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第69回全日本総合男子選手権大会

Honda(栃木)、4年ぶり5回目の優勝!
実業団選手権に続いて「全日本大会二冠」達成 !!

Honda(栃木)が4年ぶりに「日本の頂点」へ!

まさに全国の強者たち、総勢32チームが熱戦・激闘を展開

日本リーグ所属チーム以外の奮闘ぶりも、大会の見どころ

大会2日目の「注目カード」となったダイワアクト vs 平林金属。
「現・世界No.1サウスポー」ジャック・ベスグローブも闘志剥き出し

激戦の連続を制したHondaが「勢い」に乗り、決勝へ!

もう一方のゾーンは、トヨタ自動車が5年ぶりの決勝進出

決勝戦は、序盤から得点を重ねたHondaが「快勝」した!!

Honda・池田空生は決勝で4安打・14奪三振の好投!
「独特の軌道で浮き上がるライズボール」は、やはり目を引くモノがあった

 「第69回全日本総合男子ソフトボール選手権大会」(大会結果はこちら)が、去る9月16日(土)~19日(火)の4日間にわたり(※悪天候の影響で1日順延)、滋賀県東近江市/東近江市総合運動公園布引多目的グラウンド・東近江市長山公園グラウンドにおいて開催された。

 本大会は昨年(2022年)の第68回大会が ″台風接近による雨天の影響で中止″ となり、今年「2年ぶり」の開催。
 大会には前々回優勝の高知パシフィックウェーブソフトボールクラブ(高知)、準優勝の平林金属株式会社(岡山)をはじめ、リーグ推薦6チーム:デンソー(愛知)、豊田自動織機(愛知)、トヨタ自動車(愛知)、大阪桃次郎(大阪)、三重ヴェルデウィン(三重)、Honda(栃木)、全国各都道府県・各ブロックの厳しい予選を勝ち抜いた23チーム、開催地枠として地元1チームを加えた「総勢32チーム」が出場。文字通り「日本の頂点」をめざして熱戦を繰り広げた。

 大会初日/9月16日(土)は1回戦16試合が行われ、前々回の覇者・高知パシフィックウェーブソフトボールクラブが埼玉県庁クラブ(埼玉)に7-8のサヨナラ負けを喫し「王者が初戦で消えてしまう」という波乱も。そのような中にあって、九州ブロック代表の山口水産(鹿児島)が愛媛ウエスト(愛媛)を8-5、関東ブロック代表の日本体育大学(東京)が日本エコシステム(岐阜)を10-0(4回コールド)、中国ブロック代表の日本製鋼所 広島(広島)がジェイテクト(徳島)を6-5で破る等、日本リーグ勢から「金星」。球場を大いに盛り上げてくれた。

 大会2日目/9月17日(日)はまず2回戦で福島ソフトボールクラブ(福島)が旭化成(宮崎)と、山口水産が三重ヴェルデウィンと、安川電機(福岡)がトヨタ自動車と、高崎市役所(群馬)が大阪・堺グローバル(大阪)と対戦する等、日本リーグ勢に「チャレンジ」。福島ソフトボールクラブは3-13(4回コールド)、安川電機も4-10で敗れる結果になったが、山口水産が2-1、高崎市役所が8-4と引き続き日本リーグ勢を撃破! 準々決勝へ駒を進めて見せた。
 その他、2回戦では、「2022 第17回男子ワールドカップ優勝投手 & 2023 第1回男子U23ワールドカップ優勝投手」で「現・世界No.1サウスポー」と評されるジャック・ベスグローブ(オーストラリア代表)が加入したダイワアクト(佐賀)と「王座奪還」に燃える平林金属株式会社が激突。ダイワアクトが「切り札」ジャック・ベスグローブを先発登板させてきたのに対し、平林金属株式会社は「ルーキー」井上裕太郎を思い切って先発投手に起用。2回裏、ダイワアクトが四球を足場に一死一・三塁のチャンスを作り、8番・吉田和史の一・二塁間を破るタイムリーで1点を先制。直後の3回表、平林金属株式会社も1番・浜本悌の左中間へのランニングホームランで同点に追いつき、5回表には二死二塁から再び1番・浜本悌のセンター前に落とすタイムリーで勝ち越しに成功! その裏、エース・小山玲央を投入して逃げ切りを図ったが……ダイワアクトの2番・松山和貴、3番・古川恵士に「まさか……」の「二者連続ホームラン」を浴び、試合をひっくり返され、そのまま2-3で敗戦。前々回準優勝チームもここで姿を消す形となった。
 この日各球場第3試合に予定されていた準々決勝は ″突然の雷雨″ に見舞われ……メイン会場:東近江市総合運動公園多目的グラウンド側がやむなくサスペンデッド・中止を判断(※準々決勝/デンソー vs 旭化成が2回裏降雨サスペンデッド。Honda vs 山口水産も中止・順延となり、翌日に持ち越されることが決定した)。もう一方の会場:長山公園グラウンド側は中断・再開を繰り返す難しいコンディションの中での戦いとなったが、何とか試合が進行され、トヨタ自動車 6-2 日本体育大学、ダイワアクト 2-0 高崎市役所という結果に。これを受け、トヨタ自動車とダイワアクトが一足先に準決勝進出を決めた。

 大会3日目/9月18日(月・祝)は前日の悪天候の影響で ″予備日の使用″ (※決勝戦のみ予備日/9月19日を使って実施する)が決定したため、サスペンデッド・持ち越しとなっていた準々決勝2試合/デンソー vs 旭化成、Honda vs 山口水産、そして準決勝1試合/トヨタ自動車 vs ダイワアクトを実施。
 まず行われた準々決勝2試合は、旭化成がデンソーを土壇場の7回裏、2番・永吉飛斗、4番・川田直諒、6番・上杉大輝の3本の長短打を浴びせて「サヨナラ」(試合スコアは2-1)で撃破! Honda vs 山口水産も2-2のまま延長タイブレークに突入する「手に汗握る」展開となり、迎えた延長8回裏、Hondaが7番・高浪雄大の二遊間を破るタイムリーで「意地」の「サヨナラ」勝ち(試合スコアは3-2)!! 旭化成とHondaが準決勝に駒を進めた。
 続けて準決勝2試合/旭化成 vs Honda、トヨタ自動車 vs ダイワアクトが行われ、旭化成 vs Honda戦はHonda打線が3回表、旭化成投手陣/池田響、寺原瑞希に襲い掛かり……この回大量10点を奪う等「予想外の大差」をつけ、最終的に11-1(4回コールド)で圧勝。トヨタ自動車 vs ダイワアクトはダイワアクト アンドリュー・カークパトリック、トヨタ自動車 小野寺翔太の両投手の先発ではじまり、両チーム「取られたら取り返す」白熱の攻防に。4-4の同点のまま延長タイブレークへもつれ込むこととなった。迎えた延長8回表、トヨタ自動車はタイブレークの走者を二塁に置き、この回先頭の代打・佐藤光希がレフトへ「会心の当たり」のツーランホームラン! 当初のゲームプラン通り ″任された準決勝を最後まで投げ切り、勝つ″ と力投を続けてきたアンドリュー・カークパトリックの108球目 ″甘く入ったドロップ″ をとらえ、大きな2点を勝ち越すと、その裏のダイワアクトの攻撃を5回裏から登板(3番・DPとして先発出場し、5回裏から投手の守備を兼務)した八木孔輝が1点を返されたものの、最後の力を振り絞って抑え、6-5で激闘に勝利。Hondaとトヨタ自動車が翌日/予備日の決勝で対戦することが決まった。

 大会最終日/9月19日(火)は「日本の頂点」をかけ、Hondaとトヨタ自動車が決勝で激突。Hondaが2回裏、ヒット、四球、送りバントで一死二・三塁とし、相手守備の乱れ(サードゴロエラー:サードゴロを捕球した三塁手の一塁送球が逸れる)で1点を先取すると、3回裏にも1番・川島大空、2番・遠畑光希、3番・藤原綜俊の3連続長短打と7番・船原雄大のタイムリーツーベース等で一挙4点を追加。5回裏には3番・藤原綜俊、4番・坂田大士の連打でトドメの6点目を加え、勝利を決定的なモノに。
 投げては、この決勝の舞台の先発投手に起用された「頼もしい新戦力」池田空生が得意の「独特の軌道で浮き上がるライズボール」を主体にトヨタ自動車打線を抑え込み、4安打・14奪三振の好投! Hondaが6-0の完封勝利という「まさに快勝」で、4年ぶり5回目の全日本総合選手権制覇を果たした!!

 決勝戦で先発登板し、見事「優勝投手」に輝いたHonda・池田空生(いけだ・ひろき)投手は今シーズン「花王コスメ小田原(神奈川)からHonda(栃木)へ」加入。大学時代は強豪・国士舘大学(東京)のエースとして2年連続インカレ準優勝(※3年時:2016年のインカレ決勝では環太平洋大学(岡山)と延長10回『3時間を超える死闘』の末、5-6でサヨナラ負け。4年時:2017年のインカレ決勝でもライバル・日本体育大学を相手に『歴史に残る壮絶な戦い』を繰り広げ、延長8回タイブレークの末に4-5と悔しいサヨナラ負けを喫した)。実業団チーム:花王コスメ小田原へ進んだ後も、全日本実業団選手権で2年連続3位に入る等着実に実績を積み上げてきた(※2018年の実業団選手権で3位となった後、同年11月に開催された男子TOP日本代表選手選考会にもチャレンジ。実戦形式の選考で『最も得意な球種:ライズボール』を武器に並み居る強打者を『力』で抑え込んだことが高く評価され、男子TOP日本代表チームにサプライズ選出! 翌年(2019年)チェコ・プラハで開催された『第16回世界男子選手権大会』(現・ワールドカップ)に初出場を果たし、『ワンポイントリリーフもしくはクローザー』として貴重な働きを見せた)。
 今年7月の第63回全日本実業団男子選手権大会・優勝に続いて、この全日本総合選手権も制し、「国内タイトル二冠」を成し遂げたHonda。池田空生投手の加入・活躍こそ、「二冠達成」の「原動力」になったと言っても過言ではないだろう。

 190㎝・100㎏という「日本人離れした体格」から繰り出される「角度のある、威力抜群のライズボール」には、やはり目を引かれ、世界の舞台でもどこまでやれるか「また見てみたい!」と素直に感じさせてくれる「魅力」がある。
 今大会におけるHondaの優勝を称えるのと同時に、この池田空生投手ら「可能性を秘めた才能」が「まだまだ日本には存在している」という事実を改めて伝えておきたい。そしてここでもう一度、知っておいてもらいたいとも思う。

 願わくば、それをさらに凌駕するような「規格外の逸材・新たなスターが出てきてほしい ‼ 」……というのが本音ではあるのだが。

第69回全日本総合男子選手権トーナメント表
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