7月7日、カナダ・ホワイトホースにおいて
「第15回世界男子選手権大会」が開幕!
再び「世界の強豪」に挑む、男子TOP日本代表
チーム一丸となり、「5位の壁」をぶち破れ!!
前回大会では決勝トーナメントでオーストラリアに敗れ、終戦
今回はその悔しさをぶつけ、ぜひ、上位進出を果たしてほしい
「連覇」に燃える、ホスト国・カナダ
日本は初戦で、躍進中の「強豪」ベネズエラと対戦する!
世界ランキング1位のニュージーランドも、予選リーグ同セクション
「世界最速の右腕」アダム・フォーカードを擁する
オーストラリアも、虎視眈々と王座奪還を狙っている
今回は、「世界の舞台」での日本の「対応力」がポイント
2月のニュージーランド遠征で得た収穫・成果を生かしたい!
岡本友章ヘッドコーチが望む「打ち勝てるチーム」になれるか……
戦え! 男子TOP日本代表‼
来る7月7日(金)~16日(日)、カナダ・ホワイトホースにおいて開催される「第15回世界男子ソフトボール選手権大会(※大会公式サイトはこちら ※大会情報・試合スケジュール・日本代表選手プロフィールはこちら)」。これまで4大会連続「5位の壁」に阻まれている男子TOP日本代表が、再び「世界の舞台」「世界の強豪」にチャレンジする。ここでは2年前(2015年)に開催された前回大会の結果を踏まえ、現在の「男子ソフトボールにおける世界の勢力図」、また、今大会の展望をまとめてみたい。
【男子ソフトボールにおける世界の勢力図】
まず、「世界の勢力図」に目を向けると、前回大会ではホスト国・カナダが優勝。1992年以来4度目の世界一に輝き、準優勝・ニュージーランド、第3位・ベネズエラ、第4位・オーストラリア、第5位・日本という結果になっている。日本が「5位の壁」に阻まれている4大会で優勝を飾ったのは、ニュージーランド(2回)、オーストラリア、カナダ。この3カ国がそのまま「世界の3強」と評されているのが現状だ。
ここ最近では、ベネズエラ、アルゼンチンといった「中南米勢」の台頭が目を引く。実際のところ、ベネズエラは世界選手権の舞台で「前々回準優勝」「前回第3位」と着実に結果を残してきているし、アルゼンチンも世界選手権でのメダル獲得こそまだないが、2012年・2014年と「世界ジュニア選手権を連覇」した「本格派右腕」ウエムル・マタ、ロマン・ゴドイが順調にフル代表へとステップアップし、躍進中。今年2月にニュージーランド・オークランドで開催された「ニュージーランド インターナショナル チャレンジカップ(※ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、サモア、チェコ、日本の6カ国が参加)」でも、最終順位決定戦で日本を寄せつけず、6-0の完勝。決勝でホスト国・ニュージーランドに敗れはしたものの、準優勝という好成績を残している。
また、「野球」が盛んな国で知られるドミニカも、前回大会では予選リーグ・POOLBを1位(6勝1敗)で通過する等「勢い」を見せ、「ダークホース」的存在であった。決勝トーナメントでは初戦でベネズエラに完封負け(0-3)を喫してしまったが、今後投手力が上がってくれば(前回大会の投手陣もレベルは高かった。実際、日本戦に先発登板した投手は120km/h後半!? と感じさせるほどの「球威」があり、日本打線も中村健二のソロホームランで挙げた1点のみに止まっている)、一気に「強豪国の仲間入り」を果たす可能性もあるだろう。日本は前回大会の予選リーグでこの「中南米勢」に大苦戦。ベネズエラには0-3、ドミニカには1-4といずれも敗れているだけに、今回も「難敵」となることは間違いない(※日本は今大会、予選リーグ初戦でベネズエラと対戦する)。
【立ちはだかる、『世界トップレベル』の選手たち】
今大会に出場する世界の“強者”たち。投手でまず名前が浮かぶのは、オーストラリア代表であり、現在「世界最速の右腕」と称されるアダム・フォーカードだ。最大の武器はなんといっても「球速135km/h超」のライズ・ドロップ。日本男子西日本リーグ・ダイワアクトに所属していることでお馴染みの「世界№1サウスポー」アンドリュー・カークパトリックの存在も、もちろん忘れてはならない。オーストラリアは過去に「世界ジュニア選手権4連覇」の偉業を成し遂げており、両投手も「優勝投手」に輝いた(アンドリュー・カークパトリックが2001年の第6回大会、アダム・フォーカードが2005年の第7回大会でそれぞれ「ジュニア世界一」を経験している)実績を持っている。そのジュニアのカテゴリーからフル代表へと着実に階段を駆け上がり、今ではチームの「顔」「切り札」として活躍。2009年に開催された第12回世界選手権では、決勝トーナメント・ファイナルで先発登板したアダム・フォーカードが当時“無敵”を誇っていたニュージーランドを相手に圧巻の「ノーヒット・ノーラン」をやってのけ、4連覇を阻止し、「世界一」の座に登り詰めている。
アルゼンチンのウエムル・マタ、ロマン・ゴドイも、ともにジュニアで「世界一」を経験しており、次代を担う「黄金世代」としてフル代表へステップアップした投手である。投球スタイルは、両投手とも「球速120km/h後半」の本格派。ウエムル・マタはどちらかというと「完成型の投手」で、球威、変化球のキレ、コントロールと全体のバランスが良く、巧みな投球術を駆使して緩急も絶妙に交えてくる。一方、ロマン・ゴドイは投球フォームやテンポが独特で、「打ちづらい投手」。日本の投手には少ない“大胆なツーステップ投法”で投げ込んでくるので、打者はタイミングが取りづらく、攻略が難しい。今回の世界選手権では、この両投手がアルゼンチンの「ダブルエンジン」になるはず……。日本にとって「天敵」ともなりかねないが、進化を続けるそのピッチングに大いに注目したい。
また、前回大会、「球速130km/h台」の快速球を連発。打者の膝元へ「消えるように落ちるドロップ」を決め球とし、日本打線を抑え込んだ(※12三振を奪われ、完封負けを喫した)ベネズエラの「エース」ラモン・ジョネスも「世界屈指の右腕」。前回の日本戦では、最後、インコースをえぐる球で打者(中村健二)のバットを真っ二つにへし折ってもいる。こういった事実からも、その「迫力」がイメージできることだろう。
一方、打者で現在「世界最高のスラッガー」と称されているのは、ニュージーランドの「主砲」ブラッド・ロナ。とらえればどこまでも飛ばす「規格外のパワー」がやはり魅力だが、選球眼も非常に優れており、どんなスタイルの投手を相手にしても最後はキッチリと「アジャスト」してくる。前々回の世界選手権(決勝トーナメント初戦のオーストラリア戦)では、連覇に燃えるアダム・フォーカードから試合の流れを呼び込むツーランホームランを叩き込む等、大活躍。「ここぞ!」という場面で真の実力を発揮する“千両役者”となってみせた。チームの中ではもうベテランだが、「打のレジェンド」の存在は今回も対戦相手にとって「脅威」となるはずだ。
また、ニュージーランドには、打撃センス抜群で「売り出し中」のベン・エノーカという強打者もいる。ブラッド・ロナに比べて身体の線は細いが、全身のバネを使い、とにかく鋭くバットを振り抜く。今回の世界選手権では「世界最強」と称され、伝統あるニュージーランド代表(ブラックソックス ※ニュージーランド男子代表チームの愛称)打線の「切り込み隊長」、もしくは「リードオフマン」として一気にブレイクを果たすか!? 予選リーグ同セクションの日本にとってはこちらも「要警戒打者」となるが……その活躍を楽しみにしたい。
【初戦のベネズエラ戦が『カギ』になる!】
今大会に臨む日本としては、まず予選リーグ初戦のベネズエラ戦で前回の対戦の「リベンジ」を果たし、勢いに乗りたいところ。「球速130km/h台」のラモン・ジョネスといきなり対することになるが、この対戦で「どこまでやれるか!?」が、その後の戦いに向けた指標にもなる。「世界の強豪に『打ち勝つ』チームを作り上げたい!」と語ってきた岡本友章ヘッドコーチの“腕の見せどころ”といっていいだろう。
また、このベネズエラ戦での「投手陣の出来」も今大会の戦いを占う重要な要素といえる。先日の第1次国内強化合宿で、岡本友章ヘッドコーチは「岡﨑、松田、高橋を『3本柱』として先発の軸にしますが、冷静に考えて……現在の『世界の強豪』を相手に“完投で勝てる”とは思っていません。先発投手は4回ぐらいまで何とか無失点、もしくは最少失点で踏ん張ってほしいところですが……。中継ぎは『打者の目先を変える』という意味でサウスポーの客野をうまくはさみたいと考えていますし、最後は山脇、森といったあたりで逃げ切ることができれば……とイメージしています」と語ってくれたが、「世界屈指の破壊力」を有するベネズエラ打線に日本投手陣がどう立ち向かうのか。まずこの初戦で結果を出せるか否かで、その後の展開が見えてくるといっても過言ではない。
そして、今回の世界選手権での日本の「対応力」もポイントの一つ。前回、打撃では三振が圧倒的に多く、「日本でプレーするときと同じようにタイミングを取り、スイングしたのでは対応できない」現実を突き付けられた経験を踏まえ、国内と国外においてプレーの「柔軟な使い分け」ができるかどうか。さまざまな投球フォーム、独特の球筋で投げ込んでくる海外の投手を相手にする場合には、そこにうまく「アジャスト」し、その中で自分の「活きる術」を探しながら、結果を残していかなければならない。幸いにも、今回のチームは今年2月に海外強化合宿(ニュージーランド遠征)を経験しており、そこでニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、サモア、チェコといった世界の強豪国と連戦を重ね、ホスト国・ニュージーランドからは「歴史的勝利」を挙げる等、世界で勝つための「ヒント」「手応え」を持ち帰っている。この確かな成果・収穫を、ぜひ、世界選手権「本番」に生かしてほしい。
男子TOP日本代表の「意地」と「プライド」をかけた戦い、男子ソフトボール「世界最高レベル」の戦いが、いよいよ幕を開ける。男子日本代表の未来を切り拓くため、その歴史と伝統を次の世代に継承していくためにも……決して負けるわけにはいかない! 絶対に、 勝たなくてはならないのである!!
No. | 守備 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 投手 | 岡﨑 建斗 | 大阪 | 大阪桃次郎 |
2 | 〃 | 客野 卓也 | 愛媛 | 愛媛ウエスト |
3 | 〃 | 高橋 速水 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
4 | 〃 | 松田 光 | 岡山 | 平林金属 |
5 | 〃 | 森 勇紀 | 長崎 | Neo長崎 |
6 | 〃 | 山脇 佑也 | 愛知 | デンソー |
7 | 捕手 | 大石 司 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
8 | 〃 | 片岡 大洋 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
9 | 内野手 | 糸瀬 勇助 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
10 | 〃 | 浦本 大嗣 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
11 | 〃 | 古敷谷 亮 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
12 | 〃 | 小見山 敦吏 | 岡山 | 平林金属 |
13 | 〃 | 澤田 優生 | 大阪 | 大阪桃次郎 |
14 | 〃 | 米良 孝太 | 宮崎 | 旭化成 |
15 | 外野手 | 川田 直諒 | 宮崎 | 旭化成 |
16 | 〃 | 床井 優介 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
17 | 〃 | 森田 裕介 | 愛知 | 豊田自動織機 |
No. | 役職 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 団長 | 竹島 正隆 | 富山 | (公財)日本ソフトボール協会 |
2 | ヘッドコーチ | 岡本 友章 | 高知 | 高知パシフィックウェーブ |
3 | アシスタントコーチ | 浜口 辰也 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
4 | アシスタントコーチ | 吉村 啓 | 岡山 | 平林金属 |
5 | トレーナー | 田岡 幸一 | 北海道 | Body Laboratory |
6 | マネージャー | 三村 奈弓 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
7 | 広報 | 竹﨑 治 | 日本体育社 |