大会情報/競技部門
“大学の歴史は日本体育大と共に在り”といっても過言ではないほど、日本体育大(東京)の強さは際立っており、1970年からの「6連覇」を最高に「32回」の優勝回数を誇っている。
ウィンドミル投法の元祖・故 下奥信也監督のもと、三宅豊、北義男、大村明久、宮平永義ら次々と好投手を輩出。日本のソフトボール界をリードし、支える存在として君臨してきた。
1990年代に入ると、「群雄割拠の戦国時代」を迎え、東海大(神奈川)、中京大(愛知)、京都産業大(京都)が「王座」を奪取。好投手・儀保信虎を擁する沖縄国際大(沖縄)の「連覇」、立命館大(京都)の二度の「戴冠」等、日本体育大「1強」の時代からめまぐるしく「王者」が入れ替わる「激動」の時代となった。
2000年代に入ると、「王者」日本体育大が「王座奪還」を果たし、2000年~2003年といきなり「4連覇」を果たしたが、2004年は後に「日本代表」としても活躍するクレバーな左腕・照井賢吾を擁する国士舘大(東京)が決勝で日本体育大との息詰まる投手戦を制し、優勝。日本体育大の「連覇」をストップさせ、翌2005年は台風直撃の悪天候の中、早稲田大(東京)が「初」の頂点に立ち、2006年・2007年は国士舘大が「連覇」。2008年は日本体育大が「エース」高橋速水の活躍もあり、王座を奪還。監督就任1年目の「兄」である高橋流星監督に「インカレ初優勝」をプレゼントし、翌年も「連覇」を達成。全日本総合男子選手権大会でも「決勝進出」を果たす快進撃を見せた。
2010年はかつて「世界のエース」として名を馳せた西村信紀が監督としてチームを率いる環太平洋大(岡山)が初優勝。翌2011年は中京学院大(岐阜)が初の頂点に立つ等、「新興勢力」が台頭。2012年~2014年は早稲田大が「3連覇」。2015年は悪天候のため、ベスト4が出揃ったところで大会打ち切りとなり、2016年は環太平洋大が二度目の戴冠。2017年・2018年・2019年と日本体育大が盛り返し、3連覇を達成。2016年の「世界ジュニア選手権優勝投手」小山玲央(現・平林金属/岡山)の活躍もあり、「黄金時代再来」を思わせる「強さ」を見せ、その小山が卒業し、抜けた2021年も優勝を飾ったが、一昨年、昨年は環太平洋大が「連覇」。「どこが勝つかわからない」「どこが勝ってもおかしくない」レベル均衡、観る者にとっては「面白い大会」となっている。
大学のカテゴリーの「全国大会」は、この「インカレ」(全日本大学男子選手権大会)だけだが、東日本インカレ・西日本インカレや東京都リーグ、関東リーグ、東海リーグ、関西リーグ等、各地区でのリーグ戦も盛んに行われている。
また、大学チームであっても「全日本総合男子選手権大会」の各都道府県予選・各地区予選を突破すれば本大会出場の道が拓ける。「国民体育大会」も大学生が各都道府県の選抜チームに名を連ねることは珍しくなく、全員大学生のチームが都道府県の代表チームとなってブロック予選を勝ち上がり、本大会へ出場するケースも増えており、大学生にとっては「チャンス」が広がっている状況にある。
2018年には、ジュニア時代に「世界」を制し、2019年には「限りなく世界一に近い準優勝」で日本を男子TOPカテゴリー二度目の準優勝に導き、現在も「日本代表」として活躍する小山玲央を軸とする日本体育大が「全日本総合男子選手権大会」を制し、「大学勢初の総合選手権制覇」という偉業を成し遂げ、その「競技レベルの高さ」を証明する結果を残している。
2024