いよいよ、スーパーラウンドも「最終戦」!
「勝てばファイナル進出」の運命の一戦へ
今大会「最大の難敵」メキシコにチャレンジ
4回裏、ツーランホームランを浴びて先制を許すが…
日本の最大の長所である「しぶとさ・勝利への執念」を発揮!
4-4の同点で迎えた7回表、9番・橋本怜が
勝ち越しの2点タイムリースリーベースを放つ‼
「世界一&大会連覇」まで、「あと1勝」!
日本男子ソフトボールの未来を切り拓こう‼
「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」大会第8日(11月18日/土)、前日のスーパーラウンド第2戦(オーストラリア戦)に6-0で完勝し、ラウンド成績の通算を「3勝1敗」とした日本はこの日第3戦:最終戦に臨み、グループA1位のホスト国・メキシコ(※世界ランキング10位)といよいよ対戦することになった。
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大会第8日/11月18日(土)
スーパーラウンド第3戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
日 本 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 3 | 7 |
メキシコ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 4 |
日本:○高橋理央(7回)-上野結来
〔三塁打〕橋本怜
〔二塁打〕松尾唯斗
前日のベネズエラ戦に1-4で敗れ ″今大会初黒星″ を喫したものの、すでに「決勝進出」(※2位以上)を「確定させている」地元・メキシコは、エースと目されるカルロス・パラの先発登板を回避。二枚看板の一人と見られてきたホセ・コントレラスを起用するでもなく、3番手の右腕 デレク・アンセノを先発に立ててきた。
一方の日本は一昨日のカナダ戦で7イニングを1失点・9奪三振と好投し、完投勝利を収めた高橋理央を先発投手に起用。優勝決定戦進出へ「何より勝利」が求められる「運命の一戦」に挑んだ。
メキシコのデレク・アンセノが打者のバットから遠ざかっていくような「アウトコースのライズ」主体にピッチングを組み立て、序盤日本打線を抑え込めば、日本の高橋理央も自らがもっとも得意とする「膝元に鋭く落ちるドロップ」を有効に使い、メキシコ打線に的を絞らせず、3回まで無失点。試合は0-0のまま中盤へ入った。
試合が動いたのは4回裏、日本はこの回先頭のメキシコの5番打者にレフト線を痛烈に破るツーベースを浴び、無死二塁とされると、送りバントで走者を進められ、一死三塁。7番打者をツーボール・ツーストライクから渾身のライズボールで空振り三振に仕留め、二死三塁としたが、続く8番打者にレフトスタンドへ大きなアーチを描くツーランホームランを打たれ……2点を先制されてしまう。
しかし、「諦めない」日本は2点を追う6回表、9番・橋本怜がセカンド内野安打で出塁。1番・大野流畏斗のセカンドゴロが相手守備の乱れを誘い、打球がセンターに抜ける間に一塁走者が三塁まで進塁。無死一・三塁とすると、2番・津田龍輝のセンターフライを中堅手が落球。三塁走者が還り、1点を返し、なお無死一・二塁からワイルドピッチで二・三塁へ走者が進塁。3番・木原和也は空振り三振に倒れたが、4番・松尾唯斗がツーボール・ツーストライクと追い込まれながらもアウトコースのライズにしっかりとバットを合わせ、左中間に運ぶタイムリーツーベース! 二者が還り、3-2と逆転!! さらに5番・山本陸人の打席でのワイルドピッチにキャッチャーのエラーが絡み、二塁走者が一気に生還。この回4点目を挙げ、4-2と試合をひっくり返した。
その裏、 ″まったく気が抜けない″ メキシコの強力打線に二死満塁と攻め立てられ、9番打者のライト前に運ぶタイムリーで4-4の同点に追いつかれてしまった日本だったが、7回表、7番・梅田瑠河がセンター前ヒットで出塁。すかさず盗塁を仕掛け、キャッチャーの送球を二塁ベースカバーに入ったショートがはじく間に三塁まで進塁。代打・田部一護は四球を選び、無死一・三塁。さらにワイルドピッチで無死二・三塁とチャンスが広がると、ここで9番・橋本怜が左中間を破る適時三塁打! 再び2点を勝ち越し!! この後も1番・大野流畏斗が三振振り逃げで生き、内野ゴロで一死二・三塁となり、3番・木原和也がピッチャーを強襲する当たり。セカンドがカバーに入って一塁アウトとなったが、その間に三塁走者が生還し、もう1点を追加。7-4と3点をリードして7回裏に入った。
7回裏は「全身全霊」で力投を続ける高橋理央がメキシコ打線を空振り三振、空振り三振に取り、ツーアウト。4番打者にレフト前ヒットを許したが、5番打者をセカンドライナーに打ち取り、スリーアウト! 試合終了!! 今大会「最大の難敵」ホスト国・メキシコを7-4で見事「撃破」し、スーパーラウンド通算成績を4勝1敗に伸ばし、日本のラウンド1位(※ファイナル進出:今大会2位以上となる)が決定。翌日:大会最終日のワールドチャンピオンシップファイナル/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)へ駒を進めることとなった。
「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」大会8日目(11月18日)スーパーラウンドの戦いは、この日本戦の他、アメリカ 4-3 オーストラリア、カナダ 6-5 ベネズエラ(※延長8回タイブレーク)という試合結果になり、スーパーラウンドの最終順位は1位・日本(4勝1敗)、2位・メキシコ(3勝2敗)、3位・カナダ(3勝2敗)、4位・アメリカ(3勝2敗)、5位・オーストラリア(1勝4敗)、6位・ベネズエラ(1勝4敗)に(※勝敗で並んだメキシコ・カナダ・アメリカの順位決定は、まずメキシコがカナダ、アメリカとの直接対決に勝利していたため、2位が決定。次にカナダ・アメリカも直接対決の成績によりカナダが勝利していたため、カナダの3位、アメリカの4位が決定。オーストラリア・ベネズエラも勝敗で並ぶことになったが、ここも直接対決でオーストラリアが勝利していたため、最終的に5位・オーストラリア、6位・ベネズエラとなった)。スーパーラウンド3位・カナダと4位・アメリカが翌日のブロンズメダルゲーム(3位決定戦)に臨み、スーパーラウンド1位・日本と2位・メキシコも同日、「世界一の座」をかけてワールドチャンピオンシップファイナル/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)を戦うことになる。
9日間に及ぶ「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」も、いよいよ明日(11月19日)が最終日。「クライマックス」を迎える。
今日の試合内容に象徴される日本男子ソフトボールの ″しぶとさ″ ″勝利への執念″ を身を持って痛感した開催国・メキシコは、ファイナルの舞台では間違いなく「本気」で(闘争心剥き出しで!)日本に襲い掛かってくることだろう。
決勝はやはり ″こちら(日本)が先制点を奪う″ ということが理想なのだが、仮にメキシコに先取点を与えてしまったとしても、この試合のように、焦らず、冷静に食らいつき、「まず、完全アウェーの雰囲気に飲み込まれないようにする!」ことが大切になってくる。日本投手陣が失点を最小限に食い止めながら、攻撃では相手の隙を探り(もしくは突き)、仕掛け、揺さぶり、アルゼンチン戦でも徹底した「好球必打の意識」で1点1点着実に得点を積み重ねていくこと。それこそが「日本本来のスタイル」であり、「繰り返し遂行すべきこと」ではないだろうか。
泣いても笑っても、大会はあと1日。地元・メキシコのソフトボールファンが詰めかけ超満員に膨れ上がった「世界一を決める舞台」で、男子U18日本代表チームには「躍動」し、「輝いて」もらいたい。
男子U18日本代表、いざ! ファイナルへ !!
今大会「最大の難敵」メキシコを「二度撃破」して、 ″日本の強さ″ を真に証明しよう。
そして日本男子ソフトボールの ″未来″ を……今、ここにいる私たちで切り拓こうではないか。
●文・写真
男子U18日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)