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◆WBSC第17回男子ワールドカップ 【現地レポート②】

日本、オーストラリアと延長8回に及ぶ「死闘」を展開!
5-6で逆転負けを喫し、オープニングラウンド1勝1敗に

第17回男子ワールドカップも大会2日目を迎えた

日本でもお馴染み、母国・ニュージーランドの「英雄」ドニー・ヘイル氏も大会を観戦。
「今大会の印象」についていろいろと話を伺った

日本の第2戦の相手は「強豪」オーストラリア

先制された後、すぐに逆転に成功した日本

久々の代表招集となった岡﨑建斗も 「魂のピッチング」を見せたが……

延長8回表にオーストラリアが「執念」の勝ち越し。
その裏、日本の攻撃を抑え、6-5で熱戦を制す

一時試合をひっくり返しながら、競り負けた日本。
この敗戦の課題を素早く・正確に「検証」せよ!

◎オーストラリア戦ダイジェスト映像

 男子ソフトボール「世界一の座」を競う「WBSC第17回男子ワールドカップ」は、11月27日(日)、大会2日目を迎えた。

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 大会初日はニュージーランド、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、日本、アメリカがそれぞれ白星スタートを切った「WBSC第17回男子ワールドカップ」だが、この日試合会場(ニュージーランド・オークランド/ローズデールパーク)では日本でもお馴染みの ″レジェンド″ と遭遇。現在日本男子ソフトボールリーグ・大阪桃次郎でプレーし、47歳の大ベテランながら ″現役″ であり続ける「ドニー・ヘイル」氏に今大会の印象を伺うことができた(※ドニー・ヘイル氏はかつてニュージーランド代表(ブラックソックス)の『主力打者』として、1996年第9回大会・2000年第10回大会・2004年第11回大会と世界選手権(現・ワールドカップ)3連覇。2013年同会場(ニュージーランド・オークランド)で開催された第13回大会でも自身4度目の世界一に輝いた母国・ニュージーランドの『英雄』である)。
 ドニー・ヘイル氏は「まだワールドカップははじまったばかりだが、アルゼンチン代表のウエムル・マタ、ニュージーランド代表のダニエル・チャップマンら各国の『投手のレベル』が『上がっている』と感じている。昨日の開幕戦でどのチームもエース級の投手が先発登板していたが、ダニエル・チャップマンはやはり力のある快速球、ウエムル・マタは速球もさることながら、変化球のキレ・コントロールが抜群であった。もちろん、日本代表の松田光も多彩な投球術を武器に相手打者を翻弄していたし、 ″さすが、前回大会MVP″ の選手。素晴らしいピッチングだったと思う」と、まず、近年感じられる投手のレベルアップについてふれると、「逆に各国の打者のレベルは投手力が上がっていることもあってか、伸び悩んでいるのかな……と感じる。投手のジャンピング・ツーステップが解禁になり、球威も変化球のキレもひと昔前に比べもう一段階レベルが上がっていることを考えると、打者の『対応力』がまだ磨かれていない現状がうかがえる」と独自の視点で打者の世界レベルについても言及。
 また、「ワールドカップの舞台(世界の頂点を争う舞台)では『メンタル』も非常に重要であり、 ″勝者のメンタリティ″ というか……大舞台になればなるほど、大一番の試合になればなるほど、『本来の実力を十二分に発揮する』能力が必要となってくる。これは日本でもニュージーランドでも言えることだが、国内ではノビノビとプレッシャーなくプレーできるのに、海外(国際試合)になると思うように力を発揮できなくなる選手がいる。強靭なメンタルというものは実際に勝って、勝者となって作り上げられていくものだと思うが、 ″世界のトップ″ をめざそうというのであれば、技術だけでなく、自らの ″ハート″ も鍛え上げていかなければならない。そういった意味では、前回大会日本は『準優勝』という躍進を遂げており、『俺たちもやれるぞ! 世界のトップを狙えるぞ!!』と自信を取り戻せたはず。今回のワールドカップでその真価が問われることになるので、ぜひ期待したい!」と自らの経験から裏打ちされる想いを我々に語ってくれた。

 前日、オープニングラウンド初戦/南アフリカ戦に11-0(4回コールド)で大勝。快調な滑り出しを見せた日本は、この日、世界選手権(現・ワールドカップ)優勝経験がある「強豪」オーストラリアと対戦。
 日本は今大会片岡大空(高知パシフィックウェーブ)に代わって追加招集した「剛腕」岡﨑建斗(大阪桃次郎)を先発投手に起用し、必勝を期したが、その岡﨑建斗が初回、先頭打者に二遊間を破られ、送りバントで一死二塁とされると、「要警戒打者」である3番・ニック・シェイルズにセンター前にはじき返され、失点。さらにワイルドピッチでこの回2点目を献上してしまう。
 しかし、日本はその裏、一死から連続四球、盗塁で二・三塁とすると、パスボールの間に三塁走者が還りすぐさま1点差。2回裏にはヒット、四球で無死一・二塁とし、9番・櫻庭佑輔の叩きつけた打球がそのまま二塁手頭上を抜け、タイムリーツーベースとなり、同点。なお無死二・三塁のチャンスが続き、1番・森田裕介は空振り三振に倒れたが、2番・宇根良祐の打席でのワイルドピッチで三塁走者が還り、3-2と逆転に成功。1点リードしたまま迎えた5回裏にも、無死二・三塁から6番・片岡大洋のレフトへの犠牲フライ、代打・北澤慶介の「気合い!」のタイムリーで2点を追加し、3点差にリードを広げ、このまま優位に試合を進めるかと思われた。
 だが、「難敵」オーストラリアも直後の6回表、5回から登板した日本の2番手・小山玲央を攻め、一死一塁から4番・マーシャル・クロンクのセンターフェンス直撃のタイムリーツーベースで1点を返すと、土壇場の最終回も「執念」で粘り、二死一・三塁から鮮やかな「連続タイムリー」で試合を振り出しに……。5-5の同点のまま延長タイブレークへもつれ込むこととなった。
 降りしきる雨の中、迎えた延長8回表、日本は7回から再登板した岡﨑建斗が ″初球″ インコースに ″得意のライズボール″ を渾身の力で投げ込んだが……これをこの回先頭の5番打者に「狙いすましたかのように」痛烈に引っ張られ(三塁線を破るタイムリースリーベース)、タイブレークの走者が一気に本塁生還! オーストラリアに勝ち越しとなる6点目を奪われてしまった。
 1点を追う日本はその裏、2回途中からロングリリーフに立ったオーストラリア・マーシャル・クロンクの前にセンターフライ、レフトフライで二死。3番・松田光は故意四球で歩かされ、二死一・二塁となったが、最後は4番・鳥山和也がサードゴロに打ち取られ、万事休す。オープニングラウンドの山と目されていたオーストラリア戦に5-6で惜敗し、今大会1勝1敗となった。

 「優勝候補」にも挙げられる「強豪」オーストラリアとの一戦。冷たい雨が降り続く過酷なコンディションの中、互いに一歩も譲らぬ白熱の激闘(一触即発! あわや乱闘の場面も)を繰り広げたが、結果「逆転負け」を喫する形になってしまった。
 投手陣は岡﨑建斗を先発登板させ、終盤 ″切り札″ 小山玲央をつぎ込む必勝態勢に出たが、ともに「勝負どころ」でオーストラリア打線に痛打を浴び、6失点。特に岡﨑建斗、小山玲央とも得意のライズボールを「データ通り」「狙いすましたかのように」狙い打ちされた印象があり、このあたりはしっかりと検証の上、大会終盤オーストラリアとの再戦を見据えて対策を練り直しておく必要がある(逆にドロップ、カットボール等の膝元に落ちる変化球にはオーストラリア打線は対応できていなかった印象がある)。
 打線についても、この試合ロングリリーフに立ったオーストラリア・マーシャル・クロンクの「独特の軌道で浮き上がるライズ」にまだ苦手意識があるように感じる。日本国内ではなかなか体感することのできない「変化量の多いライズ」に、次戦ったときどう対応するのか、ここも再度全員で意思統一を図っておかなければならないだろう。

 ″5-6の逆転負け″ から素早く・正確に課題を洗い出し、そのウィークポイントをチームとして克服することが何より重要。

 「世界の頂点」を狙うのであれば……オーストラリアを「撃破」しなければならない!

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