女子日本代表 惜しくも準優勝

(2010.7.28)  

準優勝の成績を収めた女子日本代表

心を一つに……精一杯の戦いを見せた
打線の中軸を担い、活躍した坂元令奈

投手陣も毎試合、力投を見せた
一塁手としてフル出場した小柳薫

アメリカ、カナダら「世界の強豪」との連戦を戦い、
貴重な経験を積んだ。この経験を「次」につなげて

戦い終えて。優勝したアメリカとともに

 

 去る7月22日(木)〜26日(月)、アメリカ・オクラホマシティで「第5回USAワールドカップ」が開催され、日本、アメリカ、カナダ、U.S.A.Futuresの3カ国・4チームが参加。全チーム参加のダブルラウンドロビン(2回戦総当たり)方式の予選リーグで順位を決定し、予選1位対予選2位、予選3位対予選4位が対戦する最終順位決定戦を行う試合方式で覇が競われた。

 大会初日(22日/木)、U.S.A.Futuresと対戦。世界選手権7連覇を達成したアメリカチームの「次代を担う選手たち」を集めたU.S.A.Futuresは、若手主体といってもそのレベルは高く、他国の代表チームと遜色のない顔ぶれが集まっており、決して侮れない相手。この試合では、現在日本女子リーグ1部のHondaでプレーしているステイシー・ネルソンが先発。日本は2回表に、峰幸代、小柳薫の連打でチャンスをつかみ、ワイルドピッチと溝江香澄のタイムリーで2点を先制。試合の主導権を握ると、6回表には坂元令奈の安打からチャンスをつかみ、相手守備の乱れから1点を追加。このリードを染谷美佳、藤原麻起子の投手リレーで守り切り、最後は1点差まで追い上げられながら3−2で辛勝。初戦を勝利で飾った。

 大会2日目(23日/金)、この日はダブルヘッダーとなり、まずアメリカと対戦。先発・山根佐由里が3回までに3点を失い、リリーフした江本奈穂も2失点。アメリカ打線に5点を奪われ、頼みの打線もアメリカの先発・ジェニー・フィンチに4安打完封負け。最終回に無死満塁の反撃機を作ったが、この絶好機も三振、併殺で無得点。0−5で今大会初黒星を喫した。
 続くカナダ戦は、両チームともに走者は出しながら決定打を奪えず、両チーム無得点のまま、延長タイブレーカーに突入。日本は8回裏、タイブレーカーの走者を二塁に置き、この回先頭の山田恵里が故意四球で歩き、一死後、坂元令奈が劇的なサヨナラ安打を放ち、1−0で辛勝。粘るカナダを振り切り、苦しみながらも2勝目を挙げた。

 大会3日目(24日/土)、アメリカとの二度目の対戦を迎えた日本は、山根佐由里、江本奈穂、安福智の3投手がアメリカ打線につかまり、12安打・8失点。打線も1安打・9三振とアメリカの大型左腕・モニカ・アボットの前に完全に沈黙。屈辱の6回コールド負けを喫し、2勝2敗となった。

 予選リーグ最終日(25日/日)は、再びダブルヘッダーとなり、まずU.S.A.Futuresと対戦。初回、2回表、3回表、4回表とスコアリングポジションに走者を進めながら、「あと一本」が出ず、得点できずに終盤を迎えると、6回表に2本の内野安打と四球で二死満塁のピンチを迎え、守備の乱れから2点を失う苦しい試合展開。7回裏、敵失、安打、犠打などで二死二・三塁の一打同点の反撃機をつかみ、狩野亜由美がショート内野安打。1点を返し、「チームリーダー」山田恵里の一打に期待がかかったが、内野ゴロに倒れ、あと一歩及ばず、まさかの敗戦を喫した。
 日本はこの日の第3試合でカナダと対戦。第2試合で「王者」アメリカを相手に5−2で快勝し、「大金星」を挙げたカナダが相手となったが、日本は2回表、一死から松本尚子が安打で出塁。溝江香澄のバント安打の間に一塁走者・松本が判断よく三塁を陥れ、狩野亜由美のショートゴロの間に三塁走者が生還。待望の先取点を挙げると、3回表には、山田恵里の四球、馬渕智子の安打で無死一・二塁とし、坂元令奈のセカンドゴロで一塁走者が二塁封殺。一死一・三塁となった後、小柳薫のサードゴロがエラーを誘い、2点目。4回表には、2つのエラーで二死一・二塁とし、坂元令奈がライト前にタイムリー。1点を追加し、6回表にも一死から山田恵里が四球で出塁すると、すかさず盗塁。馬渕智子がセンター前にはじき返し、ダメ押しの4点目。カナダの息の根を止めた。
 守っては、先発・藤原麻起子、山根佐由里の投手リレーでカナダ打線を4安打完封。通算成績を3勝3敗の勝率5割とし、予選リーグの全日程を終了した。

 大会最終日(27日/月)、まず昨日の雨でこの日の第1試合に順延されたアメリカ対U.S.A.Futuresの予選リーグ残り1試合が行われ、アメリカが3−0で快勝。予選リーグ5勝1敗で1位通過が決定。2位には3勝3敗の日本が入り、カナダとU.S.A.Futuresが2勝4敗で並び、直接対決の勝敗は1勝1敗、両チームの対戦における失点も9で並んだため、予選リーグ全試合の総失点で順位を決定。総失点17のU.S.A.Futuresが総失点25のカナダを上回り、U.S.A.Futuresの3位、カナダの4位が決定した。
 予選リーグの3位と4位、1位と2位が対戦する最終順位決定戦は、まず予選3位のU.S.A.Futuresと予選4位のカナダが対戦。試合は終盤まで3−3の同点という白熱した試合展開となったが、最終回にU.S.A.Futuresの打線が爆発。一挙6点を奪い、粘るカナダを突き放し、9−3で勝利。3位の座を確定させた。
 決勝は、予選1位のアメリカと予選2位の日本の対戦となり、アメリカが日本・先発の藤原麻起子の立ち上がりを攻め、初回にジェシカ・メンドーザのタイムリーで1点を先制すると、2回裏には二死一・二塁からケイトリン・ロウが走者一掃の三塁打を放ち、2点を追加。
 日本も3回表に「チームリーダー」山田恵里のタイムリーで1点を返したが、その裏、守備の乱れから1点を失い、6回裏にもナターシャ・ワトリーの犠牲フライでダメ押しの1点を奪われ、万事休す。1−5で敗れ、準優勝に終わった。
 先の世界選手権に続く、準優勝。カナダから2勝を挙げたことは評価できるが、「王者」アメリカには3連敗。日本の「ホーム」での開催となる「2010 JAPAN CUP 国際女子ソフトボール大会 in 仙台」(8月6日〜8日/宮城県仙台市)では、是非とも「リベンジ」を果たし、優勝を飾ってもらいたいところだ。

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■7月22日(木)
予選リーグ第1戦

  1 2 3 4 5 6 7
日     本 0 2 0 0 0 1 0 3
U.S.A.Futures 0 0 0 0 0 0

2

2

染谷(3回)・○藤原(4回)−峰(7回)
〔二塁打 〕山田

■7月23日(金)
予選リーグ第2戦

  1 2 3 4 5 6 7
アメリカ 0 2 1 0 0 2 0 5
日  本 0 0 0 0 0 0

0

0

●山根(4回)・江本(3回)−谷川(7回)

予選リーグ第3戦

  1 2 3 4 5 6 7 8
カナダ 0 0 0 0 0 0 0 0 0
日 本 0 0 0 0 0 0

0

1x

1

藤原(3回)・○染谷(5回)−峰(8回)

■7月24日(土)
予選リーグ第4戦

  1 2 3 4 5 6
日  本 0 0 0 0 0 0 0
アメリカ 1 3 0 2 0 2x 8

※大会規定により6回得点差コールド
●山根(2回)・江本(2回)・安福(1回1/3)−峰(2/3)・谷川(4回2/3)

■7月25日(日)
予選リーグ第5戦

  1 2 3 4 5 6 7
U.S.A.Futures 0 0 0 0 0 2 0 2
日     本 0 0 0 0 0 0

1

1

●染谷(6回)・藤原(1回)−谷川(7回)
〔二塁打〕小柳

予選リーグ第6戦

  1 2 3 4 5 6 7
日 本 0 1 1 1 0 1 0 4
カナダ 0 0 0 0 0 0

0

0

○藤原(5回1/3)・山根(1回2/3)−谷川(7回)
〔二塁打〕谷川

■7月26日(月)
・1位・2位決定戦

  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 1 0 0 0 0 1
アメリカ 1 2 1 0 0 1

5

●藤原(1回2/3)・安福(2回1/3)・江本(2回)−谷川(6回)
〔二塁打〕河野
※日本の最終順位は2位