女子GEM3(U18)日本代表選手選考会を開催!
今回の選考会は現在の高校3年生を主な対象として実施された
選考会初日は打撃・守備の基本技術が厳しくチェックされた
「黄金世代」といわれる世代だけあってハイレベルの選考会となった
「実戦形式」の選考と並行して各種測定も実施!
選手たちは個々の「持ち味」「特徴」を懸命にアピール!!
今回の選考会で選出された17名のメンバーは「第4次国内強化合宿に参加。
女子TOP日本代表を筆頭に、GEM1~4のすべての代表選手が沖縄に集結
去る8月31日(木)~9月2日(土)の3日間、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に、「平成29年度 女子GEM3(U18)日本代表選手選考会」(2017年 女子GEM3(U18)日本代表チーム第4次国内強化合宿派遣選手選考会)が実施され、全国各都道府県支部の推薦を受けた40名の選手が参加。代表選手17名を選考する「狭き門」に挑んだ。
「女子GEM3」は本来なら「U19」(19歳以下)を対象とするカテゴリーであり、本年度はすでにその「U19」を対象とした「第12回世界女子ジュニア選手権大会」(7月24日~30日/アメリカ・フロリダ州クリアウォーター、大会結果、出場選手はこちら)が開催されており、その大会に女子GEM3(U19)日本代表チームを編成・派遣。「宿敵」アメリカに決勝で敗れたものの、準優勝という成績を残している。
ただ、その「第12回世界女子ジュニア選手権大会」が、インターハイの開催と重なってしまったため、多くの高校3年生は「世界の舞台」への挑戦を優先させるのか、それとも高校生活3年間の「総決算」であり、3年間苦楽をともにしてきた「仲間」とともにめざすインターハイ出場を選ぶのかという「難しい選択」を迫られる結果となった。
その結果、「第12回世界女子ジュニア選手権大会」の選手選考会への参加を「辞退」する決断を下した選手も多かったことから、今回、その「難しい選択」をせざるを得なかった現在の高校3年生を主な対象とした「U18」の選手選考会を開催することとなった。
(公財)日本ソフトボール協会・矢端信介選手強化副本部長は、「本年度の高校3年生には、すでに女子TOP日本代表に名を連ねている勝股美咲、切石結女がおり、それを見ても、この世代が『黄金世代』と呼ばれるような将来有望な選手が多い世代であることがわかると思います。残念なことに、『第12回世界女子ジュニア選手権大会』と『インターハイ』の大会日程が重なってしまったため、選考会を辞退せざるを得なかった選手が多数いたのも事実で、世界選手権の選考会に参加できなかった選手たちにもう一度チャンスを与え、私たちもこの目で選手たちをしっかりと見てみたいと考え、世界選手権に参加した選手を除き、再度選考会を行うことにしました」と、今回の選考会開催の意図・狙いを語った。
確かに、勝股美咲はすでに「東アジアカップ」「日米対抗」「JAPAN CUP」等で女子TOP日本代表の一員に名を連ね、実際に登板する機会も得て、大きな期待を集め、注目を浴びている。切石結女は本年度の国際大会出場の機会こそなかったものの、「大型捕手」として将来を嘱望される立場にあることに変わりはなく、その「潜在能力」の高さは誰もが認めるところである。
また、「JAPAN CUP」までを一区切りとし、「見直し」が予定されている女子TOP日本代表に、この二人だけではなく、この世代からさらなる「大抜擢」「サプライズ」があるのでは……との「噂」もあり、女子TOP日本代表の「世代交代」を一気に加速させる「新世代の旗手」となる選手が出現するとすれば、この世代からではないか……と囁かれているのは事実である。
選考会は、8月31日(木)の午後1時にスタート。各自ウォーミングアップ、キャッチボール、トスバッティングを済ませ、まずは「守備」の基本技術が選考され、選手個々の「第1希望」のポジションでのシートノックで、基本的なグラブさばき、打球への反応、守備範囲の広さ、肩の強さ、スローイングの正確性等を細かくチェック。複数ポジションをこなせる選手は「第2希望」のポジションでもノックを受け、守備の基本技術が確認された。
ピッチャーはまずシートノックを受けた後、スピードガンによる球速測定が行われ、自らの球種を申告した上で、1球1球、その球速を測定すると同時に、変化球の切れ、コントロール等がチェックされた。
キャッチャーは、盗塁の阻止を想定したスローイングのタイム測定も行われ、肩の強さとスローイングの正確性とともに、捕球してからどれだけ早く、正確に、各塁へ送球することができるか、敏捷性や機敏さも含めてチェックされた。
その後、「打撃」の基本技術の選考に入り、まずロングティーで基本的なバッティングフォーム、スイングスピード、バットコントロール、ミートの正確性、打球の飛距離等が厳しくチェックされ、フリーバッティングでは、実際のピッチャーの投球への対応やタイミングの合わせ方が選考の要素に加えられ、個々の打撃力についての評価が行われ、初日の選考を終了した。
翌日からは、参加選手を3つのグループに分け、「実戦形式」での選考がスタート。また、チーム編成が3チームとなったこともあり、「実戦」での選考と並行して、対戦の空いたチームは、遠投、「盗塁」を想定した塁間走、二塁から本塁への生還を想定したタイム計測も行われた。
「実戦形式」での選考では、実際の試合の中で、ピッチャーは相手打者を打ち取るためにどんなピッチングができるかに主眼が置かれ、キャッチャーはピッチャーの長所、特徴を引き出すようなリード、配球ができるか、野手は刻一刻と変わっていく「実戦」での状況に応じて、アウトカウント、走者の有無、イニング、得点差に応じた守備ができているか否かが選考の対象となった。
一方、攻撃側は、打者を打ち取るために投球してくるピッチャーに対し、どのように対応するのか、狙い球の絞り方や状況に応じたバッティングができているか、自分の持ち味、特徴を生かすようなバッティングができているかどうか等、まさに「実戦」の中でしか、確認することのできない点が重点的にチェックされた。
また、現時点での「完成度」以上に、技術的な「伸びしろ」がどの程度残されているか、今後の「将来性」を有しているかといった点が重視され、「世界の舞台」で通用する、「国際大会」で活躍できる要素、潜在能力を有しているか否かも重要な選考基準となった。
3日間の厳しい選考を通過した17名の選手たちは、今年12月18日(月)~21日(木)、沖縄で実施される「第4次国内強化合宿」に参加することになる。
女子TOP日本代表を筆頭に、女子GEM1~4のすべてのカテゴリーの代表選手が一堂に会するという「一大イベント」は過去に例がなく、この「第4次国内強化合宿」が「初」の試みとなる。
「世界のトップレベル」で戦い続けている女子TOP日本代表をはじめ、各世代の代表選手が、同じとき、同じ場所で練習を行い、寝食をともにし、「世界一」という「めざすべき場所」を全員で改めて確認すること。
すべてのカテゴリーの選手たちが、女子TOP日本代表を「頂点」とした「SOFT JAPAN」の一員であり、「ALL JAPAN体制」で金メダル獲得のために一致団結、協力していくこと。
世代別の「日本代表」選手たちが合宿での交流を通じて、自らの経験や実体験を語り合い、「日本代表」としての伝統の継承を行っていくこと。
それぞれの世代が、どんな思いで、どれほどの努力を重ねているかを、目の当たりにし、肌で感じること。
それこそが、この合宿実施の趣旨であり、ここで「新たな刺激」を受け、その思いを「共有」することで、「SOFT JAPAN」に連なるすべての選手が、より強く、より逞しく成長していくことができるはずである。
新たに選出された「女子GEM3(U18)日本代表」の選手たちにとっても、この合宿への参加が、「新たな刺激」となり、今後の「成長」への契機となることを期待したい。
No. | 守備 | 氏名 | 支部 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 投手 | 坂本 実桜 | 岡山県 | 創志学園高等学校 |
2 | 〃 | 佐藤 有紗 | 千葉県 | 木更津総合高等学校 |
3 | 〃 | 曽根 はん奈 | 静岡県 | 飛龍高等学校 |
4 | 〃 | 増田 侑希 | 香川県 | 香川県立高松南高等学校 |
5 | 捕手 | 大越 玲那 | 岩手県 | 花巻東高等学校 |
6 | 〃 | 小島 あみ | 鹿児島県 | 神村学園高等部 |
7 | 〃 | 藤原 麻由 | 兵庫県 | 兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校 |
8 | 内野手 | 伊波 菜々 | 東京都 | 日出高等学校 |
9 | 〃 | 奥田 芽衣 | 岡山県 | 創志学園高等学校 |
10 | 〃 | 工藤 環奈 | 岩手県 | 花巻東高等学校 |
11 | 〃 | 小西 彩未 | 千葉県 | 木更津総合高等学校 |
12 | 〃 | 白石 穂花 | 兵庫県 | 神戸野田高等学校 |
13 | 〃 | 炭谷 遥香 | 兵庫県 | 兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校 |
14 | 外野手 | 上杉 緋呂 | 千葉県 | 千葉経済大学附属高等学校 |
15 | 〃 | 大谷 聖良 | 愛知県 | 東海学園高等学校 |
16 | 〃 | 白石 千晴 | 岡山県 | 創志学園高等学校 |
17 | 〃 | 山田 柚葵 | 三重県 | 伊勢学園高等学校 |