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「ニトリ JD.LEAGUE 2023」第1節をふり返って

第1節「東地区」高崎ラウンド 「レジェンド」上野由岐子の「復活登板が実現」©JD.LEAGUE

第1節「東地区」高崎ラウンド NECプラットフォームズ レッドファルコンズが「同率首位」に!ⒸJD.LEAGUE

第1節「東地区」安城ラウンド ホンダ リヴェルタが連勝発進!ⒸJD.LEAGUE

第1節「東地区」安城ラウンド スタンドにはシーズン開幕を待ちわびたたくさんのソフトボールファンの姿が……

第1節「西地区」北九州ラウンド トヨタ レッドテリアーズが連勝の好スタート!©JD.LEAGUE

第1節「西地区」北九州ラウンド 北九州ラウンドを支えてくださった皆さん

第1節「西地区」尼崎ラウンド 松田光新監督のもと、シオノギ レインボーストークス兵庫が「ホーム」で連勝!©JD.LEAGUE

第1節「西地区」尼崎ラウンド 尼崎ラウンドを支えてくださった皆さん

長いシーズンの幕開け。激闘が続く……©JD.LEAGUE

 去る4月15日(土)~17日(月)、今シーズンの「開幕」となる「ニトリ JD.LEAGUE 2023」第1節が、「東地区」は群馬県高崎市、愛知県安城市の2会場、「西地区」が福岡県北九州市、兵庫県尼崎市の2会場、計全国4会場で開催された。
 せっかくの「開幕」、大会初日(4月15日/土)の「開幕日」が全国的な悪天候に見舞われ、「西地区」福岡県北九州市の「北九州ラウンド」以外は試合を行うことができず、すべて中止となり、4月17日(月)に順延。その「北九州ラウンド」も第1試合を終えたところで、これ以上の試合続行は不可能と判断され、第2試合は同じく4月17日(月)に順延された。

 「東地区」群馬県高崎市・宇津木スタジアムでの「高崎ラウンド」では、「連覇」を狙うビックカメラ高崎 ビークイーン(前年度・年間チャンピオン、東地区優勝)が快調に連勝。「連覇」へ向け、順調なスタートを切った。
 雨天順延で開幕初戦となった大垣 ミナモ(前年度・東地区6位)戦は、初回に昨シーズン、ショートのポジションで「東地区」ベストナインに輝き、「日本代表」にも選出された成長株・工藤環奈のツーランホームランで2点を先制すると、3回裏には炭谷遥香のスリーラン、4回裏には工藤環奈のこの試合2本目となるツーラン、5回裏には昨シーズンの「東地区」打点王の藤田倭にも旧・日本リーグ時代から数えて53本目(「歴代最多本塁打」トップタイ。SGホールディングス ギャラクシースターズのステーシー・ポーターも今節1本の本塁打を放ち、同数で並んでいる)となるトドメの「一発」が飛び出し、13安打・12得点の猛攻。守っては、先発・勝股美咲、「投打二刀流」藤田倭とつなぎ、最後は「レジェンド」上野由岐子の実に511日ぶりとなる「復活登板」で締めくくり、12-0と大勝。開幕戦を勝利で飾った。
 続く日立 サンディーバ(前年度・年間3位、東地区2位)戦は、初回に先手を奪われ、一度は逆転したものの、6回表に再び逆転を許す苦しい試合展開に。1点を追う6回裏、一死から我妻悠香がレフト線へ二塁打を放ち、チャンスを作り、二死後、9番・片岡美結がセンター頭上を越える「起死回生」の逆転ツーランホームラン。4-3と試合をひっくり返し、最終回は昨シーズン「東地区」MVPに輝いた濱村ゆかりが日立 サンディーバの必死の反撃を三者凡退に退け、そのまま逃げ切り。苦しみながらも「ホーム」で開幕連勝を飾り、「連覇」へ向け、力強い「一歩」を踏み出した。
 この「高崎ラウンド」では、NECプラットフォームズ レッドファルコンズ(前年度・東地区7位)が連勝。初戦の日立 サンディーバ戦を原日菜美のスリーラン等で5-4と競り勝ち、続く大垣 ミナモ戦も3回裏、前日、逆転スリーランを放つ活躍を見せた原日菜海がこの試合では先制のタイムリー。5回裏には坂本彩音のソロホームラン、6回裏には松本沙耶、今シーズン移籍・加入した田立梨子(大垣 ミナモより移籍)、「ルーキー」木村友奏の3連続長短打、角野杏の犠牲フライで2点を加え、左腕・大塲亜莉菜、横谷瑞希とつなぐ「必勝リレー」が2試合連続でハマり、開幕連勝。少し気が早いかもしれないが「同率首位」に躍進した。
 対照的に連敗スタートとなってしまったのは日立 サンディーバと大垣 ミナモ。日立 サンディーバは4-5、3-4といずれも1点差の好ゲームを演じながら勝ち星に恵まれず。昨シーズン「東地区」本塁打王であり、「日本代表」でもある坂本結愛が開幕戦で2本の本塁打を放つ活躍を見せたが、チームを勝利に導くことができず、悔しい連敗。試合内容は決して悪くないだけに、第2節以降の「逆襲」に期待だ。
 大垣 ミナモは投手陣が2試合で21安打を浴び、16失点と打ち込まれ、打線も2試合でわずか1点しか奪えず……投打に元気なく、開幕連敗のスタートとなってしまった。

 「東地区」愛知県安城市・デンソー ブライトペガサス スタジアムでの「安城ラウンド」では、ホンダ リヴェルタ(前年度・年間5位、東地区4位/ワイルドカード獲得)が連勝スタート。雨天順延で「開幕戦」となった「ホーム」のデンソー ブライトペガサス(前年度・年間5位、東地区3位)戦は、昨シーズン「東地区」首位打者の塚本蛍の中越本塁打で先制し、1点をリードして迎えた最終回には昨シーズン「東地区」新人賞(野手部門)に輝いた大川茉由の右越スリーランでダメ押し。守っては、「左のエース」ジェイリン・フォードが被安打4・奪三振9の力投でデンソー ブライトペガサス打線を完封し、4-0で快勝すると、続く戸田中央 メディックス埼玉(前年度・東地区8位)戦は2回表、棚町佳奈のツーランで先手を奪い、最終回にも一死満塁から内野ゴロの間に3点目。その裏、戸田中央 メディックス埼玉の反撃を受け、1点差まで迫られたが、連投となったジェイリン・フォードが7安打されながらも最後まで投げ抜き、3-2の1点差で何とか逃げ切り、開幕連勝を飾った。
 「ホーム」のデンソー ブライトペガサス、戸田中央 メディックス埼玉は1勝1敗。デンソー ブライトペガサスは初戦のホンダ リヴェルタ戦は昨シーズン「東地区」最多勝のタイトルを獲得し、「Most Wow! Player of the Year」(年間7回の最多受賞)にも輝いた「エース」カーリー・フーバーが2本の本塁打を浴び、4失点。0-4の完封負けを喫したが、続く太陽誘電 ソルフィーユ(前年度・東地区5位)戦は初戦完封負けを喫した打線が奮起。初回に1点を先制されたものの、4回裏に4本の長短打を集中し、4点を挙げ、逆転。試合をひっくり返すと、続く5回裏には白石望美に決定的なスリーランが飛び出し、7-2で今シーズン初勝利を挙げ、1勝1敗の五分の星に戻した。
 戸田中央 メディックス埼玉も1勝1敗。初戦の太陽誘電 ソルフィーユ戦は1-1で迎えた5回裏、4本の長短打を集中し、大量5点を挙げ、試合を決めると、6回裏には大学時代に「インカレ優勝」経験を持つ「期待のルーキー」遠藤澪、今シーズンから移籍・加入(ホンダ リヴェルタより移籍)し、「キャプテン」としてチームを引っ張る役割を託された糟谷舞乃の二者連続本塁打を含む7本の長短打で6点を追加し、終わってみれば12―1の大差で勝利。勢いに乗って開幕連勝を狙ったが、ホンダ リヴェルタ戦は、最終回に1点差まで追い上げる粘りは見せたものの、2-3で惜敗。今シーズンから加入した「新戦力」アリッサ・デンハム、グウェン・スヴェキスのバッテリーの活躍がチーム浮沈のカギを握りそうだ。
 開幕連敗となってしまったのは太陽誘電 ソルフィーユ。初戦の戸田中央 メディックス埼玉戦は試合途中までは1−1と互角の試合を演じながら終盤投手陣が打ち込まれ、1−12の大敗。続くデンソー ブライトペガサス戦は瀬戸口梨乃の本塁打で先手を奪いながら逆転負け。投手陣が2試合で25安打を浴び、19失点と崩れてしまった。「日本代表」として「第13回女子アジアカップ」(4月2日(日)〜8日(土)/韓国・仁川)に出場した曽根はん奈、同じく「日本代表候補」に名を連ねる寺田愛友の将来有望な両左腕がいるだけに、まだまだ勝負はこれから。第2節以降の戦いに注目したいところだ。

  「西地区」福岡県北九州市・北九州市民球場での「北九州ラウンド」では、トヨタ レッドテリアーズ(前年度・年間3位、西地区優勝)が連勝発進。この第1節、「唯一」大会初日(4月15日/土)に試合を行うことのできた日本精工 ブレイブベアリーズ(前年度・西地区7位)戦は、2回裏、今シーズン「投打二刀流」に本格的に挑戦する後藤希友の満塁の走者を一掃する先制の適時三塁打等で大量4点を先制すると、3回裏には伊波菜々のタイムリーツーベースで2点を加え、4回裏にも石川恭子、鎌田優希の長短打で1点を追加。7-0と大きくリードを奪い、守っては先発・三輪さくら、後藤希友、石堂紗雪とつなぐ投手リレーで日本精工 ブレイブベアリーズ打線を3安打完封。開幕戦に勝利を収めると、続く豊田自動織機 シャイニングベガ(前年度・年間2位、「西地区」2位)戦は、3回裏に切石結女のタイムリーツーベースで2点を先制し、5回裏には鎌田優希の犠牲フライ、6回裏には伊波菜々のスリーラン等で着々と加点。13安打で7得点を叩き出し、後藤希友、三輪さくらの投手リレーで豊田自動織機 シャイニングベガの反撃を1点に抑え、7-1で圧勝。昨シーズンの「ダイヤモンドシリーズ」で不覚をとり、決勝進出を阻まれた相手に「リベンジ」し、開幕連勝の好スタートを切った。
 豊田自動織機 シャイニングベガと「ホーム」開催のタカギ北九州 ウォーターウェーブ(前年度・西地区6位)は1勝1敗。豊田自動織機 シャイニングベガは雨天順延で開幕初戦となったトヨタ レッドテリアーズ戦は「エース」ダラス・エスコべドを「温存」したこともあって1-7の大敗。続くタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦は森山春奈、佐藤友香の本塁打を含む12安打と打線が爆発。7-0で圧勝し、1勝1敗の五分の星で第1節を終えた。
 タカギ北九州 ウォーターウェーブも1勝1敗。開幕初戦となった日本精工 ブレイブベアリーズ戦は兼平真咲の3打席連続本塁打を放つ大活躍もあり、10-3の雷雨コールド勝ち。「ホーム」で開幕連勝を狙ったが、豊田自動織機 シャイニングベガ戦は一転打線が湿り、わずか3安打。投手陣も12安打を浴び、7点を失い、0-7の完封負け。第2節以降に「課題」を残す内容となった。
 日本精工 ブレイブベアリーズは連敗スタート。初戦のトヨタ レッドテリアーズは本格的な「投打二刀流」デビューとなった後藤希友に先制打を許し、それをきっかけに9安打・7点を奪われ、0-7で完敗。続くタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦が7回攻撃中に雷雨でコールドゲームになるという「不運」もあった。確かに今節は天候に恵まれず、気の毒な気象条件での試合となったのは事実だが……それは相手チームも同じこと。第2節では不完全燃焼に終わった感のある第1節の「鬱憤」を晴らすような「快勝」を期待したい。

 「西地区」兵庫県尼崎市・ベイコム野球場での「尼崎ラウンド」では、長らく男子ソフトボールの「顔」であり、日本代表の「エースで4番」を張った松田光新監督が就任したシオノギ レインボーストークス兵庫が「ホーム」で連勝! 雨天順延で「開幕戦」となった東海理化 チェリーブロッサムズ(前年度・西地区8位)戦は、初回いきなり1点を先制されたものの、その裏すぐに氏丸陽南の逆転スリーランで試合をひっくり返し、4回裏には谷本奈々、戸村美紅の連打と古藤優実の犠牲フライで2点を挙げ、先発・千葉咲実、堀本優良とつなぐ継投策で東海理化 チェリーブロッサムズの反撃をかわし、5-2で快勝。松田光新監督に「JD.LEAGUE初勝利」をプレゼントし、続くSGホールディングス ギャラクシースターズ(前年度・年間7位、西地区3位)戦は、初回に戸村美紅の中越本塁打で先制し、氏丸陽南、加藤愛夢の連打と小林美沙紀のバント安打に相手守備の乱れも絡み、初回に2点を先制。3回裏には氏丸陽南の犠牲フライで1点、5回裏には小林美沙紀、横野聖那のタイムリーで3点を加え、6回裏にも戸村美紅、古藤優実、氏丸陽南の3連続長短打でダメ押しの1点を追加。先発・吉井朝香、堀本優良の投手リレーで相手打線の反撃を1点に抑え、7-1の大差で勝利。「ホーム」の熱い声援に応え、開幕連勝を飾り、トヨタ レッドテリアーズとともに「同率首位」に立った。
 SGホールディングス ギャラクシースターズと伊予銀行 ヴェールズ(前年度・西地区5位)は1勝1敗。SGホールディングス ギャラクシースターズは、初戦の伊予銀行 ヴェールズ戦で今シーズン移籍・加入(豊田自動織機 シャイニングベガより移籍)し、「日本代表」にも名を連ねる中川彩音、ステーシー・ポーター(旧・日本リーグ時代から数えて「歴代最多本塁打」に並ぶ(ビックカメラ高崎 ビークイーン・藤田倭と同数)53本目のホームラン)の効果的な「一発攻勢」で4点を挙げ、グレータ・チェッケッティ、「ルーキー」新井真奈とつなぐ投手リレーで相手打線の反撃を1点に抑え、4-1で快勝! 開幕戦を勝利で飾ったが、続くシオノギ レインボーストークス兵庫戦は、現役時代「稀代のスラッガー」として鳴らした松田光新監督の指導を受け、「強力打線」に生まれ変わったシオノギ レインボーストークス兵庫打線に投手陣がつかまってしまい、大量失点。開幕連勝はならなかった。
 伊予銀行 ヴェールズも1勝1敗。初戦のSGホールディングス ギャラクシースターズ戦は相手の「一発攻勢」に屈し、1-4で敗れたものの、続く東海理化 チェリーブロッサムズ戦では安川裕美、川口茉菜の本塁打を含む8安打を放ち、9得点。守っては、「期待のルーキー」遠藤杏樺、黒木美紀をはさみ、再び「ルーキー」小泉夢乃へとつなぐ継投策で東海理化 チェリーブロッサムズ打線に最後まで得点を許さず、9-0の完封勝利。1勝1敗で第2節を迎えることになった。
 東海理化 チェリーブロッサムズは今節連敗。初戦のシオノギ レインボーストークス兵庫戦は先手を取りながら逆転負け。続く伊予銀行 ヴェールズ戦は投打に精彩を欠き、0-9の大敗。第2節以降、なるべく早い段階でまずは「1勝」を挙げ、悪い流れを断ち切り、それをきっかけに「復調」のきっかけをつかみたいところだ。

第1節各会場の試合結果はこちら

第1節終了時点の戦績表はこちら

 第2節は4月22日(土)・23日(土)、「東地区」が神奈川県秦野市、埼玉県さいたま市の2会場で、「西地区」が岡山県倉敷市、愛知県豊田市(※「マンデーソフトボール」開催のため、4月24日(月)に1試合を実施するため、3日間開催となる)の2会場で開催される予定である。

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