改修工事が進み、大会開催を待つ「はるか夢球場」
それぞれの立場で大会の成功を誓い合う宇津木麗華ヘッドコーチ(左)と
葛西憲之弘前市長。弘前市での国際大会の開催は初めてのこととなる
現役時代から変わらぬ友情。金メダル監督・齋藤春香氏の「故郷」から
東京へと続く「金メダルロード」を宇津木麗華ヘッドコーチが歩みはじめる!
大会の成功へ向け、ガッチリ握手! 弘前から東京へ……
今は「はるか遠き夢」に見えても、一歩一歩その歩みを進めて
去る4月26日(水)、女子TOP日本代表の宇津木麗華ヘッドコーチが青森県弘前市を訪れ、6月18日(日)~21日(水)に同地で開催される「第6回東アジアカップ女子ソフトボール大会2017 IN HIROSAKI」(大会特設サイトはこちら)の会場視察を行った。
視察には、葛西憲之弘前市長と2008年の北京オリンピックで女子日本代表のヘッドコーチとしてチームの指揮を執り、日本を「悲願」の金メダル獲得に導き、現在は「故郷」弘前市の職員を務める齋藤春香氏(公益財団法人日本ソフトボール協会理事、同協会選手強化本部会女子強化委員長、アスリート委員長)が同行。その「金メダル獲得」に貢献した「地元の英雄」である齋藤春香氏の名前を冠して命名され、「第6回東アジアカップ女子ソフトボール大会2017 IN HIROSAKI」の試合会場となる「はるか夢球場」の視察を行った。
大会には日本(女子TOP日本代表)、GEM4(U23/23歳以下)日本代表(代表選手名簿はこちら)、中国、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、韓国の5チームが出場。弘前市でスポーツの国際大会が開催されるのは初めてこととなる。
大会会場となる「はるか夢球場」は、2015年11月に改修工事に着手。今年5月末に完成予定となっており、「第6回東アジアカップ女子ソフトボール大会2017 IN HIROSAKI」の開催が改修なった球場の「こけら落とし」となる。
女子TOP日本代表・宇津木麗華ヘッドコーチと、球場名の由来ともなっている斎藤春香氏は、1996年アトランタ五輪の頃から20年以上のつき合い。2000年のシドニーオリンピックで銀メダル、2004年のアテネオリンピックでは中心打者として活躍。銅メダルを獲得する原動力となった。ともに左打ちのスラッガーで自由奔放なプレースタイルで天才肌の「天性のホームラン打者」宇津木麗華、一太刀で相手を切り捨てる剣豪のような「切れ味」と「凄味」を感じさせるバッティングが持ち味の齋藤春香、対照的なバッティングスタイルの二人が打線の中軸に座り、日本の女子ソフトボールの「黄金時代」を築いてくれた。
現役引退後、齋藤春香氏は2008年北京オリンピックでヘッドコーチとして金メダルを獲得。宇津木麗華ヘッドコーチは、その齋藤春香氏からバトンを引き継ぎ、2012年、2014年の世界選手権で「連覇」を果たし、ともに指導者として「世界の頂点」に立っている。
その斎藤春香氏の名前を冠した球場での大会開催に、宇津木監督は「齋藤春香という偉大なプレーヤーを生み出した弘前という地で、そのゆかりの球場で、東京オリンピックへ向けた『第一歩』を踏み出すということに何か因縁めいたものを感じます。今はまだ『はるか遠い夢』であり、おぼろげにしか見えない東京オリンピックでの金メダルですが、その大きな『夢』を実現するために、ここから一歩一歩着実に歩みを進めていきます」と、大会へ向けた意気込みを語った。
視察に同行した葛西憲之弘前市長は、「当市での大会開催を心から歓迎致します。私は将来の夢に向かってチャレンジしていく子どもたちの育成のために、国際大会やトップアスリートの合宿誘致に重点的に取り組んできましたが、市の主催事業として初めての国際スポーツ大会を開催することができ、大変嬉しく思っております。オリンピック種目として復活した女子ソフトボールが、北京オリンピックでヘッドコーチとして日本を金メダルに導いた当市文化スポーツ振興課・齋藤春香主幹の『故郷』であるこの弘前で、またその名前を冠した「はるか夢球場」で、オリンピックの前哨戦とも言うべき大会を開催できることは、大変意義深いものがありますし、不思議な巡り合わせ、何かの『縁』を感じずにはいられません」と、大会開催の意義と喜びを語り、「この大会を『オール弘前』で、全力でサポートし、地域の活力につながるように弘前市全体で盛り上げていきます」と、大会成功へ向け、強い意欲を見せた。
試合会場となる「はるか夢球場」は、岩木山をイメージした三角形のスタンドが増設され、齋藤春香氏の意見が取り入れられ、投手が投げやすいよう、ピッチャープレートからホームベースまでを土にするなど、実際にプレーする「選手目線」での配慮が行き届いた素晴らしい球場となっており、大会開催へ向けた準備が着々と進められている。
図らずも女子日本代表の黄金時代を築いた「新・旧指揮官」の共演が実現したこの球場視察。宇津木麗華ヘッドコーチは、「大親友の斎藤さんの地元で試合をできることはとても幸せ。齋藤さんの故郷であるこの弘前からソフトボールの面白さを全世界へ発信したい!」と大会への決意を改めて語り、球場を後にした。