9月15日(土)~18日(火)※雨天により1日順延
「第70回全日本総合女子選手権大会」が開催された
前年の覇者・トヨタ自動車 レッドテリアーズを筆頭に
日本リーグ1部のチームが順当に勝ち上がった
大学勢では富士大(岩手)と中京大(愛知)の
2チームが初戦を突破!
地元・ウェントス(茨城)をはじめとするクラブチームは
4チームが出場したが、残念ながらすべて初戦で敗退
日本リーグ「1部」のチームが順当に勝ち上がっていく中、
「2部」のtakagi 北九州 Water Waveがベスト8進出!
前年の「覇者」トヨタ自動車 レッドテリアーズは、準決勝で敗退。
「宿敵」ビックカメラ高崎 BEE QUEENに敗れ、「連覇」ならず……
日本リーグでも好調な戸田中央総合病院 Medicsが
「初」の決勝進出。「初優勝」をめざし、戦ったが……
試合が終わると同時に激しい雨が……。表彰式はびしょ濡れで
行われ、途中からベンチのテントで表彰を行う形に切り替えられた
ビックカメラ高崎 BEE QUEENが2年ぶり2度目の「頂点」へ……。
まず「全日本総合」を制し、日本リーグとの「二冠」なるか!?
去る9月15日(土)~18日(火)(※悪天候のため、1日順延)、茨城県常陸太田市・山吹運動公園、白羽スポーツ広場を会場に、「第70回全日本総合女子ソフトボール選手権大会」(いきいき茨城ゆめ国体ソフトボール競技リハーサル大会)が開催された。大会結果はこちら
大会初日(9月15日/土)はあいにくの悪天候に見舞われ、1回戦2試合を消化したのみで中止・順延を決定。サスペンデッドゲーム2試合を含む1回戦14試合が翌日(9月16日/日)に順延され、翌17日(月・祝)に2回戦・準々決勝、予備日の18日(火)に準決勝・決勝を行う試合スケジュールに変更を余儀なくされた。
大会2日目(9月16日/日)の1回戦では、前年度優勝のトヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)を筆頭に、前年度準優勝の豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)、2年ぶりの「王座奪還」を狙うビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)ら、日本女子ソフトボールリーグ「1部」の強豪チームが順当に勝ち進む中、太陽誘電 ソルフィーユ(群馬)が「まさか……」の初戦敗退。「驚異の二刀流」藤田倭が、2部リーグ・ホープセクションで首位を走るNECプラットフォームズ Red Falcons(静岡)に打ち込まれ、5失点の大乱調。2-5で敗れる波乱があった。
また、同じく2部リーグ・ホープセクションで首位を並走する靜甲(静岡)が「1部」のHonda Reverta(栃木)を試合終盤までリードして慌てさせる場面もあり、2部リーグ・アドバンスセクションで首位を独走する日本精工 Brave Bearies(滋賀)は、昨年のインカレ(全日本大学選手権大会)優勝チームであるIPU・環太平洋大(岡山)の「挑戦」を3-1で退け、takagi 北九州 Water Wave(福岡)は今夏のインカレ(全日本大学選手権大会)の覇者・日本体育大(東京)を7-6で撃破。2部リーグの3リームが2回戦に駒を進めた。
大学勢では、インカレ(全日本大学選手権大会)優勝経験のある園田学園女子大(兵庫)、東北福祉大(宮城)が「1部」のチームを相手に僅差の好ゲームを演じたが、惜しくも敗れ、クラブチーム(VONDS市原ソフトボールクラブ/千葉)に延長タイブレーカーの末に1-0のサヨナラ勝ちした富士大(岩手)、「大学生同士」の対戦となり、立命館大(京都)に10-0の4回コールド勝ちで大勝した中京大(愛知)の2チームが2回戦に勝ち進んだ。
また、クラブチームは出場4チーム(出口医院ペパーミントエンジェルズ/長崎、VONDS市原ソフトボールクラブ/千葉、ウェントス/茨城、福井フェニックス/福井)すべて初戦で姿を消してしまった。
大会3日目(9月17日/月・祝)は、2回戦・準々決勝が行われ、2回戦では中京大学(愛知)が「1部」のSGホールディングス ギャラクシースターズ(京都)を相手に大接戦を展開。先制し、逆転を許しても、同点に追いつく粘りを見せたが、惜しくもサヨナラ負け。2-3で敗れ、姿を消した。
2部リーグ勢ではtakagi 北九州 Water Wave(福岡)が「1部」の大垣 ミナモ(岐阜)に4-1で勝利する「大金星」を挙げ、「1部」以外のチームで唯一、ベスト8進出を果たした。
準々決勝では、前年度優勝のトヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)が、同じ「1部」のデンソー ブライトペガサス(愛知)にアリソン・アギュラーのホームラン等で3点を奪い、「絶対的エース」モニカ・アボットが最後まで得点を許さず、3-0の完封勝ち。
「王座奪還」を狙うビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)も同じ「1部」のSGホールディングス ギャラクシースターズ(京都)に1-0の辛勝。「エース」上野由岐子が初回に挙げた1点を守り切り、完封。息詰まる投手戦を制した。
戸田中央総合病院 Medics(埼玉)は「快進撃」を続けてきたtakagi 北九州 Water Wave(福岡)の「挑戦」を退け、7-0の6回コールド勝ち。「1部」の貫禄を見せつけ、圧勝した。
前年準優勝の豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)は、日立 サンディーバ(神奈川)との延長タイブレーカーにもつれ込む「死闘」を制し、4-2で競り勝ち、トヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)、ビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)、豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)がベスト4進出を決めた。
大会最終日(9月18日/火)、「事実上の決勝」ともいわれたトヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)と、常に「日本一」の座を争う「好敵手」ビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)の対戦は、戦前の予想通り、モニカ・アボット、上野由岐子という「ワールドクラス」の好投手同士の投げ合いとなり、息詰まる投手戦を展開。3回まで一人の走者も出せず、7三振を奪われ、パーフェクトに抑えられていたビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)が、1番・森さやかの「チーム初安打」を口火に、この試合初めて得点圏に走者を進めると、二死二塁から4番・山本優が強烈なピッチャー返し、この打球をはじいたモニカ・アボットがグラブトスで一塁送球を試みたが、この送球が逸れ(記録はピッチャーのエラー)、代走に起用されていた宮本実侑が二塁から一気にホームイン。結局、この1点が決勝点となった。
トヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)は初回の二死満塁、2回表の一死三塁と序盤先制のチャンスをつかみながら、三振ゲッツー等でチャンスを逃し、無得点。最終回にも7番・塚本智名の二塁打、8番・峰幸代の四球で二死ながら一・二塁の「一打同点」「長打が出れば逆転」の場面を作ったが、代打・田中麻美が空振り三振に倒れ、試合終了。ビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)が「宿敵」トヨタ自動車 レッドテリアーズ(愛知)の「連覇」を阻み、決勝進出。2年ぶりの王座奪還に「王手」をかけた。
準決勝、もう一方のゾーンでは、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)と豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)の対戦は、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)・ジョーダン・テーラー、豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)・海部栞菜、両投手の投げ合いで緊迫した投手戦となり、両チーム一歩も譲らず、0-0のまま、延長タイブレーカーに突入。延長8回に1点ずつを取り合い、迎えた9回表、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)は二死三塁から6番・長井美侑のタイムリーで1点を勝ち越し。
その裏、豊田自動織機 シャイニングベガ(愛知)の必死の反撃を、ジョーダン・テーラーが最後の力を振り絞って連続三振、レフトフライに打ち取り、ゲームセット。突然強まる雨、グラウンドコンディションの悪化、「勝負どころ」での雨による中断に悩まされ、「絶体絶命」のピンチを招きながらも「チーム一丸」の戦いで切り抜け、延長9回に及ぶ「死闘」を制し、初めての決勝へと駒を進めた。
決勝は、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)が準決勝で延長9回を完投した「エース」ジョーダン・テーラーの先発を回避。中村美樹を先発に立てたが、2回裏、一死から6番・内藤実穂にソロホームランを浴び、1点を失うと、二死後、8番・藤本麗、9番・我妻悠香の長短打でさらに1点を失い、2点のリードを許す苦しい試合展開となった。
一方、戸田中央総合病院 Medics(埼玉)は、ビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)が誇る「世界のエース」上野由岐子に3回まで「パーフェクト」に抑えられ、4回表、この試合「1番」に起用されたサム・フィッシャーが一・二塁間を破る「チーム初安打」を放ったものの、走者を進めることすらできず……。わずか1安打に抑え込まれたまま、迎えた6回表、一死から9番・田中江理奈が二遊間を破る安打で出塁すると、再出場した1番・サム・フィッシャーがワンボール・ツーストライクからの5球目を強振。これがセンター頭上を越えるツーランホームランとなり、2-2の同点。「難攻不落」のエース・上野由岐子から「起死回生」の一発を放ち、「一振り」で試合を振り出しに戻した。
しかし……「エース」が苦しいときこそ、奮起するのがビックカメラ高崎 BEE QUEEN(群馬)打線。その裏、この回先頭の4番・山本優が意表を突くセーフティーバントで出塁。5番・中西舞衣が手堅く送り、6番・内藤実穂の四球で一死一・二塁とした後、7番・大工谷真波が初球を狙い打ち。センター前にはじき返し、1点を勝ち越すと、二死後、代打・北口美海が勝負を決める走者一掃のタイムリーツーベース。この回3点を奪い、粘る戸田中央総合病院 Medics(埼玉)の息の根を止め、5-2で勝利を収め、2年ぶりに「王座奪還」。「ビックカメラ」として2度目の優勝を飾り、「日本一」に輝いた。