いよいよ、第1回男子U23ワールドカップが開幕!
横田将和ヘッドコーチが「全員で勝ちにいこう ‼ 」
と選手・スタッフの一体感を高める
待ちにまった大会本番! 選手たちは気合い十分 !!
初戦の相手はWBSCチーム
小野寺翔太が開幕投手を任された
序盤リードを奪った後、追いつかれる予想外の展開に…
終盤6回裏、一挙3点を奪って勝ち越しに成功!
ここからチームの状態を一気に上げていきたい !!
新設された「男子U23」(男子23歳以下)のカテゴリーにおける「世界一の座」を競う「WBSC第1回男子U23ソフトボールワールドカップ」が、4月15日(土)、アルゼンチン・パラナ/ナファルド・カルグネル・スタジアムで開幕。世界各国「男子ソフトボールの次代を担う選手たち」が集い、しのぎを削る、9日間に及ぶ「熱き戦い」がスタートした。
大会は出場12チームを世界ランキングに基づき2グループに振り分け、まず1回総当たりの「オープニングラウンド」を実施。各グループの上位3チームが「スーパーラウンド」へ進み、同じく1回総当たりで対戦し(※ただし、オープニングラウンドで同グループだったチーム同士の対戦は、オープニングラウンドの試合結果が持ち越される)、ラウンド順位を決定。最終日、スーパーラウンド3位・4位がワールドチャンピオンシップ/ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)を、スーパーラウンド1位・2位がワールドチャンピオンシップ/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)を戦うというスケジュールで覇が競われる。
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4月9日(日)に日本を出発し、大会開催地(アルゼンチン・パラナ)に到着した男子U23日本代表チームは ″長時間の移動の疲れ″ を感じさせることなく、現地で精力的に最終調整。同じく今大会に出場するチェコ、オーストラリア、アルゼンチンと合計4試合のテストマッチを行い(※テストマッチはチェコに1-2、3-2、オーストラリアに0-1、アルゼンチンに4-1という結果になった)、貴重な「収穫・課題」を得て、いよいよ大会本番を迎えることとなった。
大会第1日/4月15日(土)
オープニングラウンド第1戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
WBSC | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 |
日 本 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | x | 5 |
※グアテマラオリンピック委員会が国際オリンピック委員会より出場停止処分を受けているため、グアテマラの選手は国を代表したり、国際的なスポーツイベントでその国旗・国名で競技したりすることができないことになっている。そのため「WBSC第1回男子U23ワールドカップ」に「WBSCチーム」として出場している。
日本:○小野寺翔太(7回)-本塚勇太
〔二塁打〕大川竜志、松尾翔輝
大会初日、第3試合(13時30分からの試合)に登場した日本はWBSCチームと対戦。後攻の日本は初回、1番・菊川智己が死球で出塁。2番・松本良就も四球で歩き、一・二塁とし、3番・宮本海斗のセカンドゴロの間に走者がそれぞれ進塁。一死二・三塁の先制機を作ると、4番・松尾翔輝の当たりが高いバウンドのセカンドゴロとなり、この間に三塁走者が生還。1点を先取した。日本は続く2回裏にもこの回先頭の6番・大川竜志がライトフェンス直撃のツーベースヒットで出塁し、次打者のショートゴロの間に三塁へ進塁。8番・井上裕太郎の当たりはピッチャーゴロで、三塁走者・大川竜志が飛び出し、三・本間で挟殺プレーとなったが、巧みにタッチをかわし、ホームイン。2点目を追加した。
しかし、2-0と日本がリードを奪ったまま迎えた5回表、WBSCチームも反撃。日本の先発・小野寺翔太に対し、一死から1番打者がライト前にクリーンヒットを放ち、出塁すると、2番打者も左中間に二塁打を放ち、一塁走者が一気に本塁生還。6回表にもこの回先頭の5番打者がレフトオーバーの三塁打で出塁し、続く6番打者のファーストファウルフライで果敢にタッチアップ。ファースト・松尾翔輝が懸命に本塁へ送球したが、うまく回り込まれ、ホームイン。2-2の同点に追いついた。
序盤のリードでこのまま優位に試合を運ぶと思いきや、予想外の展開を強いられた日本は直後の6回裏、この回先頭の3番・宮本海斗が振り遅れながらもしぶとくライト前ヒットで出塁。代走・黒岩陽斗が離塁アウトをとられ、一瞬嫌な雰囲気になりかけたが、4番・松尾翔輝がライト前に落とすポテンヒット。気迫の走塁で二塁を狙い、間一髪セーフ! 一死二塁と得点圏に走者を進めると、5番・佐藤光希が強烈なピッチャー返しのセンター前タイムリー!! 3-2と勝ち越しに成功した。勢いづいた日本打線はその後、8番・井上裕太郎のタイムリー等で2点を追加し、5-2と得点差を3点に。
守っては、力投を続ける小野寺翔太をバックが「好守」(※7回表、無死一塁からライト前に放たれた痛烈なヒットをライト・松本良就が見事な送球 ″レーザービーム″ で刺し、タッチアウト!)で盛り立て、リードを守り抜き、大事な初戦に勝利。男子U23日本代表がまずは白星スタートを切った。
いよいよ開幕した「WBSC第1回男子U23ワールドカップ」。大会第1日はチェコ(南アフリカに3-0)、ニュージーランド(イスラエルに9-0)、日本(WBSCチームに5-2)、オーストラリア(シンガポールに7-3)、ベネズエラ(カナダに2-0)、メキシコ(アルゼンチンに5-4)がそれぞれ勝利を飾る形となった。
今大会の出場国の戦力をざっと見る限り、TOPカテゴリーで世界を制した ″注目のサウスポー″ ジャック・ベスグローブを擁するオーストラリアがやはり優勝候補筆頭に挙げられるものの、その他のチームについては投打とも「実力は横一線」という印象を受ける。
このU23のカテゴリーにおいて ″突出した選手″ ″スーパースター″ はまだ存在しておらず、現時点でシビアに言うなら「どこも決め手に欠けるチーム」と評価されるのかもしれない。だが、そんな成長段階・発展途上にあるカテゴリーだからこそ、「伸びしろ」「可能性」は大きなものがある。実力拮抗の熱戦・激闘の数々が選手たちを覚醒させ、この舞台で揉まれることによって、日本のみならず「世界中の国々」のレベルが、「男子ソフトボール全体」のレベルが「底上げされる」ことを期待したい。
日本としては、この後イスラエル、カナダ、ベネズエラ、ニュージーランドとオープニングラウンドの戦いが続いていくわけだが、1点を争う接戦・クロスゲームの連続が予想される中いかに「1つのプレー」を大切にし、「ワンチャンス」をモノにしていくかが「大きなカギ」となりそうだ。6-5、8-7のようなハイスコアの乱打戦にはおそらくならない。投手陣を中心に日本得意の鉄壁の守備でまず失点を最小限に抑え、攻撃へつなげていくこと。打線も連打! 連打!! をイメージするのではなく、三振を極力減らし、泥臭くても、格好悪くても、ボールに食らいつき「1点1点もぎ取っていく」ような「日本らしいスタイル」を実践・確立していくことが重要になるだろう。
世界の強豪との距離は遠いのか、それとも近いのか!? このU23ワールドカップで一つの答えが出されることになる。
「世界に日本あり!」男子U23日本代表が今大会の戦いぶりをもって、世界にそう、知らしめてほしいものである。