14日(月・祝)、チームは羽田空港から台湾・台中に向けて出発
現地に到着し、軽く汗を流す選手たち
15日(火)から現地の中学生、高校生チームと「テストマッチ」を実施
日を追うごとに選手は成長し、チームとしてもまとまっていった
「一つ上」のカテゴリーである「高校生」を相手でも、
臆することなく戦った
高校生チームとの2試合を含む計4試合で見事、全勝!
試合後には、しっかりと交流も。この「貴重な経験」を未来へ
つなげてもらいたい
去る1月14日(月・祝)~1月19日(土)、「日台ジュニア交流事業(チーム派遣)」が今年も開催され、女子GEM1(U14)日本代表チームが台湾・台中に派遣された。
今回、この事業には、昨年11月16日(金)~18日(日)、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に実施された「平成30年度女子GEM1(U14)日本代表選手選考会」で選出された「代表選手」17名が参加(選手選考会のトピックスはこちら)。現地の中学生チーム、「一つ上」のカテゴリーとなる高校生チームとの「テストマッチ」が組まれ、4日間に及ぶ強化に励んだ。
出発前日の13日(日)、チームは東京・NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)内のアスリートヴィレッジに集合。様々な競技の「日本代表」の強化拠点であるNTCにおいて、「日本代表」として心構えや、世代を代表する選手であるということの意味・責任の重さ等、名実ともに「日本代表選手」となるための「事前指導」が施された後、軽めに汗を流し、翌日の出発に備えた。
翌14日(月・祝)、チームは台湾・台中へ出発。今回が「初の海外遠征」となるため、選手は緊張した面持ちではあったが、無事に出国。「交流事業」が行われる台湾・台中へと飛び立った。
1月15日(火)から早速、現地の中学生、高校生チームと「テストマッチ」が実施された。
・1月15日(火)《第1戦》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東山高中 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
女子GEM1(U14) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | x | 3 |
バッテリー:〇丸本真菜(3回)、増渕安月(2回)、栗田満理奏(2回)-愛下可純
打撃成績:なし
地元の中学生チーム・東山高中とのテストマッチ・初戦は、女子GEM1(U14)先発の丸本真菜、増渕安月が好投。5回まで両チーム合わせてわずか2安打の投手戦となった。
女子GEM1(U14)は6回裏、一死から代打・内野純枝が四球を選び出塁。9番・増渕安月のセンター前ヒット、敵失で満塁とし、二死後、3番・池上桃花のセンター前タイムリーで二者が生還。待望の先制点を挙げると、なお二死一・二塁のチャンスが続き、相手捕手の一塁への牽制球がエラーとなる間に走者がそれぞれ進塁。二・三塁とした後、4番・上田こころのセカンドへの内野安打で三塁走者が生還。この回一挙3点を挙げ勝負を決めた。
3点をリードした女子GEM1(U14)は、6回表から登板していた栗田満理奏が最終回も無失点に抑え、3-0の完封勝利。初戦を勝利で飾った。
・1月15日(火)≪第2戦≫
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
女子GEM1(U14) | 0 | 3 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 7 |
東山高中 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
バッテリー:〇田中愛花(3回)、滝澤奈津(3回)、増渕安月(1回)-池上桃花
打撃成績:〔三塁打〕矢藤瑠璃花 〔二塁打〕井出久美
第2戦も東山高中と対戦。女子GEM1(U14)は2回表、2つの四球と敵失で無死満塁の先制のチャンスをつかみ、8番・愛下可純のショートゴロで二塁走者が三塁フォースアウトとなる間に三塁走者が生還。まず1点を先制し、二死後、敵失、盗塁で二・三塁とチャンスを広げ、1番・矢藤瑠璃花のライトの頭上を越えるスリーベースで走者を一掃。この回3点を先制した。
続く3回表には、一死三塁から5番・内野純枝のライトへの犠牲フライで1点を追加。
5回表にも1番・矢藤瑠璃花の「猛打賞」となるこの試合3本目のヒットと敵失、盗塁で無死二・三塁とし、3番・池上桃花のライト前タイムリーで二者が生還。二死後、6番・井出久美に右中間を破るタイムリーツーベースが飛び出し、この3点を追加。
投げては、先発・田中愛花が3イニングをノーヒット。4回裏から登板した滝澤奈津も3イニングをノーヒットでつなぎ、最後は増渕安月が三者凡退で締め、3投手をつなぐ投手リレーで相手打線をノーヒットに抑え込み、7-0の完封勝利を飾った。
・1月17日(木)≪第3戦≫
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
埔里高工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 |
女子GEM1(U14) | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1x | 3 |
バッテリー:栗田満理奏(3回)、丸本真菜(2回)、〇増渕安月(2回)-愛下可純
打撃成績:〔本塁打〕愛下可純 〔二塁打〕内野純枝②、須田梓
1月16日(水)は雨天のため、予定された試合を実施することができず、翌17日(木)、テストマッチ・第3戦はチャイニーズ・タイペイU19代表選手を5名も輩出する「高校生チーム」埔里高工との対戦が組まれた。女子GEM1(U14)は2回裏、4番・内野純枝が右中間への二塁打で出塁。5番・愛下可純がレフトへツーランホームランを放ち、2点を先制。このまま逃げ切るかと思われた。
2点を追う埔里高工は終盤6回表、無死二塁から2番打者のタイムリーツーベースで1点差に追い上げ、なお無死二塁から、ライトフライで二塁走者がタッチアップ。一死三塁と攻め立て、二死後、5番打者の四球で一・三塁とし、6番打者の打球がサードのエラーを誘い、三塁走者が生還。2-2の同点に追いついた。
最終回、埔里高工の攻撃を三者凡退に抑えた女子GEM1(U14)は、その裏、二死から2番・須田梓が四球を選び、出塁。3番・池上桃花がレフト前ヒットで続き、無死一・二塁の「一打サヨナラ」のチャンスを作ると、4番・内野純枝が左中間を破るサヨナラのタイムリーツーベース! 二塁走者が還り、「一つ上」のカテゴリーを相手に劇的なサヨナラ勝ちを飾った。
・1月17日(木)≪第4戦・最終戦≫
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
女子GEM1(U14) | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 |
埔里高工 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
バッテリー:滝澤奈津(3回)、〇田中愛花(4回)-池上桃花
打撃成績:〔本塁打〕池上桃花
第4戦は再び高校生と対戦。先攻の女子GEM1(U14)は初回、1番・池上桃花が右中間へ先頭打者ホームラン! 幸先良く1点を先制。その裏、1点を返され、同点に追いつかれると、2回表には、一死から四球、敵失で一・二塁とし、9番・岡本美柚のサードゴロで二塁走者が一気に生還。2-1と勝ち越しに成功。だが、それも束の間、3回裏に2本のタイムリーを浴び、2-3と逆転を許すと、6回裏にも二死一・二塁からセンター前にタイムリーを打たれ、2点差にリードを広げられてしまった。
2点をリードされて迎えた最終回、女子GEM1(U14)は四球、犠打で一死二塁とし、1番・池上桃花のライト前タイムリーで二塁走者が一気に生還。続く代打・愛下可純は四球を選び、一死一・二塁とした後、3番・内野純枝はセンターフライ。走者がそれぞれタッチアップを試み、二塁から三塁に進塁した池上桃花は、センターの三塁送球の一瞬の隙を突き、本塁へ突入。4-4の同点に追いつくと、なお二死二塁の「一打勝ち越し」のチャンスが続き、4番・井出久美がライト前タイムリーを放ち、二塁走者が生還。この回一挙3点を奪い、5-4と逆転に成功した。
その裏、4回裏から登板し、ロングリリーフとなった2番手・田中愛花が、この回先頭の1番打者に安打を許し、2本の内野ゴロで二死三塁の「一打同点」のピンチを招いたが、最後の打者をセカンドゴロに打ち取り、ゲームセット。女子GEM(U14)が今回の遠征の最終戦を勝利で締めくくり、4試合のテストマッチで「全勝」という好成績を残した。
今回の遠征では、「技術の向上」だけでなく、「人間力の向上」にも重きが置かれ、「ソフトボール選手」であること以上に、「人として」のあるべき姿を一番に考え、行動することが求められた。礼儀やマナー、社会のモラルを身につけること等、「SOFT JAPAN」の一員として「技術」「戦術」に磨きをかけることはもちろんのこと、「日本代表」にふさわしい自覚と責任に基づく「高い意識」があってこそ、「さらなる成長」につながるということが強調され、何度も繰り返し説かれていた。
今回遠征に参加した選手たちは、昨年12月18日(火)~21日(金)、沖縄県読谷村で実施された「SOFT JAPAN Winter Camp in沖縄」(「SOFT JAPAN Winter Camp in沖縄」のトピックスはこちら)において、「一つ上」のカテゴリーである「GEM2(U16)」とのテストマッチで1-0の完封勝利を収めただけに、選手個々の身体能力は非常に高く、遠征でも日を追うごとに成長が感じられた。その姿には頼もしささえ感じられ、日本の「女子ソフトボール」の未来を担う人材として、今後、GEM2(U16)、GEM3(U19)と、「次なるステージ」に進み、「女子TOP日本代表」への階段を駆け上がっていってくれることを心から期待したい。
No. | 守備 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | 投手 | 栗田 満理奏 | あきる野市立御堂中学校 (あきる野 TK stars) |
2 | 〃 | 滝澤 奈津 | 深谷市立深谷中学校 (埼玉ウィンズ) |
3 | 〃 | 田中 愛花 | 長野市立川中島中学校 |
4 | 〃 | 増渕 安月 | 高根沢町立阿久津中学校 |
5 | 〃 | 丸本 真菜 | 岡崎市立甲山中学校 |
6 | 捕手 | 愛下 可純 | 京都市立洛南中学校 |
7 | 〃 | 池上 桃花 | 伊那市立東部中学校 |
8 | 内野手 | 上田 こころ | 神戸市立岩岡中学校 (明石Pクラブ) |
9 | 〃 | 内野 純枝 | 横浜市立万騎が原中学校 |
10 | 〃 | 岡本 美柚 | 三原市立第二中学校 (広島プリンセス) |
11 | 〃 | 小山 千尋 | 岡山市立西大寺中学校 (岡山エンゼルス) |
12 | 〃 | 須田 梓 | 太田市立薮塚本町中学校 (おおたスポーツアカデミー) |
13 | 〃 | 古川 ひとみ | 横浜市立万騎が原中学校 |
14 | 〃 | 丸尾 春乃 | 明石市立魚住中学校 |
15 | 〃 | 矢藤 瑠璃花 | 横浜市立万騎が原中学校 |
16 | 外野手 | 井出 久美 | あきる野市立御堂中学校 (あきる野 TK stars) |
17 | 〃 | 今田 珠里 | 岡山市立岡北中学校 (岡山エンゼルス) |
No. | 役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | チームリーダー | 清水 正 | 山梨学院大学 |
2 | ヘッドコーチ | 山本 かんな | 京都市立洛南中学校 |
3 | アシスタントコーチ | 増原 晴奈 | 兵庫大附属須磨ノ浦高校 |
4 | トレーナー | 光本 雅美 | SGホールディングス |
5 | 総務 | 藤井 まり子 | (公財)日本ソフトボール協会 |