日本、アルゼンチンに4回コールド勝ち!初戦を飾る!!


 (2011.12.9)




 12月8日(木)、南アフリカ・ケープタウンで第9回世界女子ジュニア選手権大会(大会オフィシャルサイトはこちら 大会スケジュールはこちら 女子U19日本代表選手名簿はこちら)第2日、この日が初戦となる日本は、アルゼンチンと予選リーグ第1戦で対戦。10−0の4回コールド勝ちを収め、2大会ぶり5度目の「世界制覇」へ向け、上々のスタートを切った。

■大会第2日(12月8日/木)

・予選リーグ第1戦

  1 2 3 4
アルゼンチン 0 0 0 0 0
日     本 0 1 5 4x 10
(4回得点差コールド)
  (日)○平原かすみ(4回)−宇野有加里
〔本塁打〕宇野有加里、山城みな
〔三塁打〕市口侑果
〔二塁打〕長楓]未

 日本の大事な初戦の先発は平原かすみ。すでに「日本代表」に抜擢され、「第10回アジア女子選手権大会」(9月21日〜27日/台湾・南投)で「開幕投手」を務め、4勝を挙げた右腕が、このU19のカテゴリーでも「開幕投手」となった。
 その立ち上がり、アルゼンチン打線を三者凡退に退け、2回表に初安打を許したものの、しっかりと後続を断ち、「日本代表」を経験したピッチャーの「落ち着きと貫禄」を感じさせるピッチングを見せた。

 先取点の欲しい日本は2回裏、この回先頭の6番・熏竝′獅ェ四球を選び、内野ゴロ、ワイルドピッチで一死三塁とすると、8番・鈴木鮎美がヒットエンドランを決め、1点を先制。続く3回裏には、1番・市口侑果のレフト線へのスリーベースでチャンスを作ると、2番・斎藤優華の四球、盗塁で無死二・三塁とし、3番・宇野有加里、4番・長楓]未の連打で3点を追加。さらに5番・山城みなのバントヒットで一・三塁とし、盗塁で揺さぶると、これが捕手の二塁への悪送球を誘い、この回4点目。なお無死三塁のチャンスが続き、6番・熏竝′獅ェしぶとく一・二塁間を破り、この回大量5点を追加。さらに4回裏には、3番・宇野有加里、5番・山城みなが相次いでツーランを放ち、アルゼンチンに大勝。4回コールドで初戦を飾った。

 大事な大会の初戦ということもあり、試合開始直後は「らしくない」試合運びも見られたが、終わってみれば4回コールドの大勝。予選リーグ「POOL・B」の上位を争うと見られる「ライバル」台湾、オーストラリアの連戦を前に、まずは「いい形」で初戦を飾ったといえよう。

 ただ、明らかに力の差のある相手に対し、初回の一死一・二塁をモノにできなかった。大量5点を挙げたとはいえ、3回裏の攻撃も5点を取って、なお無死二・三塁の好機が続きながら、無得点。このような「甘い」試合運びでは、2大会ぶり5度目の「世界制覇」はまだまだ遠いと言わざるを得ない。
 大事な試合では先制点がモノをいう。そして、「勝負を決める1点」を取りにいく「貪欲さ」や「厳しさ」が必要になる。常に先手を取り、リードした状態で試合を進められれば、絶対に負けることはない。どれだけリードを奪っても、「もう1点」「もう1点」と貪欲に1点を取りにいく姿勢、気持ちが「本物の強さ」を育てていく。
 「世界チャンピオン」となるためには、ほんのわずかな「隙」もあってはならない。万全を期して臨んでも、気まぐれな「勝利の女神」はちょっとしたことで微笑む先を変えてしまう。「勝負の世界」にあっては、「一寸先は闇」であり、だからこそ「これ以上はできない」というところまで、勝利を追求し、勝つための努力を積み重ねていかなければならないのである。

 すでに「日本代表」を経験した選手がおり、日本リーグのレギュラーで活躍する選手も、タイトルホルダーも多数いる。世界トップレベルの選手たちが集う「日本リーグ」で、上野由岐子(ルネサスエレクトロニクス高崎)、モニカ・アボット(トヨタ自動車)、ジャスティン・スメサート(佐川急便)、呂偉(日立マクセル)ら、日本、アメリカ、オーストラリア、中国といった「ソフトボール強豪国」のエースと日常的に停戦している選手たちにとっては、「世界選手権」といっても、所詮は「U19(19歳以下)」のカテゴリーであり、それ以上のピッチャーと対戦することは、「ない」といえるだろう。
 しかし、「国」を背負い、戦っていく「世界選手権」という舞台は、決して甘くはない。そして、11日間にわたり、毎日毎日試合を行っていく過酷なスケジュールは、徐々に選手の肉体を傷つけ、精神を蝕んでいく。思わぬアクシデント、予想外の出来事、それが起こるのが「世界」の舞台である。
 目の前の1試合1試合をしっかりと勝って行くこと。「世界一」への道は、勝つことでしか切り開くことはできないし、その道に「近道」は存在しない。目の前の勝利を積み重ねることのみが、「世界一」に近づくための唯一の道なのである。だからこそ、そこに「妥協」や安易な「満足」があってはならない。


予選リーグ第1戦 アルゼンチン戦スターティングラインアップ

1番・セカンド 市口 侑果(ルネサスエレクトロニクス高崎)
2番・レフト 斎藤 優華(とわの森三愛高)
3番・キャッチャー 宇野有加里(ルネサスエレクトロニクス高崎)
4番・センター  長普@望未(トヨタ自動車)
5番・サード 山城 みな(太陽誘電)
6番・ショート 熏竅@香月(豊田自動織機)
7番・ファースト 松木 瑛里(デンソー)
8番・DP 鈴木 鮎美(トヨタ自動車)
9番・ライト 小松 美樹(ルネサスエレクトロニクス高崎)
FP/ピッチャー 平原かすみ(東京女子体育大)
※選手交代→なし

予選リーグ第1戦・アルゼンチン戦に臨む!

日本の初戦の相手はアルゼンチン

2回裏、8番・鈴木がヒットエンドランを決め、先制!

3回裏、1番・市口が大量点の口火となる
レフト線へのスリーベースを放つ!

4回裏、キャプテン・宇野がツーランを放つ

4回裏、山城のツーランで4回コールド勝ちを決めた

日本、2大会ぶり5度目の「世界一」へ好発進!