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オリンピック直前企画
「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」出場チーム紹介
第4回:大会第5日(7月25日/日):予選リーグ第4戦 対戦相手

CANADA

日本、予選リーグ第4戦の相手はカナダ

カナダの投手陣はダニエル・ローリーをはじめ「ベテラン」揃いで実績十分

キャッチャーのケイリー・ラフターもキャリアは長く国際経験豊富。長打力は要警戒

1996年アトランタ・オリンピックは5位

2000年シドニー・オリンピックは残念ながら最下位に終わる

2004年アテネ・オリンピックでは「金メダル候補」日本を撃破!

2008年北京オリンピックは4位。メダルに届かず……

世界選手権は2大会連続の3位。オリンピックでもメダルを手にできるか!?

 来る7月21日(水)、新型コロナウイルスの影響で「1年延期」を余儀なくされていた「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」が、全競技に先駆け、福島県福島市・福島あづま球場で「開幕」を迎えることになる。

 ここでは、日本の予選リーグの対戦順に従って、「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)ソフトボール競技」出場チームを紹介する。第4回は予選リーグ第4戦、「横浜ラウンド」第2戦の対戦相手となるカナダを紹介する。

ROASTER

(出場メンバー)

 オリンピックでベンチ入りが許されるメンバーは15名。通常の国際大会に比べ、2名少ない(過去の世界選手権/現・ワールドカップ等は17名。ただし、オリンピックに関しては、アトランタ、シドニー、アテネ、北京の過去4大会、すべて今回と同じ15名となっている)。
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注目選手

 投手陣の中心は、ダニエル・ローリー。2008年の北京オリンピック出場の経験があり、世界選手権には2006年、2010年、2012年、2018年の4回出場。2010年、2018年は3位に食い込む「原動力」となった。2012年・2013年の2シーズン、日本リーグ・豊田自動織機でプレーし、2012年は8勝5敗・防御率1.15・奪三振125(投球回数:97回1/3)、2013年は1試合のみの登板で、1勝0敗・防御率0.00・奪三振7(投球回数:7回)の成績を残している。
 ダニエル・ローリーを「エース」として、2004年のアテネ・オリンピック、2008年の北京オリンピックに出場している「ベテラン左腕」ローラン・レギュラーも健在。2004年のアテネ・オリンピック予選リーグの日本戦では延長8回を完封。見事「勝利投手」となった経歴も有している。
 この「百戦錬磨」の投手陣の「女房役」となるのがケイリ―・ラフター。2008年の北京オリンピックメンバーであり、世界選手権にも3回出場している。2019年の東京2020オリンピック「アメリカ大陸予選」では、オリンピック出場を決める本塁打(最終戦のブラジル戦、ケイリ―・ラフターの本塁打で5回コールド勝ちが確定)を放っている。2013年・2014年の2シーズンにわたり、日本リーグ・Hondaでプレーしており、2013年は打率2割7分6厘・本塁打4・打点11、2014年は打率2割5分8厘・本塁打8・打点17の成績を残した。
 野手では、世界選手権出場5回、2008年の北京オリンピックに出場しているジェニファー・セーリングもおり、チームの「骨格」を「ベテラン」が支え、そこにどれだけ「活きの良い若手」が絡んでいけるかが、チーム躍進の「カギ」となりそうだ。

ROAD TO TOKYO

オリンピック出場権獲得まで

 2019年8月25日~9月2日、カナダ・サレーで開催された「アメリカ大陸予選」には、カナダ(WBSC世界ランキング3位)、プエルトリコ(同4位)、メキシコ(同5位)、ブラジル(同14位)、ベネズエラ(同16位)、キューバ(同17位)、グアテマラ(同18位)、ドミニカ(同19位)、ペルー(同20位)、アルゼンチン(同25位)、バハマ(同39位)、英領バージン諸島(同57位)の12チームが参加。6チームずつがグループA・Bに分かれ、まずオープニングラウンド(1次リーグ)を実施。グループAに振り分けられたカナダは、参加チーム中、ランキング「最上位」の実力通り、初戦でキューバを17-0の3回コールドで一蹴すると、アルゼンチンに7-0(不戦勝)、グアテマラに19-0の4回コールド、プエルトリコに3-0、最終戦のバハマ戦も18-0の4回コールド勝ち。5戦「全勝」の1位で「スーパーラウンド」進出を決めた。
 グループA・B上位3チームによる「スーパーラウンド」は「オープニングラウンド」同組の勝敗が持ち越されるため、カナダはすでに「2勝」のアドバンテージを持った状態での戦いとなり、まず初戦でグループB3位のベネズエラに11-0の4回コールド勝ち。グループBを「全勝」の1位で通過し、「スーパーラウンド」の初戦でグループA2位のプエルトリコに2-0の完封勝利を収めたメキシコとの「全勝対決」を迎えた。勝ったチームが「東京2020オリンピック出場権」を獲得する「大一番」は、カナダが3回表に先取点を奪ったものの、5回裏に逆転を許し、1-2と競り負け、今大会「初黒星」。オリンピック出場権獲得はブラジルとの最終戦に持ち越された。オリンピック出場権のかかるブラジル戦は序盤から打線が爆発! 2回裏に1点、3回裏に大量5点を奪い、大きくリードを奪うと、5回裏、ケイリ―・ラフターが5回コールド勝ちを「確定」させる本塁打を放ち、試合終了。7-0で勝利を収め、「2位」が確定。メキシコに次ぐ「第2代表」としてオリンピック出場を決めた。
 オリンピック出場を決める「メモリアルアーチ」を放ったケイリー・ラフターは、前述した通り、かつて日本リーグのHondaでプレーした経験を持つベテランキャッチャー。この試合「先発」し、5イニングをわずか1安打、8三振を奪う力投を見せたダニエル・ローリーも豊田自動織機で2シーズンを過ごした「日本に縁もゆかりもある選手たち」が躍動し、「5大会連続」のオリンピック出場を勝ち取った。
※世界ランキングは大会開催時のものです。

2019 東京2020オリンピック アメリカ大陸予選
■オープニングラウンド(1次リーグ)グループA

グループA カナダ プエルトリコ キューバ グアテマラ バハマ アルゼンチン 順位
カナダ
3-0

17-0

19-0

18-0

7-0
5 0 1
プエルトリコ
0-3

10-0

13-0

13-0

7-0
4 1 2
キューバ
0-17

0-10

15-0

13-0

7-0
3 2 3
グアテマラ
0-19

0-13

0-15

9-4

7-0
2 3 4
バハマ
0-18

0-13

0-13

4-9

7-0
1 4 5
アルゼンチン
0-7

0-7

0-7

0-7

0-7
0 5 6

※上位3チームが「スーパーラウンド」に進出(同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。アルゼンチンは出場をキャンセル(不戦敗扱いですべて●0-7)

■オープニングラウンド(1次リーグ)グループB

グループB メキシコ ブラジル ベネズエラ ペルー ドミニカ 英領バージン諸島 順位
メキシコ
10-0

7-0

8-0

9-1

7-0
5 0 1
ブラジル
0-10

2-1

5-0

4-3

7-0
4 1 2
ベネズエラ
0-7

1-2

1-0

7-3

7-0
3 2 3
ペルー
0-8

0-5

0-1

6-1

7-0
2 3 4
ドミニカ
1-9

3-4

3-7

1-6

7-0
1 4 5
英領バージン諸島
0-7

0-7

0-7

0-7

0-7
0 5 6

※上位3チームが「スーパーラウンド」に進出(同グループ内の試合結果は「スーパーランド」に持ち越す。英領バージン諸島は出場をキャンセル(不戦敗扱い●0-7)

■スーパーラウンド

  カナダ メキシコ プエルトリコ ブラジル キューバ ベネズエラ 順位
カナダ
1-2

3-0

7-0

17-0

11-0
4 1 2
メキシコ
2-1

2-0

10-0

7-0

7-0
5 0 1
プエルトリコ
0-3

0-2

7-0

10-0

4-1
3 2 3
ブラジル
0-7

0-10

0-7

6-5

2-1
2 3 4
キューバ
0-17

0-7

0-10

5-6

2-1
1 4 5
ベネズエラ
0-11

0-7

1-4

1-2

1-2
0 5 6

※「オープニングラウンド」同グループ内の試合結果は「スーパーラウンド」に持ち越す。1位・メキシコ、2位・カナダはオリンピック出場権獲得

日本との過去の対戦

 カナダとのオリンピックでの対戦は、2004年のアテネ・オリンピックの予選リーグ第4戦、この「東京2020オリンピック」にも出場するローラン・レギュラー(対戦当時は「旧姓」のローラン・ベイ)に延長8回を完封されたのが唯一の敗戦。1996年のアトランタ・オリンピックは4-0、2000年のシドニー・オリンピックでは延長10回の「死闘」の末、4-3、2008年の北京オリンピックでは6-0で勝利を収めている。
 世界選手権では、1970年に大阪で開催された「第2回世界女子選手権大会」で初対戦。日本が2-0の完封勝利を収めている。その後は1986年「第6回世界女子選手権大会」まで対戦がなく、ここではカナダが延長8回、2-1で勝利を収めている。1990年「第7回世界女子選手権大会」では、日本が延長8回、1-0のサヨナラ勝ち。
 この後、またしばらく対戦がなく、久しぶりの対戦は2014年「第14回世界女子選手権大会」、雨で試合時間の遅延、中断があり、最後は停電で試合続行不可能となり、2日がかりの試合となったが、日本が4-0で快勝している。
 2016年「第15回世界女子選手権大会」では、初めて「決勝トーナメント」の舞台で激突。「ブロンズメダルゲーム」(3位決定戦)での対戦は、山田恵里、市口侑果、渥美万奈、山本優の4本塁打等で日本が二桁得点を奪い、11-1で4回コールド勝ちを収めている。2018年「第16回世界女子選手権大会」では、予選リーグと決勝トーナメントで二度対戦。予選リーグでの対戦は、台風接近の悪天候の中での試合となり、カナダが初回、日本の「エース」上野由岐子を攻め、無死満塁の「絶好機」をつかんだが、後続が三者連続三振(無死満塁から4番打者を三振に打ち取ったところで雨のため中断。約30分の中断をはさみ、再開後、5番打者・6番打者を連続三振に斬って取った)。3回表に相手守備の乱れから2点を先制し、このリードを上野由岐子が守り切り、完封。2-0で勝利を収めた。日本、カナダともに「決勝トーナメント」に駒を進め、2大会連続「ブロンズメダルゲーム」(3位決定戦)で激突。日本が初回、山崎早紀のタイムリースリーベースで先制し、3回裏には山崎早紀のランニングホームラン、山本優、渥美万奈の連打で相手守備の乱れも絡み、この回2点を追加。「エース」上野由岐子が被安打4・奪三振7の力投でカナダ打線を抑え込み、3-0で完封勝利を飾っている。

 オリンピックは5大会連続の出場。過去4大会では惜しくも「メダル」に手が届いていないが、世界選手権では2大会連続で「3位」となる等、メダル獲得の可能性は十分。日本としては、このカナダ戦まで「全勝」で突っ走り、最終戦のアメリカ戦を前に「2位以上」「決勝進出」を確定させておきたいところだ。
 どちらにしても、日本にとっては絶対に負けられない「重要な一戦」となることは間違いない。

カナダ オリンピック過去4大会成績

大会名 金メダル 銀メダル 銅メダル 第4位 第5位 第6位 第7位 第8位
1996
アトランタ
アメリカ 中国 オーストラリア 日本 カナダ チャイニーズ・タイペイ オランダ プエルトリコ
2000
シドニー
アメリカ 日本 オーストラリア 中国 イタリア ニュージーランド キューバ カナダ
2004
アテネ
アメリカ オーストラリア 日本 中国 カナダ チャイニーズ・タイペイ ギリシャ イタリア
2008
北京
日本 アメリカ オーストラリア カナダ チャイニーズ・タイペイ 中国 ベネズエラ オランダ

カナダ 世界選手権(現・ワールドカップ 成績(1994~2018)

大会名 優勝 準優勝 第3位 第4位 第5位 第6位 第7位 備考
1994
第8回世界選手権
(アトランタ・オリンピック1次予選)
アメリカ 中国 オーストラリア カナダ チャイニーズ・タイペイ ニュージーランド 日本
オランダ
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施
1998
第9回世界選手権
(シドニー・オリンピック1次予選)
アメリカ オーストラリア 日本 中国 カナダ イタリア チャイニーズ・タイペイ
ベネズエラ
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施
2002
第10回世界選手権
(アテネ・オリンピック1次予選)
アメリカ 日本 チャイニーズ・タイペイ 中国 オーストラリア
ニュージーランド
イタリア
プエルトリコ
予選リーグ敗退
3勝4敗 Pool・A 5位
2006
第11回世界選手権
(北京オリンピック1次予選)
アメリカ 日本 オーストラリア 中国 カナダ イタリア ベネズエラ
チャイニーズ・タイペイ
オリンピック出場チームを決定するため、5位決定戦を実施
2010
第12回世界選手権
アメリカ 日本 カナダ 中国 ベネズエラ
オーストラリア
チャイニーズ・タイペイ
オランダ
2012
第13回世界選手権
日本 アメリカ オーストラリア カナダ 中国
オランダ
チャイニーズ・タイペイ
プエルトリコ
2014
第14回世界選手権
日本 アメリカ オーストラリア カナダ チャイニーズ・タイペイ
オランダ
中国
ニュージーランド
2016
第15回世界選手権
アメリカ 日本 カナダ オランダ メキシコ
ベネズエラ
ニュージーランド
中国
2018
第16回世界選手権
アメリカ 日本 カナダ オーストラリア プエルトリコ
メキシコ
オランダ
イタリア
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