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医事委員会 アンチ・ドーピング

糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)のすべての注射経路の使用禁止について

 これまで、糖質コルチコイドについては、経口使用、静脈内使用、筋肉内使用又は経直腸使用のみ競技会検査で禁止され、関節内、関節周囲、腱周囲、硬膜外、皮内、吸入などの局所的な使用は禁止ではありませんでした。

 しかし、2022年1月1日より、全ての注射経路が競技会検査では禁止になりましたので、これまでの経口使用、静脈内使用、筋肉内使用又は経直腸使用のみならず、注射経路による局所的な投与部位である関節内、関節周囲、腱周囲、腱内なども禁止となりました。

 このうち、ソフトボール選手が特に注意しなければならないのが関節内注射です。関節内注射でよく使われるトリアムシノロンアセトニド(ケナコルトA®など)は、関節内注射で約10日間、筋肉内注射で約60日間残存します(下表参照)。関節内注射でも一部は周囲の筋肉に漏れますので、注射後1~2か月は体内に残存している可能性があり、シーズン開幕前の1~2か月以内に関節内注射をした場合、試合後の競技会検査で陽性になる可能性があります。陽性になるとJADAからTUEの遡及申請をするように指示がありますので、TUE申請書を主治医とともに作成し提出することになります。

 TUEが認められる条件として、①適切な臨床的証拠に基づく診断であること、②禁止物質・禁止方法が当該疾患に対する適応治療であり、他に代えられる治療方法がない、③健康を取り戻す以上に競技力を向上させない、という3条件をすべて満たす必要があります(これら条件は、事前申請、遡及申請いずれも同じです)。この中でしばしば問題になるのは②で、その選手の関節の疾患は、糖質コルチコイドの関節内注射以外の治療法が本当にないのかどうかという点です。他に治療法がないことをカルテの経過記録、レントゲン等の画像、検査データ等と一緒にTUE申請書の記載内容で証明できていればTUEは認められますが、TUE委員会で他に治療法があると判断されてしまうとTUEは認められません(遡及申請の場合、TUEが認められないと、すでに検査陽性の事実がありますので、直ちに違反になってしまいます)。

 このため、選手の皆さんは、糖質コルチコイドの関節内注射を行う前に、主治医に、①糖質コルチコイドの関節内注射は体内に2か月程度残存する可能性があること(個人差がありますので、人によってはもっと長期間残存するかもしれません)、②注射後2か月以内に試合に出て競技会検査で陽性になった場合、TUEの遡及申請をしなければならないこと、③TUEは他に治療法がない場合に限って認められること、を説明して、関節の状態や治療法について主治医からしっかりと説明を受けて下さい。そして、関節内注射をするかしないかの最終的な判断は選手自身が行って下さい。また、糖質コルチコイドの関節内注射を行った場合は、カルテのコピー、画像、検査結果等を準備してTUE申請に備えて下さい。

糖質コルチコイド投与のウオッシュアウト期間

経路 糖質コルチコイド ウオッシュアウト期間
経口 すべての糖質コルチコイド 3日
但し、トリアムシノロンアセトニド 30日
筋肉内 ベタメタゾン
デキサメタゾン
メチルプレドニゾロン
5日
プレドニゾロン
プレドニゾン
10日
トリアムシノロンアセトニド 60日
局所
(関節周囲,関節内,腱周囲,腱内)
すべての糖質コルチコイド 3日
但し、トリアムシノロンアセトニド
プレドニゾロン
プレドニゾン
10日

2022年禁止表国際基準「主要な変更の要約と注釈」より引用

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