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第67回全日本総合男子選手権大会

高知パシフィックウェーブ、10年ぶり5度目の頂点へ!

「日本の頂点」をかけた全日本総合選手権を開催!

今年のインカレ優勝・準優勝チームが躍動!
ともに1回戦で日本リーグ勢を「撃破」した !!

【準決勝】Honda vs 平林金属
「闘志剥き出し」のHonda・坂田大士が
小山玲央に強烈な先制ソロホームランを浴びせる

土壇場で試合を振り出しに戻した平林金属。
延長8回裏、鳥山和也の「一発」で決着!

【準決勝】高知パシフィックウェーブ vs トヨタ自動車
高知パシフィックウェーブが初回に4点を先取。
その後も追加点を奪い、9年ぶりの決勝へ!

【決勝】平林金属 vs 高知パシフィックウェーブ
高知パシフィックウェーブの「頼れるキャプテン」
片岡大洋が圧巻の2本塁打を放ち、大活躍

伊藤皓二もトドメのソロホームランを突き刺した

高知パシフィックウェーブ、10年ぶりの歓喜爆発!
22歳の「若き右腕」片岡大空が「優勝投手」に !!

平林金属の「シーズン三冠」達成はならず。
この悔しさを胸に、来シーズンさらに強くなった
姿を我々に見せてほしい

 「第67回全日本総合男子ソフトボール選手権大会(大会結果はこちら)」が、去る11月20日(土)~23日(火・祝)の4日間(※雨天のため1日順延)、茨城県石岡市・小美玉市/石岡市:八郷総合運動公園野球場・柏原野球場、小美玉市:希望ヶ丘公園において開催された。
 本大会は昨年(2020年)の第66回大会が新型コロナウイルス感染予防及び拡大防止のため中止となり、今年「2年ぶり」の開催。当初は9月18日~20日の日程で開催される予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け「延期」に。このたびの開催期日に日程を調整し、実施されることとなった。

 大会には前々回優勝のHonda(栃木)、準優勝の高崎市役所(群馬)をはじめ、一昨年の日本男子ソフトボールリーグ上位7チーム(※前々回優勝のHondaを除いた7チーム(平林金属(岡山)、デンソー(愛知)、ダイワアクト(佐賀)、大阪桃次郎(大阪)、日本エコシステム(岐阜)、高知パシフィックウェーブ(高知)、愛媛ウエスト(愛媛))が推薦出場。その他、全国各都道府県・各ブロックの厳しい予選を勝ち抜いた22チーム、開催地枠として地元1チームを加えた総勢31チームが出場。文字通り「日本の頂点」をめざして熱戦を繰り広げた。

 大会初日/11月20日(土)は1回戦15試合が行われ、関東ブロック代表の日本体育大学(東京)が旭化成(宮崎)を7-2(※延長8回タイブレーク)、九州ブロック代表の福岡大学(福岡)が埼玉県庁クラブ(埼玉)を2-1で破る等、「日本リーグ勢」から「金星」。今年のインカレ優勝・準優勝チームがその「実力」「存在感」を大いに示してくれた。

 しかし、大会2日目/11月21日(日)に入ると「日本リーグ勢」が「本領」を発揮し、前々回の覇者・Hondaが日本体育大学の挑戦を3-1で退け、順当に準々決勝へ進出。デンソーと福岡大学の対戦もデンソー・山脇佑也、福岡大学・海邉和也の両エースが「見応えのある投げ合い」を繰り広げ、0-0のまま延長タイブレークに突入する「緊迫の試合展開」となったが、最後は延長8回裏にデンソーが「意地」で得点をもぎ取り、1-0のサヨナラ勝ち! 高知パシフィックウェーブ vs 環太平洋大学(岡山)戦でも、高知パシフィックウェーブの先発・片岡大空が「大会史上7人目」となる「完全試合」(※投球数91、三振9、内野ゴロ5、内飛4、外飛3)を達成し、高知パシフィックウェーブが2-0の完封勝利を収める等、ベスト8には「すべて日本リーグ勢」が名を連ねることになった。
 同日行われた準々決勝では、Hondaが愛媛ウエストに1-0、平林金属がデンソーに8-1(※5回コールド)、高知パシフィックウェーブが三重県庁クラブに2-0、トヨタ自動車(愛知)がダイワアクトに6-3とそれぞれ勝利し、ベスト4が決定。大会3日目/11月22日(月)の雨天順延をはさんで、いよいよ「最後の戦い」を迎えた。

 最終日となった大会4日目(予備日)/11月23日(火・祝)は準決勝・決勝が行われ、準決勝・Honda vs 平林金属戦は、先攻のHondaが初回、二死から3番・坂田大士のライトへのソロホームランで1点を先制。3回裏に平林金属の3番・松田光にレフトへソロホームランを打ち返され、試合を振り出しに戻されたが、終盤6回表にも無死一・三塁から先制本塁打を叩き込んだ3番・坂田大士がレフトへ犠牲フライを打ち上げ、勝ち越しに成功。“難攻不落” と目された平林金属の先発・小山玲央から2点を奪い、このまま逃げ切るかと思われた。
 しかし、全日本クラブ選手権、日本リーグに続く「シーズン三冠」達成へ「諦めない」平林金属は土壇場の7回裏、一死から代打・和田彩斗がレフトオーバーのスリーベースを放ってチャンスメイクすると、続く1番・浜本悌の「食らいついた当たり」はショートへ。これがフィルダースチョイスとなり、好スタートを切っていた三塁走者・和田彩斗が間一髪ホームイン。試合は再び振り出しへと戻り、延長タイブレークにもつれ込むこととなった。
 延長8回表、Hondaはタイブレークの走者を二塁に置き、1番・遠畑光希がセンター前ヒット。この当たりでタイブレークの走者が思い切って本塁生還を狙ったが、中堅手からの好返球により惜しくも本塁寸前タッチアウト。さらにこの後四球で一死一・二塁のチャンスが続いたが、後続が空振り三振、ピッチャーゴロに打ち取られ、得点ならず。
 その裏、「ピンチを凌いだ」平林金属がこの回先頭の4番・鳥山和也の「狙いすました」「完璧な当たり」のサヨナラツーランホームランで4-2と劇的勝利を飾り、4年ぶりの決勝進出を決めた。

 もう一方の準決勝・高知パシフィックウェーブ vs トヨタ自動車戦は、後攻の高知パシフィックウェーブが初回、トヨタ自動車の実質的な先発投手・八木孔輝の立ち上がりをとらえ、3番・片岡大洋、5番・伊藤皓二、7番・北原匠のタイムリー等4安打を集中していきなり4点を先取。1点を返された直後の4回裏にも、二死二塁から3番・片岡大洋がレフト線へタイムリースリーベースを放ち、1点を追加。なお二死三塁のチャンスが続き、4番・中西康太にも三遊間を破るタイムリーが飛び出し、この回2点目を挙げ、試合の大勢を決めた。
 守っては、2回戦(環太平洋大学戦)で “完全試合達成” という “偉業” をやってのけた「若き期待の右腕」片岡大空が4点を失いながらも「粘りのピッチング」を展開。最後までトヨタ自動車打線に逆転を許すことなく、3試合連続の完投で6-4と勝利を収め、9年ぶりの決勝へ駒を進めた。

 決勝では「4年ぶり5度目」の王座返り咲き狙う平林金属と「10年ぶり5度目」の頂点をめざす高知パシフィックウェーブが激突。
 先攻の高知パシフィックウェーブが初回、平林金属の実質的な先発投手・松田光に対し、一死三塁から3番・片岡大洋の「打った瞬間、ホームランと分かる!」鮮やかなツーランホームランで2点を先制。その後4回裏に先発・片岡大空が平林金属の3番・松田光に “お返し” のソロホームランを浴びて1点差に詰め寄られたが、終盤6回表にもこの回先頭の3番・片岡大洋が今度は右中間に「力強く引っ張る !! 」豪快なソロホームランを叩き込み、1点を追加。一死後、5番・伊藤皓二も「初球」を見事に狙い打ち、センターへ「弾丸ライナー」のソロホームランを突き刺し、この回大きな2点目を加えた。
 投げては、「4連投」となった先発・片岡大空がその疲れを「微塵も感じさせない」、若さ溢れる「エネルギッシュなピッチング」を披露。「全身のバネでボールをはじき出す!」ような、角度のある、「切れ味抜群のライズボール」で平林金属打線と真っ向勝負し、7回裏、平林金属に意地の2点目を返されはしたが、最後は1番・浜本悌を圧巻の三球三振(空振り三振)に斬って取り、試合終了 !! 高知パシフィックウェーブが4-2で平林金属を撃破し、10年ぶり5度目の総合選手権制覇を成し遂げた。

 戦前の予想では、先日の日本リーグ決勝トーナメントを貫禄の強さで制した平林金属の “王座返り咲き” “シーズン三冠達成” というシナリオが描かれていたのだが、それを今回、高知パシフィックウェーブが見事に「くつがえして」くれた。これこそが勝負の世界の、ひいては男子ソフトボールならではの「おもしろさ」であり、トーナメント(一発勝負)という戦いの「醍醐味」を改めて我々に感じさせてくれた。
 今回「優勝投手」に輝いた高知パシフィックウェーブの片岡大空(かたおか・そら)は22歳と若く、まだまだ大いに「可能性」を秘めた、言わば「これから伸びていく」投手。高知工科大学在学中の「現役大学生」で、自チームの “憧れのエース” 高橋速水の高校の「教え子」でもあると言う。今大会のピッチングを見る限り、得意の「ライズボール」の「切れ味」は一級品。そのライズにますます磨きをかけ、ドロップまたはチェンジアップとうまくコンビネーションさせながら……「より手がつけられない投手」へ「変貌」を遂げてくれることを期待したい。
 また、準決勝で敗れはしたが、平林金属を土俵際ギリギリのところまで追いつめたHondaの戦いぶりからも「来シーズンへの希望」を見出すことができた。
 “日本男子ソフトボール次代のエース” と呼ばれ、“MAX135km/h″を叩き出すそのポテンシャルから今や「世界一の投手」と言われても過言ではない小山玲央に対し、「意地を見せる」かのごとく「チームリーダー」坂田大士が強烈な先制ソロホームラン! 「俺たちだってやれるぞ! 世界トップレベルを打ち崩し、超えてみせるぞ !! 」と言わんばかりの一撃と、その後の「闘志あふれるプレイ」は、試合を見つめていた私たちの心をも「熱くさせる」モノであった。
 平林金属も当然このまま黙っているはずがない。今回準優勝に終わった悔しさを、その並々ならぬ想いを、きっと来年の戦いにぶつけてくることだろう。“『負けたことがある』というのがいつか大きな財産になる” この言葉にもあるように、決勝での敗戦は、彼らをより強く、そして一回り大きく成長させてくれるのではないだろうか。

 “絶対王者” を倒してつかみ取ったこの高知パシフィックウェーブの総合選手権制覇が「新たな起爆剤」となり、日本の男子ソフトボール全体を「覚醒」させてくれる。
 そう期待を抱いて、来シーズンの熱き戦いを楽しみに待ちたいと思う!

第67回全日本総合男子選手権大会トーナメント表

第67回全日本総合男子選手権大会トーナメント表
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