公益財団法人日本ソフトボール協会

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号 Japan Sport Olympic Square
日本ソフトボール協会 TEL.03-5843-0480 FAX.03-5843-0485

公益財団法人
日本ソフトボール協会

ニュース

ニュース 女子TOP日本代表

◆WBSC第17回女子ワールドカップ ファイナルステージ 【現地レポート③】

女子TOP日本代表、オランダとの熱戦に「サヨナラ勝ち」し、3連勝!
「グループB1位」(3戦全勝)でスーパーラウンド(2次ラウンド)へ !!

予選ラウンド最終戦に満を持して先発した後藤希友だったが…

「好調」オランダにまさかの大苦戦。
序盤3点をリードされる劣勢に…

「レジェンド」上野由岐子が今大会初登板!
「さすがのピッチング」で試合の流れを変える !!

6回に同点に追いつき、続く7回裏、
代打・須藤志歩の「ヒットエンドラン」で
4-3のサヨナラ勝ち!

この内容では「まだまだトップレベルじゃない」
と試合後のチームミーティングで檄を飛ばした
宇津木麗華ヘッドコーチ

オープニングラウンド第3戦・オランダ戦ハイライト

 「WBSC第17回女子ソフトボールワールドカップ ファイナルステージ」は大会3日目(7月17日(水):オープニングラウンド第3戦/最終戦)に突入。ここまで快調に「連勝中」次戦を待たずに「スーパーラウンド進出」を決めた女子TOP日本代表は、同じく「負けなし・すでにスーパーラウンド行きを確定させている」好調・オランダ(世界ランキング8位)と対戦した。

◎試合スケジュールはこちら
◎女子TOP日本代表選手名簿・プロフィールはこちら
◎大会オフィシャルサイトはこちら

大会第3日/7月17日(水)
オープニングラウンド第3戦

1 2 3 4 5 6 7 R
オランダ 0 0 3 0 0 0 0 3
日  本 0 0 0 0 0 3 1x 4

日本:後藤希友(2回0/3)、三輪さくら(1/3回)、○上野由岐子(4回2/3)-切石結女
〔二塁打〕下山絵理

 日本の先発投手は今大会「エース」としての働き・活躍が期待されている後藤希友。初回、2回と走者を背負いながらも決定打を許さず、無失点で切り抜けていたが……3回表、先頭の2番打者にセンター前ヒットを打たれ、3番打者にも四球を与えてしまい、無死一・二塁とされたところで ″危険を察知した″ 宇津木麗華ヘッドコーチが早めの投手交代。後藤希友に代え三輪さくらを投入したが……続く4番打者に犠打で確実に走者を進められ、一死二・三塁。この後5番打者にセンター前へ痛烈な当たりのタイムリー、なお一死一・三塁から6番打者にショート後方へ「力」で落とされるポテンヒット、7番打者にもアウトコースに上手くバットを合わされ、センター前にタイムリーを浴び、この回3点を先制されてしまう。
 日本は3回表の3点目を失ったところで「悪い流れを断ち切るべく登板」した「レジェンド」上野由岐子が ″貫禄のピッチング″ を披露し、オランダ打線の勢いをストップ。その後なかなか反撃に転じることができずにいたが、迎えた6回裏、この回先頭の2番・石川恭子がピッチャー前にセーフティーバントを決め、出塁。3番・塚本蛍のピッチャー前へのバントが一度は一塁アウトと判定されたが、「ビデオ判定の要求」で判定が覆り、無死一・二塁(記録はバント安打)。ここで4番・下山絵理がフルカウントまで粘った末の9球目をとらえ、センター頭上を越えるタイムリーツーベース! 塁上の走者を一掃し、1点差に迫ると、さらに内野ゴロで一死三塁となった後、6番・工藤環奈がヒットエンドランを決め、ショートゴロを転がし、三塁走者が生還!! 3-3の同点に追いついた。
 試合を振り出しに戻した日本は直後の7回表の守備をサード・坂本結愛のライナー好捕、「レジェンド」上野由岐子の「要所を三振で締める」さすがの投球でキッチリ0に抑えると、その裏、先頭の9番・切石結女が二遊間を抜く安打で出塁。1番・中川彩音はセンターフライに倒れ、一死となったが、2番・石川恭子が送りバント、送球が一塁へ向かう石川恭子の背中に当たり(記録は犠打失策)、一死一・三塁。このサヨナラのチャンスで3番・塚本蛍に代わり「代打・須藤志歩」が起用され、ワンボールの後、「ヒットエンドラン」を敢行! 須藤志歩が確実に転がし、三塁走者を迎え入れ、劇的なサヨナラ!! 予想外の「大苦戦」となりながらも3点差を見事ひっくり返し、逆転勝ちを収め、オープニングラウンド(予選ラウンド)3戦全勝。「グループB1位」でスーパーラウンド(2次ラウンド)に進出することとなった。

 大会3日目(7月17日)は日本の他、アメリカ、プエルトリコ、カナダがそれぞれ勝利(※アメリカが中国に6-0、プエルトリコがオーストラリアに5-1、カナダがイタリアに5-4(サヨナラ)で勝利)。この結果をもってオープニングラウンドの順位は、グループAが1位・アメリカ(3勝0敗)、2位・カナダ(2勝1敗)、3位・イタリア(1勝2敗)、4位・中国(0勝3敗)、グループBは1位・日本(3勝0敗)、2位・オランダ(2勝1敗)、3位・プエルトリコ(1勝2敗)、4位・オーストラリア(0勝3敗)という形になり、グループAは1位・アメリカと2位・カナダ、グループBでは1位・日本と2位・オランダの「合計4チーム」が次なる「スーパーラウンド」へ進むことになった。

 すでにご存知のことと思うが、大会の試合方式上「スーパーラウンドにはオープニングラウンドで同組だったチームとの対戦成績が持ち越される」ため、これまでの ″敗戦″ もしくは ″星の取りこぼし″ は順位決定にそのまま直結し、後々「リアルに影響する」こととなる。そういった意味でも、何はともあれ「日本が予選ラウンドを3戦全勝できた」事実は非常に大きく、この後の戦い(世界一への本当の戦い)に向けて「確かなアドバンテージ」となったことは間違いない。

 7月15日に開幕した女子ワールドカップ ファイナルステージもいよいよ終盤、スーパーラウンド(2次ラウンド)の舞台へ入る。
 このライバル・アメリカと対峙して、日本の投打(攻守)の「現時点のレベル・実力」が真の意味で測られる。今日のオランダ戦で思うようなピッチングができなかった「エース」後藤希友をはじめ、日本の投手陣が強打・アメリカにどう挑むか? また、アリー・カーダ、メーガン・ファライモ、レイチェル・ガルシア、ケリー・マックスウェルらアメリカが誇る ″世界一線級の投手″ に日本打線がどのように「対応」「アジャスト」していくかが最大の注目ポイントになるだろう。

 アメリカに勝つには当然「投打における確かな実力」「向こうを上回るチーム力」が必要になってくるのだが、その中で ″日本だからこそ持ち得る特徴・長所″ というモノも同時に存在しており、それを ″試合で活かせるか否か″ も勝利への活路を見出すための重要な要素になることを選手・チームには忘れないでほしいと思う。

 「本気のアメリカ」とここで勝負できなければ、勝たなければ……優勝・世界の頂には辿り着くことができない。

 そう、ここからが言わば「本番」。「女子TOP日本代表が本当の意味で勝負をかけるとき!」なのである。

●文・写真
女子TOP日本代表チーム
選手団広報/竹﨑 治(日本体育社)

PageTop