「日韓競技力向上スポーツ交流事業(日韓ソフトボール交流)」を実施!
高崎市の支援・バックアップもあり、2019年以来となる事業再開にこぎつけた
春の選抜、夏のインターハイを制し、今回の「交流事業」のホストチームを務めた「日本代表」兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校(兵庫)
インターハイ準優勝校・神村学園高等部(鹿児島)との対戦も実現
「交流事業」が実施された「宇津木スタジアム」を本拠地とするビックカメラ高崎 ビークイーンによる技術指導も行われた
「JD.LEAGUE初代チャンピオン」にして、女子TOP日本代表選手を多数擁するビックカメラ高崎 ビークイーンのメンバーが「直接指導」を行ってくれた
雨天時には宇津木スタジアムの室内練習場を利用し、インターハイ女子・優勝校と合同練習
互いに活発な意見交換を行い、「強くなるために」「勝つために」何をすべきか、ともに考え、練習に励んだ
日本「トップレベル」のチームと「親善交流試合」。韓国チームが攻め込み、チャンスを作る場面もあったが……
この「交流事業」を一つのステップとし、「世界の舞台」で戦うことを目標に、「再会」する日を信じて……
来日し、積極的な取り組みを見せた韓国チーム。11月には日本チーム(兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校)が派遣され、韓国を訪問
去る8月7日(月)~12日(土)、「日韓競技力向上スポーツ交流事業(日韓ソフトボール交流)」(チーム招待)が実施された。
この「日韓交流事業」は2001年にスタートし、今年で20回目の開催。2019年に開催して以来、コロナ禍もあり、2020年~昨年(2022年)まで3年連続で「中止」を余儀なくされ、開催を見合わせてきたが、今年ようやく「再開」することができた。
この「交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、両国の友好親善と競技力向上を目的に「相互派遣方式」で実施されている。
従前は、9月初旬にまず日本チームが韓国を訪問。これを受け、11月に韓国チームが来日するのは「通例」であり、お決まりの「パターン」であったが、今年は韓国チーム(女子U18代表チーム)が8月7日(月)~12日(土)の6日間にわたり来日。今春、鹿児島県鹿児島市で開催された「第41回全国高等学校女子選抜大会」の覇者であり、この「交流事業」の直前に開催されたインターハイでも優勝を飾った兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校(兵庫)が「日本代表」として「ホストチーム」となって、まず今回の受入事業を実施。この後、11月20日(月)~25日(土)の日程で韓国を訪問(派遣事業)する予定となっている。
韓国女子U18代表チームは8月7日(月)に来日。今回の「交流事業」が実施される群馬県高崎市へと向かい、翌8日(火)から早速、「宇津木スタジアム」で「親善交流試合」を実施。「日本代表」であり、この「交流事業」の「ホストチーム」である兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校との対戦を中心に、毎年この時期開催されている「ラビットカップ」(女子TOP日本代表ヘッドコーチであり、「宇津木スタジアム」を本拠地とするビックカメラ高崎所属の宇津木麗華氏、現・(公財)日本ソフトボール協会事務局長であり、「東京2020オリンピック」金メダル獲得時には選手強化本部長、従前は高校女子(酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校)の監督であった矢端信介氏、今回、「ホストチーム」となっている兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校の池田紀子監督、高崎健康福祉大学高崎高等学校の熊井道也監督がみな「兎年」(うさぎどし)生まれであることから命名された交流大会)が開催されていたこともあり、今夏のインターハイ準優勝校・神村学園高等部(鹿児島)、地元・高崎の強豪・高崎健康福祉大高崎高等学校との対戦も実現した。
8月8日(火)は、いきなりインターハイ優勝校・準優勝校との対戦となり、韓国チームも懸命の戦いを見せてくれたが……常に「U18」のカテゴリーでは「世界のトップ」を争う国際的な競技力を誇る日本の一、二を争うチームが相手とあっては、さすがに分が悪く、いずれも二桁得点差をつけられ、完封負け。悔しい結果となった。
それでも……日本のトップレベルのチームと「直接対決」する機会を得たことは、韓国チームにとって、試合の「勝敗」だけでは計ることのできない「貴重な経験」となったことは間違いない。
また、試合終了後には、この「宇津木スタジアム」を本拠地とする「JD.LEAGUE 初代チャンピオン」であり、数々の「女子TOP日本代表選手」を輩出しているビックカメラ高崎 ビークイーンのメンバーが、韓国チームに技術指導。守備、打撃、ピッチングと「王者」の技術を伝授し、「直接指導」する場面も見られた。
翌9日(水)はあいにくの雨。予定されていた試合は「中止」となってしまったが、宇津木スタジアムの室内練習場で、「日本代表」兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校と合同練習。春の選抜、夏のインターハイの「二冠」に輝くチャンピオンチームが、その「強さ」の秘訣を伝授。「勝つため」「強くなるため」の日々の練習、「須磨ノ浦メゾット」を惜しげもなく公開し、互いのレベルアップのためにと、活発な意見交換を行いながら、「勝つために何をすべきか」「強くなるためにどうしたらいいか」をともに考えながら練習を行う「またとない機会」「貴重な時間」を過ごした。
8月10日(木)、「日本代表」兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校と再戦。チャンスを作り、「チャンピオンチーム」を慌てさせる場面もあったが……「ここぞ!」という場面で「あと一本」が出ず、徐々に点差を離されている展開に。
昼食時には、「東京2020オリンピック」で金メダルに輝いた女子TOP日本代表・宇津木麗華ヘッドコーチが韓国チームを激励。日本が誇る「トップチーム」相手とはいえ、大敗続きで1点も奪えず……酷暑の中での試合ということもあって「元気」を失くしていたチームが「金メダル監督」の激励の言葉で「元気」と「勇気」を取り戻し、一気に活気づいた。
その「成果」か、最終戦、地元・高崎の高崎健康福祉大学高崎高等学校との対戦では、ついに「1点」を挙げ、先手を奪う場面も……。ここでもチャンスで「あと一本」が出ず、逆転を許し、徐々に点差を広げられる試合展開となってしまったが、これまでの試合とは明らかに違う「成長の跡」、交流の「成果」を見せてくれた。
8月11日(金)、韓国チームは東京に移動し、観光とショッピングを楽しみながら、日本の文化、歴史、伝統にふれる時間を持ち、翌12日(土)に帰国の途についた。
8月7日(月)~12日(土)の6日間、「日韓競技力向上スポーツ交流事業(日韓ソフトボール交流)」(チーム招待)。両国の「将来」「未来」を担うジュニアカテゴリーの選手たちが、この「交流事業」を一つのステップとしてさらに成長し、今後、「アジアカップ」のみにならず「ワールドカップ」、あるいは「アジア競技大会」「オリンピック」といった「夢の舞台」で、互いに元気に「再会」し、「成長した姿」を見せ合う、この「交流事業」の「理念」を「現実のもの」としていかなくてはならない。今後、一人、また一人とこの交流事業に参加した選手の中から日韓両国を代表する選手が育ち、世界の舞台に羽ばたいていく「契機」とし、「登竜門」としていくこと。それが日韓両国に与えられた「ミッション」であり、とりわけ日本にはアジアにおいて、世界において、「ソフトボール」というスポーツ・競技を牽引し、推し進めていくという大きな使命と役割を担うべき立場にある。この「交流事業」もその「担うべき役割」の一環として取り組み、「アジアのリーダー」として、さらなるソフトボールの普及・発展、アジア全体の底上げとレベルアップ、競技力向上を実現させるべく「真のリーダーシップ」を発揮していかなくてはならない。