ITALY
「横浜ラウンド」初戦、予選リーグ第3戦の相手はイタリア
イタリアの「エース」Greta Cecchetti
「ヨーロッパ・アフリカ大陸予選」ではチーム打率3割3分9厘・総得点26・総本塁打4の成績を残している
2000年「シドニー・オリンピック」では2勝5敗の5位
2004年「アテネ・オリンピック」では7戦全敗の最下位に終わる
「ヨーロッパの雄」イタリアがどんな戦いを見せるか……要注目!
来る7月21日(水)、新型コロナウイルスの影響で「1年延期」を余儀なくされていた「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」が、全競技に先駆け、福島県福島市・福島あづま球場で「開幕」を迎えることになる。
ここでは、日本の予選リーグの対戦順に従って、「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」出場チームを紹介する。第3回は「開会式」を挟み、会場を神奈川県横浜市・横浜スタジアムに移しての「横浜ラウンド」初戦の対戦相手となるイタリアを紹介する。
ROASTER
(出場メンバー)
オリンピックでベンチ入りが許されるメンバーは15名。通常の国際大会に比べ、2名少ない(過去の世界選手権/現・ワールドカップ等は17名。ただし、オリンピックに関しては、アトランタ、シドニー、アテネ、北京の過去4大会、すべて今回と同じ15名となっている)。
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注目選手
投手陣の中心は、Ilaria CacciamaniとGreta Cecchetti。オリンピック出場を決めた2019年の「ヨーロッパ・アフリカ大陸予選」では、Ilaria Cacciamaniが3試合・16回2/3に登板し、3勝0敗・防御率0.42・奪三振22。Greta Cecchettiが4試合・16回1/3に登板し、2勝0敗・防御率1.71・奪三振29。Greta Cecchettiは2018年「第16回世界女子選手権大会」でも3勝(4敗)を挙げ、防御率0.67(出場全選手中のランキング3位)、奪三振39(出場全選手中のランキング6位)の成績を残している。
打線の中心は、Erika Piancastelli。2018年「第16回世界女子選手権大会」では打率3割9分1厘・本塁打3・打点5と活躍。2019年「ヨーロッパ・アフリカ大陸予選」でも2割9分4厘・本塁打1・打点2の成績を残している。
他には、2019年「ヨーロッパ・アフリカ大陸予選」でチームトップ(規定打席に到達した選手の中で)の打率4割3分8厘のハイアベレージを記録し、本塁打1・打点3と活躍したEmily Patricia Carosone、打率4割・本塁打1、チームトップの6打点を叩き出したLaura Vignaにも注目が集まる。
ROAD TO TOKYO
オリンピック出場権獲得まで
2019年7月23日~27日、オランダ・ユトレヒトで開催された「ヨーロッパ・アフリカ大陸予選」には、イタリア(WBSC世界ランキング9位)、オランダ(同10位)、イギリス(同12位)、チェコ(同15位)、フランス(同26位)、南アフリカ(同28位)、スペイン(同35位)、ボツワナ(同43位)の8チームが参加。オープニングラウンド(1次リーグ)は、グループA・Bの2つのグループに分かれて実施され、グループBのイタリアは、参加チーム中、「ランキング最上位」の実力を発揮。ボツワナに7-0の5回コールド勝ちで初戦を飾ると、続くチェコ戦も2-0の完封勝利。最終戦のフランス戦も5-1で勝利を収め、グループA・B上位2チームによる「スーパーラウンド」に進出。「スーパーラウンド」は「オープニングラウンド」同組での試合結果が持ち越されるため、すでにチェコ戦の「1勝」のアドバンテージを持つイタリアは、初戦でグループA2位のオランダに7-4で打ち勝つと、「全勝対決」となったグループA1位のイギリスとの一戦も5-0の完封勝ち。「エース」Greta Cecchettiが被安打3・奪三振13の快刀乱麻のピッチングでイギリス打線に最後まで得点を許さず、ヨーロッパ・アフリカ大陸予選を制し、オリンピック出場権を手にした。
※世界ランキングは大会開催時のものです。
2019 東京2020オリンピック ヨ-ロッパ・アフリカ大陸予選
■オープニングラウンド(1次リーグ)グループA
グループA | オランダ | イギリス | スペイン | 南アフリカ | 勝 | 敗 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
オランダ | ☆ | ● 2-5 |
○ 7-0 |
○ 11-1 |
2 | 1 | 2 |
イギリス | ○ 5-2 |
☆ | ○ 9-2 |
○ 15-0 |
3 | 0 | 1 |
スペイン | ● 0-7 |
● 2-9 |
☆ | ○ 5-0 |
1 | 2 | 3 |
南アフリカ | ● 1-11 |
● 0-15 |
● 0-5 |
☆ | 0 | 3 | 4 |
■オープニングラウンド(1次リーグ)グループB
グループB | イタリア | チェコ | フランス | ボツワナ | 勝 | 敗 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イタリア | ☆ | ○ 2-0 |
○ 5-1 |
○ 7-0 |
3 | 0 | 1 |
チェコ | ● 0-2 |
☆ | ○ 6-1 |
○ 12-0 |
2 | 1 | 2 |
フランス | ● 1-5 |
● 1-6 |
☆ | ○ 11-2 |
1 | 2 | 3 |
ボツワナ | ● 0-7 |
● 0-12 |
● 2-11 |
☆ | 0 | 3 | 4 |
※上位2チ-ムが「スーパーラウンド」に進出(同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。
■スーパーラウンド
イギリス | イタリア | オランダ | チェコ | 勝 | 敗 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イギリス | ☆ | ● 0-5 |
○ 5-2 |
○ 4-2 |
2 | 1 | 2 |
イタリア | ○ 5-0 |
☆ | ○ 7-4 |
○ 2-0 |
3 | 0 | 1 |
オランダ | ● 2-5 |
● 4-7 |
☆ | ○ 7-0 |
1 | 2 | 3 |
チェコ | ● 2-4 |
● 0-2 |
● 0-7 |
☆ | 0 | 3 | 4 |
※「オープニングラウンド」同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。1位のイタリアがオリンピック出場権獲得
日本との過去の対戦
イタリアは過去、2000年のシドニー・オリンピック、2004年のアテネ・オリンピックの二度にわたり、「オリンピック出場」を果たしている。2000年のシドニー・オリンピックでは、日本と予選リーグ第6戦で対戦。ここまで「全勝」で突っ走ってきた「絶好調」の日本を相手に「互角」の試合を展開。0-0のまま、延長タイブレークに突入する「熱戦」を演じたが、7回まで日本打線を無得点に抑えてきた先発投手を延長戦に入った途端、突然交代させるという「謎」の投手交代。日本は延長8回表、代わった2番手投手から2点を挙げ、2-0の完封勝利を飾ったが、先発投手が「続投」していたらどうなっていたことか……。実際、その先発投手には日本打線は7回までに10三振を奪われ、選手たちは口々に「速くて打てない……」とこぼしていただけに、「試合の流れ」を変えてしまった投手交代であったことは間違いない。イタリアは結局、「初出場」となったシドニー・オリンピックで通算成績2勝5敗で5位に終わっている。
2004年のアテネ・オリンピックでは、イタリアは1勝も挙げることができず、7戦全敗の最下位。ただ、日本とはシドニー・オリンピックと同じ予選リーグ第6戦で対戦し、1-0の投手戦を演じ、その時点で2勝3敗、イタリア戦を落とせば「予選リーグ敗退」が決定的となる日本を大いに苦しめた。
世界選手権では、1986年「第6回世界女子選手権大会」の予選リーグでの対戦が「初対戦」。このときは日本が1-0で勝利したとの記録が残っている。その後は2012年「第13回世界女子選手権大会」の予選リーグ第5戦で対戦し、2回表に日本が1点を先制したものの、「世界選手権初選出」だった先発・藤田倭がその裏、すぐに2点を奪われ、逆転を許してしまい、5回表に同点に追いつき、6回表にようやく1点を勝ち越したのも束の間、その裏またしても同点に追いつかれるというシーソーゲームに。3-3の同点のまま、延長タイブレークに入った8回表、ようやく3点を勝ち越し、6-3で振り切ったものの、この試合でも「苦戦」を強いられている。
2018年「第16回世界女子選手権大会では、「開幕戦」で対戦し、山田恵里の先頭打者本塁打、山崎早紀の「6回コールド」を決める本塁打等で9-0の6回コールド勝ちと日本が「圧勝」している。
過去のオリンピック、世界選手権でのイタリアとの対戦は、勝ってはいるのもの、「意外」に「苦戦」を強いられているケースが多い。ただ、今回のオリンピック出場チームの中では世界ランキングは「一番下」(アメリカ:1位、日本:2位、カナダ:3位、メキシコ:5位、オーストラリア:8位、イタリア:9位)のチームであり、日本にとっては、確実に勝ち星を計算しておきたい相手だ。「横浜ラウンド」の初戦となるイタリア戦。この試合にスカッと勝って、続く「難敵」カナダ、アメリカとの対戦へ「勢い」をつけておきたいところだ。
イタリア オリンピック過去4大会成績
大会名 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 第8位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996 アトランタ | アメリカ | 中国 | オーストラリア | 日本 | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | オランダ | プエルトリコ |
2000 シドニー | アメリカ | 日本 | オーストラリア | 中国 | イタリア | ニュージーランド | キューバ | カナダ |
2004 アテネ | アメリカ | オーストラリア | 日本 | 中国 | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | ギリシャ | イタリア |
2008 北京 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | 中国 | ベネズエラ | オランダ |
イタリア 世界選手権(現・ワールドカップ 成績(1994~2018)
大会名 | 優勝 | 準優勝 | 第3位 | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1994 第8回世界選手権 (アトランタ・オリンピック1次予選) | アメリカ | 中国 | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ | ニュージーランド | 日本 オランダ |
予選リーグ敗退 グループB 4勝2敗 3位 |
1998 第9回世界選手権 (シドニー・オリンピック1次予選) | アメリカ | オーストラリア | 日本 | 中国 | カナダ | イタリア | チャイニーズ・タイペイ ベネズエラ |
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施 |
2002 第10回世界選手権 (アテネ・オリンピック1次予選) | アメリカ | 日本 | チャイニーズ・タイペイ | 中国 | オーストラリア ニュージーランド |
イタリア プエルトリコ |
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施 | |
2006 第11回世界選手権 (北京オリンピック1次予選) | アメリカ | 日本 | オーストラリア | 中国 | カナダ | イタリア | ベネズエラ チャイニーズ・タイペイ |
|
2010 第12回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | 中国 | ベネズエラ オーストラリア |
チャイニーズ・タイペイ オランダ |
不参加 | |
2012 第13回世界選手権 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | 中国 オランダ |
チャイニーズ・タイペイ プエルトリコ |
予選リーグ敗退 セクションB 3勝4敗 5位 |
|
2014 第14回世界選手権 | 日本 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | チャイニーズ・タイペイ オランダ |
中国 ニュージーランド |
予選リーグ敗退 セクションB 3勝4敗 5位 |
|
2016 第15回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | オランダ | メキシコ ベネズエラ |
ニュージーランド 中国 |
予選リーグ敗退 OR 通過 CR 0勝3敗 4位 |
|
2018 第16回世界選手権 | アメリカ | 日本 | カナダ | オーストラリア | プエルトリコ メキシコ |
オランダ イタリア |
※OR-オープニングラウンド(1次リーグ) CR=チャンピオンシップラウンド(2次リーグ)の略
イタリア代表チーム ROASTER
No. | 守備 | 氏名 |
---|---|---|
1 | 投手/外野手 | Ilaria Cacciamani |
2 | 二塁/指名選手 | Emily Patricia Carosone |
3 | 捕手/外野手 | Elisa Cecchetti |
4 | 投手 | Greta Cecchetti |
5 | 遊撃手 | Amanda Lynn Fama |
6 | 内野手 | Andrea Marie Filler |
7 | 捕手/内野手 | Marta Gasparotto |
8 | 内野手/外野手 | Andrea Howard |
9 | 一塁手 | Giulia Metaxia Koutsoyanopoulos |
10 | 投手 | Alexia Lacatena |
11 | 三塁手 | Giulia Longhi |
12 | 外野手 | Fabrizia Marrone |
13 | 捕手/外野手 | Erika Piancastelli |
14 | 外野手 | Beatrice Ricchi |
15 | 外野手 | Laura Vigna |