「女子GEM2(U15)日本代表チーム 選手選考会」を実施!
選考会初日(4月12日/金)は各種測定を実施
測定によるデータを活用し、ソフトボールのレベルアップにつなげたい!
投手はスピードガンによる球速測定を実施。
自らの有する球種を自己申告し、投げ込む!
第1希望・第2希望のポジションでシートノックを受けた
「ケースノック」では的確な状況判断ができるか否か
臨機応変に対応できるかどうかが見極められた
「マシンバッティング」で基本的な打撃力をチェック
「試合形式」の選考では、個々の選手が自分の持ち味・
特徴を懸命にアピール! 最後まで全力でプレーした
去る4月12日(金)~14日(木)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に、2019年度「女子GEM2(U15)日本代表チーム 選手選考会」が実施された。
この「女子GEM2(U15)日本代表チーム 選手選考会」は、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の主催大会の諸変更(変更点の詳細はこちら)に伴うカテゴリー区分の変更(GEM2の上限年齢をU16/16歳以下→U15/15歳以下に引き下げ)後、「初」の選考会となる。
選考会の対象となる選手は、日本国籍を有していることはもちろん、(公財)日本ソフトボール協会へ登録があり、2004年1月1日~2007年4月1日までに生まれた選手で、各ポジションにおいて下記のような「参加条件」が設定されている。
【ポジション別基準】
【投手】
①ファストボールの平均球速が90km/h以上(革ボール・投球距離12.19mで測定)
②縦の変化(ライズボールまたはドロップボール)を有する
③前後の変化(チェンジアップ)を有する
※原則、投手は上記①~③すべての条件を満たしていること。ただし、打者を打ち取ることのできる「変化球のキレ」ならびに「制球力」があると認められる場合はこの限りとしない。
なお、野手全般の条件も満たしていることが望ましい。
【捕手】
①二塁送球 1秒85以内(革ボール・捕手捕球→送球→二塁捕球)
※捕手は①および野手③の2つの条件を満たしていること。また、野手②の条件は満たしていることが望ましい。
【野手全般】
①遠投 45m以上(革ボール・半径1mの円内から送球)
②30m走 4秒95以内
③バッティングティーを利用した打撃で飛距離50m以上(革ボール)
※野手は上記①~③すべての条件を満たしていること。
また、守備力・打撃力において、日本代表としてふさわしい技能を有している者。
以上の条件をクリアし、保護者の承諾を得た上で、日本代表選手として充分な練習環境を有し、継続した活動ができる選手を所属チームの監督が選考会参加選手として推挙。その推挙された選手たちを所属都道府県支部協会がさらに精査し、「日本代表」となるにふさわしいと認めた選手を支部協会会長名で推薦するという手順を経て、全国から「精鋭」29名が参加。代表選手「17名」の座をめざし、厳しい選考に臨んだ。
選考会初日(4月12日/金)は、選手個々の有する基本的な身体能力・運動能力の測定と基本的な守備力をチェックする選考が行われた。
測定は、30m走、ベース一周のタイム測定(二塁打及び二塁から本塁への生還のタイム測定を兼ねる)、メディシンボール投げ(フロントスロー)、投球スピード(5mの距離から全力で投げ、その送球の球速をスピードガンで測定)、スイングスピード測定、握力測定の項目で行われた。
これらの測定項目はいずれも「ソフトボール」という競技に直結する要素であり、この測定でどれだけの「数字」を残せるかによって、選手個々の有する「ソフトボールプレーヤーとしての基本的な能力」が浮き彫りとなり、一つの評価の「基準」となる。
この選考会に先立ち、実施された2019年度「全日本大学女子選抜チーム 選手選考会」(第8回東アジアカップ派遣選手 選考会)でも同様の測定が実施されており、今後はすべてのカテゴリーでこの測定を共通して行うことを徹底。各カテゴリーの現場の指導者にそのデータをフィードバックし、共有することで、普段の練習に反映させ、選手個々のレベルアップの一助とすると同時に、各カテゴリーで選手選考を行う際に、より客観的に選手を評価・選考するデータ的な裏付けとすることはもちろん、各年代・各カテゴリーにおいてクリアしていかなければいけない具体的な『目標』を明確にすることで、「日本代表」全体のレベルを引き上げることを目的とし、この測定を実施していく予定である。
各種測定を終えた後、守備の「基本技術・能力」の選考に入り、選手たちの第1希望のポジション、複数ポジションをこなせる選手は第2希望のポジションでもシートノックを行い、打球への反応(敏捷性)、グラブさばき(捕球の正確性)、守備範囲の広さ、肩の強さ・スローイングの正確性等、基本的な守備力がチェックされた。
この間、ピッチャーはスピードガンによる球速測定と球種を自己申告して自らが有する変化球を投球。球威・ボールの切れ、変化の度合いやそれを自在に操るコントロールがあるか否か等、ピッチャーとしての基本的なスキルが見極められた。
また、キャッチャーは盗塁阻止を想定した二塁送球のタイム計測も行い、捕球から送球へ移る動作の速さ・肩の強さ・送球の正確性等が選考の対象とされた。
最後に、「無死一塁」の状況を設定し、「ケースノック」が行われた。どこに打球が飛んだか、走者がどこまで進塁しているか等、その状況を的確に判断し、自分はどう動くべきか、どんなプレーを選択すべきか、状況に即したプレーを選択することができるか否かが問われる選考となった。
この選考は選手の「状況判断」の正確性やその状況に即した技術の使い分け等を把握・評価することを「第一義」としながらも、ジュニア世代の選手に「無死一塁」における守備陣形(フォーメーション)、それぞれの守備位置(ポジショニング)の基本(セオリー)を学ばせ、習得させる狙いもあり、バントを誰が処理し、誰がベースカバーに誰が入るのか。右中間・左中間等、外野を抜けた打球を誰が打球を追い、誰が中継に入るのか……といった「守備戦術の基礎・基本」に触れる機会を設け、「世界一」と評される「日本の守備」の根幹をなすチームとしての「守備の基本原則」やフォーメーションプレー等の一端が示され、「選手選考」を行いながら、その「基本理念」や「伝統」を継承する場ともなっていた。
内野へ外野へ……様々な打球が放たれ、選手たちはその都度「的確な判断」に基づく「正確なプレー」をすべく、懸命に打球を追いかけ、必死の対応を繰り返し、自らの持てる力をアピール! 初日の選考を終了した。
選考会2日目(4月13日/土)は、基本的な打撃力をチェックする選考でスタート。まずロングティー(2カ所/一人20本)で基本的なスイング・バッティングフォーム、ボールをとらえるポイント・ミートの正確性、スイングスピード・打球の速さ・飛距離等が一人ひとりチェックされた。
続いて「マシンバッティング」を行い、90km/h程度に設定されたピッチングマシンで一人1分15秒の持ち時間でマシンバッティング。「マシン」を使ってのバッティングではあるものの、投球に対してのタイミングの取り方、ボールの捉え方、打球の速さ・飛距離等、徐々に「実戦」に近づける形で選考が進められた。
この後、前日行った「ケースノック」での選考を再び実施。この日はまず「一死二塁」の状況を設定し、ワンヒットで二塁走者が本塁を狙った場合、どこに、誰が、中継に入るのか。二塁走者を本塁でアウトにするためにノーカットとするのか。1点は諦めて打者走者の進塁させないよう送球をカットし、失点を最小限に防ぐ守備をするのか……といった「判断力」が求められ、得点差、試合展開、それぞれの守備者の守備位置・肩の強さ・スローイングの正確性等を勘案し、選択すべき「正しいプレー」を確実に行うことができるか否かを問う選考となった。
この日はさらにそれを「実戦」に近づけ、前日と同じ「無死一塁」の状況からスタートし、今度はその同じケースを繰り返すのではなく、実際の試合と同様にスリーアウトになるまでプレーを継続。刻々と変わる状況に臨機応変に対応する判断力・適応力が問われるより「実戦的」な選考も行われた。
昼食を挟み、午後からは「実戦形式」での選考をさらに一歩進め、A・Bの2つのグループに分かれての「紅白戦」を実施。「試合形式」での選考を行った。
最初のゲームはすべてボールカウント・ワンストライクの状況からスタート。2試合目はボールカウント・ワンストライクから無死一塁の状況を設定して実施。3試合目はすべての状況設定を取り払い、実際の試合と同じ、「完全な試合形式」で行い、投手は2イニング交代、打撃は各グループの全員が行う形で計3試合・15イニングをプレー。その「すべてのプレー」が選考の対象となった。
選考会最終日(4月14日/日)も前日の3試合目と同様、すべての制約を取り払って「完全な試合形式」で2試合・10イニングをプレーし、投手は2イニング交代、打者は各グループ全員が打撃を行い、選手たちは、投手も野手も、ピッチングでもバッティングでも守備でも走塁でも、持てる力のすべてを発揮して最後まで全力でアピール。3日間にわたる選考会を終了した。
この選考会における評価および選考は、(公財)日本ソフトボール協会・選手強化本部委員およびヘッドコーチが行い、同理事会の承認を経て、「女子GEM2(U15)日本代表」17名の選手を決定。8月8日(木)~11日(日)、岐阜県揖斐川町で行われる「日台交流事業」(チーム招待)に参加することとなる。
2019年度 女子GEM2(U15)日本代表チーム選手団
選手
スタッフ