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女子TOP日本代表レポート
第1次国内強化合宿を終えて

(公財)日本ソフトボール協会 選手強化本部長 矢端 信介

女子TOP日本代表「第1次国内強化合宿」を実施

女子リーグ1部・ビックカメラ高崎、太陽誘電の「ホームタウン」群馬県高崎市で合宿が行われた

日本リーグ前半戦・第5節までを終了した直後の合宿とあって、まずはそれぞれの「状態」をチェック

一球一打に「魂」込めて……バットを振り込んだ

ただひたすらにボールを追い、汗にまみれ、泥にまみれる!「雑念」を消し去り、「目の前のこと」に集中し、積み上げる

「世界ランキング1位」の日本男子ソフトボールが強化に協力!金メダル争いの最大の「ライバル」アメリカ対策に時間が割かれた

13年越しの「オリンピック連覇」「金メダル獲得」へ……コロナ禍の中にあっても、その「想い」は変わらない!!

開催可否に揺れる「東京2020オリンピック・パラリンピック」それでも……選手たちの「心」は揺らぐことなく「前」を向く

 去る5月17日(月)~31日(月)、新型コロナウイルスの影響により、1年延期を余儀なくされた「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」での「金メダル獲得」をめざし、群馬県高崎市で「第1次国内強化合宿」を実施した。
 今回の合宿には、3月23日(火)に「リモート」で記者発表を行った「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」の「日本代表」に「内定」した選手15名が参加。3月の「令和2年度第5次国内強化合宿」以来、久々の招集となった。

 この間、選手たちは4月3日(土)に開幕した「第54回日本女子ソフトボールリーグ」1部の前半戦・第5節までを各所属チームに分かれて戦ってきており、ほぼ毎週末、「世界最高の競技レベル」といわれる日本リーグを戦うべく全国各地を転戦。その前半戦・第5節が終了したのが5月9日(日)、この「第1次国内強化合宿」の直前であったこともあり、まずは個々の選手の状態・コンディションの見極めを慎重に行った。
 ここに集う選手たちは、それぞれの所属チームでは「主力選手」「看板選手」であり、各チームの状況・事情によっては、ある程度「無理を承知で」出場しなければならなかった選手もおり、個々の選手の心身のケア、メンテナンスにも細心の注意を払いながら、オリンピック「本番」を見据え、心身の状態を整えていくと同時に、それに向けた「臨戦態勢」を作り上げることに重点を置き、個々のコンディションを上げていくことに心を砕いた。

 今回の合宿が、過去のこれまでの合宿と大きく異なる点は、これまで「選手選考」を兼ねて実施されてきた合宿ではなく、「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」の「代表」に内定した選手15名による合宿であり、大会に臨む「チームの陣容」が決まってから「初めて」の合宿である、ということである。
 これまでは、選手の意識も「代表に選ばれる」ことを「第一義」に置かざるを得ず、こちらも「選手選考」の俎上にある、ということを念頭に置いた上で選手たちに接し、指導せざるを得なかった。今回の合宿では、そういった面での「配慮」は必要なくなり、その意味では、この合宿が文字通り「真のチーム」となるための「最初の合宿」であり、「日本代表」というチームを仕上げていくための「第一段階」と位置付けられる合宿となった。

 今回の合宿では、当初は合宿2日目の5月18日(火)の練習を、報道関係・各種メディアに「公開」する予定であったが、「3度目」となる「緊急事態宣言」の発令・実施期限の延長等を鑑み、取材対応はすべて「リモート」に切り替えることを決定。当初練習を公開する予定であったその日は、当協会が限定的に許可した数社がPCR検査を行った上で、「代表」として映像・写真の撮影を行い、希望する各社に配信・提供する形の対応とせざるを得なかった。関連の報道各社・各種メディアの皆さまには直前に決定でご迷惑をおかけする形となってしまったが、コロナ禍での対応にご理解・ご協力を賜ったことに心より感謝申し上げたい。

 練習内容は、金メダル争いの「最大のライバル」である「アメリカ対策」に多くの時間を割き、アメリカの強力投手陣を想定し、男子ピッチャーを相手に入念に打ち込みを行った。「世界一のソフトボールシティ」をめざし、「SOFTBALL CITY TAKASAKI」(ソフトボールシティ高崎)を標榜する群馬県高崎市に「本拠地」を置く、「男子」ソフトボールの「強豪」高崎市役所(全日本総合男子選手権・全日本実業団男子選手権で「優勝」経験を有する強豪)、現在、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)が定める世界ランキング「1位」に君臨している日本の男子ソフトボールの、まさに「世界トップレベル」にあるピッチャーたちが女子の強化に協力し、黙々とバッティングピッチャーを務めてくれた。女子だけでなく、男子を含めた「ALL JAPAN」体制で「金メダル獲得」へ向けた強化を全面的にバックアップしていただいていることには、ただただ感謝の気持ちでいっぱいであり、その感謝の気持ちを「形」にするためには「金メダル」を手にするしかない……と選手・スタッフ一同、決意を新たにしたところである。

 また、5月20日(木)にリモートで開催された本協会の「令和3年度第1回理事会」で、日本リーグの各所属チームの協力を得て選抜されたチームと、この後、6月7日(月)から「第1次国内強化合宿」と同じく群馬県高崎市で実施を予定している「第2次国内強化合宿」で「強化試合」を実施することを承認していただいた。
 日本リーグ前半戦を終え、それぞれのチームが後半戦へ向け、戦力面・戦術面を再チェック、再構築しなければならない「大切な時期」に、代表チームのオリンピックへ向けた「強化」にご協力いただいたことにも心より感謝申し上げ、このご支援・ご協力に応えるためにも「金メダル獲得」という「大きな目標」へ向け、チーム一丸となって、その目標を必ずや成し遂げるべく、努力していく所存である。
 本来なら海外遠征を行い、あるいは世界の強豪国を招いて国際試合を実施し、「実戦経験」を積み重ね、チームとしての「仕上げ」をしていく時期に、「コロナ禍」によって対外試合を行うことがまったくできなかった。それだけに、オリンピック「本番」へ向け、貴重な「実戦の機会」となることは間違いなく、その機会をフルに活用してチームを仕上げていくと同時に、ご協力いただいた日本リーグの各チームの皆さんに、選手一人ひとりに、その「プレー」で応えなければならないし、「日本代表」として、皆さんを納得させるだけのプレーを見せる「使命」と「責任」があると感じている。

 9都道府県に発令されている「緊急事態宣言」が6月20日(日)まで延長される一方、すべての競技の「先陣」を切り、ソフトボールのオーストラリア代表チームが6月1日(火)に来日。事前合宿を行う群馬県太田市に入ったといったニュースも流れた。

 コロナ禍での開催可否に揺れる「東京2020オリンピック・パラリンピック」。ただ……その開催可否を決めるのは私たちではない。
 どんな状況下にあっても、私たちは私たちが「できること」をやるしかない。「目の前のこと」に全力で取り組み、来るべき日のために「今、できること」を一つずつ積み上げていく……。一球一打に想いを込めて。グラウンドに立つ限り、「常に全力」で。その先に何が待っているのか……現時点ではわからない。それでも……「今、この瞬間」に全身全霊を傾け、想像し得るすべての準備を整えた上で、「人事を尽くして天命を待つ」それが今の偽らざる心境である。

スタッフ

No. 役職 氏名 所属名
1 チームリーダー 矢端 信介 JOC/(公財)日本ソフトボール協会 選手強化本部長
2 ヘッドコーチ 宇津木 麗華 ビックカメラ高崎
3 アシスタントコーチ 山路 典子 太陽誘電
4 マネージャー 柳川 直子 ビックカメラ高崎
5 ドクター 服部 幹彦 JOC医科学強化スタッフ/
山手クリニック
6 トレーナー 村上 純一 デンソー
7 志村 昌彦 ビックカメラ高崎
8 安部 容子 有限会社ティムコーポレーション
9 アナリスト 大田 穂 順天堂大

選手

No. 守備 氏名 所属名
1 投手 上野 由岐子 ビックカメラ高崎
2 後藤 希友 トヨタ自動車
3 藤田 倭 ビックカメラ高崎
4 捕手 我妻 悠香 ビックカメラ高崎
5 清原 奈侑 日立
6 峰 幸代 トヨタ自動車
7 内野手 渥美 万奈 トヨタ自動車
8 市口 侑果 ビックカメラ高崎
9 川畑 瞳 デンソー
10 内藤 実穂 ビックカメラ高崎
11 山本 優 ビックカメラ高崎
12 外野手 原田 のどか 太陽誘電
13 森 さやか ビックカメラ高崎
14 山崎 早紀 トヨタ自動車
15 山田 恵里 デンソー
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