世界ジュニア選手権「連覇」をめざして!
男子U19日本代表選考会が実施された
「国際大会の舞台で通用する選手か否か」
選考委員の“厳しい目”が向けられる
3日間にわたり、「実戦主体」の選考が行われた
今回投手陣の「軸」となるのは、
やはり……「世代最強投手」宮本海斗
前回大会の「優勝メンバー」坂田大士も
再び代表に名を連ね、「連覇」を狙う!
「右の大砲」として期待される下本誠矢
世界の舞台での活躍は、いかに!?
飛龍高のキャプテンとして「インターハイ連覇」
を成し遂げた杉山喜規も、代表入り!
田中徹浩ヘッドコーチの手腕にも、注目したい
「世界への挑戦」が……再びはじまる!!
去る11月16日(木)~18日(土)の3日間、静岡県伊豆市/天城ドーム・天城ふるさと広場野球場を会場に「平成29年度男子U19日本代表チーム選手選考会」が実施され、全国の実業団、クラブ、大学、高校から64名の選手が参加。厳正な選考の結果、来年7月にカナダ/プリンス・アルバートで開催される「第12回世界男子ジュニア選手権大会(大会期日:7月7日~15日)」出場選手「17名」が決定した。
選考会では、初日にまず50m走のタイム測定が行われ、選手全員の走力をチェック。続いて、投手、内野手・外野手に分かれての選考へと移り、投手は球速測定、内野手・外野手はシートノック、フリーバッティングを行い、それと並行して選手全員の個人面談も実施。最後は捕手のスローイング(盗塁を想定した二塁への送球)が計測され、個々の基本的な能力がチェックされた。
2日目、3日目は64名の選手を4つのグループに振り分け、紅白戦で対戦させる「実戦形式」の選考を実施。“世界の強豪との戦い”を見据え、「国際大会の舞台で通用する」、また「力を発揮できる選手か否か」という部分に、今回チームの指揮を執る田中徹浩ヘッドコーチ(新島学園高)をはじめ、選考委員((公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会・男子強化委員の面々)の厳しい目が向けられた。
今回選出された男子U19日本代表の顔ぶれの中で注目されるのは、やはり投手陣の「軸」として期待される宮本海斗(御調高)。高校2年生だった昨年は、当時エースであった長井風雅(※今年、日本男子東日本リーグの名門・ホンダエンジニアリングに加入。前回大会(第11回世界男子ジュニア選手権大会)では、“優勝投手”小山玲央とともに「歴代最強の二枚看板」と評された)を支える2番手の投手であったが、今年は「大黒柱」として自チームを牽引。先月愛媛県で開催された第72回国民体育大会(少年男子の部)でも、全4試合・28イニングを一人で投げ抜き、圧巻の46奪三振。無失点の快投で優勝・連覇を成し遂げ、「世代最強投手」の実力を見せつけており、この選考会でもその「高いポテンシャル」を随所に感じさせていた。球速測定ではMAX117km/hとやや物足りなさが残ったものの、変化球(ライズ・ドロップ)のキレ、制球力はまさに「ジュニア世代トップレベル」と言え、「世界の舞台での活躍」が非常に楽しみである。
投手陣ではこの宮本海斗を「軸」に、今回の選考会で球速115km/h超えをマークした大西泰河(啓新高)、小野寺翔太(新島学園高)らが世界の強豪(ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン等)を相手にどこまでやれるか。通用しなければ……優勝・連覇は厳しいと言わざるを得ないだけに、ぜひ、「奮起」してもらいたいところだ。
野手で中心となるのは、前回大会の「優勝メンバー」でもある坂田大士(ホンダエンジニアリング)。高校3年時に出場したその前回大会では“控え”に甘んじる場面が多かったが、今回はチームの「キャプテン」を任されることが予想され、「強いリーダーシップ」が求められる。日本リーグ1年目のルーキーイヤーでいきなり「1番・ショート」のレギュラーポジションをつかみ、持ち味の「俊足」と「アグレッシブなプレー」で攻守に活躍。今シーズン、日本リーグ(東日本リーグ)では打率0.400・本塁打3・打点7と上々の成績を残し、盗塁王(7盗塁)、ベストナインにも輝いており、チームリーダーにはまさに「もってこい」の選手と言えるだろう。
また、同じく日本リーグを主戦場とし、この選考会でも「パワフルなバッティング」で豪快な一発(ホームラン)を叩き込んでいた下本誠矢(日本エコシステム)。攻守に「マルチな能力」を持ち、様々な状況において器用さとしぶとさが光った関亘(日本体育大)。「ここぞ!」という場面で「快打」を連発していた松尾翔輝(大村工業高)らが攻撃面で打線の「主軸」になることが予想され、今年、飛龍高のキャプテンとして「インターハイ連覇の原動力」となった杉山喜規も、今回、従来の捕手ではなく内野手(三塁手)で選出される形になったが、攻守両面で「カギを握る」存在であることは間違いない。
そして、前回大会“優勝監督”となった名将・山口義男氏の後を引き継ぐ田中徹浩ヘッドコーチの「手腕」にも期待したい。今回、選手の顔ぶれ的には「世代最強投手」宮本海斗が柱となるものの、前回の小山玲央・長井風雅の“二枚看板”を中心とした布陣に比べて「投手陣」がどうしても見劣りしてしまう。宮本海斗自身もまだ国際舞台の経験がなく、どこまでやれるかは正直なところ「未知数」であり、投手の起用法については事前にあらゆる「オプション」を準備しておく必要がありそうだ。
そういった意味でも、攻撃面(打線の活躍)が重要になってくる。まずは、球速120km/h後半を叩き出し、「力」で押してくる「世界トップレベル」の投手にどう立ち向かうか(正攻法に打って出るか? あるいは小技・機動力等で崩し、かき回しにかかるのか??)。アシスタントコーチとして支える安倍厚志(飛龍高)、津本大貴(佐世保西高)両氏と連携を図り、どのようにチームを仕上げていくか……大いに注目したいと思う。
男子U19日本代表は、今後、来年7月の本大会(第12回世界男子ジュニア選手権大会)開催前に国内強化合宿を実施。その国内強化合宿でチームを本格的に「強化」する予定となっている。
No. | 守備 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 投手 | 海邉 和也 | 長崎 | 長崎県立大村工業高等学校 |
2 | 〃 | 大西 泰河 | 福井 | 啓新高等学校 |
3 | 〃 | 小野寺 翔太 | 群馬 | 新島学園高等学校 |
4 | 〃 | 北川 右悟 | 長崎 | 長崎県立大村工業高等学校 |
5 | 〃 | 宮本 海斗 | 広島 | 広島県立御調高等学校 |
6 | 捕手 | 佐藤 光希 | 長崎 | 長崎県立大村工業高等学校 |
7 | 〃 | 西森 亜夕夢 | 高知 | 高知県立須崎工業高等学校 |
8 | 内野手 | 岩本 陸弥 | 徳島 | ジェイテクト |
9 | 〃 | 坂田 大士 | 栃木 | ホンダエンジニアリング |
10 | 〃 | 杉山 喜規 | 静岡 | 飛龍高等学校 |
11 | 〃 | 中村 祥悟 | 長崎 | 長崎県立大村工業高等学校 |
12 | 〃 | 日髙 慶明 | 長崎 | 長崎県立佐世保西高等学校 |
13 | 〃 | 松尾 翔輝 | 長崎 | 長崎県立大村工業高等学校 |
14 | 外野手 | 佐藤 夏己 | 千葉 | 千葉敬愛高等学校 |
15 | 〃 | 下本 誠矢 | 岐阜 | 日本エコシステム |
16 | 〃 | 関 亘 | 東京 | 日本体育大学 |
17 | 〃 | 近森 大起 | 高知 | 高知県立高知工業高等学校 |
No. | 役職 | 氏名 | 支部 | 所属 |
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1 | ヘッドコーチ | 田中 徹浩 | 群馬 | 新島学園高等学校 |
2 | アシスタントコーチ | 安部 厚志 | 静岡 | 飛龍高等学校 |
3 | アシスタントコーチ | 津本 大貴 | 長崎 | 長崎県立佐世保西高等学校 |
4 | トレーナー | 田岡 幸一 | Body Laboratory | |
5 | 総務 | 松繁 冬樹 | 高知 | 高知県立高知農業高等学校 |