前日、オーストラリアに悔しい敗戦を喫した日本。
コーチングスタッフ・選手が連携し、ライバル国の「情報収集」「戦力分析」にも奔走する
日本の第3戦の相手はデンマーク
先発・山脇佑也が5イニングを投げ、「2安打・13奪三振」の快投!
打線を引っ張る森田裕介が先制の2点タイムリーを放つ !!
6回・7回をノーヒットに抑えた小山玲央
この日の最終試合では王者・アルゼンチンがホスト国・ニュージーランドを延長9回「11-5」で撃破! まさに「王者の底力」を見せつけた !!
男子ソフトボール「世界一の座」を競う「WBSC第17回男子ワールドカップ」は、11月28日(月)、大会3日目に突入。
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大会2日目、オープニングラウンド・グループAでは前回大会の「覇者」アルゼンチンがフィリピンを6-0で一蹴。順調に連勝したが、王座奪還に燃えるホスト国・ニュージーランドがアメリカに0-7と打ち込まれ「まさか」の完敗を喫してしまう波乱も。グループBは「優勝候補の一角」カナダがデンマークを10-0(4回コールド)と寄せつけず、快調に連勝。延長タイブレークの末日本に6-5で競り勝ったオーストラリアも2勝0敗とし、他を一歩リードする形になった。
前日のオーストラリア戦に一時試合をひっくり返しながら、5-6の逆転負けを喫した日本はこの日オープニングラウンド第3戦でデンマークと対戦。
試合前にはメイン球場でオーストラリア vs ベネズエラ戦が行われていたこともあり、日本チームもこの一戦を偵察。江口真史コーチ、松田光選手、新井千浩アナリストがバックネット裏で入念に情報収集し、前日惜敗したオーストラリア「攻略の糸口」を見つけるため、また、翌日対戦するベネズエラの「戦力・特徴」を探るため、コーチングスタッフ・選手が連携を取りながら奔走する場面も見られた。
初日(オーストラリア戦)・2日目(カナダ戦)とコールド負けし「連敗中」のデンマークと対した日本は、初回、1番・宇根良祐が二遊間を抜くヒットで出塁。さらに送りバント、3番・北澤慶介の三遊間を破るヒットで一死一・三塁とすると、4番・松田光はセカンドフライに倒れ二死となったが、一塁走者が二盗を決め、二・三塁。ここで5番・森田裕介がライト前にタイムリーを放ち、二者を生還させ、幸先良く2点を先取した。日本はその後なかなか追加点を奪えずにいたが、迎えた5回裏にもこの回先頭の9番・櫻庭佑輔が左中間を切り裂くスリーベースを放ち、チャンスメイク。続く1番・宇根良祐がレフトにキッチリと犠牲フライを打ち上げ、大きな3点目を追加し、優位に試合を進めた。
守っては、この試合先発投手に起用された山脇佑也が持ち前の「多彩な変化球・投球術」でデンマーク打線を翻弄。立ち上がりの三者連続三振にはじまり、5イニングを投げ2安打・13奪三振の快投! 6回からバトンを受けた小山玲央も2イニングをノーヒット・5奪三振と抑え込み、日本が危なげなく3-0で完封勝利。オープニングラウンドの成績を2勝1敗とした。
大会第3日の最終試合では、今大会の注目カード「前回王者」アルゼンチンと「ホスト国」ニュージーランドが激突。先攻のアルゼンチンが初回、1番・アラン・ペイカーの鮮やかな先頭打者ホームランで1点を先制すれば、ニュージーランドもその裏、2番・コール・エバンス、5番・トーマス・エノーカの豪快な一発攻勢で一挙3点を奪い、すぐさま逆転! 3-1のまま迎えた6回裏にニュージーランドが2点を追加して ″勝負あった″ と思われたが、土壇場の7回表、王者・アルゼンチンが「執念」を見せ、4番・マヌエル・ゴドイの「起死回生」のスリーランホームラン等で一挙4点を奪い、試合を振り出しに戻し、延長タイブレークに突入。延長8回表、「息を吹き返した」アルゼンチンが9番・ウエムル・マタのタイムリーでついに勝ち越しに成功すると、さらに3番・テオ・ミグリアバッカのタイムリー、5番・サンティアゴ・カリルにも「トドメ」のスリーランホームランが飛び出し、この回大量6得点の猛攻!! まさに、これが「王者の底力」……。終わってみれば11-5で勝利を収め、開幕3連勝を飾った。
大会3日目を終了し、オープニングラウンド・グループAでは1位・アルゼンチン(3勝0敗)、これを同率2位でキューバとアメリカ(ともに2勝1敗)が追い、チェコ、ニュージーランドが同率4位(ともに1勝2敗)、フィリピン(0勝3敗)が6位。一方、グループBは同率1位でオーストラリアとカナダ(ともに3勝0敗)が並び、3位・日本(2勝1敗)、4位・ベネズエラ(1勝2敗)、デンマークと南アフリカ(ともに0勝3敗)が同率5位で続く状況となっている。
日本のオープニングラウンド第4戦の相手はベネズエラ。現在グループB3位につける日本としては「絶対に負けられない」相手である。「世界の頂点」をめざすのであれば、こんなところで足踏みなどしてはいられない。今こそ男子TOP日本代表チームの「総力」を結集するとき! 一戦一戦着実に勝利を積み重ねていくことが、求められる。