AUSTRALIA
大会初日(7月21日/水)、日本の「開幕戦」の相手はオーストラリア
オーストラリアの「キャプテン」にして「主砲」ステーシー・ポーター
オーストラリアの「エース」カーヤ・パーナビー
エレン・ロバーツは日本リーグ後半戦、「大垣 ミナモ」でプレー
オーストラリアはオリンピック過去4大会「すべて」メダルを獲得している
日本と「因縁」のあるオーストラリア。3大会連続「初戦」で激突!
来る7月21日(水)、新型コロナウイルスの影響で「1年延期」を余儀なくされていた「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」が、全競技に先駆け、福島県福島市・福島あづま球場で「開幕」を迎えることになる。
ここでは、日本の予選リーグの対戦順に従って、「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」出場チームを紹介する。
ROASTER
(出場メンバー)
オリンピックでベンチ入りが許されるメンバーは15名。通常の国際大会に比べ、2名少ない(過去の世界選手権/現・ワールドカップ等は17名。ただし、オリンピックに関しては、アトランタ、シドニー、アテネ、北京の過去4大会、すべて今回と同じ15名となっている)。
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注目選手
オーストラリアの「投打の中心」となるのは、今大会「キャプテン」を務めるステーシー・ポーターと「エース」のカーヤ・パーナビー。二人とも日本リーグ・2部の「SGホールディングス ギャラクシースターズ」でプレーしており、日本には「お馴染み」の選手。
「キャプテン」を務めるステーシー・ポーターは2004年のアテネ・オリンピックで「銀メダル」、2008年の北京オリンピックで「銅メダル」を獲得しており、世界選手権(現・ワールドカップ)には、2002年の「第10回世界女子選手権大会」以来、7回出場。1982年生まれで「日本代表」上野由岐子と「同級生」のベテラン選手だ。
日本リーグでは2008年の来日以来、昨シーズンまで通算成績は打率3割4分・本塁打43・打点112、歴代通算成績のランキングで打率が12位、本塁打が3位、打点が9位と、「世界最高の競技レベル」を誇る日本リーグで堂々たる成績を残し、本塁打王(1回)・ベストナイン(4回)のタイトルも獲得している。
昨シーズン、長年プレーしてきた日本リーグ「1部」で「最下位」となり、残念ながら「2部」に降格。今シーズンは「2部」でプレーしているが、第2節までを終了し、打率6割のハイアベレージを残し、「格の違い」を見せつけている。
カーヤ・パーナビーは、オリンピックの出場こそないが、2010年の「第12回世界女子選手権大会」を皮切りに世界選手権5回の出場。日本リーグでは2014年の来日以来、1部リーグ・7シーズンで通算43勝52敗・防御率2.25の成績を残している「クレバー」な技巧派サウスポーだ。
また、大垣 ミナモでプレーしている(今シーズンは後半戦から参戦)エレン・ロバーツも代表メンバーに名を連ね、日本と「縁の深い」選手が投打の「主軸」としてチームを支えている。
ROAD TO TOKYO
オリンピック出場権獲得まで
2019年9月24日~28日、中国・上海で開催された「アジア・オセアニア大陸予選」には、チャイニーズ・タイペイ(WBSC世界ランキング6位)、オーストラリア(同7位)、中国(同8位)、ニュージーランド(同11位)、フィリピン(同13位)、韓国(同23位)、インドネシア(同37位)、香港(同42位)の8チームが参加。4チームずつグループA・Bの2つのグループに分かれて「オープニングラウンド」(1次リーグ)を実施。グループAでは中国、フィリピンが、グループBではオーストラリア、チャイニーズ・タイペイが「スーパーラウンド」に進出。「オープニングラウンド」の初戦で参加チーム中、「ランキング最上位」のチャイニーズ・タイペイに5-1と快勝し、グループBを3戦全勝の1位で通過したオーストラリアが、その「アドバンテージ」を生かし、「スーパーラウンド」でもフィリピンに7-0の6回コールド勝ち。オリンピック出場権獲得に「王手」をかけた。
勝てばオリンピック出場が決まる中国との「全勝」同士の対決は、日本リーグ2部・SGホールディングスの「エース」として活躍中の「左腕」カーヤ・パーナビーが先発し、初回にいきなり先制を許す苦しい試合展開となったが、すぐに反撃。2回裏に大量5点を挙げ、逆転に成功すると、5-3と2点差に追い上げられた4回裏に「ダメ押し」の4点を奪って突き放し、9-3と打ち勝ち、5大会連続のオリンピック出場が決定。過去4大会すべて「メダル」を手にしている「強豪」が5大会連続でのメダル獲得に挑む。
※世界ランキングは大会開催時のものです。
2019 東京2020オリンピック アジア・オセアニア大陸予選
■オープニングラウンド(1次リーグ)グループA
グループA | 中国 | フィリピン | ニュージーランド | 韓国 | 勝 | 敗 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
中国 | ☆ | ○8-3 | ○8-3 | ○2-1 | 3 | 0 | 1 |
フィリピン | ●3-8 | ☆ | ○1-0 | ○10-1 | 2 | 1 | 2 |
ニュージーランド | ●3-8 | ●0-1 | ☆ | ○5-1 | 1 | 2 | 3 |
韓国 | ●1-2 | ●1-10 | ●1-5 | ☆ | 0 | 3 | 4 |
■オープニングラウンド(1次リーグ)グループB
グループB | チャイニーズ・タイペイ | オーストラリア | インドネシア | 香港 | 勝 | 敗 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
チャイニーズ・タイペイ | ☆ | ●1-5 | ○13-0 | ○7-0 | 2 | 1 | 2 |
オーストラリア | ○5-1 | ☆ | ○8-0 | ○8-0 | 3 | 0 | 1 |
インドネシア | ●0-13 | ●0-8 | ☆ | ●5-6 | 0 | 3 | 4 |
香港 | ●0-7 | ●0-8 | ○6-5 | ☆ | 1 | 2 | 3 |
※上位2チームが「スーパーラウンド」に進出(同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。
■スーパーラウンド
中国 | オーストラリア | フィリピン | チャイニーズ・タイペイ | 勝 | 敗 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
中国 | ☆ | ●3-9 | ○8-3 | ●3-9 | 1 | 2 | 3 |
オーストラリア | ○9-3 | ☆ | ○7-0 | ○5-1 | 3 | 0 | 1 |
フィリピン | ●3-8 | ●0-7 | ☆ | ●0-5 | 0 | 3 | 4 |
チャイニーズ・タイペイ | ○9-3 | ●1-5 | ○5-0 | ☆ | 1 | 2 | 3 |
※「オープニングラウンド」同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。1位のオーストラリアがオリンピック出場権獲得
日本との過去の対戦
日本の初戦の相手・オーストラリア。オリンピックに出場する全競技の選手団に先駆け、トップを切って6月1日に来日したこともあり、各種メディアで大きく取り上げられ、話題となった。
オーストラリアは1996年のアトランタ・オリンピック、2000年のシドニー・オリンピック、2008年の北京オリンピックで銅メダルを獲得。2004年のアテネ・オリンピックでは「金メダル獲得」を狙っていた日本を破って決勝進出を果たし、銀メダルに輝く等、過去4大会すべて「メダル」を手にしている。
オリンピックにおけるオーストラリアと日本の対戦には「因縁」深いものがあり、ソフトボールが初めて「正式競技」としてオリンピックの舞台で実施された1996年のアトランタ・オリンピックでは、当時、アメリカと金メダルを争うと見られていた強豪・中国を日本が予選リーグで破る「大金星」を挙げ、「メダル獲得」に大きく前進したかに見えたが、オーストラリアに大敗(0-10)したことで、日本、中国、オーストラリアが5勝2敗の同率2位に並ぶ状態となった。結局、大会規程で同率で並ぶ3チームの「失点差」の争いとなり、(同率で並ぶ3チームの「直接対決」の試合結果は、日本 3-0 中国、中国 6-0 オーストラリア、オーストラリア 10-0 日本で、失点の総合計は中国:3、オーストラリア:6、日本:10となり、中国・2位、オーストラリア・3位、日本・4位で予選リーグの順位が決定)、決勝トーナメントでは、予選リーグ3位のオーストラリアと4位の日本が「メダル」をかけて対戦。0-3で敗れ、日本はメダルを逃し、4位で終戦。オーストラリアが銅メダルを獲得している。
オーストラリアが「ホスト国」となった2000年のシドニー・オリンピックでは、その「第1次予選」となった1998年の「第9回世界女子選手権大会」、決勝トーナメントで「王者」アメリカを一度は破り、決勝では敗れはしたものの、0-1と肉薄。「金メダルも夢ではないのでは……」と前評判が高まっていた。
ところが、今度は日本がそのオーストラリアの前に立ちはだかり、予選リーグ・決勝トーナメントと二度にわたってオーストラリアを破り、決勝進出。日本が「ホスト国」オーストラリアの「金メダル獲得」の夢を打ち砕く役回りを演じている。
2004年のアテネ・オリンピックでは、まったく「逆」の役回りを演じることになり、「金メダル獲得」の期待が高まっていた日本の行く手をオーストラリアが阻んだ。
日本とオーストラリアは初戦でぶつかり、日本が初回に連続四球から押し出し、ノーヒットで2点を先制した。しかし……オリンピック「デビュー戦」となった上野由岐子が逆転本塁打を浴びる等、2-4で「まさか……」の逆転負け。初戦で躓いてしまった日本は、完全にリズムを崩し、アメリカ、カナダにも敗れ、予選リーグ4戦目を終えた時点で1勝3敗と「予選リーグ敗退」の危機に追い込まれた。
そこから何とか巻き返し、予選リーグ最終戦の中国戦に勝てば決勝トーナメント進出が決まるところまでこぎつけ、その中国戦で上野由岐子がオリンピック史上初となる「完全試合」を達成し、予選リーグ3位で決勝トーナメント進出を決めた。
決勝トーナメントでは、初戦で予選リーグ4位の中国を破り、「ブロンズメダルゲーム」(3位決定戦)に進んだものの、そこで予選リーグ1位のアメリカに敗れ、「敗者復活戦」に回ってきたオーストラリアと対戦。0-3で敗れ、オーストラリアに決勝進出を阻まれ、「金メダル獲得」は夢と消え、銅メダルに終わるという「苦い経験」も味わっている。
2008年の北京オリンピックでも、日本とオーストラリアは「2大会連続」初戦で対戦。日本が初回に3点を先制しながら、「エース」上野由岐子がすぐに同点に追いつかれるという「アテネ・オリンピックの悪夢」の再現か……と思われるような苦しい試合展開となったが、4-3で振り切り、白星発進。日本は「王者」アメリカには敗れたものの、予選リーグ6勝1敗の2位で決勝トーナメント進出を決めた。
決勝トーナメントでは、日本は再びアメリカに敗れ、「敗者復活戦」へ。予選リーグ3位で「ブロンズメダルゲーム」(3位決定戦)に勝ち上がってきたオーストラリアと「決勝進出」をかけ、対戦した。
この試合はオーストラリアが初回に先制。4回裏に日本が逆転したが、粘るオーストラリアが最終回二死、「あと一人」で試合終了というところから奇跡的な同点ホームランを放ち、延長戦へ。日本が延長12回の「死闘」の末、オーストラリアを振り切り、「九死に一生」を得て決勝進出。決勝でも「王者」アメリカを破って「悲願」の金メダル獲得を果たしている。
そして……13年の時を経て、この東京でも「初戦」の相手はオーストラリア。何かと「因縁」のある相手と大事な初戦でぶつかることになる。
オーストラリア オリンピック過去4大会成績
大会名 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 第8位 |
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1996 アトランタ | アメリカ | 中国 | オーストラリア | 日本 | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | オランダ | プエルトリコ |
2000 シドニー | アメリカ | 日本 | オーストラリア | 中国 | イタリア | ニュージーランド | キューバ | カナダ |
2004 アテネ | アメリカ | オーストラリア | 日本 | 中国 | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | ギリシャ | イタリア |
2008 北京 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | 中国 | ベネズエラ | オランダ |
オーストラリア 世界選手権(現・ワールドカップ 成績(1994~2018)
大会名 | 優勝 | 準優勝 | 第3位 | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 備考 |
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1994 第8回世界選手権 (アトランタ・オリンピック1次予選) | アメリカ | 中国 | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | ニュージーランド | 日本 オランダ |
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施 |
1998 第9回世界選手権 (シドニー・オリンピック1次予選) | アメリカ | オーストラリア | 日本 | 中国 | カナダ | イタリア | チャイニーズ・タイペイ ベネズエラ |
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施 |
2002 第10回世界選手権 (アテネ・オリンピック1次予選) | アメリカ | 日本 | チャイニーズ・タイペイ | 中国 | オーストラリア ニュージーランド |
イタリア プエルトリコ |
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2006 第11回世界選手権 (北京オリンピック1次予選) | アメリカ | 日本 | オーストラリア | 中国 | カナダ | イタリア | ベネズエラ チャイニーズ・タイペイ |
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施 |
2010 第12回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | 中国 | ベネズエラ オーストラリア |
チャイニーズ・タイペイ オランダ |
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2012 第13回世界選手権 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | 中国 オランダ |
チャイニーズ・タイペイ プエルトリコ |
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2014 第14回世界選手権 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ オランダ |
中国 ニュージーランド |
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2016 第15回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | オランダ | メキシコ ベネズエラ |
ニュージーランド 中国 |
予選リーグ敗退 | |
2018 第16回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | オーストラリア | プエルトリコ メキシコ |
オランダ イタリア |