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令和6年度女子大学日本代表チーム選手選考会
(第4回女子大学アジアカップ代表選手選考会)

「令和6年度 女子大学日本代表選手選考会」が開催された

選考会初日、まずは「走力」の測定からスタート!

シートノックで個々の基本的な守備力がチェックされた

外野手はその守備範囲の広さ、肩の強さ、スローイングの正確性が選考の対象となった

捕手は盗塁阻止を想定したスローイングのタイム計測も実施された

選考会2日目・3日目は実戦形式での選考内容となった

選手たちは実戦を想定し、全力プレーで選考に臨んだ

選手の一挙手一投足に選考委員の「厳しい目」が注がれた

令和6年度 女子大学日本代表選考会
女子大学日本代表

令和6年度 女子大学日本代表選考会

 去る7月16日(火)~18日(木)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に、「令和6年度女子大学日本代表チーム選手選考会」(※第4回女子大学アジアカップ代表選手選考会)が開催された。
 選考会には、下記「選考会参加条件」をクリアし、所属大学の学長、チーム監督、各都道府県支部協会の推薦を受けた53名が参加。「女子大学日本代表」として「第4回女子大学アジアカップ」に出場する代表選手「16名」の座をめざし、選考に臨んだ。

●選考会参加条件●

【投手】
①ファストボール(速球)の平均球速が98㎞/h以上。
②縦の変化(ライズボールまたはドロップボール)を有する。
③前後の変化(チェンジアップ)を有する。
※原則、投手は上記①~③すべての条件を満たしていること。
ただし、打者を打ち取ることのできる「球種」並びに「投球術」があると認められる場合はこの限りとしない。なお、野手全般の条件も満たしていることが望ましい。

【捕手】
①二塁送球1秒80以内(捕手捕球→送球→二塁捕球)。
※捕手は上記①の条件に加えて野手③の条件を満たしていること。
また、野手②の条件は満たしていることが望ましい。

【野手全般】
①遠投55m以上 (半径1mの円内から送球)。
②30m走4秒85以内 。
③ティーバッティング (バッティングティーを使用)飛距離60m以上。
※野手は上記①~③すべての条件を満たしていること。

 選考会初日(7月16日/火)、まず(公財)日本ソフトボール協会理事であり、全日本大学連盟の専務理事でもある木田京子氏が挨拶に立ち、「本年度の大学の『ベストチーム』を編成して大会に臨みたい。今回の選考会で代表選手を選出し、大会への派遣を予定している『第4回女子大学アジアカップ』は前回大会に続く『連覇』がかかっている。当然、『連覇』を成し遂げられる選手を選考したいと思っている。近年が日本のソフトボールのトップリーグである『JD.リーグ』でも皆さんの先輩が活躍してくれ、全体の6割近い選手が大学卒の選手となってきている。それだけ活躍の場が増え、日本のソフトボールを支える存在となってきていることを自覚し、この選考会に臨んでほしい」と、参加選手を激励した。
 この選手選考会に合わせるかのように開催されている「第17回女子ワールドカップ ファイナルステージ」(7月15日(月・祝)~20日(土)/イタリア・カスティオンス ディ ストラーダで開催)にも、木田理事の「教え子」でもある石川恭子、下山絵理両選手(ともに園田学園女子大学を卒業後、トヨタ レッドテリアーズでプレー。今回の「第17回女子ワールドカップ ファイナルステージ」では石川選手が「キャプテン」、下山選手は「4番」を任され、チームを引っ張る存在となっている)が女子TOP日本代表に名を連ね、「世界一」の座をかけ、戦っている。

 この後、選考会初日(7月16日/火)は、各選手の基本的な能力・技術を確認・チェックする「測定」を実施。一塁から二塁への盗塁、二塁から本塁への生還を想定した「走力測定」が行われ、各選手の基本的な足の速さ、走力・脚力がチェックされた。
 続いて、各選手の「第1希望」のポジションでシートノック、個々の基本的なグラブさばき、捕球の確実性、送球の正確性・肩の強さ、打球への反応、敏捷性、守備範囲の広さ等、守備の基本技術・守備能力が問われる選考が行われた。
 併せて、捕手の盗塁阻止を想定した二塁への送球のタイム計測も行われ、捕球から送球に移る動作の素早さ、肩の強さ、スローイングの正確性が確認・チェックされた。
 さらには、ピッチャーは自らの有する球種を申告し、1球種ごと3球、スピードガンによる球速測定も実施された。
 最後に打撃面の基本技術がロングフリーバッティングでチェックされ、基本的な打撃フォーム、スイングスピードの速さ、ミートの正確性、打球速度、飛距離等が一人ひとり確認され、初日の選考を終えた。

 選考会2日目(7月17日/水)から「実戦形式」での選考となり、選考会参加者をA・B・Cの3グループに振り分け、実際の試合を想定した選考が実施された。
 この「実戦」形式の選考では、ゼッケン番号順に打撃を行い、投手は打者5人と対戦した時点で投手交代し、こちらもゼッケン番号順に次々と登板。打者と対戦していく形で選考が進められた。
 また、あらかじめ塁上に走者を設定する等、様々な状況を設定した中で対戦し、投手は打者をどう打ち取るか。打者はそれに対し、どんなバッティングができるか。あるいは状況に応じ、最低でも走者を進めることができるか等が問われる選考内容となり、塁上の走者は常に次の塁を狙う積極的な走塁を心がけると同時に、積極的に盗塁も仕掛け(捕手の送球を見るため、ランナーコーチを務める選考委員から「盗塁」が指示されるケースもあった)。打撃・守備だけでなく、足や走塁に「自信」がある選手が走塁面でもアピールできるような選考の設定となっていた。
 また、野手は個々の守備範囲の広さ、肩の強さ・スローイングの正確性等、基本的な守備の能力・技術が問われると同時に、様々な状況に応じて多くの選択肢の中から的確・正確な判断が下せるか否かも選考の基準・要素とされた。
 選手たちは、選考委員の「厳しい目」が注がれる中、自分の持てる力を全力でアピール! 「日本代表」の座をめざし、一つひとつのプレーに集中力を高め、全力でプレーしていた。

 選考会最終日(7月18日/木)は、引き続き「実戦」による選考が行われ、選考会の全日程を終了。選考の観点・基準は下記の通り。

●選考の観点・基準●
※それぞれの項目をA・B・Cで評価する。

【投手】
1.コントロール
2.スピードとキレ
3.変化球
4.守備力
5.精神力
6.状況に応じたピッチング
7.ゲームメイクする力

【捕手】
1.守備力(フットワークを含めた俊敏性)
2.キャッチング
3.送球技術(捕球からスローイングまでの速さ)
4.肩の強さ
5.配球及び状況に応じた判断
6.声の伝達技術(野手への指示)
7.バント処理

【内野手・外野手】
1.守備範囲の広さ(俊敏性・打球への反応)
2.キャッチング(グローブ捌き)
3.送球技術(肩の強さを含む)
4.フットワーク・カバーリング
5.ポジショニング
6.声の伝達技術(野手への指示)
7.状況に応じた守備

《バッティング》
1.スピードへの対応
2.変化球やコースへの対応
3.各種類のバント及びバスターの習得度
4.ランナー対応のバッティング技術(チームバッティング)
5.読みの技術

 選考会終了後、すぐに選考会議を実施し、代表候補選手16名を決定。この後、(公財)日本ソフトボール協会理事会の承認を経て、今月(7月)下旬には、正式に発表されることになる(※正式発表があり次第、このホームページ上にも掲載する)。

 今回派遣される「第4回女子大学アジアカップ」は、10月15日(火)~19日(土)、台湾・台中で開催が予定されており、出発直前の10月9日(水)~11日(金)の3日間、今回のチームを率いる佐藤理恵ヘッドコーチが監督を務める東京女子体育大学で「直前合宿」を行い、そのまま大会の開催地である台湾・台中へと出発する。

 前回大会はコロナ禍で大会延期となり、2022年12月14日(水)~17日(土)、タイ・パタヤで開催され、チャイニーズ・タイペイ、マレーシア、香港、タイ、日本、シンガポール、インド、韓国の8チームが参加。参加8チームを4チームずつA・B2つのグループに分け、まずグループ内で「オープニングラウンド」を戦い、シングルラウンドロビン(1回総当たり)のリーグ戦を実施。その順位に基づき、両グループの上位3チームが「スーパーラウンド」に進出。すでに同じグループで対戦したチームとは対戦せず、その試合結果を持ち越し、異なるグループの1位~3位のチームと対戦し、順位を決定。「スーパーラウンド」3位・4位のチームが「3位決定戦」を、同1位・2位のチームが「優勝決定戦」を行い、最終順位を決定する試合方式で覇が競われた。

 女子大学日本代表はシンガポール、インド、韓国と同組の「グループB」に振り分けられ、「オープニングラウンド」ではシンガポールを11-0の4回コールド、インドを15-0の3回コールド、韓国を7-0の5回コールドと3試合連続のコールド勝ち。3戦全勝の1位で「スーパーラウンド」に進出すると、「グループA」3位のタイに10-0の4回コールド勝ち。続く「グループA」1位のチャイニーズ・タイペイとの「全勝対決」に5-0の完封で勝利を収め、最終戦の「グループA2位」香港との対戦は15-0の3回コールド勝ち。「オープニングラウンド」「スーパーラウンド」通じて6戦全勝、6試合中5試合がコールド勝ちという圧倒的な強さで「優勝決定戦」に駒を進めた。

 しかし……「優勝決定戦」では「スーパーラウンド」2位のチャイニーズ・タイペイを相手に大苦戦。延長タイブレークにもつれ込む熱戦の末、8回裏、無死満塁から現在、「JD.リーグ」日立 サンディーバの「正捕手」として活躍中の女鹿田千紘が左中間へ劇的なサヨナラ安打を放ち、5-4でチャイニーズ・タイペイを振り切り、初の優勝を手にしている。

 「連覇」がかかる今大会、まだ参加チーム等の詳細は明らかにされていないが、アジアにソフトボールの「輪」を広げ、国際交流を深め、ソフトボール全体の底上げ、レベルアップを図り、普及を推し進めていくためにも、盛り上がった大会となることを期待したい。

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