日本、中国に3−0で勝利!
通算4勝1敗で2位の座をキープ!!
8月16日(土)、前日、王者・アメリカに屈辱的なコールド負けを喫した日本は、この日の第1試合で地元・中国と対戦。中国応援団一色に染まったスタンド。中国の勝利を信じる大声援。完全な「アウェー」の雰囲気の中、試合がはじまった。
■8月16日(土)/予選リーグ第5戦
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
計 |
日 本 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
中 国 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
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(日)○上野(6回)・坂井(1回)−峰(6回)・乾(1回)
(中)●呂(3回)・李(4回)−郭(7回)
〔本塁打〕佐藤(日)
〔二塁打〕狩野(日)
先攻の日本は初回、1番・狩野が四球を選び、2番・西山の送りバントがフィルダースチョイスで無死一・二塁。3番・山田が手堅く送り、一死二・三塁としたが、4番・馬渕がセカンドフライ。5番・佐藤の故意四球(Intentional Walk)で満塁とし、6番・三科がセンター頭上を襲う大飛球を放ったが、センターに好捕され、無得点。先取点のチャンスを逃した。
日本の先発は上野。先頭打者にいきなり安打を許してしまったが、後続をショートゴロ、連続三振に打ち取る落ち着いたピッチングを見せ、中国打線に得点を許さず、無難な形で試合をスタートさせた。
日本は3回表、一死から2番・西山が四球で出塁。3番・山田のヒット性の当たりがセンターに好捕され、二死となったが、4番・馬渕の一・二塁間深い位置への当たりが失策を誘い、一・三塁とチャンスを広げ、5番・佐藤が豪快にライトスタンドへ叩き込む先制のスリーラン。3点のリードを奪い、試合の主導権を握った。
日本はその後も、5回表、6回表と一死二・三塁の追加点の好機を作りながら得点を挙げることができず、7回表にも二死一・二塁と攻め立てながら無得点。相変わらずの「詰めの甘さ」が顔をのぞかせ、「勝負を決める1点」を奪うことができなかった。
守っては、先発・上野が6イニングを投げ、被安打5・奪三振6の力投。中国打線に得点を許さず、最後は日本が誇る「二枚看板」坂井が1イニングを締め、4勝目を挙げた。
試合後、斎藤ヘッドコーチは、まずはいつも通り、熱い声援を送ってくれるソフトボールファンや関係者、遠く中国・北京にまで応援に駆けつけてくれた応援団等に謝意を述べた後、「北京オリンピックのホスト国であり、決勝トーナメント進出を争う中国に勝って、4勝目を挙げられたことはよかったと思う。選手には、最初の山が初戦のオーストラリア戦で、二つ目の山がこの中国戦であることを強調してきた。まずは、その大事な試合に勝利できたことを素直に喜びたい。ホスト国としての誇りとプライドにかけ、ぶつかってきた中国はすばらしいチームだったし、そのチームに勝てたことを嬉しく思う」と、試合を振り返った。「ただ……残塁が多く、チャンスであと一本が出なかった。投手陣は頑張ってくれたと思う。残る2試合(ベネズエラ戦、カナダ戦)もチーム一丸となって戦い、集中力を高めて、プレッシャーを乗り越えたい。このプレッシャーこそがオリンピックだと思うし、そのプレッシャーに負けることなく、戦い抜いてくれる選手たちだと信じている」と、今日の勝利を喜びながらも、すでに気持ちは明日以降の戦いに向けられていた。
先制スリーランを放った佐藤は、「あの打席は、初回のチャンスを逃していただけに、何としても先取点がほしい場面だったし、チームのために何とかしようと必死だった。スリーボール・ワンストライクから、ただ強い打球を打つことだけを考え、無心で振り抜いた」と、殊勲のスリーランの場面を振り返った。
最後に、キャプテンの山田が、「先頭打者が出塁してチャンスを作り、しっかりとつないでチャンスを作るところまではできている。そこで決定打を奪うことができずにいるので……。一球一球に対する集中力をもっともっと研ぎ澄まし、チャンスを確実にモノにできるようにしていきたい」と、明日以降の戦いへ気を引き締め直し、記者会見を締めくくった。
佐藤のスリーランがあったとはいえ、安打はわずか2本。それでも相手投手の制球難と守備の乱れにつけ込み、何度もチャンスを作りながら、タイムリーが出なかった。昨日、大敗を喫したアメリカの投手陣は、5試合を終えた時点で被安打はわずかに「4」と、抜群の安定感を誇っている。1試合平均の被安打が1本にも満たないのであれば、負ける心配などあるはずもない。カナダ戦の初回に2つのイリーガルピッチなどでノーヒットで失点した他は、失点のピンチすらないといった状況だ。この相手がそうそうチャンスを与えてくれるとは思えないし、得点機を作るだけでも容易なことではないだろう。それこそワンチャンスをキッチリとモノにし、小差で逃げ切る試合展開しか日本の勝機はないといえよう。
一方、アメリカは打線もチーム打率が全チームの中で唯一3割を超え、ここまで5試合の総得点は36。 ホームランもメンドーザ、ブストスの3・4番コン ビがそれぞれ3本。トップバッターのワトリーが2本と破壊力も抜群だ。「世界一の投手」上野でさ え、アメリカ打線を完封した試合は2005年の「ジャパンカップ」の決勝、同年の「日米インターナショナルマッチ in 仙台」の第3戦の2試合しかなく、この強力打線を抑え込むのは「至難の業」であることは間違いない。それでも……このアメリカに勝たない限り、「金メダル」はないのも事実だ。
予選リーグも残り2試合、この日の最終ゲームでカナダがベネズエラに敗れるという波乱があり、明日、日本がベネズエラに勝ち、カナダがオーストラリアに敗れると、予選リーグ2位通過が決定。メダルが確定するというところまでやってきた。ただ……日本のめざすところはそこではない。唯一無二の目標、それは「北京オリンピックでの金メダル獲得」である。「銀」や「銅」では満足できない。金メダルを手にしてこそ、この物語は「完結」を迎えることができる。
北京オリンピック 予選リーグ第5戦 中国戦スターティングラインアップ
1番・ライト 狩野亜由美(豊田自動織機)
2番・ショート 西山 麗(日立ソフトウェア)
3番・センター 山田 恵里(日立ソフトウェア)
4番・レフト 馬渕 智子(日立ソフトウェア)
5番・ファースト 佐藤 理恵(レオパレス21)
6番・セカンド 三科 真澄(ルネサス高崎)
7番・サード 廣瀬 芽(太陽誘電)
8番・キャッチャー 峰 幸代(ルネサス高崎)
9番・DP 藤本 索子(レオパレス21)
DEFO/ピッチャー 上野由岐子(ルネサス高崎)
※選手交代
7回裏 上野OUT→坂井 寛子(太陽誘電)IN ※投手交代
〃 峰OUT→乾 絵美(ルネサス高崎)IN ※キャッチャーの守備に入る
第29回オリンピック競技大会(2008/北京) ソフトボール競技 予選リーグ戦績表
予選リーグ第5日終了現在
(戦績表はその日の最終試合が終了次第、更新します)
チーム名 |
日本 |
アメリカ |
オースト
ラリア |
中国 |
カナダ |
ベネズエラ |
台湾 |
オランダ |
勝 |
負 |
順位 |
日本 |
── |
●0─7 |
○4─3 |
○3─0 |
|
|
○2─1 |
○3─0 |
4 |
1 |
2 |
アメリカ |
○7─0 |
── |
○3─0 |
|
○8─1 |
○11─0 |
○7─0 |
|
5 |
0 |
1 |
オーストラリア |
●3─4 |
●0─3 |
── |
○3─1 |
|
|
○3─1 |
○8─0 |
3 |
2 |
3 |
中国 |
●0─3 |
|
●1─3 |
── |
●0─1 |
○7─1 |
|
○10─2 |
2 |
3 |
5 |
カナダ |
|
●1─8 |
|
○1─0 |
── |
●0─2 |
○6─1 |
○9─2 |
3 |
2 |
3 |
ベネズエラ |
|
●0─11 |
|
●1─7 |
○2─0 |
── |
●0─3 |
○8─0 |
2 |
3 |
6 |
台湾 |
●1─2 |
●0─7 |
●1─3 |
|
●1─6 |
○3─0 |
── |
|
1 |
4 |
7 |
オランダ |
●0─3 |
|
●0─8 |
●2─10 |
●2─9 |
●0─8 |
|
── |
0 |
5 |
8 |
|