「日本代表」として第42回全国高校選抜女子大会優勝チーム・多治見西高等学校(岐阜)が韓国に派遣された
「親善交流試合」を中心に互いの競技力向上・レベルアップに努めた
国際交流・親善を深めながらも「真剣勝負」でぶつかり合った
試合終了後には互いのトレーニング方法・練習方法について情報交換・意見交換を行う時間も設けられた
グラウンド内外で熱烈な歓迎を受け、国際交流を深め、互いの信頼関係を築く貴重な機会となった
韓国への派遣事業により、貴重な国際経験を積み、日韓両国の「今後」にさらなる期待が膨らむ
いつの日か……「ワールドカップ」「オリンピック」の大舞台で再会を!
去る11月9日(土)〜11月14日(木)、「日韓ジュニアスポーツ交流事業 ソフトボール競技」(チーム派遣)が実施され、「日本代表」として今春の「第42回全国高校選抜女子大会」で岐阜県勢として「初」の「全国制覇」を果たし、夏の「インターハイ」でも決勝進出。惜しくも優勝を逃し、「春・夏連覇」はならなかったものの、チームを率いる上松美香子監督とその「実弟」有住隆監督率いる神村学園高等部(鹿児島)との「姉弟対決」が大きな話題を呼んだ多治見西高等学校(岐阜)が韓国・釜山に派遣された。
この「日韓交流事業」は2001年にスタートし、今年で21回目の開催。2019年の開催の後、コロナ禍もあり、2020年~2022年の3年間、「中止」を余儀なくされ、開催を見合わせてきたが、昨年(2023年)ようやく「再開」され、今年も開催することができた。
この「交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、両国の友好親善と競技力向上を目的に「相互派遣方式」で実施されている。
従前は、9月初旬にまず日本チームが韓国を訪問。これを受け、11月に韓国チームが来日するのが「通例」であり、お決まりの「パターン」であったが、昨年から韓国チーム(女子U18代表チーム)が先に来日し、「日本代表チーム」が11月に韓国を訪問するパターンに切り換えられ、今回は去る8月2日(金)~7日(水)、「チーム招待」事業を実施。韓国女子U18代表チームが来日し、群馬県高崎市で今回韓国に派遣された多治見西高等学校が「日本代表」として「ホストチーム」を務め、互いの競技力向上・レベルアップをめざし、交流事業を実施。今回はそれを受けての「チーム派遣」事業の実施となった。
「日本代表」チーム(多治見西高等学校)は11月9日(土)、中部国際空港を出発。交流事業が実施される韓国・釜山へと向かった。釜山に到着し、ホテルに入ると、翌日からのスケジュールを確認すべくスタッフミーティングを実施。実施事業の詳細を確認し、入念な打ち合わせを実施した。
翌10日(日)からは「親善交流試合」を実施。午前・午後各1試合、計2試合を行い、試合終了後には互いのトレーニング方法・練習方法を情報交換。多治見西高等学校が「日本一」「全国制覇」を成し遂げた日々の練習内容が披露され、伝授されるシーンも見られた。
3日目(11月11日/月)、4日目(11月12日/火)は午前中「親善交流試合」を1試合行い、午後は韓国側の要望もあり、基礎練習から始まり、ソフトボール独特の変化球である「ライズボール」への対応策、その打ち方についての練習を重ねる等、多治見西高等学校・上松美香子監督がジュニアカテゴリーでもTOPカテゴリーでも「世界TOPレベル」にある日本のソフトボールの「真髄」を伝えるべく、「熱血指導」に乗り出す場面も見られた。
11月13日(水)、市内観光やショッピングを行いながら韓国文化に触れる時間も持ち、翌14日(木)日本に帰国した。
11月9日(金)~14日(木)の6日間、実施された「日韓ジュニアスポーツ交流事業 ソフトボール競技」(チーム派遣)。両国の「将来」「未来」を担うジュニアカテゴリーの選手たちが、この「交流事業」を一つのステップとしてさらに成長し、今後、「アジアカップ」のみにならず「ワールドカップ」、あるいは「アジア競技大会」「オリンピック」といった「夢の舞台」で、いつの日か「再会」し、互いの「成長した姿」を見せ合い、「アジアの頂点」「世界の頂点」をめざし、ぶつかり合うという、この「交流事業」の「理念」を「現実のもの」としていかなくてはならない。
今後、一人、また一人とこの交流事業に参加した選手の中から日韓両国を代表する選手が出現し、世界の舞台に羽ばたいていく「契機」とし、次世代を担う選手たちの「登竜門」としていくこと。それこそが日韓両国に与えられた「ミッション」であり、とりわけ「世界チャンピオン」である日本にはアジアにおいて、世界において、「ソフトボール」というスポーツ・競技を牽引し、推し進めていくという大きな使命と役割を担うべき立場にある。
この「交流事業」もその「担うべき役割」の一環として取り組み、「アジアのリーダー」として、さらなるソフトボールの普及・発展、アジア全体の底上げとレベルアップ、競技力向上を実現させるべく「真のリーダーシップ」を発揮し、ソフトボールの「明るい未来」を指し示し、導いていく存在となっていくことが求められている。
ただ強いだけでなく、自らの勝利だけを追い求めるのではなく、アジアにおけるソフトボールの「裾野」を広げ、ともに進み、歩んでいく「パートナーシップ」と「信頼関係」の構築をめざしていかなくてはならない。相手が強くなったら困る、自分たちが勝てなくなっては困る……等という「つまらない考え」「度量の狭い考え方」は捨て去り、アジアの「仲間」たちに、日本が持つ「世界一のソフトボール」のノウハウを惜しみなく公開・伝承し、むしろ自らが乗り越えるべき「壁」を自らの手で生み出し、またその「壁」を超えていくことで、自分自身をさらに高め、強くしていく「試練」を自らに課すべきであり、それこそがアジア全体のレベルアップ、競技力向上につながり、ソフトボール全体を盛り上げていくムーブメントとなっていくはずである。
この「日韓交流」だけに留まらず、アジアへ、そして世界へ……ソフトボールの真の楽しさ、面白さを発信し、ともに手を携え、進んで行く。そのために日本が「真のリーダーシップ」を発揮していくことが求められている。「LA28」2028年のロサンゼルス・オリンピックでの「復活」が決まった今だからこそ、ソフトボールを愛し、携わるすべての人々が力を合わせ、この「ソフトボール」という素晴らしいスポーツを盛り上げるべく努力していく必要がある。
令和6年度日韓交流チーム派遣參加者名簿
No. | 守備 | 氏名 | 所属 |
1 | 投手 | 知野見桃子 | 多治見西高等学校(岐阜) |
2 | 〃 | 工藤ありさ | 多治見西高等学校(岐阜) |
3 | 〃 | 仁平 紗知 | 多治見西高等学校(岐阜) |
4 | 〃 | 広瀬 理央 | 多治見西高等学校(岐阜) |
5 | 捕手 | 林 柚良 | 多治見西高等学校(岐阜) |
6 | 〃 | 市川 幸奈 | 多治見西高等学校(岐阜) |
7 | 内野手 | 村上美沙希 | 多治見西高等学校(岐阜) |
8 | 〃 | 渡辺 華奈 | 多治見西高等学校(岐阜) |
9 | 〃 | 齋藤 春花 | 多治見西高等学校(岐阜) |
10 | 〃 | 久野日奈多 | 多治見西高等学校(岐阜) |
11 | 外野手 | 別府 柚良 | 多治見西高等学校(岐阜) |
12 | 〃 | 大嶽 真依 | 多治見西高等学校(岐阜) |
13 | 〃 | 芝田 芽依 | 多治見西高等学校(岐阜) |
14 | 〃 | 佐藤 涼菜 | 多治見西高等学校(岐阜) |
15 | 〃 | 佐々木杏愛 | 多治見西高等学校(岐阜) |
16 | 〃 | 髙木 莱夏 | 多治見西高等学校(岐阜) |
17 | 〃 | 竹中海唯希 | 多治見西高等学校(岐阜) |
No. | 役職 | 氏名 | 所属 |
1 | チームリーダー | 山田 博子 | (公財)日本ソフトボール協会 |
2 | ヘッドコーチ | 上松美香子 | 多治見西高等学校(岐阜) |
3 | アシスタントコーチ | 小沢佳那子 | 多治見西高等学校(岐阜) |
4 | トレーナー | 橋本 藍里 | 大垣ミナモソフトボールクラブ |
5 | 事務局 | 柳谷穂乃佳 | (公財)日本ソフトボール協会 |