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「ニトリ JD.LEAGUE 2023」第2節をふり返って

第2節も全国4会場で開催され、多くの観客が詰めかけ、盛り上がった

「東地区」ではビックカメラ高崎 ビークイーンが全勝で単独首位!

「東地区」2位、3位争いはさらに激しさを増す予感!?

「西地区」快進撃を見せていたシオノギ レインボーストークス兵庫の開幕からの連勝は「3」でストップ

「西地区」3勝1敗で同率2位につけた豊田自動織機 シャイニングベガ

「西地区」5戦全勝で首位を走るトヨタ レッドテリアーズ

「豊田ラウンド」では「キツネダンス」ならぬ「ウサギダンス」でスタンドは大盛り上がり

艶やかな花火が「豊田ラウンド」マンデーソフトボールの夜空を彩る

 去る4月24日(月)、「ニトリ JD.LEAGUE 2023」は第2節を終了。今節も全国4会場(「東地区」が神奈川県秦野市、埼玉県さいたま市の2会場、「西地区」が岡山県倉敷市、愛知県豊田市の2会場、計4会場)で熱戦を展開した。

 4月22日(土)・23日(日)の両日に開催された「東地区」神奈川県秦野市・中栄信金スタジアム秦野での「秦野ラウンド」では、「ホーム」の日立が連勝。初戦の太陽誘電 ソルフィーユ戦は2回表に1点を先制されたものの、3回裏、高瀬沙羅の右越ソロホームランを皮切りに、6本の長短打を集中し、打者一巡の猛攻で4点を奪い、あっさり逆転。12安打・8得点の猛攻で嬉しい今シーズン初勝利を挙げると、続くホンダ リヴェルタ戦は、ここまで「開幕3連勝」と好調なチームを相手に、2回裏、「「ルーキー」女鹿田千紘のタイムリーで先手を取ると、5回裏には第2節終了時点で打率7割1分4厘と驚異のハイアベレージで「東地区」打撃ランキングトップに立つ山口みどりの右越ソロホームランで2点目。ホンダ リヴェルタが誇る「外国人投手左右の二枚看板」ジェイリン・フォード、アリー・カーダとつなぐ「勝利の方程式」を打ち砕き、このリードを先発・長谷川鈴夏が被安打4・奪三振8の力投で守り切り、「ホーム」で連勝。通算成績を2勝2敗の五分の星に戻した。
 一方、その日立 サンディーバ戦に敗れ、開幕からの連勝が「3」でストップしたホンダ リヴェルタは、初戦の大垣 ミナモ戦は「主砲」塚本蛍の先制ツーランで初回に2点を挙げ、有利に試合を進めるかと思われたが、4回裏、先発・ジェイリン・フォードが3連打を浴び、2-2の同点に追いつかれる苦しい試合展開。同点に追いつかれた直後の5回表に棚町佳奈の勝ち越しソロホームランが飛び出し、3-2で競り勝ちはしたものの、「ホームラン」による得点だけで打線がつながらず、続く日立 サンディーバ戦も散発4安打の完封負け。通算成績3勝1敗の2位の好位置につけているが、さらに「上」を狙うには、ジェイリン・フォード、アリー・カーダが揃う強力投手陣を打線がどこまで援護できるかがカギとなりそうだ。
 太陽誘電 ソルフィーユは初戦の日立 サンディーバ戦は投手陣が12安打・8失点と崩れてしまったが、打線は10安打を放って好調なところを見せていた。これが続く大垣 ミナモ戦での「大勝」につながり、瀬戸口梨乃、橋本芽衣の本塁打を含む11安打・9得点の猛攻で9-2と打ち勝ち、今シーズン初勝利。通算成績1勝3敗とした。
 大垣 ミナモは今節も連敗に終わり、開幕から勝ち星なしの4連敗。初戦の日立 サンディーバ戦は初回に先手を奪われながら、一度は同点に追いつく粘りを見せたのだが……相手の「本塁打攻勢」の前に2-3の1点差で惜敗。続く太陽誘電 ソルフィーユ戦は投手陣が打ち込まれ、2-9の大敗と投打の歯車が噛み合わず、開幕から躓き、出口の見えない連敗のトンネルの中で喘いでいる。

 同日程で開催された「東地区」埼玉県さいたま市・レジスタ(レジデンシャルスタジアム)大宮での「さいたまラウンド」では、「連覇」を狙うビックカメラ高崎 ビークイーンが今節も連勝。開幕からの連勝を「4」に伸ばし、「東地区」単独首位に立った。
 初戦の戸田中央 メディックス埼玉戦は4回まで0-0の静かな試合展開であったが、5回表、一死から3連続四球で満塁とし、炭谷遥香の満塁の走者を一掃する適時二塁打で3点を先制。最終回には「東京2020オリンピック」金メダリスト・内藤実穂、我妻悠香の2本のツーランホームランでダメ押しの4点を加え、7-0で圧勝。続くデンソー ブライトペガサス戦も両チーム無得点で迎えた4回表、連続四球、犠打等で一死二・三塁の先制のチャンスをつかみ、二死後、「東京2020オリンピック」金メダリスト・市口侑果が三遊間を破る先制のタイムリー。二者が還り、2点を先制すると、5回裏に1点を返され、迎えた最終回には、3連続四死球で無死満塁とし、これも「東京2020オリンピック」金メダリスト・藤田倭、我妻悠香に試合を決めるタイムリーが飛び出し、3点を追加。守っては昨シーズンの「東地区」MVP・濱村ゆかりが5回裏に1点を失いはしたものの、被安打4・奪三振8の安定感溢れるピッチングで完投。5-1で勝利を収め、開幕から「全勝」で単独首位に立ち、「連覇」へ向け、順調な歩みを進めている。
 第1節で「連勝」スタートを切ったNECプラットフォームズ レッドファルコンズは今節連敗。第1節の好調が嘘のように、初戦のデンソー ブライトペガサス戦で0-5の完封負けを喫すると、続く戸田中央 メディックス埼玉戦は投手陣が崩れ、14安打を浴び、16失点。まるで「別のチーム」となってしまったかのような戦いぶりで開幕での「貯金」を早くも吐き出し、2勝2敗の勝率5割となってしまった。
 デンソー ブライトペガサスと戸田中央 メディックス埼玉は今節1勝1敗で通算成績も2勝2敗。大勝したかと思えば大敗、快勝の後に完敗と、好不調の波が激しく、一進一退の状況が続いている。

 4月22日(土)・23日(日)の両日、開催された「西地区」岡山県倉敷市・マスカットスタジアムでの「倉敷ラウンド」では、昨シーズン「2位」の豊田自動織機 シャイニングベガが連勝。初戦の伊予銀行 ヴェールズ戦では、宮本怜実、椛山奈々、須藤志歩の「一発攻勢」で5-1と快勝し、ここまで「開幕3連勝」と好調な松田光新監督率いるシオノギ レインボーストークス兵庫との対戦を迎えた。試合は息詰まる投手戦となり、0-0のまま、延長タイブレークに突入し、豊田自動織機 シャイニングベガが8回表、「新戦力」テイラー・エルズウォースのタイムリー、宮本怜実の適時内野安打等で2点を挙げ、粘るシオノギ レインボーストークス兵庫を振り切り、2-0の完封で勝利を収め、通算成績を3勝1敗とし、同率2位に浮上した。
 長らく男子ソフトボールの「顔」として、「投打二刀流」で活躍してきた松田光新監督率いるシオノギ レインボーストークス兵庫は、開幕から好調の打線が初戦の日本精工 ブレイブベアリーズ戦で大爆発! 試合開始から打者一巡しても「誰もアウトにならない」という猛攻で、1イニング3本塁打を放ち、初回に大量9得点。その後も佐竹紫乃の2打席連続本塁打を含む11安打・11得点と打ちまくり、開幕からの連勝を「3」に伸ばした。
 続く豊田自動織機 シャイニングベガ戦では、先発・吉井朝香が7回まで無失点の好投を見せたものの、「絶好調」だった打線が「東京2020オリンピック」メキシコ代表のダラス・エスコベドにわずか3安打に抑え込まれ、今シーズン初黒星。松田光新監督同様、かつて男子ソフトボールの「日本代表」として活躍した経歴を持つ永吉慎一監督、山﨑泰稔コーチがチームを率いる豊田自動織機 シャイニングベガが「先輩」の意地と貫禄を見せつける形で勝利を収め、シオノギ レインボーストークス兵庫の連勝を「3」でストップ。シオノギ レインボーストークス兵庫は通算成績3勝1敗で同率2位となった。
 日本精工 ブレイブベアリーズは初戦のシオノギ レインボーストークス兵庫戦は投手陣が火だるまとなり、初回、ワンアウトも取れないまま、打者一巡の猛攻をうけるという屈辱的なシーンもあり、1-11と大敗。続く伊予銀行 ヴェールズ戦では3-3の同点に追いつかれ、迎えた最終回、4番に座る重石華子が「値千金」の右越ツーランホームラン! 2点を勝ち越し、そのまま粘る伊予銀行 ヴェールズを振り切り、5-3と競り勝ち、嬉しい今シーズン初勝利を挙げ、通算成績1勝3敗とした。
 伊予銀行 ヴェールズは今節連敗。初戦の豊田自動織機 シャイニングベガ戦、続く日本精工 ブレイブベアリーズ戦、いずれも試合途中で「同点」に追いつく粘りは見せているのだが……そこで勝ち切れず、惜しくも連敗。通算成績1勝3敗となってしまった。

 「マンデーソフトボール」(月曜日のナイター)の実施で、4会場中、唯一の3日間開催(4月22日(土)~24日(月)の開催)となった愛知県豊田市・豊田市運動公園野球場での「豊田ラウンド」では、昨シーズン「西地区優勝」のトヨタ レッドテリアーズが「ホーム」で3連勝。開幕から5戦全勝と順調に勝ち星を積み上げている。
 初戦の東海理化 チェリーブロッサムズ戦にバッバ・ニクルス、下山絵理、鎌田優希の本塁打を含む14安打・9得点で9-1と大勝すると、続くSGホールディングス ギャラクシースターズ戦は「若きエース」後藤希友が、ともに「女子TOP日本代表」に名を連ねる中川彩音にいきなり「一発」を浴びる衝撃的な幕開けとなったものの、慌てず騒がず好調な打線があっさり逆転。相手のミスを見逃さず、確実に得点に結びつけていく強かさ、試合巧者ぶりを見せつけ、7-3と快勝。「マンデーソフトボール」となったタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦も、今シーズンから移籍・加入(太陽誘電 ソルフィーユより移籍)した「東京2020オリンピック」金メダリスト・原田のどかの「移籍後初本塁打」等で7安打・7得点。守っては先発・後藤希友、三輪さくらとつなぐ投手リレーでタカギ北九州 ウォーターウェーブ打線に最後まで得点を許さず、7-0の完封で開幕5連勝を飾った。
 SGホールディングス ギャラクシースターズは今節1勝1敗。初戦のタカギ北九州 ウォーターウェーブ戦は、今シーズンから移籍・加入(豊田自動織機 シャイニングベガより移籍)した「日本代表」に名を連なる実力者・中川彩音の先制ホームラン、「イタリア代表」として「東京2020オリンピック」にも出場したエリカ・ピアンカステリの2打席連続本塁打等、16安打・14得点を叩き出し、14-0で大勝。続くトヨタ レッドテリアーズとの一戦でも中川彩音が2本の本塁打を放つ等、抜群の「存在感」を見せつけながら3-7で押し切られ、通算成績2勝2敗と波に乗り切れずにいる。
 タカギ北九州 ウォーターウェーブは今節1勝2敗。2戦目の東海理化 チェリーブロッサムズ戦に4-1で勝利を収めたものの、初戦のSGホールディングス ギャラクシースターズ戦、最終戦のトヨタ レッドテリアーズ戦はいずれも大敗。通算成績2勝3敗となった。
 東海理化 チェリーブロッサムズは今節連敗。開幕4連敗と未だ勝ち星のない状態が続いている。今節2試合はいずれも初回に先手を取られ、苦しい試合展開を強いられ、そのまま押し切られる試合となってしまった。まずは「先取点」を奪い、自分たちのリズム、ペースに持ち込みたいところだ。投手陣が踏ん張り、相手チームに先制を許さず、早い段階で打線が援護し、試合の主導権を握ってしまう試合展開になれば、自ずと「初勝利」も見えてくるはずである。

※第2節終了時点での戦績表はこちら各会場の試合結果はこちら

 第2節を終え、「東地区」も「西地区」も「本命」と見られたチームが「負けなし」で首位を走る展開となっている。このまま簡単に「独走」を許してしまってはリーグ戦は盛り上がりを欠くものとなってしまう。「優勝候補」の連勝にストップをかけ、そこに割って入るようなチームが出てこないと面白くない。
 第3節は4月29日(土)・30日(日)の両日、「東地区」が群馬県太田市(「マンデーソフトボール」の開催で5月1日(月)までの3日間開催)、愛知県安城市の2会場、「西地区」が岩手県金ケ崎町、滋賀県甲賀市の2会場、計4会場で開催される予定である。そろそろ……「波乱」や「ジャイアントキリング」が見たいところだ。

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