来年2月のワールドカップに向けて、男子U18日本代表が始動!
女子TOP日本代表に続き、沖縄県読谷村で強化合宿を実施した
前回大会に出場した「先輩」も駆け付け、強化合宿をサポート!
(※画像は『協力員』として合宿に帯同してくれた小野寺翔太投手)
守備に、打撃に、走塁に…1分1秒を惜しむように「強化」が図られた
自身も現役時代「日本代表」として「世界選手権準優勝」を経験した
笹岡裕之コーチが打撃面を熱血指導! ❝世界の強豪と戦う術❞ が説かれた
国際舞台での打撃は「ボールの見極めとアウトコースのさばき」がカギ。
その打ち方(対応力)を磨くため、入念な課題練習が行われていく……
田中徹浩ヘッドコーチも前回大会同様「積極的に『機動力』で揺さぶる !! 」
と意欲を見せ、選手たちを鼓舞。2大会ぶりの王座へリベンジに燃えている
大会本番はオリンピックイヤーとなる2020年2月。
日本のソフトボールの初陣を「世界一」で飾ろう !!
来年2月、ニュージーランド・パーマストンノースにおいて開催される「WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップ/大会期日:2月22日~3月1日 ※大会情報(予選ラウンドのグループ分け等)はこちら → https://u18mswc.wbsc.org/en/2020 」で“2大会ぶりの王座奪還”をめざす男子U18日本代表が、去る12月23日(月)~26日(木)の4日間、沖縄県読谷村/平和の森球場にて第1次国内強化合宿を実施。大会本番を見据え「本格的な強化」に励んだ。
この第1次国内強化合宿には、11月21日~23日、高知県高知市/高知県立春野総合運動公園を会場に実施された「令和元年度男子U18日本代表チーム選手選考会 ※選考会のレポートはこちら → http://www.softball.or.jp/news/mens-u18-2019/report/1129.html 」で選び抜かれた「男子U18日本代表選手(16名)」が参加。2016年(第11回大会)以来となる「世界一の座」をめざし、まず「チームとして一つになる」こと、その上で「世界のトップを勝ち獲るため」に「必要不可欠」な「技術・メンタル」を個々が身に付け、磨き、「本物の戦士」となる取り組みが行われた。
代表選手たちは初日(12月23日/月)、沖縄那覇空港に集合し、一路合宿地となる読谷村へ。その日の夜のミーティングで田中徹浩ヘッドコーチを中心に早速今回のチームの「あるべき姿」「めざすべき方向性(※このU18ワールドカップで“優勝して終わり”ではなく、『日本を代表する選手』として常に『トップレベル』を追い求め、ここからU23、TOPチームと『ステップアップ』を果たし、『真の世界一』を勝ち獲ること!! )」を再確認。2017アジアジュニア選手権時から日本代表に名を連ね、国際経験豊富な永吉飛斗(鹿児島工業高)が「キャプテン」に抜擢され、チームの士気も高まり、翌日からはじまる強化練習へ「想いを一つ」にした。
2日目(12月24日/火)からは、いよいよ「U18ワールドカップ優勝」「王座奪還」をめざして本格的に始動。世界の強豪との戦いを見据えた「守備・打撃・走塁の強化」が図られ、選手たちの一挙手一投足をコーチングスタッフが入念にチェックしながら「熱い指導」が繰り返された。
特に打撃面においては、自身もかつて「世界選手権準優勝(※2000年、南アフリカ・イーストロンドンで開催された『第10回世界男子選手権大会』に日本代表として出場し、『準優勝』。現・男子TOP日本代表ヘッドコーチの岡本友章氏らと世界の舞台で戦い、日本男子に『黄金時代』をもたらした)」を経験した笹岡裕之コーチが「ボールの見極めとアウトコースのさばき」に重きを置き、徹底指導。
「TOPチームが戦った今年6月の世界選手権(※チェコ・プラハで開催)でも顕著に表れていたが、国際舞台においては『ボールの見極めとアウトコースのさばき』が非常に重要になる。決勝戦(日本 vs アルゼンチン)の映像をチェックしてもらうと明らかだが、打撃に関していえば、日本打線は試合を通してアルゼンチンの先発右腕/ウエムル・マタの『アウトコースに投げ込む球』をさばき切れなかった。逆にアルゼンチン打線は、最後の最後でそのアウトコースの球にキッチリ対応。左打者が見事に狙いすまし、逆らうことなく『逆方向へ痛烈な打球(決勝タイムリー)』を放って見せた。あの一戦は確かに球審のジャッジがシビアだった(内外角のストライクゾーンがとにかく広かった)し、日本の感覚では“あり得ない”条件で試合が進行していたと思う。それでも……アルゼンチンはあの厳しいアウトコースの球をさばいて見せた。しっかりとらえて、狙い通り強く打ち返して見せた。私は現地でその光景を観ていたわけではないが、それこそが優勝チームと準優勝チーム(世界一を手にしたチームと逃したチーム)の『差』ではなかったか?と感じている。いくら粘り強く守っても、攻撃でチャンスを作り続けても、最終的に『決定打』が出なければ試合に勝つことはできない。私のこれまでの経験からしても『国際大会はアウトコースのストライクゾーンが広くなる』傾向にある。相手がトップレベルの投手になればなるほど、クレバーな投手になればなるほど、そのゾーンを“有効”に突いてくることだろう。『世界の頂点を争うレベル』では“甘い球などこない”と考えておいたほうがいい。日本国内とは違う『もう一段階上のレベルのスピード(球威)・変化球のキレ』にも各々がどう対応していくか?? 何よりそのレベルで勝負できる『準備』をしておかなければならない!」と自らの国際舞台での経験をもとに、「世界使用の打撃論」が説かれた。
また、田中徹浩ヘッドコーチは前回大会「日本の武器」となった「スピード(機動力)」を今回も最大限活用することを選手たちに伝え「相手守備を崩し、かき回す攻撃」の重要性を改めて強調。
「TOPのカテゴリーに比べ、このU18(ジュニア)のカテゴリーが圧倒的に劣る部分といえば各国の守備力。その相手の『守備の脆さ』を攻撃でいかに突いていくかというところも大きなポイントになる。前回大会でも攻撃面は『積極的に足を絡め、相手守備を揺さぶる』戦術を前面に押し出していったが、そこはしっかり継続させたい」と攻撃面における戦略を選手たちに伝えると、「“力対力”ではどうしても我々が“不利”になってしまう。打撃においても強く振るだけでなく、足でプレッシャーをかけて相手守備の陣形を崩し『空いたスペースに嫌らしい打球』を転がしたりと……個々に『引き出し』『バリエーション』を多く持っておいてほしい。その場その場の状況で、出塁するのか、仕掛けるのか、走者を還すのか、的確に判断していくこと。日本のストロングポイントである『スピード(機動力)』を活かした『変幻自在の攻撃』を展開していこう!」と自身の想い・考えも熱く投げかけられた。
前回の「2018第12回世界男子ジュニア選手権大会」では、攻撃面において日本の「スピード(機動力)」が随所に発揮され、それが相手を苦しめる術となっていたことは確かだった。
「隙あらば仕掛ける!! 」積極果敢な姿勢は日本選手の特性とうまく噛み合っていたともいえ、予選リーグ初戦(アルゼンチン戦)では、0-0で迎えた3回裏、一死からライト前ヒットで出塁した走者が「相手捕手の肩が弱い」と見るやすかさず二盗! 二死後、積極的に三盗を仕掛けて相手守備の乱れを誘発、一気に本塁まで還り大事な先制点をもぎ取った場面は象徴的であり、チームを勢いづけるキッカケにもなったまさに「日本らしい攻撃」であった。また、決勝トーナメント初戦(予選1位・2位戦/ニュージーランド戦)の初回、二死一・三塁から仕掛けた「絶妙なダブルスチール」も鮮明に記憶に残っている。ここも単純な仕掛けとは一味違い、三塁走者が一塁走者の二盗でディレード気味に様子をうかがうと、「捕手の二塁への送球が若干遅れた」一瞬の隙を突いて迷わず本塁突入! 巧みなスライディングで捕手のタッチをかいくぐり、流れを呼び込む先取点を「足」でもたらした代表的なシーンだったといえる。
ただ、最後のゴールドメダルゲーム(優勝決定戦/オーストラリア戦) で「完全な力負け」を喫してしまったという「事実」は決して忘れてはいけない。試合の内容としては「ノーヒット、14三振」、「要所で2本のホームランを浴びる」等1-6で敗れたわけだが、打撃でいえば「本気」になったオーストラリアの「エース」レイトン・リードの切れ味鋭い「もう一段階上のレベル」のライズ・ドロップについていくことができなかった。パスボールの間に何とか1点を挙げはしたものの、残念ながら最後まで「打って取れるような雰囲気はなかった」というのが正直なところでもあった。
立ちはだかる世界一線級の投手を攻略し、「頂点」を極めるためには……先に記した「決定打を放つ力」と「スピード(機動力)」を融合させられるか否かがカギとなる。笹岡裕之コーチが説いた「ボールの見極めとアウトコースのさばき」を身に付け、磨いた上で、田中徹浩ヘッドコーチ得意の「仕掛け(足で揺さぶる攻撃)」も織り交ぜていく。チームとしてそれをしっかり「体現」できたとき、“2大会ぶりの王座奪還”がより現実味を帯びることだろう。
一方、投手陣については今回の合宿で他チームと対戦を重ね「本当の実戦感覚を養う」ことこそできなかったが、「大会本番」で個々がいかに力を発揮していくかが引き続きポイントになりそうだ。
「球速120㎞/h超えのライズボール」で押し、「先発投手の柱」として試合を作る働きが求められる稲垣拓朗(新島学園高)。「打者の膝元へ鋭く落ちるドロップ」を武器に「相手の目先を変えるキーマン」としてアクセントになりそうな池田蓮(鹿児島工業高)、八木孔輝(松山工業高)。日本人投手らしい「内外角・高低をキッチリ突けるコントロール」を有し、投手陣の中で「頼れる存在」でもある池田響(熊本工業高)。4名の投手それぞれが自らの「持ち味」を出し切り、世界の強打者に臆することなく果敢に「チャレンジ」してくれることを期待したい。
来年(2020年)、いよいよ「オリンピックイヤー」を迎えるソフトボール。「WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップ」はその“注目が集まるシーズン”の先陣を切り、2月22日(土)、ニュージーランド・パーマストンノースにおいて開幕を迎える。
男子U18日本代表「選ばれし16名の戦士」たちが世界の舞台で躍動し、必ず「ワールドチャンピオン」となって日本のソフトボールを勢いづけてくれる! 我々はそう信じている。そして、その勝利のバトンを女子TOP日本代表に渡して★ 若き彼らに求める「役割」としてはいささか大きすぎるかもしれないが、ぜひそれを「意気」に感じ、思う存分戦ってもらいたい。
No. | 役職 | 氏名 | 所属 |
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1 | 団長 | 塩島 虎一郎 | (公財)日本ソフトボール協会 |
2 | ヘッドコーチ | 田中 徹浩 | 新島学園高等学校 |
3 | アシスタントコーチ | 安部 厚志 | 飛龍高等学校 |
4 | 〃 | 笹岡 裕之 | 高知県立佐川高等学校 |
5 | 総務 | 津本 大貴 | 長崎県立佐世保西高等学校 |
6 | トレーナー | 田岡 幸一 | Body Laboratory |