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◎男子TOP日本代表レポート

令和6年度
男子TOP日本代表チーム
「選手16名」が決定!

全国の強者「64名」が選考会にチャレンジ!

自身もかつて「男子TOP日本代表」として、
「世界選手権第3位・準優勝」の実績を誇る
江口真史ヘッドコーチの手腕に期待!

7試合に及ぶ紅白戦で個々の実戦能力をチェック

「世界レベル」をイメージしながら、厳しい選考が続いた

今回のチームは投手陣が3名。
″先発完投型″ の布陣で挑む!

昨年の「U23ワールドカップ準優勝メンバー」も
投手・内野手・外野手に名を連ね、注目される

前回大会経験者は、あのときの ″悔しさ″ をぶつけて…

ファイナルステージへの切符をつかみ取れ !!

令和6年度 男子TOP日本代表チーム選手選考会/高知県高知市

令和6年度 男子TOP日本代表チーム選手選考会/高知県高知市

 去る6月11日(火)~14日(金)、高知県高知市/高知県立春野総合運動公園を会場に「令和6年度男子TOP日本代表チーム選手選考会」が開催され、全国から64名の選手がチャレンジ。4日間の厳しい選考を経て、「代表選手16名」(※第18回男子ワールドカップグループステージ出場選手)が正式決定となった。

 選考会では、冒頭で男子TOP日本代表・江口真史ヘッドコーチ(日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員長)が挨拶に立ち「まず、今回の選考会を開催するにあたって、全国から64名の選手の皆さんが『日本代表入り』をめざし『チャレンジ』してくれることを大変嬉しく思います。皆さんご存知のことと思いますが、日本の男子ソフトボールは昨年(2023年)ワールドカップの舞台でU23が準優勝、U18が優勝(※2大会連続4回目の世界一に輝く)とアンダーカテゴリーで素晴らしい成績を残しています。次は、私たち『TOPカテゴリー』が世界の舞台で『躍動・躍進』する番です! 特に、ここに集まってくれた皆さんはジュニア世代の選手たちにとって、常に ″めざすべきところ″ ″希望″ となってもらわなければなりません。世界トップレベルに挑む技術を磨き、競技力を向上させていくことはもちろん第一なのですが、同時に『人間力』といった部分もさらに高めていってもらいたい。若い選手・子どもたちの良きお手本となり、多くの人が憧れるような『真の意味で誇れる』日本代表選手をめざしてください‼」と参加選手を激励。
 「この選考会で選出された『日本代表選手16名』には、今年9月、アメリカで開催される『ワールドカップグループステージ』に出場し、来年のファイナルステージ進出(※A・B・Cの各グループ上位2チームにファイナルステージ出場権が与えられる)をかけて世界の強豪と戦ってもらいます。私自身もかつて日本代表として世界の舞台を経験しましたが(※江口真史ヘッドコーチも過去に男子TOP日本代表の内野手:三塁手として世界選手権(現・ワールドカップ)に二度出場。当時の日本の主砲:4番打者で、現在日本ソフトボール協会専務理事の要職にある岡本友章氏らと世界の強豪に挑み、1996年の第9回大会で初の3位入賞、2000年の第10回大会では準優勝の快挙を成し遂げる等、男子日本代表の黄金時代を築いた)、そこで得たモノ、学んだことがたくさんあり、その一つひとつを『男子日本代表のレガシー』としてしっかり継承していきたいと考えています。日本代表選手16名という枠はまさに狭き門で、選ばれし者のみ与えられる立場となりますが、どうか皆さん ″4日間全力で″ 頑張ってください! ともに世界の舞台で戦いましょう!!」と今後の方針や自らの熱い想いも口にした。

 選考会初日はまず参加選手全員の体力・運動能力を測定。握力、背筋力、50m走、6秒全力ペダリングと4種目の測定で各選手の基本的な運動能力をチェック・数値化。並行して江口真史ヘッドコーチ・選手との個人面談も実施し、その後、投手の球速測定、捕手のスローイング(盗塁阻止を想定した二塁への送球)計測、野手のフリーバッティング等が行われた。
 選考会2日目以降は64名の参加選手をA・B・C・Dの4つのグループに振り分け、紅白戦形式で対戦させる実戦主体の選考内容に終始。2日目~4日目(最終日)の午前中まで、「合計7試合」に及ぶ紅白戦で選手一人ひとりの「実戦能力」(※投手は与えられたイニング数の中でどこまで実力を発揮できるか、野手は打撃、守備、走塁といった基本的な要素に加え、攻守における特徴・ストロングポイントの有無、実戦の中での状況判断能力やそこで選択したプレーの有効性・確実性、また、それらの要素・能力が『世界に通用するレベル』にあるかどうか等)を厳しくチェック。各選手最終日の紅白戦のラスト一球・ワンプレーまで懸命にアピールを続け、4日間にわたる選考会の全日程を終了した。

 男子TOP日本代表・江口真史ヘッドコーチは今回チームを編成するにあたり「前回(2022年)のワールドカップでは ″まさか″ の7位に終わってしまい、本当に悔しい思いをしましたが……同時に現在の、まさにリアルな『世界トップレベル』(男子ソフトボールのトップオブトップ)を直接肌で体感してくることができました。私が日本代表として世界と戦ったあのときから、時代は流れ、男子ソフトボールのレベル・競技力は間違いなく上がってきています。そのトップレベルに本気で対抗していくためには、この選手選考の段階から明確な目的・意図を持って入念に『勝つための準備』を進めていかなくてはなりません。この選考会を開催する以上は、もちろんすべての選手に公平にチャンスを与えます。大学生であろうが、クラブ、実業団チームであろうが、日本リーグ所属チームであろうが、同じ条件・同じ土俵で競い、高め合ってほしい。ですが、その選手たちを選考するための大きなポイントとして常に『世界の舞台で通用するレベルにあるか』という観点が私の中にあるのも事実です。今回合計7試合に及ぶ紅白戦が選考のメインとなりますが、個々のプレーの結果をただ見ているわけでは決してありません。投手ではそれぞれの特徴や球種の質、精度、あらゆる状況に置かれてもピッチングを組み立て、まとめていく能力があるか否か。打者も海外の投手の球速・球威、変化球のキレ(変化量の大きさ)に負けない、対応できる能力を有しているかどうか。バットの出し方やスイングの軌道も確認して、ライズに合うバッター、ドロップに合うバッターは誰か……小技はできるか? 機動力はあるか?? といった部分まで必ず私は『国際大会を戦うイメージ』をしながら選考するよう心がけています。常に世界レベルをイメージして、その舞台に挑むための、勝つための『準備』を徹底して行うこと。言うならば、この選手選考会からワールドカップへの準備・強化ははじまっているのです」と自身の考えを述べた。

カギとなる ″国際舞台での経験″
ベテラン・若手の力を融合して!

 今回発表された「男子TOP日本代表16名」の顔ぶれを見ていくと、16名全員がこれまでTOP・U23・U18(※選手が代表入りしていた当時はU19)といずれかのカテゴリーで一度は日本代表に名を連ね、国際舞台を経験しており、国内での活躍・実績はもちろんのこと、その「国際経験値」に期待が込められる陣容になったと言っていいだろう。

 投手は池田空生(Honda)、小野寺翔太(トヨタ自動車)、長井風雅(Honda)の3名。3名とも球速120㎞/h後半、球威・切れ味抜群の「ライズボール」が最大の武器であり、その「パワーピッチング」がTOPカテゴリーのワールドカップでどこまで通用するか!? 世界の舞台で上位進出を果たすためには ″投手陣の安定・踏ん張り″ が必須となるだけに……まずもって大いに奮起してもらいたい。
 捕手は上田郁也(三重ヴェルデウィン)、片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)を選出。2013年から ″5大会連続″ で世界選手権・ワールドカップに出場してきたベテラン・片岡大洋が今回も捕手のみならずチームの「リーダー」となる。はじめてTOPチーム入りを果たした上田郁也にその「豊富な経験」「世界の舞台で培ってきた嗅覚」を伝えるとともに、この二人で投手陣をどうリードしていくか。世界で日本が躍進するためには「バッテリーの出来・働き」が非常に重要になってくる。
 内野手に名を連ねたのは井上裕太郎(平林金属)、大川竜志(ジェイテクト)、櫻庭佑輔(三重ヴェルデウィン)、鳥山和也(平林金属)、西田勘汰(埼玉県庁クラブ)、真﨑海斗(トヨタ自動車)、八角光太郎(平林金属)の7名。守備のみならず「打撃」でも期待がかかるこの顔ぶれを ″元・日本代表内野手″ 江口真史ヘッドコーチがどのポジションに配し、どう起用していくか……興味深いところ。対戦相手や試合の状況・展開によって、臨機応変かつフレキシブルな采配を振るうがための選出であることが見て取れるが、その中でも近年多くの関係者が「今の日本の主砲に相応しい!」と評価してやまない「真﨑海斗のスケールの大きい、勝負強いバッティング」に注目したい。
 外野手は黒岩誠亥(トヨタ自動車)、佐藤光希(トヨタ自動車)、浜本悌(平林金属)、森田裕介(豊田自動織機)の4名を選出。ここでは2019世界選手権準優勝メンバーでもある黒岩誠亥、森田裕介がそのキャリアに裏打ちされた知識・技術でリーダーシップを発揮することが予想されるが、今「旬」を迎え、直近の国際舞台でも「日本代表に欠かせない選手」として「抜群の存在感」を示した佐藤光希、浜本悌が今回攻守両面で ″キープレーヤー″ となりそうだ。4名ともまずしぶとく出塁する打撃を売りにしているが、試合の状況やチームでの役割によっては「送ること、つなぐこと、返すこと」を実践・遂行できる「引き出しの多さ」を持ち合わせている。日本の技術の高さ(いわゆるジャパンクオリティ)を体現できる選手たちと言っても過言ではないだろう。

世界トップレベルに挑む ″準備・強化″ を !!

 先にふれた江口真史ヘッドコーチのコメントにもあったように、前回の「第17回男子ワールドカップ」(※2022年11月26日~12月4日、ニュージーランド・オークランドを舞台に開催された)で日本男子ソフトボール史上初の優勝・世界一を期待されながら「屈辱の7位」に終わった男子TOP日本代表チーム。今回編成されたチームには当然のことながら、「男子TOP日本代表復活・躍進」のミッションが与えられることになる。

 先日メキシコ・エルモシージョにおいて開催された「グループステージ:グループA」では、ドミニカ(※グループA1位)、オーストラリア(※グループA2位)の2チームがファイナルステージへの出場権を獲得。もともと ″野球″ が盛んな国柄で「強打」「攻守にパワフルなソフトボール」を売りにするドミニカ、「現・世界No.1サウスポー」(※2022ワールドカップ&2023U23ワールドカップ優勝投手)ジャック・ベスグローブという「絶対的切り札」を擁する「前回大会チャンピオン」オーストラリアがまず最終ステージへ名乗りを上げる形となった。

 実際このグループAの戦いを映像でご覧いただくと、男子ソフトボールTOPカテゴリーにおける「世界のレベル」が年々着実に「上がってきている」ことが見て取れる。MAX135㎞/h超のジャック・ベスグローブでさえ、少し気を緩めれば痛打される……そう感じてしまうほど世界の強豪国の「打撃」には「破壊力」があったし、ジャック・ベスグローブも ″ここぞ!″ の状況でギアチェンジしてくれば(本気になってかかれば)、球速・球威・変化球のキレ・コントロールとすべての要素において「投球の精度」がグンと跳ね上がり、最終的には相手打線を「抑え込んでしまう」といった「異次元のピッチング」(未だ底知れぬ実力)を披露していた。

 世界の舞台で日本が上位進出を果たすためには、この領域の、「世界トップレベル」の強豪国と対し、「勝利」をつかまなければならない。その ″準備・強化″ をいかにして進めていくかが何より大切で、今後掲げられる「最重要課題」となるのは言うまでもないだろう。
 前回のワールドカップ総括でも記したが(『◆WBSC第17回男子ソフトボールワールドカップを振り返って』はこちら)、あの経験・悔しさを必ずや ″次″ につなげていくこと。ジュニアカテゴリーで4度世界を制し、上位常連とされる日本が ″TOPで勝てない″ (なかなか上位に食い込むことができない)のはなぜか? その壁を乗り越えるために、何をしなければならないのか?? 大会を戦う選手たちだけでなく、協会・関係者も一丸となって具体的に動き出さなければ……未来は厳しいものとなってしまう。

 かつて ″世界選手権第3位・準優勝″ と男子TOP日本代表の黄金時代を築いた江口真史ヘッドコーチが、今回のチームにどんなスパイスを加え、鍛え上げていくか!? その「手腕」に大いに期待するとともに、まずは日本の「グループステージ突破・ファイナルステージ進出」という朗報を信じて待ちたい。

 男子TOP日本代表チームは今後、アメリカ・オクラホマシティにおいて開催される「第18回男子ワールドカップグループステージ:グループC」(※大会期日/9月17日~21日)に出場。同グループのアメリカ(世界ランキング7位)、グアテマラ(世界ランキング13位)、コロンビア(世界ランキング17位)、南アフリカ(世界ランキング18位)、オランダ(世界ランキング19位)と「ファイナルステージ進出」(※グループ内上位2チームがファイナルステージへ進出。ファイナルステージは来年(2025年)カナダ・プリンスアルバートにて開催される)をかけて戦うこととなる。

令和6年度 男子TOP日本代表チーム選手名簿


(第18回男子ソフトボールワールドカップグループステージ出場選手)

選手

No. UN. 守備 氏名 所属
1 11 投手 池田 空生 Honda
2 19 小野寺 翔太 トヨタ自動車
3 24 長井 風雅 Honda
4 12 捕手 上田 郁也 三重ヴェルデウィン
5 14 片岡 大洋 高知パシフィックウェーブ
6 4 内野手 井上 裕太郎 平林金属
7 6 大川 竜志 ジェイテクト
8 7 櫻庭 佑輔 三重ヴェルデウィン
9 35 鳥山 和也 平林金属
10 17 西田 勘汰 埼玉県庁クラブ
11 3 真﨑 海斗 トヨタ自動車
12 8 八角 光太郎 平林金属
13 10 外野手 黒岩 誠亥 トヨタ自動車
14 1 佐藤 光希 トヨタ自動車
15 42 浜本 悌 平林金属
16 23 森田 裕介 豊田自動織機

スタッフ

No. 役職 氏名 所属
1 チームリーダー 岡本 友章 日本ソフトボール協会
2 ヘッドコーチ 江口 真史 トヨタ自動車
3 アシスタントコーチ 吉村 啓 平林金属
4 アシスタントコーチ 照井 賢吾 高崎市役所
5 マネージャー 衣斐 一平 豊田自動織機
6 トレーナー 簀戸 崇史 環太平洋大学
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