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ニュース 男子U18

◆WBSC第14回男子U18ワールドカップ 【現地レポート⑧】

日本、メキシコとの優勝決定戦に「劇的なサヨナラ勝ち」!
見事連覇 !! 「2大会連続4度目」の「世界一」に輝く !!!

9日間に及ぶ男子U18ワールドカップも、いよいよ最終日。
球場には「地元・メキシコ」の「熱狂的な観客」が詰めかける

メキシコは「エース」のカルロス・パラが先発登板!

前日同様両者「取られたら、取り返す!」攻防を展開

7回表、 ″あとアウト2つ″ のところで一発を浴び…同点。
試合は4-4で延長タイブレークにもつれ込む大激戦に

延長8回裏、一死満塁から6番・梅田瑠河がバットを一閃!

「劇的なサヨナラ満塁ホームラン」で歓喜爆発!
日本、「2大会連続4度目の世界一」に輝く!!

世界の強豪チームと戦い、大きく成長した選手たち。
ソフトボールを続け、「日本を牽引する存在」となれ‼

優勝決定戦・メキシコ戦ハイライト

 「WBSC第14回男子U18ソフトボールワールドカップ」大会最終日(11月19日/日)、前日のスーパーラウンド最終戦(メキシコ戦)に7-4で勝利し、ラウンド1位:通算成績4勝1敗で「ワールドチャンピオンシップファイナル/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)進出」を決めた日本は、ラウンド2位の成績:通算3勝2敗で同じく決勝に進んだホスト国・メキシコと ″世界一の座″ をかけて再戦することになった。

 決勝の前に行われたブロンズメダルゲーム(3位決定戦)では、スーパーラウンド3位・カナダと4位・アメリカが対戦。先攻のアメリカが初回に1点を先制し、1-0のまま試合は終盤に入ったが、迎えた6回裏、カナダが4番:アレックス・マクギリブレイの「起死回生のツーランホームラン」で2点を奪い、逆転に成功! そのまま2-1で勝利を飾り「3位の座」をつかみ、ブロンズメダル(銅メダル)を獲得。2016年の第11回大会以来「7年ぶり」となるメダルを手にした。

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大会最終日/11月19日(日)
ワールドチャンピオンシップファイナル/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)

※延長8回タイブレーク

1 2 3 4 5 6 7 8 R
メキシコ 1 0 0 0 2 0 1 0 4
日  本 0 2 0 0 1 1 0 4x 8

日本:阿曽慣太(2回)、高橋理央(3回1/3)、○阿曽慣太(2回2/3)-上野結来
〔本塁打〕梅田瑠河
〔三塁打〕山本陸人
〔二塁打〕松尾唯斗

 日本の先発投手は「投手陣のリーダー」阿曽慣太。その阿曽慣太は初回、1番打者にフルカウントから二遊間を抜く安打を許し、送りバントで一死二塁。さらにパスボール、四球で一死一・三塁のピンチを背負うと、4番打者が初球を叩きつけ、高いバウンドのショートゴロ。一塁アウトとする間に三塁走者が還り、メキシコに1点を先取される。
 しかし、日本も2回裏、この回先頭の4番・松尾唯斗が高いバウンドでセカンド頭上を越えていく打球を放ち、思い切りのよい走塁で二塁へ進塁。5番・橋本怜も一・二塁間を破り、二塁走者・松尾唯斗が生還。1-1の同点に追いつく! 流れを引き戻した日本は、二死後、8番・山本陸人にも右中間三塁打が飛び出し、2-1と逆転に成功した!!
 その後、3回、4回と両チーム得点なく、2-1と日本が1点をリードしたまま5回表に入ったが、メキシコが日本の2番手・高橋理央(※3回表から登板)を攻め、一死二塁から2番打者がライトスタンドへ逆転のツーランホームラン(ライズボールが真ん中に入ってしまった……)。3-2と試合をひっくり返す。
 だが、「決して諦めない」日本はその裏、一死から9番・鰯谷柑太が四球を選び、出塁。イリーガルピッチで二塁へ進み、1番・大野流畏斗はサードファウルフライに倒れ、二死二塁となったが、2番・津田龍輝が粘って粘って二遊間を抜くタイムリー! 3-3の同点に。日本は続く6回裏にも4番・松尾唯斗、5番・橋本怜の連打で無死一・三塁のチャンスを作り、6番・梅田瑠河は空振り三振に倒れたが、代打・淀川瑛澄がワンバウンドでショートの頭上を越えていくタイムリー! チームを引っ張る「キャプテン」の殊勲の一打で4-3と再び1点を勝ち越した。
 試合はいよいよ7回表に入り、日本が ″あとアウト3つ″ を取れば、優勝・連覇達成という幕切れだったのだが……6回表一死二塁の場面から再出場・再登板した阿曽慣太がこの回先頭の2番打者を空振り三振に取ったものの、続く3番打者に「センター頭上をはるかに越えるソロホームラン」を突き刺され、4-4の振り出しに……。延長タイブレークへともつれ込むことになった。
 迎えた延長8回表、日本は ″超満員に膨れ上がった球場″ の ″割れんばかりの大声援″ に後押しされるメキシコ打線をセカンドゴロ、ショートゴロ、空振り三振の「三者凡退」に打ち取り、その裏の攻撃へ「大きな弾み」をつけると、迎えた延長8回裏、送りバント、連続故意四球(※メキシコが4番・松尾唯斗、5番・橋本怜との勝負を避ける「満塁策」に出た)で一死満塁となった「絶好のサヨナラのチャンス」に6番・梅田瑠河がバットを一閃! 「世界一」を決める「劇的なサヨナラ満塁ホームラン」を叩き込み、歓喜爆発!! 男子U18日本代表が前日同様「まさに総力戦」の戦いぶりで、メキシコを8-4と打ち破り、見事「2大会連続4度目の優勝」を成し遂げた。

 今大会 ″国を挙げて、本気で優勝を狙いにきていた″ 開催国・メキシコとの「熱すぎる昨日・今日の連戦」は、本当に「一瞬たりとも目が離せない!」「これぞ、男子ソフトボール!! 」と確信させてくれる「見応えがギッシリ詰まった、素晴らしい試合」の連続であった。
 前日の現地レポートでも記したように、日本の真骨頂とされる「しぶとさ」「勝利への執念」がこの優勝決定戦の舞台でも随所に発揮されていたし、何より「世界一という結果」を持って、日本男子ソフトボールの「存在または強さ」を世界中に「発信・アピール」してくれたことを選手団の一員(広報)として、嬉しく、誇らしく想う。

 技術的な部分においても、投手・打者各々に「世界の強豪」を「身を持って体感できた」ことが非常に大きく、世界トップレベルを競うライバルたちとの熱戦・激闘の数々がU18日本代表選手たちのレベル(限界値)を引き上げ、これからU23、そしてTOPと着実にステップアップを果たし、いつの日か ″TOPカテゴリーのワールドカップで頂点に立つ″ といった「さらに高い目標設定」「新たなモチベーション」を与えてくれた。

 今回の ″男子U18ワールドカップ″ で見事世界一を勝ち獲り、日本男子ソフトボールに「希望の光」を灯してくれた16名の若き選手たち。私たちはその「未来への可能性溢れる逸材」をこれからも支え、見守り続けていく。

 ここメキシコの地で「熱く燃えた戦いの日々」を、「培った経験・想い」を、どうかこの先も忘れないでほしい。高校、大学、社会人と自らを取り巻く環境は移り変わるが ″世界の舞台で得たかけがえのないモノ″ を日本に持ち帰り、周囲に広め、仲間たちと高め合っていってもらいたい。

 優勝後、宿舎での最後のミーティングで田中徹浩ヘッドコーチが「何より、これからもソフトボールという競技(スポーツ)を愛し、長く続けてもらいたい。また、日本の男子ソフトボールを牽引し続ける存在であってくれることを期待している!」と締めくくったが、安部厚志・山崎均 両アシスタントコーチ、その他スタッフ、私自身も未来に向けてそれを一番に願っている。

 日本男子ソフトボール「ジュニア世代の世界制覇」は、1981年の第1回大会(カナダ・エドモントン)、2016年の第11回大会(アメリカ・ミッドランド)、2020年の第13回大会(ニュージーランド・パーマストンノース)に続いて4度目。「大会連覇」はもちろん「史上初の快挙」だ。

 2028年ロサンゼルスオリンピックでの ″オリンピック競技復帰″ が決定した ″女子ソフトボール″ に世間の目はいきがちだが……日本のソフトボールにはこのように「将来が楽しみ」な「輝ける男たち」が確かに存在している。

 そして彼らは現に「世界一」となって、「連覇の偉業」も成し遂げているということを、この機会に知っていただければ幸いである。

●文・写真
男子U18日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

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