来年2月に開催される「男子U18ワールドカップ」に向けて、
高知県高知市で「男子U18日本代表選手選考会」が実施された
選考会には全国から76名の選手が参加!
初日~3日目と終始「実戦主体」の選考が行われ、
試合形式等で参加選手の能力が厳しくチェックされた
「U17アジアカップ優勝メンバーであっても特別扱いはしない!」
「目標・頂点を常に高く !! 」と方針を語った田中徹浩ヘッドコーチ
投手陣は4名。その中でも「先発の柱」として期待される稲垣拓朗
「球威・変化球のキレは目を見張るものがある」と周囲を唸らせた
池田蓮のピッチングにも注目。世界の強豪との対戦ではどうか ??
男子においても、ジュニア世代からの継続した選手強化を実らせる!
今回は2017アジアジュニア選手権から「代表経験を積んだ」選手たち
が中心となってチームを引っ張る
アジアの頂点から、「世界一」へ !!
若き選手たちの無限の可能性に期待したい
2大会ぶりの王座奪還をめざして…男子U18日本代表、始動!
去る11月21日(木)~23日(土)の3日間、高知県高知市/高知県立春野総合運動公園を会場に「令和元年度男子U18日本代表チーム選手選考会」が実施され、全国から「U18(※18歳以下)」の年齢条件を満たした選手(※(公財)日本ソフトボール協会に高等学校チームで登録がある選手)76名が参加。(公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員の面々が選考委員を務め、「実戦主体」の厳しい選考の結果、「男子U18日本代表選手(16名)」が正式に決定した。
今回実施された選考会は、来年(2020年)2月の「WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップ/ニュージーランド・パーマストンノース(大会期日:2月22日~3月1日)」に出場する男子U18日本代表選手の選考を目的としたもので、参加選手たちはその「代表16名(※今大会から登録選手数が17 → 16に変更されることとなった)」入りをかけて厳しい選考に挑んだ。
選考会は初日からいきなり「シートバッティング(※参加選手を6つのグループに振り分け、3球場に分かれてそれぞれ7イニング打撃を行う。試合形式で各グループ打撃を2回り行い、打ち終わったら攻守交代。投手は一人につき打者5~6人程度と対戦し、7イニング内で2度登板する機会が与えられる)」が行われ、「実戦形式」にて選手個々の能力をチェック。2日目、3日目もシートバッティングや紅白戦等「実戦主体」の選考が続き、その合間をぬって個人面談、走力(50m走のタイム測定)チェック、投手の能力(球速・球威、球種の豊富さ、変化球のキレ、コントロール)チェック、野手の守備力(ゴロやフライの捕球はもちろん、あらゆる打球への反応・判断・入り方、肩の強さや送球の正確性)チェック、捕手のスローイング(盗塁阻止を想定した送球(捕ってからの速さや肩の強さ、送球の正確性を確認))チェック等も実施された。
参加選手たちは3日間にわたり、「実戦主体」の選考の中で「持てる力」を懸命にアピール。一投・一打、最後の一球、ワンプレーまで熾烈なサバイバルを繰り広げ、選考会の全日程を終了した。
◎「継続的な選手強化」を実らせる!
意識(目標・頂点)を常に高く !!
前回(2018年)、「第12回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会/カナダ プリンス・アルバート」で男子U19日本代表チームの指揮を執り、惜しくも準優勝。今回のU18ワールドカップでその「リベンジ」を誓う田中徹浩ヘッドコーチ(新島学園高)は、代表選手選考にあたり「前回大会の雪辱を果たすということはもちろんなのですが、選手たちには“ここで優勝して終わり”ではなく、この経験をキッカケ(ステップ)にもっと大きく、たくましく成長してもらいたいと思っています。日本協会選手強化本部会(男子強化委員会)の意向で2017年に『男子GEM2(中学3年生)日本代表チーム』が編成され、アジア男子ジュニア選手権大会にチャレンジ。U19(19歳以下)という一つ上のカテゴリーにあえて挑み、見事優勝を勝ち獲りましたが、今回の選考会に参加しているのはまさにその世代の選手たちです。今年9月のU17アジアカップにも2017アジアジュニア選手権メンバーから7名が日本代表に名を連ね、『チームの主力』となって全勝優勝を飾ってくれましたし、男子のカテゴリーにおいても『ジュニア世代からの継続した選手強化』が実を結びつつあるといえるのではないでしょうか。だからこそ……彼らはここで終わってはいけません。このU18はU23、そしてTOPチームにつなげるためのあくまで『通過点』にすぎない。現時点の世代最強チームを編成すべく代表選手選考を行いますが、参加選手たちにはそういった強化スタッフ(我々)の意向や想いもしっかりと伝え、常に『意識(目標・頂点)高く』皆で取り組んでいかなければならないと考えています」とまずコメント。
また、「基本的には9月のU17アジアカップを戦った選手たちをベースに、“プラスアルファ”として戦力を高めてくれる選手、チームを活性化してくれる選手の出現を期待しています。世代的にはまだまだ若いですから、“今後の伸び代”を見極めることも非常に重要になってくるでしょう。現状維持で世界一になれるほど勝負の世界は甘くありません。これまで国際舞台を経験してきた選手には『さらにその上』をめざしてほしいですし、新たに代表入りを狙う選手には彼らを『刺激』し、『脅かす』存在になってもらいたい。理想は選手たち自らが己を奮い立たせ、戦えるチーム。互いに切磋琢磨し、戦えば戦うほど強くなっていくチームです。技術・能力の高さは当然のことながら、ここからさらなる成長を求める意味でも、そんな『心意気のある』選手を選出したいですね!」と自身の方針を語った。
◎投打に「軸」を据え、王座(世界一)奪還を狙う!
今回発表された「男子U18日本代表チーム(※2020WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップ出場選手)」の顔ぶれを見てみると、2017アジアジュニア選手権 → 今年9月のU17アジアカップと段階を踏み、「早くから国際経験を積んだ選手」が7名(※池田響、池田蓮、稲垣拓朗、八木孔輝、永吉飛斗、西森潤、畠山陸)。U17アジアカップに続く選手が10名(※池田響、池田蓮、稲垣拓朗、八木孔輝、山口葵育、永吉飛斗、西森潤、大西郁夢樹、味元琉維、山本佳依)選出され、チームの「屋台骨」を担うこととなった。
投手は、球威、変化球のキレと「頭一つ抜ける」稲垣拓朗(新島学園高)、池田蓮(鹿児島工業高)が「軸」になることが予想される。
稲垣拓朗は2017アジアジュニア選手権では外野手として活躍した(※フィリピンとの決勝で『会心の当たり』の『逆転満塁ホームラン』を叩き込み、チームを優勝に導いた)が、その後「右の本格派投手」へ成長。“球速120㎞/h超のライズボール”を武器に打者を力で抑え込むことができ、前回大会U19日本代表のエースとして活躍した同校の先輩・小野寺翔太(現・トヨタ自動車)に続き「先発投手の柱」として「試合を作る働き」が求められている。
池田蓮は2017アジアジュニア選手権でGEM2(中学3年生)日本代表の「エース」として「フル回転」した「速球派の右腕」。決勝トーナメントでは1位・2位戦(フィリピン戦)、3位決定戦(インドネシア戦)、決勝戦(フィリピン戦)と「3連投」し、気迫溢れるピッチングを展開。当時中学No.1の球速を誇り、一つ上のカテゴリー(U19)を相手に見事「優勝投手」となった実績を持つ。現在はそのピッチングに磨きをかけ、より力強さが加わった投手へと成長。海外で主流の「ジャンピング(ツーステップ)投法」を積極的に取り入れ、球威はさることながら「変化球のキレ味(特にドロップの変化量)」が一段と増している。両投手右の力投型ではあるものの、投球フォーム、球筋とタイプが異なっており、相手打線の特徴等に応じて田中徹浩ヘッドコーチがどのように起用していくか!? 注目ポイントになりそうだ。
また、田中徹浩ヘッドコーチが今回「成長株」と評し、「安定感」を買う八木孔輝(松山工業高)。上記3名と2017アジアジュニア選手権から「苦楽」をともにし、「高め合って」きた池田響(熊本工業高)らの活躍も大いに期待したい。
野手では、打撃面で一発(長打)が期待でき、U17アジアカップの「大会MVP」にも輝いた「左のスラッガー」味元琉維(高知工業高)を「主軸」に、「国際経験豊富」で「万能タイプ」の永吉飛斗(鹿児島工業高)、西森潤(高知工業高)、「豪快なスイングで相手投手に向かっていく!」大西郁夢樹(啓新高)らが脇を固め、世界の強豪に挑む。
前回大会(2018世界ジュニア選手権)で日本の前に立ちはだかり、優勝をさらったオーストラリアのエース“レイトン・リード”ではないが……「世界一線級の投手」となれば日本国内ではなかなか体感できない“球速(130㎞/hに迫る速球)”“変化球のキレ(もう一段階上のレベルのライズ・ドロップ)”を有している。日本が王座(世界一)奪還を果たすためにはその「世界トップレベルの強者」を必ず打ち崩さなければならないだけに、彼らをはじめとする日本打線のさらなる「スキルアップ」が求められるところ。そして各々の本大会での「対応力」も大きなカギになるといえるだろう。
男子U18日本代表チームは来月(12月23日~26日)、沖縄県読谷村で早速「国内強化合宿」を実施。来年2月の大会(WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップ)本番に向けた「本格的な強化」に励む予定となっている。
No. | 守備 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | 投手 | 池田 響 | 熊本県立熊本工業高等学校 |
2 | 〃 | 池田 蓮 | 鹿児島県立鹿児島工業高等学校 |
3 | 〃 | 稲垣 拓朗 | 新島学園高等学校 |
4 | 〃 | 八木 孔輝 | 愛媛県立松山工業高等学校 |
5 | 捕手 | 井関 綾人 | 埼玉栄高等学校 |
6 | 〃 | 山口 葵育 | 新島学園高等学校 |
7 | 内野手 | 小椋 千寿 | 高知県立高知工業高等学校 |
8 | 〃 | 小山 竜加 | 長崎県立佐世保西高等学校 |
9 | 〃 | 小笹 慶斗 | 長崎県立大村工業高等学校 |
10 | 〃 | 永吉 飛斗 | 鹿児島県立鹿児島工業高等学校 |
11 | 〃 | 西森 潤 | 高知県立高知工業高等学校 |
12 | 〃 | 畠山 陸 | 高知県立高知西高等学校 |
13 | 外野手 | 大西 郁夢樹 | 啓新高等学校 |
14 | 〃 | 大橋 優也 | 島根県立三刀屋高等学校 |
15 | 〃 | 味元 琉維 | 高知県立高知工業高等学校 |
16 | 〃 | 山本 佳依 | 飛龍高等学校 |
No. | 役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | ヘッドコーチ | 田中 徹浩 | 新島学園高等学校 |
2 | アシスタントコーチ | 安部 厚志 | 飛龍高等学校 |
3 | アシスタントコーチ | 笹岡 裕之 | 高知県立佐川高等学校 |
4 | 総 務 | 津本 大貴 | 長崎県立佐世保西高等学校 |
5 | トレーナー | 田岡 幸一 | Body Laboratory |