「ニトリ JD.LEAGUE 2022」第7節は「交流戦シリーズ」として全国4会場で開催!
今節もたくさんの観客の皆さんがスタンドを埋めてくれた
選手たちに「最高のグラウンド状態」でプレーしてもらいたいと、試合前、試合後のグラウンド整備にも力が入る
「那須塩原ラウンド」で大会運営を支えてくれた黒磯南高等学校・那須拓陽高等学校・さくら清修高等学校の皆さん
今節は「天候との戦い」でもあった。雨ニモマケズ……天候に振り回されながらも「全力」を尽くした
全員総出、懸命のグラウンド整備により、試合再開にこぎつけることができた
「那須塩原ラウンド」担当の審判団。公正・公平にして厳正なジャッジを! と力を尽くした
「掛川ラウンド」担当の記録員の皆さん。正確かつ迅速な公式記録の提供のため、力を合わせ取り組んだ
公式記録をより正確なものとするために……喧々諤々議論を交わし、意見を戦わせることも
チームもそれぞれに工夫と趣向を凝らし、大会を盛り上げようと必死の取り組み
今節も熱心なファンが球場に足を運んでくれた。ただ……もっともっとこのJD.LEAGUEを盛り上げていかなくてはならない
去る5月21日(土)~23日(月)、「ニトリ JD.LEAGUE 2022」は第7節を開催。大会初日(5月21日/土)が激しい雨に見舞われ、試合の中断を余儀なくされる場面もあり、栃木県那須塩原市・くろいそ野球場での那須塩原ラウンドの第2試合が中止・順延。5月23日(月)の予備日に実施されることになりはしたが、関係者総出での懸命のグラウンド整備の甲斐あって、予備日を含めた3日間で何とか予定された試合を実施することができた。
「ニトリ JD.LEAGUE 2022」は、この第7節から「交流戦シリーズ」に入り、「東地区」と「西地区」のチームが対戦。レギュラーシーズンでは一度しかない対戦となる(「東地区」「西地区」の「地区シリーズ」では同地区内のチームと3回対戦(3回総当たり)するが、「東地区」と「西地区」のチームが対戦する「交流戦シリーズ」は1回の対戦(1回総当たり)のみ)、「地区シリーズ」とはまた一味違った「新鮮」な顔合わせとなり、この「貴重な対戦の機会」を見逃すまいと多くのファンが会場に駆けつけてくれた。
岩手県金ケ崎町での「金ケ崎ラウンド」では、このところ調子を上げている「東地区」のデンソー ブライトペガサスが「西地区」の豊田自動織機 シャイニングベガを2-0、シオノギ レインボーストークス兵庫を10-2と連破。開幕「連勝」の跡、「まさか……」の5連敗を喫し、上位争いから脱落したかに見えたが……そこから今度は「6連勝」の快進撃! 何とも浮き沈みの激しい戦い方ではあるものの、一気に「東地区」同率2位まで順位を上げてきた。
対照的に、この「交流戦シリーズ」を迎えるまで8勝2敗で「西地区」3位につけていた豊田自動織機 シャイニングベガは手痛い連敗。2試合連続の完封負けと「急ブレーキ」がかかり、順位こそ3位と変わらないものの、8勝4敗で上位2チームとの差を広げられる結果となってしまった。
「東地区」戸田中央 メディックス埼玉と「西地区」シオノギ レインボーストークス兵庫は今節1勝1敗。戸田中央 メディックス埼玉は第4節・太陽誘電 ソルフィーユ戦以来、久々の勝利を挙げ、連敗を「5」でストップ。4勝9敗で「東地区」7位と苦しい状況が続いているが、何とかこの「勝利」を次につなげたいところだ。
シオノギ レインボーストークス兵庫は5勝8敗で「西地区」同率5位。「西地区」は上位3チームが走り、4位以下は勝率5割を下回る状況となっているが、何とかここで踏ん張り、「上位戦線」に割ってはいりたいところだ。
栃木県那須塩原市・くろいそ野球場での「那須塩原ラウンド」では、「ホーム」開催の「東地区」のホンダ リヴェルタが連勝。通算成績8勝5敗と星を伸ばし、今節1勝1敗の日立 サンディーバと並んで「東地区」の同率2位につけた。
「西地区」の日本精工 ブレイブベアリーズは初戦の日立 サンディーバ戦を5-4で競り勝ったものの、「ホーム」のホンダ リヴェルタには2-10で大敗。5勝7敗で4位となり、伊予銀行 ヴェールズは今節連敗。5勝8敗で同率5位となり、ポストシーズン「プレーオフ」に進出できる「ワイルドカード」も絡む微妙な位置にいるだけに、少しでも勝ち星を稼ぎ、「勝率」を上げておきたいところだ。
新潟県上越市・高田城址公園野球場での「新潟ラウンド」では、「東地区」で快調に首位を走るビックカメラ高崎 ビークイーンが、「西地区」で「旋風」を巻き起こすSGホールディングス ギャラクシースターズの「挑戦」を退け、8-3で大勝。「投打二刀流」藤田倭が「イタリア代表」でもあるグレータ・チェケッティから先制のツーランホームランを放ち、「金メダリスト」の貫禄を見せると、投げても「実質的な先発投手」(試合開始と同時にDP・4番の藤田倭がFP・濱村ゆかりの投手の守備を兼務)として登板し、勝利投手に。第2節の日立 サンディーバ戦で敗れて以来、負けなしの「10連勝」と波に乗り、通算成績11勝2敗と星を伸ばし、「東地区」の首位を快走している。
SGホールディングス ギャラクシースターズはこの試合を落としはしたが、翌日の太陽誘電 ソルフィーユ戦は「イタリア代表」エリカ・ピアンカステリの満塁ホームラン「グランドスラム」もあり、6-1と快勝。通算成績10勝3敗とし、首位争いから一歩後退はしたものの、2位の好位置につけている。
代わって「西地区」の「単独首位」に立ったのは、トヨタ レッドテリアーズ。太陽誘電 ソルフィーユに山田柚葵、バッバ・ニクルスの本塁打を含む9安打を浴びせ、7-2で圧勝。通算成績10勝2敗とし、試合数の差異はあるものの、「勝率」で上回り、「西地区」の単独首位に立った。
太陽誘電 ソルフィーユは「西地区」の上位チーム相手に手痛い連敗。いずれも投手陣が相手打線の「一発」に沈み、大量失点。2-7、1-6で連敗を喫し、通算成績6勝7敗。「勝率5割」を切り、5位まで順位を落としてしまった。
静岡県掛川市・いこいの広場野球場での「掛川ラウンド」では、「東地区」大垣ミナモが連勝。初戦のタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦で6-4の逆転勝利を飾り、続く東海理化 チェリーブロッサムズ戦では浅井茉琳がノーヒット・ノーランを達成する快投で2-0の完封勝利。通算成績5勝8敗で「東地区」6位となった。
「ホーム」のNECプラットフォームズ レッドファルコンズは初戦の東海理化 チェリーブロッサムズ戦を0-3の完封負けで落としたものの、続くタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦では延長8回タイブレークの激闘を4-3で制し、劇的なサヨナラ勝ち! 通算成績4勝9敗で「東地区」同率7位となっている。
東海理化 チェリーブロッサムズはNECプラットフォームズ レッドファルコンズに「エース」永谷真衣の好投で3-0の完封勝ち。続く大垣 ミナモ戦はノーヒット・ノーランの達成を許す悔しい敗戦となってしまったが、今節1勝1敗で通算成績4勝8敗、「西地区」7位となっている。
タカギ北九州 ウォーターウェーブは第5節のSGホールディングス ギャラクシースターズ戦で「全勝」で首位を走るチームを破る「大金星」を挙げ、開幕からの連敗を「8」で止め、嬉しいJD.LEAGUE初勝利を挙げたが、その後、再び4連敗。1勝12敗で「西地区」最下位と苦しい状況が続いている。
(※第7節終了時点の戦績表はこちら)
「交流戦シリーズ」に入った第7節、「東地区」と「西地区」の対戦成績は「東地区」が10勝5敗と大きく勝ち越す結果となった。レギュラーシーズンの順位が「勝率」によって決定され、プレーオフ進出「最後のチーム」を決める「ワイルドカード」が、「東地区」「西地区」の4位のチームのうち、「勝率の高いチーム」に与えられることを考えると、この結果は「東地区有利」に働くことになる。
現時点で、「東地区」は2~4位争いが大混戦で「同率2位」に3チームが並ぶ状態。その3チームの「勝率」は0.615と「西地区」4位の日本精工 ブレイブベアリーズの勝率0.417を大きく上回っている。
第8節・第9節・第10節と、この「交流戦シリーズ」が続くだけに、その「動向」にも注目したいところだ。
また、この「交流戦シリーズ」では、当然のことながら同地区内での対戦がないため、「直接対決」で叩き、差を詰める……ということができない。他チームの動向を横目に、まずは自チームがしっかりと勝ち星を積み上げていくしかない。その意味では「地区シリーズ」とは「違った戦い方」が求められることになる。
この第7節は「天候との闘い」でもあった。「那須塩原ラウンド」では、初日(5月21日/土)第1試合が1時間5分に及ぶ中断。この試合は何とか最後まで試合を続行することができたが、第2試合に予定されていたホンダ リヴェルタ対伊予銀行 ヴェールズの一戦が予備日(5月23日/月)に中止・順延を余儀なくされた。
「掛川ラウンド」でも、初日(5月21日/土)第1試合が2時間24分に及ぶ中断。関係者総出の懸命のグラウンド整備で試合再開にこぎつけ、第2試合も試合開始が2時間近く遅れたものの、無事にこの日予定された試合を終了することができた。
「交流戦シリーズ」という新しいステージ、新たな戦いの局面を迎えた「ニトリ JD.LEAGUE 2022」。今節も各開催地の皆さんが支えてくれた。
試合前・試合後、選手たちが少しでも良いグラウンド状態でプレーできるようにと、グラウンド整備に汗を流し、雨が降れば、その対応に追われ、まさに「雨ニモマケズ……」水浸しになったグラウンドの水をとり、砂を入れ、ならし……試合ができる状態に復旧し、少しでも良いグラウンド状態でプレーしてもらおうと、心を砕き、全力を尽くしていた。
審判員の皆さんは、より公平・公正で、厳正なジャッジを行い、円滑に試合を進行しようと、一球一球に集中し、一つひとつのプレーを注視。正確な判定を行うべく、審判員全員が総力を挙げて取り組んでいた。
記録員もグラウンド上で起こるすべてのプレーを正確に記録・記帳し、公式記録を迅速に作成・提供しようと、時には喧々諤々、議論を戦わせながら全力を尽くし、その作業、自らの役割に没頭していた。
それぞれのチームも、少しでも大会を盛り上げようと、様々な工夫を凝らし、観戦に訪れたソフトボールファンに楽しんでもらおうと「おもてなし」の心で対応。新型コロナウイルス感染症の方も少しずつ落ち着きを見せてきたこともあり、たくさんのソフトボールファンの皆さんがスタンドを埋め、かつての賑わい、盛り上がりが、少しずつ戻ってきているようにも感じた。
その一方で、当初想定していたような観客動員数には届いておらず、思ったほどの集客ができていない……といった話も漏れ聞こえてくる。ただ、LIVE配信では数十万件に及ぶ驚異的な視聴数を叩き出している試合もあり、これから少しずつ「かつてのような日常」が戻ってくれば、スタジアムに足を運んでくれる観客も増えてくる……と信じ、期待したいところだ。
そんな折、「衝撃的」なニュースも飛び込んできた。1977年7月に創刊し、長くソフトボール競技の普及・振興に大きな役割を果たし続けてきた「ソフトボール・マガジン」(ベースボール・マガジン社)が今夏にも「休刊」するというのだ。すべてのソフトボールプレーヤーが、チームが、その誌面を飾ることに憧れ、そこに掲載されること、取り上げられることが一つの「ステイタス」となっていた創刊500号を超え、50年近い歴史を誇るソフトボール「唯一」の「専門誌」が、このような「決定」に至らなければならなかった「無念」を思うとやりきれない思いがある。
ただ……これも今、「ソフトボール」が直面している「現実」である。もちろんネット全盛の時代の中、「本」という形態、紙媒体自体が「時代遅れ」になっているという「現実」もあるのだが、昨夏、「東京2020オリンピック」で金メダルを獲得してもなお、その「現実」は変えられなかった……のである。その厳しい「現実」は、ソフトボールの「未来」と「無縁」であるとも思えない。
そのためにも、このJD.LEAGUEを、ソフトボールを盛り上げていく「契機」とし、「起爆剤」とすべく、何としても成功させなければならないのである。ソフトボールが直面している「厳しい現実」を乗り越え、ソフトボールの「未来」を変えていくために……ここが「踏ん張りどころ」であり、今こそ皆で力を合わせなければならない。