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◆WBSC第17回男子ワールドカップ 【現地レポート⑦】

日本、順位決定ラウンド第2戦でニュージーランドを「撃破」 !!

大会7日目「スーパーラウンド」の全勝対決、
アルゼンチン vs カナダは白熱の好ゲームに!

日本は順位決定ラウンド第2戦で「ホスト国」ニュージーランドと対戦!

日本の先発投手は岡﨑建斗

森田裕介の走者一掃のタイムリー等で主導権を握る

ニュージーランドも「意地」を見せ、「懸命」に応戦!

5回表、3番・松田光が「値千金」のツーランホームラン ‼ 「勝利を呼び込む一発」を放ち、ニュージーランドを撃破した

◎ニュージーランド戦ダイジェスト映像

 男子ソフトボール「世界一の座」を競う「WBSC第17回男子ワールドカップ」は12月2日(金)、大会7日目を迎え、この日もプレーオフ「スーパーラウンド」「順位決定ラウンド」(※7位~12位決定ラウンド)の熱戦・好ゲームが繰り広げられた。

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 最終日のワールドチャンピオンシップ(※ブロンズメダルゲーム/3位決定戦、ゴールドメダルゲーム/優勝決定戦)進出をかけた「スーパーラウンド」の戦いは、さらに激しさを増し、第1試合でオーストラリアとアメリカが「ノーガードの打ち合い」を展開。両チーム合わせて「6本のホームラン」が飛び交う壮絶な打撃戦となったが、オーストラリアがジャック・ベスグローブ、アダム・フォーカード、マーシャル・クロンクの3人の投手をつないで最終的に12-9と勝利。 ″ダークホース″ アメリカを叩き、スーパーラウンドの成績を3勝1敗とした(※オープニングラウンドで同グループだったチーム同士の対戦は、オープニングラウンドの試合結果が持ち越される)。

 また、第3試合のアルゼンチン vs カナダの「全勝対決」も「事実上の決勝戦」と言っても過言ではない「見応えのある」接戦に。3回裏、アルゼンチンが4番・マヌエル・ゴドイのツーランホームラン等で一挙4点を先制すれば、カナダも4回表、5回表と「得意の一発攻勢」等で2点ずつ返し、同点。直後の5回裏、アルゼンチンが「当たっている主砲」マヌエル・ゴドイの犠牲フライで勝ち越し点を呼び込み、そのまま5-4で逃げ切り、スーパーラウンドの成績を唯一「無傷」の3勝0敗に伸ばした(※オープニングラウンドで同グループだったチーム同士の対戦は、オープニングラウンドの試合結果が持ち越される)。

 前日、順位決定ラウンド初戦/フィリピン戦に8-3で快勝した日本は、第2戦でニュージーランドと対戦。

 先攻の日本は初回、ニュージーランドの先発・ダニエル・チャップマンに対し、一死から2番・浜本悌がスラップで叩きつけ、ショートゴロエラーを誘い、出塁。ワイルドピッチで二塁に進むと、3番・松田光は空振り三振に倒れ、二死となったが、続く4番・鳥山和也が二遊間を抜くタイムリー! 二塁走者・浜本悌を生還させ、1点を先取した。

 しかし、2回裏、今度はニュージーランドが日本の先発・岡﨑建斗に対し、反撃。この回先頭の4番・レイリー・マケアがレフトスタンドへ一直線の会心の当たりのソロホームラン! 1-1の同点に追いついた。

 日本は3回表、この回先頭の9番・櫻庭佑輔がセンター前にクリーンヒットを放ち、出塁。1番・片岡大洋の高いバウンドのピッチャーゴロの間に二塁に進むと、さらにワイルドピッチ、ここで代わったニュージーランドの2番手・ピタ・ロナから連続四球を選び、一死満塁。この絶好機に4番・鳥山和也は見逃し三振に倒れ、二死となったが、5番・森田裕介が左中間をライナーで切り裂く走者一掃のタイムリースリーベースを放ち、3点を勝ち越し。なお二死三塁のチャンスで6番・宇根良祐も詰まりながらセンター前に落とし、三塁走者を迎え入れ、この回一挙4得点!! 試合の主導権を握った。

 このまま日本のペースで試合が進むかと思われたが、ニュージーランドもホスト国の「意地」にかけ、諦めることなく「懸命」に応戦。その裏、この回先頭の1番・ジョエル・エバンスがレフトスタンドへソロホームランを放ち、1点を返すと、続く4回裏にも代わった日本の2番手・松田光からこの回先頭の7番・ピタ・ロナがセンター頭上を越えるソロホームラン。一死後、9番・タネ・ムムのツーベース、1番・ジョエル・エバンスも二遊間を抜くヒットで続き、一・三塁。2番・コール・エバンスのライトへの犠牲フライで三塁走者が本塁生還を果たし、1点差に迫った。

 1点リードに変わった日本は、直後の5回表、「調子が上がってきた曲者」2番・浜本悌がセンター前にクリーンヒットを放ち、出塁。ここで3番・松田光が ″ライズ″ を迷いなく振り抜き、右中間スタンドへ運ぶツーランホームラン! 「投打の大黒柱」がここぞ!!の場面で「値千金」の一発を叩き込み、7-4とリードを広げた。

 守っては、5回裏、6回裏、7回裏のニュージーランドの攻撃を松田光が「緩急自在」「百戦錬磨」のピッチングで抑え、試合終了。日本がニュージーランドを7-4で撃破し、順位決定ラウンド2連勝。ラウンド成績を4勝0敗とした(※オープニングラウンドで同グループだったチーム同士の対戦は、オープニングラウンドの試合結果が持ち越される)。

 今大会 ″スーパーラウンド進出を逃した″ 者同士の対戦にはなったが、今日のこの一戦(日本 vs ニュージーランド)は球場を大いに沸かせ、観客を興奮させるまさに「熱い戦い」であった。日本にとっても4点を返されはしたが、最後まで集中・気迫を途切れさせることなく戦い抜いた「ベストゲーム」だったと言えるだろう。
 試合終了後、チームの雰囲気・選手たちの表情には「やったぞ! やり切った!!」という紛れもない達成感が溢れていた。この戦いぶりをオープニングラウンドで通せていたら……結果はまた違ったものになっていたかもしれない。今振り返るのも酷な話だが、オープニングラウンドで日本が喫した ″3敗″ を思い起してみると、オーストラリア、ベネズエラ、カナダと、いずれも相手のほうが勝負に対する「気迫」で勝っていたような気がする。チーム力や技術的なところももちろんあるのだが、その「気迫・執念」で日本が一歩出遅れていた感は否めない。

 日本が弱くなったからスーパーラウンドにいけなかった……では決してない。
 たかが気持ちの持ちよう、かもしれないが、そのほんの些細な部分でも怠ってしまえば足元をすくわれてしまう。それがワールドカップという大舞台であり、勝負の世界の厳しさなのである。

 このニュージーランド戦の勝利で日本は「本来の姿」を取り戻すことができた。
 あとは順位決定ラウンド最終戦となるチェコとの対戦を残すのみ。勝っても ″7位″ だが、その順位を意味のあるモノにできるかどうかは、男子TOP日本代表チームの「最後の戦いぶり」にかかっている。

 ホスト国・ニュージーランドを打ち破った「大きな1勝」が真に「次」につながり、彼らを再起させ、成長させてくれると……我々は信じている。

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