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全日本大学女子選抜チーム 選手選考会
(第8回東アジアカップ派遣選手選考会)
実施される!

「全日本大学女子選抜チーム 選手選考会」冒頭、
挨拶する日ソ協・佐藤理恵女子強化委員長

「第8回東アジアカップ」でヘッドコーチを務める高橋流星氏が紹介された
(昨年、インカレ優勝を飾った日本体育大女子ソフトボール部監督)

投手陣に選考の手順等を説明する増淵まり子氏
(シドニーオリンピック銀メダリスト/淑徳大学)

選考会初日は各種測定を実施

選考会2日目・3日目は「実戦形式」で選考が行われた

ボールカウント・アウトカウント、走者の有無等
様々なケースが設定される中、選考が進む…

選手には自ら考え、自らの力で状況を判断し、
その状況を打開していく能力が求められた

グラウンドの準備・整備もすべて「自分たち」で行う。
こんなところにも「ソフトボールに向かう姿勢」が現れる

 去る4月9日(火)~11日(木)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に、2019年度「全日本大学女子選抜チーム 選手選考会」(第8回東アジアカップ派遣選手 選考会)が、全日本大学ソフトボール連盟主催、公益財団法人日本ソフトボール協会後援で実施された。

 選考会の対象選手は、本年4月1日現在で大学2年生以上とされ、各ポジションにおいて下記のような「参加条件」が設定されている。

【ポジション別基準】
【投手】
①ファストボールの平均球速が95km/h以上あること。
②縦の変化(ライズボールまたはドロップボール)を有する。
③前後の変化(チェンジアップ)を有する。

※原則、投手は上記①~③すべての条件を満たしていること。ただし、打者を打ち取ることのできる「球種」ならびに「投球術」があると認められる場合はこの限りとしない。

【捕手】
①二塁送球 1秒70以内(革ボール・捕手捕球→送球→二塁捕球)

※捕手は捕手条件および野手全般条件を満たしていること。

【野手全般】
①30m走 4秒80以内
②塁間走 3秒20以内
③遠投  50m以上(革ボール・半径1mの円内から送球)

※野手は上記①~③すべての条件を満たしていること。
また、守備力・打撃力において、日本代表としてふさわしい技能を有している者。

 以上の条件をクリアし、各チームから推薦された全国の精鋭50名が「第8回東アジアカップ」(6月12日~17日/中国・広東省中山市)に派遣される代表選手「17名」の座をめざし、厳しい選考に臨んだ。

 選考会初日は、選手個々の有する基本的な身体能力・運動能力の測定と打撃力・守備力をチェックする選考内容となった。
 測定は、30m走、塁間走、二塁から本塁へ生還するタイム測定、ベース一周のタイム測定、メディシンボール投げ(フロントスロー)、投球スピード(5mの距離から全力で投げ、その送球の球速をスピードガンで測定)、スイングスピード、握力の項目で行われた。これらの測定項目はいずれも「ソフトボール」という競技に直結するもので、この測定でどれだけの「数字」を残せるかで、選手個々の有する「ソフトボールプレーヤーとしての基本的な能力」を把握・評価することができる。もちろんソフトボールという競技は「技術的な要素」が占める割合が高く、ただ単に「運動能力がある」「身体的条件に恵まれている」というだけでは必ずしも「良い選手」であるとはいえない場合もあるが、やはりその「前提条件」が恵まれている選手ほど、「伸びしろ」や「可能性」がある、ということは間違いない。
 全日本大学ソフトボール連盟の選手強化委員長であり、公益財団法人日本ソフトボール協会のGEMプロジェクト(ジュニア育成強化プロジェクト)を総括する立場でもある清水正氏(山梨学院大女子ソフトボール部監督)は、「従前からこのような取り組みを進めてはいたが、今後はこれらの測定の項目をすべてのカテゴリーで共通して行うことを徹底し、データを蓄積させていきたいと考えている。それらのデータを各カテゴリーの現場の指導者の皆さんにも共有していただき、普段の練習に活かし、選手個々のレベルアップの一助としてもらいたい。また、こういったデータを蓄積することで選手を評価・選考する具体的な指標とすると同時に、各年代・各カテゴリーにおいて、備わっていなければならない一定の水準・レベルが明確になり、さらにその『目標』を超えていく努力をすることで日本代表全体のレベルを引き上げていくことにつながれば……と期待している」と語った。
 この後、選手たちの第1希望のポジション、複数ポジションをこなせる選手は第2希望・第3希望のポジションでもシートノックを行い、打球への反応(敏捷性)、グラブさばき(捕球の正確性)、守備範囲の広さ、肩の強さ・スローイングの正確性等、基本的な守備力がチェックされた。
 この間、ピッチャーはスピードガンによる球速測定と球種を自己申告して自らが有する変化球を投球。球威・ボールの切れ、変化の度合いやそれを自在に操るコントロールがあるか否か等、2000年シドニーオリンピック銀メダリストの増淵まり子氏(淑徳大女子ソフトボール部監督)を中心に、ピッチャーとしての基本的なスキルが見極められた。
 また、キャッチャーは盗塁阻止を想定した二塁送球のタイム計測も行い、捕球から送球へ移る動作の速さ・肩の強さ・送球の正確性等が選考対象とされ、選考委員の厳しい目が注がれた。
 最後に、フリーバッティングを行い、バットコントロール・ミートの正確性・スイングスピード・打球の速さ・飛距離等、基本的なバッティング技術がチェックされ、初日の選考を終えた。

 選考会2日目・3日目は、「実戦形式」での選考。A・B・Cの3グループに分かれ、試合形式での選考を行った。ボールカウント、アウトカウント、走者の有無、実際の試合を想定した様々な状況を設定し、投手を中心とした守備陣は、いかに相手打者を打ち取るか、走者を進塁させず、得点を許さぬ投球・守備陣形を敷き、逆に打者はその警戒をかいくぐり、自ら出塁し、あるいは走者を進塁させ、得点を挙げることを目的に攻撃を仕掛けた。
 攻撃側も守備側も、まず選手個々が自分の特徴・持ち味をアピールすることを大前提とし、その与えられた状況下で「ベスト」なプレーは何なのかを自ら考え、「最適解」を導き出すことを求められ、ただ打つ・守るのではなく、的確な状況判断や「ソフトボールIQ」「ソフトボールセンス」が問われる選考となった。
 例えば、ワンボール・ワンストライクの状況が設定されたとき、その次の一球がストライクになるか、ボールになるか、で状況はまったく変わってくる。次の投球が「ストライク」でワンボール・ツーストライクになれば、俄然「投手有利」な状況が生まれるし、「ボール」になればツーボール・ワンストライクで「バッティングカウント」になる。そこで「打ってみろ!」とばかり力でねじ伏せようとするのか、ボール球で誘って空振りを取ろうとするのか、打者のタイミングを外しにかかるのか……そこにはハッキリ選手個々の「個性」や「特徴」が現れてくる。
 あるいは無死一・二塁の状況で「自分が勝負を決める」とばかりに状況に関係なく打って出る「4番打者的気質」の選手もいれば、「最低限、右に転がし、あわよくば一・二塁間を抜けてくれれば」と考える「つなぎ役」的な発想の選手もいる。そういう「選択」の一つひとつに選手個々の「性格」や「考え方」が浮き彫りにされ、もっといえばそれぞれの「ソフトボール観」が色濃く反映される、選手個々の「本質」を問うような選考内容で選手一人ひとりが厳しく査定されていた。
 選手たちは、その都度設定される状況の中で、「今、何をすべきか」を自ら考え、そこで「何ができるか」を選択し、全力でアピールを続けた。東アジアカップに派遣される17名の「代表選手」の座をめざし、懸命にプレーを続け、3日間の選考を終了した。

 この選考会における評価および選考は、全日本大学ソフトボール連盟強化委員会で行い、同連盟常任理事会で決定。合否の発表は書類が整い次第、所属チーム監督宛に送付。それ以外は(公財)日本ソフトボール協会ホームページ上掲載で発表に代える。

第8回東アジアカップ 出場選手団

選手

No. 守 備 氏 名 所属名
1 投手 浅井 茉琳 日本体育大学
2 黒木 美紀 東京富士大学
3 長谷川 鈴夏 日本体育大学
4 三原 千空 園田学園女子大学
5 捕手 比護 奈保子 東京女子体育大学
6 山田 柚葵 日本体育大学
7 野手 石野 江里佳 東京女子体育大学
8 加藤 亜実 園田学園女子大学
9 亀田 栞里 日本体育大学
10 下村 歩実 園田学園女子大学
11 下山 絵理 園田学園女子大学
12 白石 望美 園田学園女子大学
13 杉本 梨緒 中京大学
14 須藤 麻里子 日本体育大学
15 高瀬 沙羅 中京大学
16 舟橋 花保 中京大学
17 古谷 祐花 東京女子体育大学

スタッフ

No. 役 職 氏 名 所属名
1 チームリーダー 清水 正 山梨学院大学
2 ヘッドコーチ 高橋 流星 日本体育大学
3 アシスタントコーチ 泉 健介 東北福祉大学
4 アシスタントコーチ兼総務 島崎 蓮弥 園田学園女子大学
5 トレーナー 光本 雅美 SGホールディングス
6 通訳 高 萍 (公財)日本ソフトボール協会
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