2016
GEM3は、女子TOP日本代表に連なる強化事業の「サードステップ」というべき段階であり、高校2年生・高校3年生、大学1年生、日本リーグ(実業団)、クラブチーム等の1年目の選手が対象となる。
2016年(平成28年度)のGEM3の強化事業は、12月5日(月)~7日(水)の3日間にわたり、愛知県安城市・デンソー女子ソフトボール部グラウンドを会場に、国内強化合宿を実施した。
本来であれば、12月7日(水)~13日(火)、タイ・チャイヤプームで開催が予定されていた「第11回アジア女子選手権大会」に派遣され、中国、チャイニーズ・タイペイといった「アジアの強豪」の「一つ上のカテゴリー」である「フル代表」を相手に大会に参戦する予定が組まれていたが、タイ国王の死去により、国全体が「喪に服す」意味もあり、大会が中止となってしまい、貴重な強化の機会、大会への派遣機会を逸してしまった。
このままでは、せっかく選ばれた選手の活動・強化の機会を失ってしまうと、日ソ協選手強化本部会、GEMプロジェクト委員が奔走。日本リーグ所属チーム、各党道府県協会に協力を要請し、1部リーグに3チーム(トヨタ自動車、豊田自動織機、デンソー)が所属する愛知県、デンソーの本拠地である安城市での強化合宿が実現した。
この合宿では、GEM1(女子U14日本代表)中央選考会でお馴染みの、日本体育大・船渡和男教授に協力を仰ぎ、選手個々の測定を実施。選手たちが現時点でどの程度の身体能力・運動能力を有しているかをチェック。測定項目は、柔軟性(長座体前屈)、筋力(握力、背筋力、上体起こし、腕立て伏せ)などに加え、遠投力、走能力テスト(30m走)、反復横とび、立ち幅跳び、メディシンボール投げなど、フィールドテストも実施。今後の選手強化に必要な貴重なデータを測定し、積み上げていくと同時に、選手たちの基本的な身体能力・運動能力が「評価」された。
合宿2日目・3日目は、日本リーグ1部に所属するトヨタ自動車、豊田自動織機、デンソーの協力もあり、女子TOP日本代表に選出されている選手を多数含む「愛知県選抜」とのテストマッチが実現。すでに「日本代表」として実績を残している長﨑望未、川畑瞳らに痛打を浴び、新たに女子TOP日本代表に選出された海部栞菜に抑え込まれるシーンや鈴木鮎美のプレイに圧倒される場面もあったが、今持てる力の「すべて」を発揮し、世界のトップレベルで戦い続ける「偉大な先輩」たちを相手に、「全力プレイ」で挑み、強化に励んだ。
平成28年度のGEM3(女子U19日本代表)には、投手陣には、今シーズン、日本リーグの新人賞に輝き、すでに女子TOP日本代表にも選出されている田内愛絵里、同じく女子TOP日本代表に名を連ね、将来を嘱望される「期待の高校生」勝股美咲がおり、野手でも、「次世代の4番打者」として期待され、日本リーグでも5試合連続6本塁打という「離れ業」を演じ、女子TOP日本代表にも選出されている那須千春(今回の合宿には体調不良のため、不参加)、リーグ終盤、飛距離抜群の本塁打を放ち、「天性のホームラン打者」としての片鱗を見せた大型スラッガー・北口美海、今回の合宿でも豪快なホームランを放つ等、その潜在能力の高さは誰もが認める中西舞衣等、将来性豊かな選手が目白押し。
過去、このGEM3のカテゴリーにあたる「U19日本代表」からは多数の「オリンピアン」を輩出しており、1987年の第3回大会のメンバーからは、松本直美(1996年アトランタ4位、2000年シドニー銀メダリスト)、山路典子(1996年アトランタ4位、2000年シドニー銀メダリスト、2004年アテネ銅メダリスト)、児玉千佳(1996年アトランタ4位)。1991年の第4回大会のメンバーからは小林京子、原田教子、塚田恵美、吹田育子(以上、1996年アトランタ4位)、小関しおり(2000年シドニー銀メダリスト)。1995年の第5回大会のメンバーからは髙山樹里(1996年アトランタ4位、2000年シドニー銀メダリスト、2004年アテネ銅メダリスト)、山田美葉(2000年シドニー銀メダリスト)、伊藤良恵(2000年シドニー銀メダリスト、2004年アテネ銅メダリスト)。1999年の第6回大会のメンバーからは上野由岐子(2004年アテネ銅メダリスト、2008年北京金メダリスト)、増淵まり子(2000年シドニー銀メダリスト)、佐藤理恵(2004年アテネ銅メダリスト、2008年北京金メダリスト)、三科真澄(2004年アテネ銅メダリスト、2008年北京金メダリスト)。2003年の第7回大会のメンバーからは坂本直子(2004年アテネ銅メダリスト)、狩野亜由美(2008年北京金メダリスト)。2007年の第8回大会からは峰幸代(2008年北京金メダリスト)。以上がGEM3(U19)日本代表メンバーを経て、オリンピアンとなり、メダリストとなっているだけに、今後のさらなる成長に期待したい。
*ポジション別五十音順
No. | 守備 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | 投手 | 奥野 初音 | シオノギ製薬 |
2 | 〃 | 勝股 美咲 | 多治見西高 |
3 | 〃 | 後藤 希友 | 東海学園高 |
4 | 〃 | 田内 愛絵里 | トヨタ自動車 |
5 | 捕手 | 鈴木 理恵 | 日立 |
6 | 〃 | 藤家 菜々子 | Honda |
7 | 内野手 | 貝沼 晴香 | 東京女子体育大 |
8 | 〃 | 加藤 美稀 | 東海学園大 |
9 | 〃 | 北口 美海 | ビックカメラ高崎 |
10 | 〃 | 重石 華子 | 日本精工 |
11 | 〃 | 高橋 真子 | Honda |
12 | 〃 | 中西 舞衣 | ビックカメラ高崎 |
13 | 〃 | 那須 千春 | 日立 |
14 | 外野手 | 麻生 佳奈代 | 伊予銀行 |
15 | 〃 | 加藤 亜実 | 園田学園女子大 |
16 | 〃 | 田波 里緒子 | 山梨学院大 |
17 | 〃 | 新居 かなえ | 日本体育大 |
No. | 役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | チームリーダー | 清水 正 | 山梨学院大 |
2 | ヘッドコーチ | 宗方 貞徳 | 厚木商業高 |
3 | アシスタントコーチ | 佐藤 洋介 | 千葉経済大附属高 |
4 | トレーナー | 髙松 久美子 | SIN CARE |
5 | GEM4委員 | 木田 京子 | 園田学園女子大 |
6 | GEM4委員 | 佐藤 理恵 | 東京女子体育大 |