去る6月8日(木)~11日(日)の4日間、岡山県岡山市において「男子TOP日本代表・第1次国内強化合宿」が実施され、来る7月7日(金)~16日(日)、カナダ・ホワイトホースで開催される「第15回世界男子選手権大会(※大会情報、試合スケジュール等はこちら)」に出場する男子TOP日本代表選手(17名)が参加。実戦主体の強化に励んだ。
今回の国内強化合宿は、地元・平林金属の全面的なバックアップにより、計3試合のテストマッチを実施。また、現在日本に“ソフトボール留学中”の外国人投手(※昨年の世界ジュニア選手権に出場したボツワナ代表チームの「エース」で、今年、日本男子西日本リーグ・ダイワアクトに「練習生」として参加している「速球派右腕」サムエル投手が協力)にサポートを依頼する等、世界選手権「本番」を想定した“打ち込み”が行われ、日本の投手とは違う投球フォーム、また、球威、球筋、変化球(ライズ・ドロップ)の切れに対して、どう対応し、攻略していくか……「世界基準・国際大会使用のバッティング」に磨きをかける取り組みにも多くの時間が割かれた。
男子TOP日本代表が第1次国内強化合宿を実施!
合宿前には「世界男子選手権出場」のPRも兼ね、
代表選手・スタッフが岡山市役所を表敬訪問した
その「PR効果」もあり、合宿当日は大勢の報道陣がグラウンドに!
選ばれし「日本代表17名」が集結! 本番に向け、いよいよ戦闘モード!!
夜のミーティングでは、前回大会の映像を入念にチェック
来日中の外国人投手にサポートを依頼し、「打ち込み」も行った
合宿2日目・3日目には平林金属の協力を得て、
計3試合のテストマッチを実施。「実戦」でチームを強化した
今回の合宿でも「最速」を叩き出していた岡﨑建斗
130㎞/h超の剛球が、再び世界の舞台で唸りを上げる!
合宿中は、訪れた地元の子どもたちとも積極的に交流
「頑張れ! 男子日本代表!!」とたくさんのエールを送ってくれた
合宿初日、午後に集合した男子TOP日本代表選手たちは、早速会場となるHIRAKINライズ球場へと移動。長めのウォーミングアップで個々のコンディションをチェックしながら、キャッチボール、トスバッティング、シートノックに入って汗を流すと、この後ゲームノックで守備の連係を入念に確認。夜には選手・スタッフが再度集まり、チームミーティングも行われた。
ミーティングでは、まず、今回男子TOP日本代表チームの「キャプテン」を務める高橋速水選手が「2月のニュージーランド遠征の際にも話をしましたが、皆で一丸となって戦い、勝つために、とにかく『雰囲気の良いチーム』を作っていきたいと思っています! そのためには個々が自分の役割をしっかりと考え、行動し、『全員で協力』し合わなければなりません。言葉で言ってしまえば非常にシンプルですが、これは皆さんの理解・協力がなければ決して成立するものではありません。また、チームとして戦う以上こういった基本的なことができなければ……良い結果を残すことはできないとも考えています。今回の世界選手権では何としても『5位の壁』を破りたい!! ここに集まった代表選手はもちろん、スタッフの方々を含め、チーム全員が同じ方向に向かって一丸となり、頑張っていきましょう」と力強く決意表明。
次に、前回の世界選手権の映像を振り返りながら、オーストラリア、ベネズエラ、アルゼンチンといった「世界トップレベルの投手」の投球シーンをチェック。球速135㎞/h超のライズ・ドロップを投げ込み、「世界最速の右腕」と評されるオーストラリアのアダム・フォーカードをはじめ、同じく球速130㎞/h台の「消えるように落ちるドロップ」を武器に、前回の世界選手権で3位に食い込んだベネズエラのラモン・ジョネス(※今大会、日本は予選リーグ初戦でこのベネズエラと対戦する)ら“世界一線級”と言われるプレーヤーたちの映像を視聴し、「本番で戦うイメージ」を膨らませた。
また、映像を見終わった後、自身も日本代表時代に「ワールドレベルのスラッガー」として名を馳せた岡本友章ヘッドコーチが「世界トップレベルの投手を打ち崩すために重要となる要素」を選手たちに説き、「2月のニュージーランド遠征でも強く感じたことだが、私の日本代表時代と比べて、『今の打者』は『動きの中でボールをとらえる打者』が多い。私はどちらかと言うと『止まった状態からバットを振り抜く打者』で、例えばアウトコース広めの厳しいところで勝負され、そこにバットが届かなければ……負けという感じだったが、松田や大石ら『現在活躍している打者』を見ていると、相手投手が投げ込んでくる球種・コースに対して自らが動き、つかまえにいくような打ち方が主流となっているように思う。ポイントは、そういった中で“世界一線級”の投手が投げ込んでくる球速130㎞/h台のライズ・ドロップをどう打つかということ。まずはとにかく、試合に臨む前、打席に入る前から、何度も何度も自分自身で『ボールをとらえ、打ち返すイメージ』を作っておかなければならない。ドロップをはってたとえそれを打ち損じたとしても、次のライズにどう対応するか……事前に『自分が打つ良いイメージ』を作り上げておくことが非常に重要になってくる。私もこれまで世界選手権の舞台で何本かホームランを打ってきたが、綺麗に引っ張って叩き込んだホームランは1本だけ。『世界トップレベルの投手』との対戦ではどうしても差し込まれ気味になるし、実際、左中間(逆方向)への打球がほとんどだった。幸い私の場合は力があったので、それでもそこそこの結果を残すことができたが、今のようにここまで世界の投手力が上がってくると、ある程度動いた状態で打ちにいかないとなかなか難しい。『止まって打つ』か、『動いて打つ』か……いずれにしても『本番』でコツをつかみ、ハマれば劇的に打てる可能性があるので、今回の合宿では各々がそういったイメージを大切にしながら『世界に通用するバッティング技術』を磨いていってほしい」と“世界の舞台”で実績を残した岡本友章ヘッドコーチならではの考えが伝えられた。
合宿2日目は、午前中、ボツワナ・サムエル投手のサポートを得てフリーバッティング。身長2m近いサムエル投手が投げ込む「120㎞/h後半」の速球を打ち込み、午後からは地元・平林金属の協力のもと、テストマッチ1試合が行われた。
合宿3日目は、同じく平林金属の協力のもと、午前・午後で1試合ずつ計2試合のテストマッチを実施。合宿最終日は、ゲームノック、フリーバッティング等で「攻守の仕上げ」を行い、全日程を終了した。
●前回大会経験選手をベースに
初選出「7名」がどこまでやれるか!?
今回の「第15回世界男子選手権大会」出場選手の顔ぶれを見てみると、前回大会に出場したメンバーをまず「主力」に置きながら、昨年12月の選考会、また、今年2月の海外強化合宿(ニュージーランド遠征)で結果を残した選手を積極的に選出。選手全体の年齢で見ても、これまで3大会連続で世界選手権に出場し、チームのまとめ役としてリーダーシップを発揮してきた松岡真央、中村健二、照井賢吾らベテラン勢が抜け、「若手主体」のチームへと世代交代する形となった。
世界選手権初出場となるのは、客野卓也(愛媛ウエスト)、山脇佑也(デンソー)、大石司(ホンダエンジニアリング)、古敷谷亮(高知パシフィックウェーブ)、小見山敦吏(平林金属)、床井優介(ホンダエンジニアリング)、森田裕介(豊田自動織機)の7名。
特に、2月の海外強化合宿中に参戦した「ニュージーランド インターナショナルチャレンジカップ」でインパクトのある活躍を見せた森田裕介(※予選リーグ第8戦のニュージーランド戦で決勝ツーランを放ち、チームを勝利に導いた)をはじめ、国際大会の舞台でも「一発」が期待できる大石司、小見山敦吏らのパワフルなバッティングには注目したいところ。
投手陣では、百戦錬磨のベテラン・照井賢吾に代わり、チーム「唯一のサウスポー」として初選出された客野卓也ら「新たな顔ぶれ」が世界選手権「本番」でどこまでやれるか。昨年の世界ジュニア選手権で優勝投手に輝いた期待のホープ・小山玲央(日本体育大)が最終的に落選したという事実は残念な限りだが、山脇佑也とともに自らの「持ち味」を最大限に発揮し、今大会のキープレーヤーとなってくれることを期待したい。
そして今回、何といっても世界の舞台で爆発してほしいのが……「前回大会を経験した選手たち」である。前回大会で「日本人最速」となる130㎞/hを連発しながら、最後、「勝ち切る投手になれなかった」岡﨑建斗。国内で数々のタイトルを獲得してきた松田光も、まだ「世界の舞台」では目を引く活躍を見せていない。2年前の「リベンジ」を果たすためにも、ぜひ、大暴れしてもらいたいところだ。
男子TOP日本代表は、今後、7月3日(月)に日本を出発し、カナダへと入る予定。現地ではテストマッチを実施する等「最終調整」を行い、いよいよ「第15回世界男子選手権大会」の開幕を迎えることとなる。
このところ、世界選手権の舞台では4大会連続「5位の壁」に阻まれている男子TOP日本代表。今回の戦いで再び世界の強豪と肩を並べ、“世界の頂点”が狙える位置へと戻ることができるか。その戦いに期待したい!
No. | 守備 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 投手 | 岡﨑 建斗 | 大阪 | 大阪桃次郎 |
2 | 〃 | 客野 卓也 | 愛媛 | 愛媛ウエスト |
3 | 〃 | 高橋 速水 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
4 | 〃 | 松田 光 | 岡山 | 平林金属 |
5 | 〃 | 森 勇紀 | 長崎 | Neo長崎 |
6 | 〃 | 山脇 佑也 | 愛知 | デンソー |
7 | 捕手 | 大石 司 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
8 | 〃 | 片岡 大洋 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
9 | 内野手 | 糸瀬 勇助 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
10 | 〃 | 浦本 大嗣 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
11 | 〃 | 古敷谷 亮 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
12 | 〃 | 小見山 敦吏 | 岡山 | 平林金属 |
13 | 〃 | 澤田 優生 | 大阪 | 大阪桃次郎 |
14 | 〃 | 米良 孝太 | 宮崎 | 旭化成 |
15 | 外野手 | 川田 直諒 | 宮崎 | 旭化成 |
16 | 〃 | 床井 優介 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
17 | 〃 | 森田 裕介 | 愛知 | 豊田自動織機 |
No. | 役職 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | ヘッドコーチ | 岡本 友章 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
2 | アシスタントコーチ | 浜口 辰也 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
3 | アシスタントコーチ | 吉村 啓 | 岡山 | 平林金属 |
4 | トレーナー | 田岡 幸一 | 北海道 | Body Laboratory |
5 | マネージャー | 三村 奈弓 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |