●ISF第2回男子ワールドカップ(チェコ・プラハ)
(2011.6.19) 


日本、チェコに快勝!
2大会連続の優勝を飾る!!

いよいよファイナル
「心」を一つに大一番に臨む!

今大会を盛り上げてきたこのカード
会場は超満員の観客で溢れかえった

ファイナルの相手は
敗者復活戦を勝ち上がった
ホスト国・チェコ

日本の先発投手は、投手陣の「リーダー」
中村健二(大阪桃次郎)

日本は初回からエンジン全開
キャプテン・鈴木周平(岐阜エコデンSC)
のスリーランなどで一気に4点を先制!

「強力」チェコ打線も
必死に反撃を試みたが……

日本は継投策で
うまく反撃をかわした

日本、2大会連続の優勝!

「ヨーロッパの地」に
ソフトボールの魅力・醍醐味を
大いにアピールした

前回の世界選手権を経験した
メンバーが、強い「リーダーシップ」を発揮
背中でチームを引っ張った

男子ソフトボールここにあり!
今後も世界中に「ソフトボールの輪」が
広がっていくことを願いたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









 ISF第2回男子ワールドカップ第6日、大会もいよいよ最終日を迎えた。すでに決勝進出を決めていた日本は、敗者復活戦を勝ち上がってきたチェコと本大会4度目の対戦。今大会を盛り上げてきた「両雄」が、「最後の決戦」に臨んだ。

〈6月18日(土)/決勝トーナメントファイナル

  1 2 3 4 5 6 7
チェコ 0 0 1 0 0 1 0 2
日 本 4 0 0 1 2 0 7

  (日)〇中村(4回)・松田(1回)・高橋(2回)−片岡
〔本塁打〕鈴木、伊藤
〔二塁打〕松岡

 日本の先発は中村健二。2大会連続優勝のかかった大事な一戦、今大会苦しめられた地元・チェコとの4度目の対戦は、国際大会で絶対的な強さを見せる「投手陣のリーダー」中村健二の右腕に託された。
 その立ち上がり、ショートゴロ、二者連続の空振り三振と完璧な立ち上がりを見せ、先制攻撃を狙ったチェコの気勢を削ぎ、試合の流れを日本に引き寄せた。
 日本はその裏、一死から2番・片岡大洋がショート内野安打で出塁。ワイルドピッチで二塁へ進み、3番・上杉大輝が四球を選び、一・二塁。4番・松岡真央のレフトへのタイムリーで早々と先制点を奪い、なお二・三塁と攻め立てると、二死後、6番・鈴木周平がライトスタンドへスリーラン。「頼れるキャプテン」が試合の流れを決定づける値千金の一発を放ち、この回4点を先制。日本ペースで試合は進んだ。
 地元の大声援を受けるチェコも必死の反撃。3回表、この回先頭の8番・Tomas Petrが四球を選び、9番・Jiri Nezbedaがセンター前にはじき返し、無死一・二塁。ここで、これまで何度も日本を窮地に陥れてきた「チェコの切り込み隊長」1番・David Mertlが、あわやホームランかというセンターフェンス直撃のタイムリーツーベース。1点を返し、なお無死二・三塁と攻め立てたが、ここからが中村健二の真骨頂。このピンチを空振り三振、ピッチャーゴロ、見逃し三振と後続をピシャリと断ち、心憎いまでの冷静沈着なピッチングでチェコの主軸打線を翻弄。絶体絶命のピンチを切り抜け、チェコに傾きかけた試合の流れを再び日本へと引き寄せた。
 この力投に打線も応える。4回裏、この回先頭の7番・伊藤皓二が豪快にレフトスタンドへソロホームランを叩き込む。日本期待の「若き大砲」が世界に通用するパワーを見せつけ、貴重な追加点を挙げた。5回裏には、今大会大活躍の「旭化成トリオ」の一人、3番・上杉大輝がレフト前ヒットで出塁すると、その「旭化成トリオ」のリーダー格の4番・松岡真央がレフトオーバーのタイムリーツーベース。「日本現役最強打者」が勝負を決める1点をそのバットで叩き出し、チェコ守備陣の乱れもあり、この回2点を追加。6点のリードを奪い、2大会連続優勝をほぼ決定づけた。
 守っては、先発・中村健二が作った流れを、「期待の若手」松田光、高橋速水がしっかりと受け継ぎ、6回表に4番・Vaclav Svbodaにソロホームランを浴び、1点を失ったものの、7−2の快勝。2大会連続の優勝を飾った。
 日本は2大会連続の優勝を飾ったとはいえ、今大会のホスト国・チェコには大いに苦しめられた。戦前、大会の参加国の顔ぶれを見たときには、「楽勝」との予想もあったが、その予想は裏切られ、地元・チェコとの4度にわたる対戦では、一度は苦杯をなめ、リベンジし、延長戦での奇跡的な勝利を経験し、最後は「快勝」で締めくくり、前回に続き、「ワールドカップ」を手にした。
 現状では、「ワールドカップ」と呼ぶには、それにふさわしい顔ぶれの揃う大会ではなく、この「ワールドカップ」の連覇で、「世界一」と胸を張ることはできない。しかし、「ベースボール型スポーツ不毛の地」といわれて久しいヨーロッパで、これだけ熱く、本気で、ソフトボールという競技を行い、2007年に続き、「ワールドカップ」と銘打つ大会を開催したホスト国チェコの「心意気」と、夢を追い、理想を追求するその「姿勢」にまず敬意を表したい。そして、ヨーロッパにそんな「心強き友人」「ともに高め合う仲間」がいるということを心から嬉しく思う。
 日本とチェコの戦いは、十分に「ソフトボールの魅力」を伝えるものであり、プレーする選手たちはもちろん、観る者の心を打つ試合を展開したといえるだろう。それだけでも、この大会の開催意義があり、日本が参加した意味があるというものである。予選リーグ2度目の対戦、セミファイナルがテレビで生中継され、ファイナルも生中継こそなかったが、録画で翌日放送されたことも、その注目度の高さの表れであり、ソフトボールの魅力、面白さを伝えることができた「証」でもある。
 今後、ISFがどのような理念のもとに、ソフトボールのさらなる普及・振興を図っていくのか不透明な部分はあるが、少なくともヨーロッパでの普及の「起点」となり得る国が存在することは明らかになった。そして、そこに賛同したアジアの国があったことも。
 せっかく生まれかけているこの「流れ」を大切にするとともに、この「流れ」の中に、世界王者・オーストラリア、男子ソフトボールのリーダー・ニュージーランド、確固たるソフトボール人気・地位を確立しているカナダ、アメリカといった「世界の強豪」を巻き込み、この「流れ」をより大きく、太く、育てていかなくてはならない。それをコーディネートできるのは日本だけである。今こそ、日本はその「キーパーソン」であることを自覚し、動くべきである。

〔決勝トーナメントファイナル(チェコ戦)日本代表・スターティングラインアップ〕

1番・センター 横山  拓(岐阜エコデンSC)
2番・キャッチャー 片岡 大洋(高知パシフィックウェーブ)
3番・ライト 上杉 大輝(旭化成)
4番・ショート 松岡 真央(旭化成)
5番・レフト 川田 直諒(旭化成)
6番・DP 鈴木 周平(岐阜エコデンSC)
7番・ファースト 伊藤 皓二(大阪桃次郎)
8番・セカンド 西森  雄(トヨタ自動車)
9番・ショート 槙田 直也(デンソー)
FP/ピッチャー 中村 健二(大阪桃次郎)
▽選手交代
5回表 中村 健二OUT→松田  光(平林金属)IN ※投手交代
〃  槙田 直也OUT→筒井 拓友(大阪桃次郎)IN ※サードの守備に入る。サード・松岡がショートの守備に回る。
5回裏 川田 直諒OUT→小田澤正紀(高崎市役所)IN ※代打
〃  西森  雄OUT→楠本  圭(Neo長崎)IN ※代打
6回表 小田澤正紀OUT→川田 直諒(旭化成)IN ※再出場し、レフトの守備には入る。
〃  楠本 圭OUT→西森 雄(トヨタ自動車)IN ※再出場し、セカンドの守備に入る。
〃  松田 光OUT→高橋 速水(高知パシフィックウェーブ)IN ※投手交代





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