女子GEM2(U16)日本代表チーム選手選考会を実施
参加選手をA・B・C・D、4つのグループに分け、「リーダー」
「サブリーダー」を選出。すべての連絡はそこを通じて行われた
投手陣はスピードガンによる球速測定を実施
捕手は盗塁を想定した二塁送球のタイムを測定
マシンを利用し、基本的な打撃技術をチェック
塁間走のタイム測定も全員実施!
選考会2日目・3日目は試合形式での選考となった
選手たちは「全力プレー」で懸命に自己アピール!
一球一球、必死で食らいつき、「日本代表」の座をめざす!!
すべての選手が最後の最後まで全力を尽くし、3日間の選考会を終了した
去る4月13日(金)~15日(土)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを会場に、「平成30年度 女子GEM2(U16)日本代表チーム選手選考会」が開催された。
この選考会には、全国各都道府県支部協会の推薦を受けた選手53名が参加。今夏、カナダ・サレーで開催される「2018 カナダカップ ショーケースゴールドトーナメント」に派遣される「女子GEM2(U16)日本代表」の座をめざし、厳しい選考に臨んだ。
選考会初日(4月13日/金)、公益財団法人日本ソフトボール協会選手強化本部会・齋藤春香女子強化委員長が挨拶に立ち、「現在、日本ソフトボール協会では女子TOP日本代表を『頂点』とするジュニア世代の強化に力を注ぎ、GEM1~GEM3のカテゴリーを設け、選手育成・強化を進めています。このGEM2は高校1年生・中学3年生を対象としたカテゴリーになりますが、今年7月にカナダ・サレーで開催される『2018 カナダカップ ショーケースゴールドトーナメント』に派遣する代表選手17名を決める選考会となりますので、皆さんの持てる力を余すことなく発揮できるよう頑張ってください」と、参加選手を激励した。
続いて、渡辺祐司GEMプロジェクトリーダーが、「この選考会では、皆さんの選手としての技量はもちろんのこと、グラウンド上だけではなく、宿舎等でのマナー、礼儀、言葉使いや立ち居振る舞いに至るまで、すべてが選考対象となります。『日本代表』として誰からも愛され、すべてのソフトボール選手の見本・お手本とされる選手となるよう、常に自分自身で心がけ、自らの言動に責任を持つようお願いします』と、日本を代表するトッププレーヤーとしての「あるべき姿」や「めざすべき場所」が説かれ、選考会に臨む全員が改めて襟を正し、本格的な選考内容へと入っていった。
この後、本格的な選考内容に入り、まず守備・打撃の「基礎・基本」的な能力がチェックされ、投手はそれぞれが有する球種を自己申告の上、実際に投球。その投球がスピードガンで測定され、球威・球速、変化球の切れ、コントロールが選考の対象となった。
野手は希望する「第1ポジション」「第2ポジション」でノックを受け、基本的なグラブさばき、打球への反応、敏捷性、守備範囲の広さ、肩の強さ、スローイングの正確性といった守備の基本的な能力が選考対象となった。
また、捕手は盗塁阻止を想定し、投球を捕球してから二塁へ送球(二塁へ到達)するまでのタイムも測定。様々な角度から個々の有する基本的な守備の能力・技術がチェックされた。
続いて、2カ所に分かれ、マシンを使用してのバッティングを行い、基本的なバッティングフォーム、スイングスピード、ミートの正確性、バットコントロール、打球の速さ、飛距離等が選考対象とされ、打撃の基本技術・バッティングセンスが精査された。
最後に、盗塁を想定した塁間走の計測を全員で行い、初日の選考を終了した。
選考会2日目(4月14日/土)・3日目(4月15日/日)は、「実戦形式」での選考に入り、A・B・C・Dの4チームに分かれ、試合形式での選考を行った。
この「試合形式」での選考は、「ノーアウト1塁、ワンボール・ワンストライク」の状況を設定して行われ、打者は走者を進め、チャンスを広げるのか、あるいは自らも生き、さらなるビックチャンスを作るのか、個々の選手の「判断」に任され、刻々と変わっていく試合の状況を的確に判断し、その狙い・状況に即したプレー、技術の使い分けができているか否かに選考委員の「厳しい目」が注がれた。
一方、投手を含めた守備陣は、相手の「狙い」をより早く察知し、それをさせない、防ぐためのピッチングの組み立てや配球、ポジショニング等ができているか等が選考対象となった。
試合形式は、設定された各状況に対応する形で進められ、最後はすべての設定を取り払った「完全な実戦形式」で選考が行われ、選手たちは持てる力のすべてを出し切り、懸命にアピール。「日本代表」の座をめざし、全力プレーを続けた。
今回の選考会で印象に残ったのは、試合形式を行ったA・B・C・Dのチームで「リーダー」「サブリーダー」が選出され、すべての連絡事項は、その「リーダー」「サブリーダー」を通じて行う形が取られたことである。
女子GEM2リーダーの吉田央氏は、「昨年12月の『SOFT JAPAN WINTER CAMP in 沖縄』で、TOPチームの選手たちが指導者の指示を待つのではなく、自ら能動的に考え、動いている姿がとても印象に残りました。この選考会では、ただ言われるままに行動するのではなく、選手たち自身がリーダー、サブリーダーを中心としてキチンとスケジュールを把握・管理し、互いにチェック・確認しながら、『どうしたら皆に間違いなく伝えることができるか』『漏れなく、効率的に、伝達するにはどうしたらいいか』を、自ら考え、工夫し、選手自身が主体性を持って行動するよう、促しました」と、その意図・狙いを説明。それが功を奏したか、選手たちにいつも以上の自主性・積極性が感じられた。
3日間にわたる厳しい選考の結果、下記の17名が「女子GEM2(U16)日本代表」に選出され、7月12日(木)~24日(火)(大会開催期間:7月16日(月)~22日(日)の7日間)、カナダ・サレーで開催される「2018 カナダカップ ショーケースゴールドトーナメント」に派遣されることになる。
今回、選出された顔ぶれを見てみると、すでに「飛び級」で女子GEM3(U19)日本代表入りしている左腕・山下千世を筆頭に、過去に女子GEM1(U14)日本代表、女子GEM2(U16)日本代表に選出され、若くして「国際経験」を積んだ「実績」のある選手が多数選出されている。その意味では、この選考結果からも「GEMプロジェクト」が着実に成果を挙げ、世代ごとの段階的な強化がしっかりと実を結んでいることが読み取れる。
「初の試み」となった昨年の「2017 カナダカップ ショーケースゴールドトーナメント」への派遣では、大会を通じて「無敗」のまま、「頂点」へ登り詰め、見事「優勝」を飾っている。
今年度の「女子GEM2(U16)日本代表」も、それに負けない「大きな収穫」を持ち帰り、いつの日か、「世界選手権」「オリンピック」の大舞台で活躍する選手に成長するための貴重な経験の場とし、「次なるステージ」へ進むための一つの「ステップ」としてくれることを期待したい。
No. | 守 備 | 氏 名 | 所属名 |
---|---|---|---|
1 | 投手 | 川田 和 | 高崎健康福祉大学高崎高等学校 |
2 | 〃 | 馬場 千宙 | 大阪偕星学園高等学校 |
3 | 〃 | 松本 琴和 | 神奈川県立厚木商業高等学校 |
4 | 〃 | 山下 千世 | 浜松市立高等学校 |
5 | 〃 | 湯田 結那 | 帝京安積高等学校 |
6 | 捕手 | 栗城 陽向 | 日出高等学校 |
7 | 〃 | 松久 歩未 | 創志学園高等学校 |
8 | 内野手 | 井上 美樹 | 東海学園高等学校 |
9 | 〃 | 伊波 蘭 | 日出高等学校 |
10 | 〃 | 杉浦 穂華 | 千葉経済大学附属高等学校 |
11 | 〃 | 中辻 美空 | 兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校 |
12 | 〃 | 菱谷 香実 | 佐賀女子短期大学付属佐賀女子高等学校 |
13 | 〃 | 山根 葉月 | 創志学園高等学校 |
14 | 〃 | 吉金 亜希子 | 済美高等学校 |
15 | 〃 | 吉村 菜津子 | 神奈川県立厚木商業高等学校 |
16 | 〃 | 渡辺 己湖 | 創志学園高等学校 |
17 | 外野手 | 河野 まひる | 福岡市立箱崎清松中学校 (福岡レッドドリームズ) |
No. | 役 職 | 氏 名 | 所属名 |
---|---|---|---|
1 | チームリーダー | 松田 和広 | 延岡市立恒富中学校 |
2 | ヘッドコーチ | 熊井 道也 | 高崎健康福祉大学 |
3 | アシスタントコーチ | 山本 かんな | 京都市立洛南中学校 |
4 | トレーナー | 光本 雅美 | SGホールディングス |
5 | 総務 | 山内 亜美 | (公財)日本ソフトボール協会 |