一塁走者が一気にホームイン。あっさり逆転に成功すると、四球、バント安打で無死満塁と攻め立て、4番・大久保美紗、5番・峰幸代がキッチリと犠牲フライを打ち上げ、2点を追加。この回4点を奪い、試合をひっくり返すと、火のついた打線の勢いは止まらず、13安打・11得点を挙げる猛攻を見せた。
 守っては、先発・濱村ゆかりが2回以降は立ち直り、5イニングを投げ、被安打4・奪三振4の力投で、嬉しいリーグ初勝利を挙げた。

 第2試合には、「王座奪還」を狙うトヨタ自動車が登場。ペヤングを相手に「横綱相撲」を見せ、2回裏、7番・知久幸未のソロホームランで先手を取ると、5回裏には4安打を集中し、4点を追加。守っては、先発・山根佐由里が4回2/3を被安打2・無失点の好投で、しっかりと先発の役割を果たせば、モニカ・アボット、「ルーキー」平原かすみとつなぎ、ペヤング打線を完封。この試合の勝利投手となった山根佐由里は自身の持つ「リーグ連勝記録」を「23」に伸ばした。

 大会2日目、第1試合はルネサスエレクトロニクス高崎とペヤングの「同県対決」。ともに群馬県に本拠地を置くチーム同士の対戦となったが、ルネサスエレクトロニクス高崎が初回から大量7点を挙げる猛攻を見せ、代打・植木千晴の満塁本塁打、この試合先発マスクを被った我妻悠香のツーランなどで10−1と圧勝。「エース」上野由岐子を温存したまま、今節連勝。「連覇」へ向け、快調に開幕3連勝を飾った。
 一方、ペヤングは対照的に開幕3連敗。やはり大幅なメンバーの入れ替えが響いているのか、今シーズン初勝利は次節以降に持ち越しとなった。

 第2試合、トヨタ自動車対伊予銀行は、トヨタ自動車が初回に相手守備の乱れに乗じて先手を取ると、2回以降は持前の「強力打線」が威力を発揮。10安打・7得点の猛攻で伊予銀行に「地力の違い」を見せつけた。
 守っては、日本リーグ連勝記録を更新中の山根佐由里が、この試合でも安定感抜群の投球を見せ、5イニングを投げ、被安打3・無失点の好投。勝利投手の権利を得ると、後は細野了華、平原かすみ、中村友佳とつなぐ小刻みな投手リレーでこのリードを守り切り、今節連勝。山根佐由里が自身の持つリーグ連勝記録を「24」に伸ばした。
 敗れた伊予銀行は今節2試合で23安打を浴び、18失点と投手陣が壊滅状態。開幕節のペヤング戦こそ、打線の活躍で勝利を挙げてはいるが、この試合でも7安打を浴び、4失点。投手陣の立て直しが今後の浮沈のカギを握ることになりそうだ。

【豊田大会試合結果】
・第1日/4月26日(土)
 ルネサスエレクトロニクス高崎 11−1 伊予銀行
 トヨタ自動車 5−0 ペヤング
・第2日/4月27日(日)
 ルネサスエレクトロニクス高崎 10−1 ペヤング
 トヨタ自動車 7−0 伊予銀行


【京都大会】
 京都府京都市・わかさスタジアム京都で開催された京都大会では、21年連続決勝トーナメント進出を狙う豊田自動織機、4年連続二桁勝利を挙げ、「今年こそ……決勝トーナメント進出を!」と意気込むHonda、昨シーズン「入替戦」に回るという苦い経験をしたシオノギ製薬、京都を「ホーム」とするSGホールディングスグループの4チームが熱戦を繰り広げた。

 初日、第1試合では、ともに「決勝トーナメント進出」を狙う豊田自動織機とHondaが対戦。先攻のHondaが初回、1番・小川絵里加が試合開始の初球を叩き、一・二塁間を破る安打で出塁。パスボールで二塁へ進み、一死後、3番・島崎望のピッチャーゴロで飛び出した二塁走者を刺そうと三塁へ送球したが、これが悪送球となり、1点を先制。豊田自動織機は、昨年のインカレ優勝投手、Honda期待の新戦力・長谷川朋子に初回、2回裏と無得点に抑えられていたが、3回裏、二死二塁から5番・佐藤光紗がライトオーバーのタイムリーツーベースを放ち、同点に追いついた。
 Hondaはその直後の4回表、4番・森山遥菜が豊田自動織機の「剛腕」ケイラニ・リケッツから超特大のソロホームランをレフトスタンドに豪快に叩き込み、1点を勝ち越し。豊田自動織機もその裏、一死からFP・ショートで先発出場していた熏竝′獅9番・DPで起用していた小柳薫のところで「代打」として打席に送り、レフトオーバーのツーベースを放ち、チャンスメイク。二死後、2番・洲鎌夏子がセンター頭上を越すタイムリーツーベースを放ち、すぐさま同点に追いついた。
 2−2の同点のまま、両チーム一歩も譲らず、試合は延長タイブレーカーに突入。Hondaは8回表、2番・芝阜b梨が三振に倒れ、一死となったが、続く3番・島崎望の2球目に意表を突く三盗を敢行。これが捕手の三塁悪送球を誘い、1点を勝ち越した。
 豊田自動織機もその裏、一死二・三塁と「一打逆転サヨナラ」のチャンスを作ったが、4回途中からリリーフしたHondaの「エース」モーガン・メローの力投の前に、「あと一本」が出ず、1点差に泣き、痛い星を落とした。

 第2試合では、シオノギ製薬と「ホーム」SGホールディングスグループが対戦。先攻のシオノギ製薬が初回、3番・三宅美咲のセンターオーバーのタイムリーツーベースで先制すると、3回表にも3番・三宅美咲がライトスタンドへソロホームランを叩き込み、2点のリードを奪った。
 「ホーム」で開幕戦に続く黒星は避けたいSGホールディングスグループは4回裏、8番・森田歩のタイムリーで1点を返し、5回裏には、徹底的にマークされ、勝負を避けられ続けた1番・ステーシー・ポーターが四球で歩くと、犠打で手堅く送り、3番・柳瀬友紀がセンターへライナーで突き刺す逆転のツーランホームランを放ち、試合をひっくり返した。
 1点を追うシオノギ製薬は、土壇場の7回表、先頭打者が四球で出塁すると、次打者の送りバントの処理を焦った三塁手が二塁へ悪送球。無死一・二塁とチャンスを広げると、1番・數原顕子が一・二塁間を襲う強烈な当たりを放ち、二塁手のグラブをはじく間に、二塁走者が生還。同点に追いつき、なおも無死一・三塁と攻め立て、2番・金子沙耶のところでヒットエンドランを仕掛けたが失敗に終わり、一死三塁となったが、2番・金子沙耶が四球を選んで一・三塁とチャンスを作り直し、この試合大当たりの3番・三宅美咲がキッチリとレフトへ犠牲フライを打ち上げ、勝ち越し。さらに四球、安打で二死満塁とし、6番・岡恵利華が走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、決定的な3点を追加。この回大量5点を挙げ、粘るSGホールディングスグループを突き放した。
 SGホールディングスグループもその裏、4番・中村歩がスリーランを放ち、1点差まで詰め寄り、「ホーム」の観客を沸かせたが、あと一歩およばず、惜しい試合を落した。

 大会2日目、第1試合では、前日の試合で決勝トーナメント進出を争う「当面のライバル」豊田自動織機を破ったHondaがシオノギ製薬と対戦。「必勝」を期して「エース」モーガン・メローを登板させたが、シオノギ製薬がその立ち上がりを攻め、キャプテンで4番を打ち、文字通りチームを引っ張る上田恵のタイムリーで初回に1点を先制すると、続く2回表には、二死一・三塁から1番・數原顕子が値千金のスリーランを放ち、4点差にリードを広げると、先発・岩田みゆきが被安打3・奪三振7の力投で最後までHonda打線に得点を許さず、4−0の完封勝利。開幕からの連勝を「3」に伸ばし、ルネサスエレクトロニクス高崎とともに同率首位に進出した。
 一方、Hondaはせっかく前日に「決勝トーナメント進出を争うライバル」豊田自動織機に勝利しながら、シオノギ製薬に足元をすくわれ、通算1勝2敗。この1敗が後々に響いてこなければいいのだが……。

 第2試合では、豊田自動織機とSGホールディングスグループが対戦。ともに連敗は避けたいところだが、開幕戦、そして今節初戦と外国人エースをフル回転させてきたこともあり、先発は豊田自動織機が栗田美穂、SGホールディングスグループが関根有希と両チームとも「エース」の登板を回避。先攻の豊田自動織機が初回、死球で出塁した走者を一塁に置き、3番・中森菜摘がセンターオーバーのタイムリーツーベース。先取点を奪ったが、その裏、SGホールディングスグループの「最も警戒すべき打者」1番・ステーシー・ポーターにレフトスタンドへのソロホームランを浴び、あっさり同点。試合は振り出しに戻ってしまった。
 1−1の同点のまま、迎えた5回裏、SGホールディングスグループは、この回先頭の6番・駒野まみがライト前ヒットを放つと、この打球の処理を誤る間に一気に二塁へ進塁。犠打で三進し、8番・森田歩がキッチリとレフトへ犠牲フライを打ち上げ、1点を勝ち越した。
 6回表、SGホールディングスグループは、温存していた「エース」カーヤ・パーナビーを投入。勝負を決めにかかったが、結果的にはこれが裏目となり、自らのエラーで先頭打者を出塁させ、二死は取ったものの、8番・ケイリン・キャスティーヨにライトオーバーのタイムリーツーベースを浴び、同点に追いつかれてしまった。
 これで試合の流れが豊田自動織機に傾くかと思われたが、SGホールディングスグループは6回裏、この回先頭の1番・ステーシー・ポーターがこの試合2本目となるソロホームランを、今度はライトスタンドに叩き込み、豊田自動織機の息の根を止めた。

 勝ったSGホールディングスグループは開幕3連敗を免れ、「ホーム」でようやく片目を開けた。今シーズン初勝利は手にしたものの、結局、勝利を決めたのは「世界最強の右のスラッガー」ステーシー・ポーターの超人的な働きによるもの。ただ、開幕節で山科真里奈が2本塁打を放ち、今節ではキャプテン・柳瀬友紀、2008年に本塁打王のタイトルを獲得した実績を持つ中村歩にも本塁打が飛び出すなど、昨シーズンまでとは「一味違う」ところも見せている。今後も「主砲」ステーシー・ポーターが徹底的なマークにあうことは間違いないだけに、勝負を避けて得た四球をどれだけ得点に結びつけることができるか、他の打者の奮起と打線としてのつながりが出てくれば、上位進出も大いにあり得る。

 敗れた豊田自動織機は今節連敗で1勝2敗。「剛腕」ケイラニ・リケッツをフル回転させてのこの結果は予想外だったのではないか。前評判では、「決勝トーナメント進出圏内は当確」といわれていただけに、ここからどうチームを立て直し、巻き返しを図るか。シーズンはまだはじまったばかりとはいえ、Honda戦、SGホールディングス戦ともに勝負どころで守備のミスが失点につながり、他チームが徹底マークするステーシー・ポーターに2本の本塁打を浴びる(ともにイニングの先頭打者のケースで勝負するのは当然のケースではあったが)など、かつて「常勝」といわれたチームにしては「らしからぬミス」が見られる。今まで、同点に追いつき、「さぁ〜これから!」といったところで不用意な一発を浴びることなどなかったし、相手にプレッシャーを与えてミスを誘うことはあっても、自らのミスで崩れてしまうことなどなかったはずだ。このままの状態では21年連続の決勝トーナメント進出に「赤信号」が灯りかねない「危険な状態」にある。

【京都大会試合結果】
・第1日/4月26日(土)
 Honda 3−2 豊田自動織機
 シオノギ製薬 7−6 SGホールディングスグループ
・第2日/4月27日(日)
 シオノギ製薬 4−0 Honda
 SGホールディングスグループ 3−2 豊田自動織機


【宮崎大会】
 宮崎県小林市・小林総合運動公園市営球場で開催された宮崎大会には、3年連続の決勝トーナメント進出を狙うデンソー、3年ぶりの決勝トーナメント進出をめざす日立、2007年以来となる決勝トーナメント進出を目標とする太陽誘電、昨シーズンは最終戦で1部残留を決めた戸田中央総合病院の4チームが激突した。

 初日第1試合、戸田中央総合病院対日立の一戦は、「ソフトボール界のイチロー」日立・山田恵里が初回の第1打席で日本リーグ通算300本安打を達成。チームもこれで勢いづき、2回裏、8番・田邊奈那のタイムリースリーベースで1点を先取したものの、4回表に、それまで好投していた先発・泉礼花が一死から連打で一・二塁とされると、5番・ジェニファー・イーに「まさか……」の逆転スリーランを浴び、一振りで試合をひっくり返された。
 日立は最終回、1番・山田恵里、3番・林佑季の安打などで1点を返し、1点差まで詰め寄ったが、4回からリリーフした五味彩華をとらえ切れず、2−3の惜敗。戸田中央総合病院が今シーズン初勝利を挙げ、日立は痛い逆転負けを喫した。

 第2試合、デンソー対太陽誘電は、先攻のデンソーが初回、いったん併殺で二死走者なしとなりながら、3番・田中真紀子の二塁打、4番・メーガン・ウィギンズの四球で二死一・二塁とチャンスを作り直し、ダブルスチールを敢行。積極果敢な攻めが相手守備の乱れを誘い、捕手の三塁への送球が悪送球となる間に、二塁走者に続き、一塁走者までもが一気にホームイン。幸先よく2点を先制した。先取点で勢いづいたデンソーは、続く2回表にも、この試合先発に起用された6番・ジョーリン・ヘンダーソンがソロホームラン。自らのバットで貴重な追加点を叩き出し、3点差にリードを広げた。
 一方、太陽誘電は4回裏に6番・原田のどか、5回裏に8番・尾楓]良がソロホームランを放ち、1点差まで追い上げた。
 しかし、デンソーは6回表、この回先頭の3番・田中真紀子が三遊間を破る安打で出塁し、すかさず盗塁。得点圏に走者を進めると、4番・メーガン・ウィギンズがセンター前にはじき返し、4点目。得意の「足」を絡めた積極的な攻撃で粘る太陽誘電を振り切り、今シーズン初勝利を挙げた。

 大会2日目、第1試合は、ここまで1勝1敗同士の戸田中央総合病院と太陽誘電が対戦。太陽誘電は初回、戸田中央総合病院の新外国人選手・アンドレア・ウィリアムソンの立ち上がりを攻め、四球、敵失、ワイルドピッチなどで二死二・三塁の先制機をつかむと、この試合の先発投手に起用された5番・藤田倭がライト線へタイムリーツーベースを放ち、2点を先制。3回裏にも、5番・藤田倭のライトフェンス直撃のスリーベースで1点を加え、5回裏には、4番・佐藤みなみが二遊間を抜くダメ押しのタイムリー。藤田倭は5回表、6回表に1点ずつを失ったものの、完投勝利を挙げ、2勝目。藤田倭の投打にわたる活躍で太陽誘電が通算成績を2勝1敗とし、敗れた戸田中央総合病院は1勝2敗となった。

 第2試合、日立対デンソーの一戦は、後攻のデンソーが初回、日立・先発の小薗美希の立ち上がり、1番・増山由梨が敵失で出塁すると、すかさず盗塁で揺さぶりをかけ、これに捕手の悪送球が絡み、一死三塁の先制機をつかむと、これに動揺したか、3連続四死球で押し出し。デンソーが労せずして1点を先制した。
 1点を追う日立は3回表、この回先頭の9番・奥田茉優希が死球で出塁。1番・林佑季の二塁打で無死二・三塁とすると、2番・西山麗がライト線へ走者一掃のタイムリースリーベース。二者を迎え入れ、逆転に成功すると、さらに敵失で1点を加え、この回3点を挙げ、逆に2点のリードを奪った。日立は7回表にも、二死三塁の追加点のチャンスに、7番・杉山真里奈がライト前にダメ押しのタイムリーを放ち、決定的な4点目を挙げた。
 守っては、先発・小薗美希が初回こそ乱れたものの、2回以降は立ち直り、「超攻撃型」を売りとするデンソー打線をわずか2安打に抑え、完投勝利を挙げた。

 勝った日立は「ソフトボール界のイチロー」山田恵里のリーグ通算300本という前人未踏の大記録を勝利で飾れなかったことは誤算だったが、決勝トーナメント進出を争う「ライバル」デンソーに先手を取られながら、逆転で快勝。通算成績を2勝1敗とした。

 敗れたデンソーは通算1勝2敗。今節初戦の太陽誘電戦に勝利し、今シーズン初勝利を挙げたものの、日立戦では打線が完全に封じ込まれ、逆転負け。開幕節での豊田自動織機戦、今節の日立戦と、決勝トーナメント進出を争うと見られる「ライバル」との直接対決に敗れたことが、後々の順位争いに響かなければよいのだが……。

【宮崎大会試合結果】
・第1日/4月26日(土)
 戸田中央総合病院 3−2 日立
 デンソー 4−2 太陽誘電
・第2日/4月27日(日)
 太陽誘電 4−2 戸田中央総合病院
 日立 4−1 デンソー 

 第2節は、5月10日(土)・11日(日)の両日、岐阜県揖斐川町、兵庫県豊岡市、愛媛県松山市の3会場で開催される予定である。

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ルネサスエレクトロニクス高崎
シオノギ製薬
3位 トヨタ自動車
日立
太陽誘電
6位 豊田自動織機
デンソー
Honda
SGホールディングスグループ
戸田中央総合病院
伊予銀行
12位 ペヤング

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。