ご覧になりたい試合を左から選んでください。  
   
北京オリンピック 第7日
中国・北京/豊台ソフトボール場(2008.8.18)


日本、カナダに圧勝!
最高の形で決勝トーナメントへ!!



 8月18日(月)、予選リーグ最終戦を残し、通算5勝1敗、すでに予選リーグの2位通過と「メダル」が確定している日本は、ここまで3勝3敗で4位のカナダと対戦した。


8月18日(月)/予選リーグ第7戦

  
  1 2 3 4 5 6 7
 日 本 0 2 2 0 0 2 0 6
 カナダ 0 0 0 0 0 0 0 0

(日)○上野(6回)・染谷(1回)−峰(7回)
(カ)●レギュラ(2回1/3)・マッキン(4回1/3)・ローリー(1/3)
−カンプストン(7回)
〔二塁打〕カンプストン、イー(カ)


 カナダの先発は左腕のレギュラ。日本は4年前のアテネオリンピックで完封負けを喫しており、これを契機として、「日本は左腕が苦手」が各国の合言葉となり、日本戦となると左投手をぶつけてくる傾向が強まった。
 しかし、日本がこの苦手の左腕を早々と攻略した。日本は2回表、この回先頭の6番・廣瀬が四球を選び、7番・三科の送りバントが失策を誘い、無死一・二塁。8番・峰のバスターで一死二・三塁とチャンスを広げ、二死後、1番・狩野の故意四球(Intentional Walk)で満塁となった後、2番・西山がレフト前にタイムリー。左投手攻略の「お手本」のような逆方向へのバッティング、見事な流し打ちを見せ、この回2点を先制した。これで勢いづいた日本は、続く3回表、一死から6番・廣瀬がライト前ヒットで出塁。7番・三科の当たりが失策を誘い、一・二塁とすると、8番・峰が詰まりながらもレフト前にタイムリー。まず1点を加え、なお二・三塁のチャンスが続き、9番・藤本がしぶとく一・二塁間を破り、1点を追加。この回2点を挙げると、終盤6回表には、6番・廣瀬、9番・藤本のタイムリーなどでダメ押しの2点を追加。カナダの誇る強力投手陣を完全に攻略した。
 守っては、エース・上野が6回を3安打無失点の力投。最後は染谷が1イニングを締め、6勝目を挙げ、予選リーグ最終戦を最高の形で締めくくった。
 試合後、斎藤ヘッドコーチは、いつものように熱い声援を送ってくれるソフトボールファンや関係者に謝意を述べた後、「上野がいいピッチングをしてくれた。打線もつながり、特に西山がいいところで打ってくれた。残塁が多いなどの課題もあるが、いい形で予選リーグ最終戦を締めくくり、決勝トーナメントへつながる試合ができた」と、試合を振り返った。決勝トーナメントの初戦でぶつかる「最大のライバル」アメリカ戦については、「日本のよさを出した試合をしたい。アメリカの投手陣は非常にレベルが高いので、数少ないチャンスを確実にモノにし、最少得点差を攻撃的な守りで守り切るような試合をしたいと思う」と、アメリカ戦へ向け、抱負を語った。
 エース・上野は、「狙いを持った投球をすることができ、ここで登板機会が与えられたことを嬉しく思う。調子は徐々に上がってきているが、調子がよいとか悪いとかに関係なく、試合を作ることができるピッチャーをめざし、やってきたつもりだし、オリンピックで勝つこと、金メダルを獲ることを目標にやってきたので、どんな調子であれ、負けるつもりはない」と語り、決勝トーナメントへ向け、「自分としては、すべての試合に投げるつもりで準備している。2試合だろうが3試合だろうが、投げ抜く覚悟でいる」と強い決意をにじませた。金メダル争いの最大のライバル・アメリカについては、「1・2番を出さないこと。アメリカは個々の役割がハッキリしていて、1・2番が出塁し、3・4番がそれを返すという攻撃パターンが確立している。出るべき選手を出させず、返すべき選手に返させない、そんなピッチングを心がけたい。また、全員がスタンドまで運ぶパワーを持っている強力な打線だが、ホームランだけは打たせないようにしたい。ホームランだけは守りようがなく、それだけで得点されてしまう。たとえ長打を打たれたとしても、得点を防ぐチャンスは残っているが、ホームランだけはどうしようもない。ホームランだけは避けるピッチングをしたいと思う」と、アメリカと戦う上でのポイントを自らに言い聞かせるように語った。
 ついに……アメリカとの「決戦のとき」がやってくる。決勝トーナメントの初戦をどう考え、どう臨むのか。先手必勝、勝って決勝で待ち受ける形を狙うか。それとも、予選1位・2位に与えられる「敗者復活」の特権を生かした戦略で勝負するか。いずれにしてもあと2つ勝つことができれば、「金メダル」を手にすることができる。
 しかし、その前に、2つ負けてしまえば、その時点ですべては終わる。冷酷なまでのサバイバルゲーム。「史上最強」の王者・アメリカを倒さない限り、「金メダル」はない。老練・したたかなオーストラリア、成長著しい伸び盛りのカナダも「最後の決戦」へ向け、牙を研ぎ、手ぐすねひいて待ち受けている。
 「金メダル」への道は厳しく険しい。しかし……日本にはそれをつかみとるだけの力があると信じている。明日、わずかな休息のときを経て、8月20日(水)、「最後の決戦」の幕が開く。

 
北京オリンピック 予選リーグ第7戦(最終戦) カナダ戦スターティングラインアップ

番・ライト    狩野亜由美(豊田自動織機)
2番・ショート   西山  麗(日立ソフトウェア)
3番・センター   山田 恵里(日立ソフトウェア)
4番・レフト    馬渕 智子(日立ソフトウェア)
5番・ファースト  佐藤 理恵(レオパレス21)
6番・サード    廣瀬  芽(太陽誘電)
7番・DP     三科 真澄(ルネサス高崎)
8番・キャッチャー 峰  幸代(ルネサス高崎)
9番・セカンド   藤本 索子(レオパレス21)
DEFO/ピッチャー 上野由岐子(ルネサス高崎)

※選手交代

5回裏 佐藤OUT→伊藤 幸子(トヨタ自動車)IN ※ファーストの守備に入る
7回表 上野OUT→染谷 美佳(デンソー)IN ※投手交代



第29回オリンピック競技大会(2008/北京) ソフトボール競技 予選リーグ戦績表

予選リーグ第7日終了現在
(戦績表はその日の最終試合が終了次第、更新します)

チーム名 日本 アメリカ オースト
ラリア
中国 カナダ ベネズエラ 台湾 オランダ 順位
日本 ── ●0─7 ○4─3 ○3─0 ○6─0 ○5─2 ○2─1 ○3─0 6 1 2
アメリカ ○7─0 ── ○3─0 ○9─0 ○8─1 ○11─0 ○7─0 ○8─0 7 0 1
オーストラリア ●3─4 ●0─3 ── ○3─1 ○4─0 ○9─2 ○3─1 ○8─0 5 2 3
中国 ●0─3 ●0─9 ●1─3 ── ●0─1 ○7─1 ●1─2 ○10─2 2 5 6
カナダ ●0─6 ●1─8 ●0─4 ○1─0 ── ●0─2 ○6─1 ○9─2 3 4 4
ベネズエラ ●2─5 ●0─11 ●2─9 ●1─7 ○2─0 ── ●0─3 ○8─0 2 5 7
台湾 ●1─2 ●0─7 ●1─3 ○2─1 ●1─6 ○3─0 ── ●2─4 2 5 5
オランダ ●0─3 ●0─8 ●0─8 ●2─10 ●2─9 ●0─8 ○4─2 ── 1 6 8

※5〜7位は同率チーム同士の勝敗で順位を決定(台湾2勝、中国1勝1敗、ベネズエラ2敗のため、5位・台湾、6位・中国、7位・ベネズエラとなる)


第29回オリンピック競技大会(2008/北京) ソフトボール競技 決勝トーナメント





 
copyright © 2002-2007 Japan Softball Association All rights reserved.