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ニュース 女子GEM3(U18)

2019年度
「女子GEM3(U18)日本代表」チーム
選手選考会を実施!

2019年度「女子GEM3(U18)日本代表チーム 選手選考会」
(第8回女子U18アジアカップ 派遣選手 選考会)を実施!

全国の精鋭が代表17名の座をめざし、厳しい選考に臨んだ

選考会初日は守備・打撃の基本スキルが選考された

投手陣はスピードガンによる「球速測定」を実施

選考会2日目は各種「測定」も行われた

選考会2日目・最終日は参加者を3チームに分け、
「実戦形式」の選考を行い、17名の代表選手を選出

 去る4月23日(火)~25日(木)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に、2019年度「女子GEM3(U18)日本代表チーム 選手選考会」(第8回U18アジアカップ派遣選手 選考会)が実施された。
 この「U18」のカテゴリーは、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)のカテゴリー区分の変更(WBSCのカテゴリー区分の変更の詳細についてはこちら)に伴い、従前の「U19」のカテゴリーの上限年齢が「U18」に変更されて「初」の選考会となる。

 選考会の対象選手は、日本国籍を有していることはもちろん、公益財団法人日本ソフトボール協会への登録があり、2001年1月1日以降に生まれた者とされ、各ポジションにおいて下記のような「参加条件」をクリアした者が選考会への参加を認められた。

【ポジション別基準】
【投手】
①ファストボールの平均球速が95km/h以上あること。
(革イエローボールを使用/13.11mで測定)。
②縦の変化(ライズボールまたはドロップボール)を有する。
③前後の変化(チェンジアップ)を有する。

※原則、投手は上記①~③すべての条件を満たしていること。ただし、打者を打ち取ることのできる「球種のキレ」ならびに「制球力」があると認められる場合はこの限りとしない。なお、野手全般の条件も満たしていることが望ましい。


【捕手】
①二塁送球 1秒75以内(革イエローボール・捕手捕球→送球→二塁捕球)

※捕手は上記①および野手③の条件を満たしていること。また、野手②の条件を満たしていることが望ましい。


【野手全般】
①遠投  50m以上(革イエローボール・半径1mの円内から送球)
②30m走 4秒85以内
②ティー台バッティング 打球の飛距離55m以上(革イエローボール使用)

※野手は上記①~③すべての条件を満たしていること。
また、守備力・打撃力において、日本代表としてふさわしい技能を有している者。


 以上の条件をクリアし、在籍する学校長の推薦(許可)が得られ、日本代表選手として充分な練習環境を有し、継続した活動ができる選手を、所属チームの監督が推挙。最終的には所属都道府県支部協会が精査の上、責任を持って推薦した精鋭37名が全国から集結。「第8回U18アジアカップ」(10月29日(火)~11月11日(月)/中国・貴州省で開催予定。10月29日(火)~11月1日(金)は国内での合宿を予定)に派遣される代表選手「17名」の座をめざし、厳しい選考に臨んだ。

 選考会初日(4月23日/火)は、選手個々の有する基本的な守備・打撃の能力・技術がチェックされ、全体でのウォーミングアップ、キャッチボール・トスバッティングの後、選手たちの第1希望のポジション、複数ポジションをこなせる選手は第2希望・第3希望のポジションでもシートノックを行い、打球への反応(敏捷性)、グラブさばき(捕球の正確性)、守備範囲の広さ、肩の強さ・スローイングの正確性等、基本的な守備力がチェックされた。
 この間、ピッチャーはスピードガンによる球速測定と球種を自己申告して自らが有する変化球を投球。球威・ボールの切れ、変化の度合いやそれを自在に操るコントロールがあるか否か等、2000年シドニーオリンピック銀メダリストの増淵まり子氏(淑徳大女子ソフトボール部監督)を中心に、ピッチャーとしての基本的なスキルが見極められた。
 スピードガンによる球速測定では、100km/hを超える球速を叩き出すピッチャーが続出。「日本リーグ並み」のスピードを誇るピッチャーが次々と出現し、選考委員を驚かせた。
 また、キャッチャーは盗塁阻止を想定した二塁送球のタイム計測も行い、捕球から送球へ移る動作の速さ・肩の強さ・送球の正確性等が選考対象とされ、選考委員の厳しい目が注がれた。
 バッティングの基本技術については、フリーバッティングで行い、参加者は順番が来るまでネットティーを行い、打席では一人1分30秒の時間設定の中で打ち込み。基本的なスイング・バッティングフォーム、投球に対してのタイミングの取り方、ボールをとらえるポイント・ミートの正確性、スイングスピード・打球の速さ・飛距離等がチェックされ、基本的な打撃技術を選考。初日の選考を終えた。

 選考会2日目(4月24日/水)は、選手個々の身体能力・運動能力の測定でスタート。 測定は、全員で30m走、ベース一周のタイム測定(二塁打、二塁から本塁へ生還するタイム測定を兼ねる)を行った後、参加者をA・B・Cの3チームに分け、「実戦形式」での選考に入り、対戦の空いた1チームは別会場で、メディシンボール投げ(フロントスロー)、投球スピード(5mの距離から全力で投げ、その送球の球速をスピードガンで測定)、スイングスピード、握力の測定を行った。
 これらの測定項目は「ソフトボール」という競技に直結する要素であり、この測定でどれだけの「数字」を残せるかによって、選手個々の有する「ソフトボールプレーヤーとしての基本的な能力」が浮き彫りとなり、一つの評価の「基準」となる。この選考会に先立ち、実施された2019年度「全日本大学女子選抜チーム 選手選考会」(第8回東アジアカップ派遣選手 選考会)、2019年度「女子GEM2(U15)日本代表チーム 選手選考会」でも同様の測定が実施されており、今後はすべてのカテゴリーでこれらの項目についての測定を共通して実施。その結果を、各カテゴリーの現場の指導者にフィードバックし、共有することで、普段の練習に反映させ、選手個々のレベルアップの一助とすると同時に、各カテゴリーで選手選考を行う際に、より客観的に選手を評価・選考するデータ的な裏付け・指標として活用することが想定されている。さらには、各年代・各カテゴリーにおいてクリアしていかなければいけない具体的な『目標』として設定し、日本のソフトボールの「全体の底上げ」と各世代の「日本代表のレベルアップ」につなげることを目的に実施を徹底していくことになる。
 測定と並行して実施された「実戦形式」での選考では、A・B・Cの3グループに分かれ、それぞれが対戦する「試合形式」での選考を行った。ボールカウント、アウトカウント、走者の有無、実際の試合を想定した様々な状況を設定し、投手を中心とした守備陣は、いかに相手打者を打ち取るか、走者を進塁させず、得点を許さぬ投球・守備陣形を敷き、逆に打者はその警戒をかいくぐり、自ら出塁し、あるいは走者を進塁させ、得点を挙げることを目的に攻撃を仕掛けた。
 攻撃側も守備側も、まず選手個々が自分の特徴・持ち味をアピールすることを大前提とし、その与えられた状況下で「ベスト」なプレーは何なのかを自ら考え、「最適解」を導き出すことを求められ、ただ打つ・守るのではなく、的確な状況判断や「ソフトボールIQ」「ソフトボールセンス」が問われる選考となった。
 例えば、ワンボール・ワンストライクの状況が設定されたとき、その次の一球がストライクになるか、ボールになるか、でまったく異なる状況が生まれてくる。次の投球が「ストライク」でワンボール・ツーストライクになれば、俄然「投手有利」な状況となり、「ボール」になればツーボール・ワンストライクで打者有利な「バッティングカウント」になる。その設定された状況下で「打ってみろ!」とばかり力でねじ伏せに行くのか、ボール球で誘って空振りさせようとするのか、打者のタイミングを外しにかかるのか……といったところに選手個々の「個性」や「特徴」が自然と表出してくることになる。
 あるいは無死一・二塁の状況で「自分が勝負を決める」とばかりに積極的に打って出る「4番打者的気質」の選手もいれば、「最低限、右に転がし、あわよくば一・二塁間を抜けてくれれば」と考える「つなぎ役」的な発想の選手もいる。そういう「選択」の一つひとつに選手個々の「性格」や「考え方」、もっといえばそれぞれの「ソフトボール観」が色濃く反映されることになり、まさに選手個々の「本質」を問う選考内容のとなっており、その中で選手一人ひとりのプレーが厳しく「査定」されることになった。
 選手個々の潜在能力・ポテンシャルの高さは目を見張るものがある一方、その「能力」「ポテンシャル」の高さにむしろ振り回されてしまい、自らをコントロールできない、制御し切れていない印象の選手が多々見られた。様々な状況が設定されているにも関わらず、ただただ「全力投球」「フルスイング」を繰り返すばかりで、状況に応じたプレーの選択や技術の使い分けができていたかといえば疑問符をつけざるを得ないプレー、有り余るパワーを制御し切れない「力任せ」なプレーが目についた。
 それが最も顕著に表れていたのが、四死球の多さで、選考会でありながら打者に当ててしまう、簡単に四球で歩かせてしまう、といったケースがあまりにも多かった。ボールのスピード・威力は申し分なく、変化球の切れも鋭い……にも関わらず、打者を打ち取る「術」を知らず、この状況で四死球を与えたらどういう状況に陥るか……という「想像力」が欠如しているようにも見えた。
 ただ、それらは「若さ」の裏返しでもあり、現段階では「粗削り」であっても、今後の「伸びしろ」や「大きな可能性」を残している「証」でもあるといえる。その秘めた「潜在能力」、個々が有する「ポテンシャル」の高さは、過去に「世界一」に輝いた世代の選手たちと比較しても勝るとも劣らないだけのものがあり、こういった選考会への参加経験や国際大会への出場、海外遠征を経験することで、その「潜在能力」「ポテンシャル」を一気に開花させ、「覚醒」する契機となることも多いだけに、「今後に期待」といったところか。

 選考会最終日(4月25日/木)は、すべての制約を外し、「完全な試合形式」での選考を実施。選手たちは最後の最後まで持てる力のすべてを振り絞ってプレーし、全力でアピール。3日間にわたる選考会の全日程を終了した。

2019年度 女子GEM3(U18)日本代表チーム 選手団名簿〈第8回女子U18アジアカップ出場〉

選手

No. 守備 氏名 所属
1 投手 鹿野 愛音 熊本県立熊本商業高等学校
2 新宮 怜美 京都西山高等学校
3 丸山 美海 栃木県立大田原女子高等学校
4 水本 すず 長崎市立長崎商業高等学校
5 和田 凜 兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校
6 捕手 片岡 美結 佐賀女子短期大学付属佐賀女子高等学校
7 福田 愛生 帝京安積高等学校
8 野手 荒川 めい 帝京安積高等学校
9 笠原 朱里 千葉経済大学附属高等学校
10 木下 華恋 清水ヶ丘高等学校
11 寺澤 夏海 飛龍高等学校
12 眞嶋 花 千葉経済大学附属高等学校
13 松本 沙耶 創志学園高等学校
14 森岡 真奈 東海学園高等学校
15 矢藤 輝羅菜 神奈川県立厚木商業高等学校
16 山本 星 兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校
17 吉金 亜希子 済美高等学校

スタッフ

No. 役職 氏名 所属
1 ヘッドコーチ 佐藤 洋介 千葉経済大学附属高等学校
2 アシスタントコーチ 藤本 索子 福岡県立三潴高等学校
3 アシスタントコーチ 山内 悠平 星城高等学校
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